従業員の育成に効果的!?メンター制度とは

事業は成長してきたものの、従業員の育成が追いつかないという課題を抱える経営者もいるのではないでしょうか。

今回は、従業員の育成に効果的な方法の一つ、メンター制度について紹介します。

メンター制度とは

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会社におけるメンター制度とは、一般的に直属の上司(人事評価者)とは別の先輩従業員(メンター)が後輩従業員(メンティ)を個別にサポートする制度を指します。メンターには知識や経験が豊富な従業員が選ばれることが多いようです。

特に新人にとって、メンターの存在は大きいものです。慣れない環境やたくさん覚えなければならない仕事など、新人は期待と同時に不安も抱えているでしょう。そのような時に身近に相談できる先輩がいることは心強いのではないでしょうか。

メンターの語源は、ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」の登場人物メントル(メントール)だと言われています。メントルはオデュッセイア王の息子の教育を任され、立派に育て上げたそうです。

参考:メンター(Mentor)とは?(日本メンター協会)

役割

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メンターが果たす役割にはどのようなものがあるのでしょうか。そもそもメンターがメンティをサポートすることを表すメンタリングは、対話や助言によって本人が自発的に行動することを促すことを意味します。どのような場面でも、メンティがメンターに依存しすぎないようにすることが大切です。分からないことがあった時や困難に直面した時、すぐに解決方法を提示するのではなくメンティが自分で考えるようサポートしましょう。メンターの役割は、メンティが独り立ちできるためのサポートであることを意識する必要があります。

仕事面でのサポート

メンターはメンティが問題なく業務を遂行できるようサポートします。このサポートには、知識だけでなく、課題解決に必要なアドバイスなども含まれます。また、社内の先輩としてキャリアプランの相談を受けることもあるでしょう。メンティにとって、直属の上司(人事評価者)にはなかなか言い出せなくてもメンターには本音で相談できることもあります。メンターは、それまでの経験をもとに自分なりのアドバイスをメンティに伝えます。

メンタル面でのサポート

メンターのサポート内容は業務に留まらず、社内の人間関係やハラスメントの悩み相談に及ぶこともあります。自分なりのアドバイスをしたり、相談に適した部署や機関を紹介したりします。

ロールモデル

メンターはメンティのロールモデルとしての役割を担うこともあります。ロールモデル(role model)とは、考え方や行動の手本となる存在のことを言います。たとえば、業務と業務に関連する資格の取得を両立しようと考えている人にとっては、同様の経験をしたメンターはロールモデルとなります。時間を確保するためのタイムマネジメントや、勉強の方法など学ぶことができるでしょう。また、ロールモデルとなる先輩が活躍している姿を見ることは、メンティにとって良い刺激になるのではないでしょうか。

アンケートでは、メンターから学ぶことがあったと回答した人は7割以上おり、基本的なビジネスマナーから仕事に対する姿勢、人間関係の悩みまで幅広い相談をしたと答えています。

参考:メンターに「学ぶことがあった」先輩は73%!もらいたいアドバイスとは?(リクナビNEXTジャーナル)

メンターにとってのメリット

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メンター制度はメンティだけでなく、サポートをする側であるメンターにとってもメリットがあります。

知識への理解

メンターはメンティに知識を伝えることで、その知識への理解を深めることができます。メンティが理解できるように伝えるために、それまで蓄積してきた知識を整理し、自分の言葉で説明することでより一層知識の定着を図ることができるでしょう。

リーダーシップ

メンターはメンティに対して、仕事のゴールを伝えたり、モチベーションを高めたりする役割を持っています。これらの役割は、リーダーシップに通じるものではないでしょうか。メンターを経験することでリーダーシップに必要な力を身に付けることができるとも考えられます。

リーダーシップとは何かの記事もぜひ参考にしてみてください。

気をつけること

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メンター制度を導入する際にはメンターとメンティだけの閉じたものにするのではなく、組織全体の制度がうまく機能するようにサポートすることが必要です。メンターは通常業務にメンターとしての業務が加わるので、負担が重くなりそうな時は上司は業務量をコントロールするなどの対応をしましょう。

また、メンターとメンティの関係には、正解は存在しません。褒められる方がモチベーションが上がるメンティもいれば、時に厳しく指導されるとやる気がでるメンティもいます。メンターが一人で問題を抱え込まないように定期的に上司が指導内容を確認する機会を設けたり、初めてメンターを経験する社員には研修を開催したりしましょう。

メンターとメンティの双方の成長に効果的なメンター制度。メンティにとっては入社してすぐの不安な時期にメンターの存在は支えとなり、早期退職を防ぐ方法の一つになるのではないでしょうか。また、メンターは後輩教育を任せられたことでモチベーションの向上とさらなる成長を期待できます。ぜひメンター制度の導入を検討してはいかがでしょうか。

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執筆は2017年11月13日時点の情報を参照しています。
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