Suica決済の基礎知識。手数料やメリット、導入方法を解説

いまや当たり前のように駅の改札口でかざす交通系ICカード。前もって現金をチャージしておけば乗車券として使えるのはもちろんのこと、最近ではコンビニやレストラン、カフェなどでも使えることから、お財布代わりに利用する人も増えています。

数多くある電子マネーのうち、JR東日本が発行するSuicaは認知率や利用率が高いこともあり、「Suicaで払えますか?」と聞かれることもあるかもしれません。一方で、「導入はしたいけど、どのサービスを利用すればいいかわからない」「手数料が高そう……」といった懸念もあるでしょう。

この記事ではSuicaに焦点を当てて、導入のメリットや導入方法、手数料などについて触れながら、導入にまつわる疑問点を解消していきます。

📝この記事のポイント

  • Suicaは発行枚数1億枚超・モバイルSuica2,000万枚超と普及率が高い
  • Suicaは首都圏や地方主要都市で利用でき、Apple PayやGoogle Pay対応により利便性が拡大
  • JR東日本は今後10年間でSuicaの大幅進化を予定している
  • 現金決済は平均26秒に対し、Suicaを含む交通系ICは13.5秒と約半分で、会計時間短縮に効果的
  • Squareなら低コストかつ短期間でSuicaに対応可能

目次



交通系のなかでも、利用エリアが広いSuica

交通系ICと一口にいっても、種類はJR東日本のSuica、JR西日本のICOCAなど、全国で相互利用できるものが全部で10種類、特定の地域のみで使えるものが40種類近く存在します1

全国相互利用が可能な交通系ICカード

カード名 発行事業者 主な利用エリア
Suica JR東日本 首都圏、新潟、仙台、北海道 など
PASMO 関東私鉄・バス事業者 首都圏
Kitaca JR北海道 北海道
TOICA JR東海 東海地方
manaca 名古屋市交通局、名鉄 など 名古屋周辺
ICOCA JR西日本 近畿・中国地方
PiTaPa 関西私鉄 近畿地方
SUGOCA JR九州 九州北部
nimoca 西鉄 など 九州北部・福岡
はやかけん 福岡市交通局 福岡市地下鉄

なかでも普及率が高いのは、発行枚数が1億枚3(2024年3月時点)を超えているJR東日本の「Suica」です。スマートフォンにアプリをインストールして利用する「モバイルSuica」も発行枚数は2,000万枚(2023年3月時点)4を超えており、交通系ICとして多くの人に利用されていることがわかります。

首都圏エリアではもちろんのこと、仙台、新潟、北海道、東海、西日本、北九州、沖縄の鉄道やバスでの利用が可能2。券売機にわざわざ行かなくてもスマートフォンからいつでもチャージできる「モバイルSuica」の誕生に続いて、Apple PayやGoogle PayでもSuicaが利用できるようになり、利便性は高まる一方です。

さらに、JR東日本は2024年12月に、今後10年間でSuicaの機能を順次グレードアップしていくことを発表。

利用エリアについては「Suicaは利用エリアのみで利用可能という当たり前を超えます。2027年春頃には、首都圏(長野含む)、仙台、新潟、盛岡、青森、秋田のSuicaエリアを統合し、たとえば、Suicaで常磐線を上野から仙台までご利用いただくことが可能となります」、決済金額の上限については「Suicaが便利なのは少額決済だけという当たり前を超えます。2026年秋頃には、モバイルSuicaアプリを大幅にリニューアルし、Suicaならではの簡単&便利なタッチ決済に加え、Suicaの上限額(2万円)を超えるお買い物にもご利用いただけるコード決済機能、例えば家族、お友達同士でバリューを送ったりする電子マネーを送る&受け取る機能、お得にお買いものいただけるクーポン機能、地域限定のバリューの発行など、様々な機能が追加される予定です」と説明しています5

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お店がSuica決済を導入するメリット

会計時間が早まり、混雑解消

ある調査6では現金決済にかかる時間は26秒という結果が出ています。一方、Suicaを含む交通系ICカードは13.5秒。現金の半分以下です。

各種方式のレジ業務所要時間の比較(2021年12月調査)6

現金決済 ██████████████████████ 26.1秒 (基準)
クレジットカード ████████████████ 21.2秒 (▲18%)
国際ブランド非接触型 ████████████ 18.3秒 (▲30%)
店舗系電子マネー █████████ 14.7秒 (▲44%)
後払い式電子マネー ████████ 13.7秒 (▲47%)
交通系電子マネー ████████ 13.5秒 (▲48%)
コード決済 ██████████ 16.2秒 (▲38%)

お客さまが財布から小銭を取り出すのを待ったり、お客さまにお釣りを返したりしているうちに、レジに長い行列が……という場面には身に覚えがあるかもしれません。Suicaに対応すると会計時間がぐっと縮まり、お客さまを長いことお待たせすることなく決済ができるでしょう。

幅広い客層を狙える

キャッシュレスを好む層に向けて、クレジットカード決済の導入は効果的だといえます。しかし、クレジットカードには審査があり、年齢などの理由で所有できない場合もあります。クレジットカード決済の導入に合わせて、券売機や窓口から手に入れられるSuicaに対応しておくと、クレジットカードを持たない層も囲いこむことができるでしょう。

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Suica決済を導入する方法

Suicaを導入する方法は大きく三つに分かれます。選ぶ際には以下のうち、どれを希望するかを明確にしておくと適切なサービスが見つけやすくなるでしょう。

(1) Suica決済のみ(※)
(2) Suica決済+その他電子マネー決済
(3) Suica決済+その他電子マネー決済+クレジットカード決済

※「交通系ICカードの全国相互利用サービス」に伴い、Suica決済に対応すると、Kitaca、PASMO、manaca、TOICA、ICOCA、はやかけん、nimoca、SUGOCA(PiTaPaは除く)での電子マネー決済も受け付けられるようになります。

(1)の場合:JR東日本が提携している代理店に申し込む

Suicaのみを受け付けたい場合は、JR東日本が提携している代理店と直接契約を結び、加盟店になるという方法があります。なかには「Suicaの導入をお考えの飲食店のみ受け付けます」「Suicaの導入をお考えの飲食店や社員食堂などのみお受けいたします」など、条件を提示している代理店もあるので、事業に合う代理店をSuica電子マネー決済導入に関するお問い合わせ先(JR東日本)から探しましょう。

(2)の場合:マルチ電子マネー決済端末を導入する

電子マネーにはSuicaのほかにもQUICPayやiD、nanacoやWAONなど、さまざまな種類が存在します。人によって普段使う電子マネーも異なるため、必ずしもお客さまがSuicaなどの交通系ICを希望するとは限りません。あらゆる電子マネーに柔軟に対応したい場合は、一つの端末で複数の電子マネーに対応できるマルチ電子マネー決済端末がおすすめです。

(3)の場合:モバイル決済端末を導入する

低コストで導入できることで小規模事業者から近年注目を浴びているのが、モバイル決済端末です。電子マネーでの決済に加えて、クレジットカード決済、QRコード決済、サービスによってはタッチ決済にも1台で対応できる点が特徴です。すべてに対応したモバイル決済端末といえばSquareなどが例に挙げられるでしょう。

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端末さえ手に入れれば、あとは手持ちのスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末とBluetooth接続するだけで、決済が受け付けられるようになります。

Squareなら今すぐキャッシュレス決済導入できる

カード決済、タッチ決済、電子マネー決済、QRコード決済が簡単に始められます

Suica決済の手数料

電子マネー決済を検討するうえで、まず知っておきたい情報といえば決済にかかる手数料でしょう。

従来では、業種の規模や業態などにより決済手数料は異なるものでした。たとえば、コンビニなど決済頻度が高い業種であれば1%から2%程度で決済を受け付けられるものの、決済頻度が少ない小規模な店舗では、4%から7%ほどの手数料がかかるとされていました。

しかしながら、近年では業種を問わず、決済手数料を一律にするキャッシュレス決済サービスが増えています。Suicaを含む電子マネー決済も同じように、3%から4%ほどが手数料の相場とされています。たとえばSquareなら交通系ICにかかる決済手数料は3.25%です。

Suica決済は、低コストなマルチプレーヤーのSquareで

Suica決済はもちろん、そのほかのキャッシュレス決済にもまるっと対応できたらうれしいと考える人におすすめなのは、Squareです。

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Squareであれば、

  • Suica決済を含む電子マネー決済
  • タッチ決済を含むクレジットカード決済
  • QRコード決済

のすべてに対応が可能です。そのほかにも「運営コストをおさえたい」「入金サイクルが心配」「すぐにでも導入したい」と思う人にはうれしいメリットがいくつかあります。

※Squareが扱う電子マネーは、Suica、PASMO、Kitaca、TOICA、manaca、ICOCA、SUGOCA、nimoca、はやかけんを含む交通系IC、QUICPayとiDです。QRコード決済はPayPay、d払い、楽天ペイ、au PAY、メルペイ、WeChat Pay、Alipay+です。

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決済手数料は3%台

Suicaを含む交通系ICの決済手数料は、3.25%。

Visa、Mastercard、American Express、JCB、UnionPay(銀聯)、Diners Club、Discover、PayPay、d払い、楽天ペイ、au PAY、メルペイ、WeChat Pay、Alipay+、QUICPay、iDも3.25%の手数料で決済を受け付けることができます。

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※年間キャッシュレス決済額が3,000万円未満の新規かつ中小企業の加盟店の場合、VisaとMastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discoveの決済手数料を2.5%でご利用いただけます。年間キャッシュレス決済額が3,000万円を超える場合、すべての決済手段においてカスタム決済手数料をご利用いただける可能性がありますので、営業チームまでお問い合わせください。

1週間弱で導入が可能

Suica決済を実店舗で取り扱うための第一ステップは、審査への申し込みです。通常、審査には1週間から1カ月ほどかかるものの、Squareであれば審査にかかるのは最短で4営業日。申し込みから1週間弱でSuica対応店舗に生まれ変わることができます。

電子マネーの申し込み手順は、こちらからご確認ください。

初期費用は端末台のみ。月額費用はなし

導入に必要なのは端末代金と決済ごとにかかる手数料のみ。端末は予算やビジネスの規模にあわせて、以下の5種類から選ぶことができます。

(1) Square リーダー
(2) Square ターミナル
(3) Square ハンディ
(4) Square レジスター
(3) Square スタンド

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月額利用料金はゼロ。維持費がかさむ心配をすることなく、Suicaでの電子マネー決済を受け付けることができます。

売上額は最短翌営業日入金

キャッシュレス決済の入金サイクルは月1回程度のサービスが多く、資金繰りを心配してなかなか踏み込めずにいる事業主も少なくないかもしれません。Squareであれば、Suicaを含むキャッシュレス決済で受け付けた売上代金が最短翌営業日に振り込まれます(※)。振込申請など、特別な手続きを行う必要はありません。

※三井住友銀行・みずほ銀行をご登録の場合:0:00 から23:59 までの決済分が、決済日の翌営業日に振り込まれます。三井住友銀行とみずほ銀行以外の金融機関口座をご登録の場合:毎週水曜日で締め、同じ週の金曜日に合算で振り込まれます

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この記事では、Suicaの需要に対応できるよう、Suica決済を実店舗に導入する手段を見ていきました。なかにはSuica単体で導入できるサービスもあれば、たった1台でクレジットカード決済からSuicaを含む電子マネー決済、QRコード決済に対応できるサービスもあることがわかりました。意外なことに、後者のほうが単体で導入するよりも、コストが抑えられることも明らかになりました。

キャッシュレス決済を好む層をしっかりと囲うためにも、Suica決済を検討している場合は、思い切って実店舗をキャッシュレス対応にしてみるのも良案かもしれません。

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執筆は2020年8月31日時点の情報を参照しています。2025年11月7日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。