集客チャンスを絶対に逃さないインバウンド対応

観光局による「訪日外客統計の集計・発表」によると、2016年の訪日外国人観光客数は2,403万9千人と過去最多を記録しました。この数値は、政府が2014年に掲げた、「東京大会が開かれる2020年までに外国人観光客を2,000万人に増やす」という目標を大幅に上回っており、今後も政府や地方自治体、企業による訪日旅行のプロモーションが展開される中、訪日外国人観光客の増加はさらに加速していくことが期待されています。

また、2013年には、「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本食を目当てに訪日する外国人観光客の割合も増加傾向にあります。

このように、国外から日本に訪れる旅行(訪日外国人旅行またはその旅行客)をインバウンド(inbound)と呼びます。一方、日本から国外に出る海外旅行はアウトバウンド(outbound)といいます。

今後も増え続けるであろうインバウンドは、飲食店、小売店にとって売り上げを上げる大きなチャンスといえます。集客効果を最大限に発揮するためには、訪日外国人客をスムーズに受け入れるための体制を整える必要がありますが、集客そのものも工夫しなければ、大切なビジネスチャンスを逃してしまうかもしれません。

今回は、集客チャンスを逃さないために経営者が取り組むべきインバウンド対応についてご紹介します。

宿泊施設の近隣は集客に有利

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周辺にホテルやゲストハウスがある場合、滞在客を呼び込める大きな集客チャンスとなります。不慣れな土地で食事や買い物に遠出することは、特に日本に初めて訪れる観光客にとってはあまり気が進まないものです。滞在先から徒歩で気軽に立ち寄れるロケーションを生かして、外国人観光客を特に意識した受け入れ体制の準備が必要です。

ホテルなどの滞在客によくある例が、滞在先の従業員に周辺観光のおすすめを聞くことです。あらかじめ外国人観光客の利用が多いホテルなどを調べておき、受付にお店のチラシを置いてもらったり、おすすめを尋ねられた場合は宣伝してもらえるように依頼したりしておきましょう。近隣施設と良好な関係を築くことも営業活動の一環です。

外国人観光客が利用する情報源を狙う

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国内向けの集客がうまくいっていても、必ずしも同じ手段でインバウンド向けに成功するとはいえません。日本国内で普及しているグルメ情報サイトや飲食店を取り上げたテレビ番組は、外国ではほとんど認知されていないと思ったほうがいいかもしれません。

観光庁が実施した「訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析(平成28年10-12月期報告)」によると、訪日観光客が出発前に得た旅行情報源で役立ったと回答したものは、「個人のブログ」(29.4%)、「旅行ガイドブック」(17.7%)、「自国の親族・知人」(17.5%)、「旅行会社ホームページ」(16.8%)とあります。

個人ブログや親戚・知人とは、いわゆる「口コミ」を指します。以前に来店してくれたお客様にお店の感想や写真などをブログに載せてもらえるよう促すことが重要です。インターネットやソーシャルメディアを積極的に利用してもらえるよう、店舗に無料Wi-Fiを設置することも検討してみましょう。

外国人観光客にとってインターネットが重要な情報源であるということは、広告費用に余裕が無い店舗にとっても集客効果に期待が持てるということです。旅行ガイドブックなどの掲載費用の確保が難しい場合でも、低価格で独自のウェブサイトを準備して世界中からのアクセスを集めることだって不可能ではありません。

ソーシャルメディアのアカウント開設も無料の場合が多いですし、やらないよりはやったほうが確実に人目に触れる可能性が高くなります。また、口コミにも、共有するURLやソーシャルメディアのアカウントがあると効率的です。

全てを多言語化することが困難でも、店内の様子や商品の一例など、提供している商品やサービスが視覚的に伝わる写真や動画などを盛り込めると、見る人にとってもイメージしやすくなります。

メニューの多言語対応は基本

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飲食店の場合、メニューを多言語化しましょう。来年に東京大会を控えた今日、日本に訪れる外国人観光客は英語話者や中国語話者に限らなくなりました。各国で起きている海外旅行のトレンドやインバウンドの動向を敏感に察知し、柔軟な多言語対応を実現しましょう。

メニューの翻訳や書き換えにはコストがかかりますが、お客様にとってメニューの内容を母国語で理解できるか否かで満足度が大きく異なります。料理名にピンと来なくても、料理の説明があると、たとえば、自国の日本食レストランでのお気に入りのメニューを連想するということもあるかもしれません。口に入れるものですから、安心して美味しく食べてもらうためにも、料理の説明は怠らないようにしましょう。

店内の表示も内装の妨げにならない程度に多言語化することが好ましいです。たとえば、陳列商品が多い小売店であれば、商品のカテゴリーが分かるような案内を棚ごとに置いたり、会計場所がひと目で分かるように看板を立てたりします。

しかし、注意しなければならないのは、正しい翻訳を心がけなければ少しの間違いで大きな勘違いをもたらす可能性があるということです。言語が得意な知人など周囲の力を借りて、第三者のチェックを必ず入れて、翻訳に問題が無いかを確認しましょう。

お客様との距離を縮める

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お客様との直接のコミュニケーションは最重要項目の一つです。ただ料理を提供したり、商品の会計をしたりするのではなく、料理に興味を持ったお客様に食材の説明をしたり、トイレを探しているお客様を直接案内したり、周辺観光のおすすめを聞かれた時に簡単に説明したりと、ちょっとした気遣いやおもてなしは、国内のお客様と同様に外国人観光客にも満足感を感じてもらえるきっかけになります。

従業員がお客様の言語に合わせて最低限のコミュニケーションが取れるような体制を整えておけば、スムーズな接客が実現するだけでなく、お店に対する好感度アップにもつながり、観光客にとって印象深い思い出となるのではないでしょうか。

旅行中の思い出や印象深い出来事が、お客様のブログやソーシャルメディアを通して拡散されれば、次の集客にもお店のアピールにもつながります。

基本的な挨拶や文章がいえるように、従業員間で共有できるようなマニュアルを準備してみてもいいかもしれません。

多文化を受け入れる

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訪日観光客を受け入れるにあたり忘れてはいけないのは、必ずしも日本人にとって当然であることが他文化ではそうではない場合があるということです。日本に訪れる外国人観光客がさまざまに異なる文化や習慣を背景に持つことを理解し、宗教上食べられない食材の配慮など多文化に対応できる体制を整えておきましょう。

文化の違いを一概に定義することは難しいですが、相手に不快な思いをさせないことを念頭に置いた接客を心がけましょう。

アピールポイントは明確に

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インバウンド対応は、あくまでも外国人観光客をスムーズに受け入れるための体制整備であり、お店のコンセプトなど経営方針の根本を変えることではありません。

国内外問わず、多くのお客様に愛され続けるお店にするために考え抜いた自慢のサービスや人気メニューなどは、自信を持ってアピールしましょう。どのような商品やサービスを提供していて何が特徵なのかを認識してもらわなければ、お客様の印象に残りません。

「また来店したい」「誰かに教えたい」と思ってもらえるように、店名や提供サービスの特徵を明確にして宣伝しましょう。

カード決済の準備を

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日本に比べてクレジットカード利用が浸透している外国では、大きな買い物や飲食に限らず、タクシーの支払いやちょっとした買い物にもカードを使うことが習慣となっています。

このような国から訪日する外国人観光客は、どこでもカードが使える想定でいることがしばしばあります。慣れない日本円を扱うより、釣り銭が出ないカード支払いを好む観光客も多い傾向にあります。カードを持っていれば、両替の手間も省けます。

このようなお客様からの売り上げチャンスを逃さないためにも、カード決済の導入をぜひ検討してみてください。Squareは、お使いのスマートデバイスと専用のIC カードリーダー(Square Reader)をBluetooth接続するだけで簡単にクレジットカードと電子マネーでの決済に対応することができるサービスを提供しています。初期費用に必要なのはSquare Readerの購入にかかる7,980円(税込)のみ。月額利用料や追加費用など、カードや電子マネーでの決済にかかる手数料以外の費用は発生しません。オンラインで申し込み後、審査に通過すれば、最短で即日から利用できるようになります。Squareの料金体系について詳しくはこちら


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執筆は2017年3月16日時点の情報を参照しています。2019年3月27日、2020年7月1日、2020年8月4日に記事の一部情報を更新しました。
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