※本記事の内容は一般的な情報提供のみを目的にして作成されています。法務、税務、会計等に関する専門的な助言が必要な場合には、必ず適切な専門家にご相談ください。
個人事業主やフリーランスとして事業を始める際に必要な手続きの一つが「開業届」の提出です。近年は税務手続きのデジタル化が進み、開業届もオンライン(e-Tax)で提出できます。
本記事では、開業届をオンラインで申請するメリットや具体的な手順、スマートフォンでの提出方法、控えの扱い、オンライン以外の提出方法までを解説します。開業後の会計・決済管理に役立つSquareの活用方法も紹介します。
📝この記事のポイント
- 開業届は、開業した年分の所得税の確定申告期限までに提出する手続き
- e-Taxを使えばオンラインで開業届を提出できるため、郵送や税務署へ行く手間を削減できる
- 開業届を紙で提出した際の控えへの収受日付印は廃止されている
- e-Taxで提出すれば、受信通知や電子申請等証明書を提出事実の確認に利用できる
- POSレジとキャッシュレス決済を導入できるSquareなら、会計ソフトとの連携も簡単で開業直後の業務を効率化できる
目次
- 開業届はオンライン申請(e-Tax)がおすすめ
・開業届の提出期限と遅れた場合
・開業届を出すメリット - 開業届をe-Taxで申請するメリット
・どこからでも提出できる
・交通費・切手代がかからない
・書類の印刷が不要
・受信通知などが証明書類になる - 開業届のオンライン申請方法(パソコン編)
・1. e-Taxの利用者識別番号を取得
・2. 電子署名の準備
・3. e-Taxソフトのインストール
・4. 開業届の入力・送信 - 開業届のオンライン提出方法(スマホ編)
・freeeでの手続き
・マネーフォワードでの手続き - 開業届の控えはオンラインで取得できる?
- オンライン以外で開業届を申請する方法
・税務署に提出する
・税務署に郵送する - 開業後の会計・決済管理にはSquareが便利
・freee・マネーフォワードと連携できる - まとめ
- よくある質問
・開業届のオンライン申請にICカードリーダーは必要ですか?
・マイナンバーカードなしで開業届のオンライン申請はできますか?
・開業届以外にe-Taxで申請できるものはありますか?
・e-Taxのスマホ版から開業届を提出できますか?
開業届はオンライン申請(e-Tax)がおすすめ

開業届は、個人が新たに事業を開始したときなどに提出する「個人事業の開業・廃業等届出書」のことです。国税庁では、個人で事業を始めた場合、開業した年分の所得税の確定申告期限までに「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出するよう案内しています1。
開業届は税務署への持参や郵送でも提出できますが、これから開業する人にはオンライン申請(e-Tax)の利用がおすすめです。e-Taxを使えば、税務署へ足を運ぶ必要がなく、自宅やオフィスから開業届を提出できます。
ただし、e-Taxには利用できる時間があります。国税庁のサイトによると、メンテナンス時間を除き24時間利用できますが、通常期は曜日や祝日によって利用時間が異なります2。提出時期が近くなったら、利用可能時間カレンダーで、利用できる時間帯を調べておくと安心です。
また、e-Taxは開業届だけでなく、確定申告や各種税務手続きにも利用できます。開業時からオンライン手続きに慣れておくことで、今後の税務作業を効率化できます。
開業届の提出期限と遅れた場合

開業届は、以前は「事業の開始より1カ月以内」に提出することが求められていましたが、2026年に所得税法等の一部を改正する法律が施行されたことで、提出期限が「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで」に変更になりました。
居住者又は非居住者は、国内において新たに不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始し、又は当該事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを設け、若しくはこれらを移転し、若しくは廃止した場合には、財務省令で定めるところにより、その旨その他必要な事項を記載した届出書を、その事実があつた日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までに、税務署長に提出しなければならない。
– 所得税法第229条3
また、e-Taxの案内でも、令和8年(2026年)1月1日以後に開業した場合は、その事実が生じた年の確定申告書の提出期限までとされています4。
提出期限を過ぎた場合でも、直ちに罰則が科されるわけではないと思われますが、期限に間に合わなかったときは、放置せずにできるだけ早く提出するのが安心です。なお、確定申告で青色申告を希望する場合は、開業届とは別に青色申告承認申請書の提出が必要で、提出期限も定められています1。
開業届を出すメリット

開業届そのものは、店舗営業やフリーランス活動を始めるための許可証ではありません。提出しないと事業を始められないという性質のものではありませんが、税務上は提出が求められる書類です。
開業届を提出しておくと、事業を開始した事実を示しやすくなります。たとえば、金融機関での手続きや補助金・助成金の申請で、提出事実を確認されることがあります。取引先への説明が必要な場合にも備えやすくなります。
また、確定申告で青色申告を利用したい場合、開業届とあわせて青色申告承認申請書の提出時期も確認しておくことが大切です。青色申告には期限があるため、開業届の提出だけでなく、開業時に必要な税務手続きをまとめて確認しましょう。
開業届をe-Taxで申請するメリット

開業届は税務署への持参や郵送でも提出できますが、これから開業する人にはオンライン申請(e-Tax)の利用がおすすめです。e-Taxを使えば、自宅やオフィスからいつでも開業届を提出ができ、移動時間や待ち時間をかけずに手続きを完了できます。また、e-Taxは開業届だけでなく、確定申告や各種税務手続きにも利用可能です。
どこからでも提出できる
オンライン環境と必要な端末があれば、税務署へ行かずに開業届の手続きができます。ビジネスを始めるときは書類の手続きが多く忙しいため、オンライン提出で業務を効率化できます。
交通費・切手代がかからない
税務署の窓口での提出なら交通費が、郵送なら切手代や封筒代がかかります。しかしオンラインなら通信費だけで済むため、特別なコストは不要です。
書類の印刷が不要
対面や郵送だと開業届や添付書類を紙に印刷して記入する必要があります。しかしオンラインの場合は、画面上の操作で開業届の手続きが完了します。提出後の証明書類もデジタルで保存すれば、紙で保管する手間を減らせます。
受信通知などが証明書類になる
2025年1月以降、申告書等の控えに収受日付印を押す運用が廃止されました5。オンラインで提出した場合は、e-Taxの「受信通知」や「電子申請等証明書」が、開業届を提出した事実の確認に利用できます。
受信通知には受付日時が記載され、e-Taxのメッセージボックスから確認できます。また、必要に応じて電子申請等証明書を請求すれば、金融機関や行政手続きで提出事実を示す資料として使える場合があります6。
開業届のオンライン申請方法(パソコン編)

パソコンからオンライン手続きを行う手順は、次の通りです。
- e-Taxの利用者識別番号を取得
- 電子署名の準備
- e-Taxソフトをパソコンにインストール
- 開業届を入力して送信
1. e-Taxの利用者識別番号を取得
e-Taxを初めて利用する際は、まず「開始届出書7」というユーザー登録のような手続きを行い、16桁の利用者識別番号を取得します。
マイナンバーカードを持っている場合は、「マイナンバーカード方式8」が利用できます。マイナンバーカードを読み取り、カード発行時に設定した4桁の暗証番号を入力することで、e-Taxにログインできる方法です。ログイン後、利用者情報を入力すると登録が完了します。その他の方式について詳しくはe-Taxのご利用の流れをご確認ください。
2. 電子署名の準備
利用者識別番号の取得手続きが済んだら、次は電子署名の準備です。マイナンバーカードを利用して電子証明書を取得することで、開業届のオンライン手続きに必要な電子署名を使えます。
パソコンでマイナンバーカードを読み取るには、ICカードリーダー、またはマイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンが必要です。スマートフォンを使う場合は、マイナポータルアプリに対応した機種・動作環境をマイナポータルのウェブサイトで確認しましょう。
3. e-Taxソフトのインストール
続いて、e-Taxソフトをダウンロードしてパソコンにインストールします。税目プログラムのうち、「所得税」が開業届の手続きに必要な項目です。
4. 開業届の入力・送信
ここまでできたらe-Taxソフトを開き、申請・申告等一覧にある「個人事業の開業・廃業等届出書」に進みます。必要事項を入力し、内容を確認して送信したら手続き完了です。
開業届のオンライン提出方法(スマホ編)

開業届のオンライン提出をスマートフォンで行う場合は、クラウド会計ソフトのfreeeやマネーフォワードなどの機能を利用して手続きします。手元に用意するものは、マイナンバーカードと、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンです。
freeeでの手続き
freeeを利用したスマートフォンでの開業届提出の手順は、次の通りです9。
- 「freee開業」にアカウント登録する
- 開業届に必要な内容を入力する
- 開業届の提出方法で「スマホで電子申請」を選択する
- マイナポータルとe-Taxを連携する
- 「freee電子申告・申請アプリ」をインストールする
- 作成した開業届をアプリから提出する
必要なアプリは基本的に、「freee電子申告・申請アプリ」と「マイナポータルアプリ」です。
マネーフォワードでの手続き
マネーフォワードの場合は、スマートフォンでの開業届提出の手順は次の通りです10。
- 「マネーフォワード クラウド開業届」にアカウント登録する
- 開業届に必要な内容を入力する
- 書類の提出画面で「スマホで電子申告」を選択する
- マイナポータルとe-Taxを連携する
- 「マネーフォワード クラウド確定申告アプリ」をダウンロードする
- 作成した開業届をアプリから提出する
- 受付結果を確認する
必要なアプリは、「マネーフォワード クラウド確定申告アプリ」と「マイナポータルアプリ」です。
開業届の控えはオンラインで取得できる?
e-Taxで開業届をオンライン提出した場合、紙の控えは発行されません。しかし、「受信通知」や「電子申請等証明書」を控えに代わる資料として利用できます。受信通知には、開業届が受け付けられた日時が記録されており、e-Taxのメッセージボックスから確認・保存できます。
金融機関への提出や行政手続きなどで証明書類が必要な場合は、電子申請等証明書を請求することで、開業届を提出した事実を示せます。提出先によって必要書類が異なるため、事前に確認しておくと安心です。
オンライン以外で開業届を申請する方法

開業届はオンライン(e-Tax)以外にも、税務署の窓口への持参や郵送によって提出できます。インターネット環境やマイナンバーカードの準備が難しい場合は、これらの方法を選択できます。
税務署に提出する
税務署の窓口に開業届を提出する方法では、現地まで足を運ぶ手間がある一方で、対面で記入内容を確認できることが利点です。
国税庁のウェブサイトによると、税務署の開庁時間は8時30分から17時までです。税務署の閉庁日(土日・祝日など)は受付を行っていませんが、送付または税務署の時間外収受箱に投函することにより提出できます11。
以前は提出用と控え用の2通を持参すると、控えには収受日付印が押されました。しかし、2025年1月以降は控えへの収受日付印が廃止されています。そのため、持参するのは提出用の1通のみです。
税務署に郵送する
開業届を印刷・記入したら、郵便で送って提出する方法もあります。注意点は、マイナンバーカードや本人確認書類の写しを同封する必要があることです。
郵送の場合、修正点などがあった場合のやりとりに時間がかかる可能性があります。送付前に電話で問い合わせるなどして、疑問点を解消してから提出するとよいでしょう。
郵送も同様に、2025年1月以降は控えに収受日付印が押されることはありません。提出用の1通のみを送付します。
開業後の会計・決済管理にはSquareが便利

個人事業主でも法人でも、店舗・ビジネスの運営には開業届をはじめとする事務作業や手続きが付き物です。日々の営業を円滑に進めていくためには、作業を効率化し、データを統合的に管理する「仕組み」の導入が欠かせません。
先述のfreeeやマネーフォワードのように、開業届などの書類作成・手続きの機能も併せ持つ会計ソフトを使うなら、それらの会計ソフトと連携して利用できる決済サービスの「Square」も業務効率化の向上に寄与します。
freee・マネーフォワードと連携できる
個人事業主でも法人でも、店舗・ビジネスの運営には開業届をはじめとする煩雑な事務作業や手続きが付き物です。そんな中で日々の営業を円滑に進めていくためには、一つひとつの作業を効率化し、データを統合的に管理する「仕組み」の導入が欠かせません。
先述のfreeeやマネーフォワードのように、開業届などの書類作成・手続きの機能も併せ持つ会計ソフトを使うなら、それらの会計ソフトと連携して利用できる決済サービスの「Square」も業務効率化の向上に寄与します。
Squareでは店頭やネットショップでのキャッシュレス決済の機能だけでなく、POSレジ、請求書・見積書の作成、在庫管理などさまざまな機能を一元的に利用できます。
Squareを導入してfreeeやマネーフォワードと連携させておけば、Squareにインプットされた決済情報が自動でfreeeやマネーフォワードにも蓄積され、売り上げデータを会計ソフトに入力する手間が不要です。決済金額と会計ソフトに入力した数字が一致しないといった人的エラーも発生せず、スマートなビジネス運営が可能になります。
作業とコストの両方の効率化を追求する個人事業主やネットショップなどにとって、Squareは初期費用や月額利用料が無料で使える点も魅力です。実店舗・オンラインビジネスなどの形態を問わず、小売、飲食、美容、医療など幅広い業界でSquareは利用されています。
詳しくは以下の記事をご確認ください。
SquareのPOSレジは高機能なのに初期費用0円
Square POSレジは業務効率化を実現する、高機能な無料アプリです。売上分析、在庫管理、スタッフ管理など、必要な機能が1つのアプリにまとまっています。業務をなるべくシンプルにしたい、小規模なアパレル店、美容院、理容室、サービス業に適しています。
まとめ

開業届は、個人で事業を始めたときに必要な税務手続きの一つです。最新の国税庁案内では、個人事業の開業届出・廃業届出等手続の提出時期は、事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までとされています。提出方法はいくつかありますが、時間や手間、提出後の管理まで考えると、オンライン申請(e-Tax)が効率的です。
e-Taxを利用すれば、税務署へ足を運ぶことなく、パソコンから開業届を提出できます。スマートフォンで提出したい場合は、freeeやマネーフォワードなどのサービスを利用する方法があります。提出後は「受信通知」や「電子申請等証明書」を控えに代わる資料として利用できます。
これからビジネスを始めるなら、オンラインで開業届の手続きを進めると同時に、クラウド会計ソフトや決済サービスSquareなど、開業後の業務効率化につながる仕組みも検討してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
開業届のオンライン申請にICカードリーダーは必要ですか?
パソコンから提出する場合、マイナンバーカードの読み取りにICカードリーダーまたは対応スマートフォンが必要です。対応スマートフォンがない場合は、ICカードリーダーを用意します。
マイナンバーカードなしで開業届のオンライン申請はできますか?
原則として、オンライン申請にはマイナンバーカードが必要です。紙の通知カードにはICチップがないため、オンライン申請には利用できません。マイナンバーカードがない場合は、持参や郵送で提出できます。
開業届以外にe-Taxで申請できるものはありますか?
e-Taxでは開業届だけでなく、所得税、法人税、消費税などに関わる申告・申請・届出の電子手続きができます。個人事業主や経営者であれば、税務業務の効率化のために利用を検討するとよいでしょう。
e-Taxのスマホ版から開業届を提出できますか?
e-Taxソフト(WEB版)のスマートフォン対応手続きは一部に限られ、開業届の提出には対応していません12。スマートフォンで提出したい場合は、freeeやマネーフォワードなどの対応サービスを利用する方法があります。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2024年7月2日時点の情報を参照しています。2026年7月27日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
1:個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき(国税庁)
2:e-Taxの利用できる時間(e-Tax)
3:所得税法第229条(e-Gov法令検索)
4:オンライン手続の利用率向上に向けた国税庁の取組について(e-Tax)
5:令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて(国税庁)
6:電子申請等証明書の概要はどのようになっていますか。(e-Tax)
7:作成・送信する開始(変更等)届出書の選択(e-Tax)
8:マイナンバーカード方式について(e-Tax)
9:開業届をスマートフォンで電子申請する(freee)
10:「開業届の電子申告」画面の使い方(マネーフォワード)
11:個人事業の開業届出・廃業届出等手続(国税庁)
12:e-Taxソフト(WEB版)で作成できる手続【スマートフォン】(e-Tax)

