革新的なアイデアで資金調達をしてみよう。クラウドファンディング・ビジネスコンテストについて

Square (スクエア), ブログ編集者

コーヒー愛好家として培ってきた知識を生かしたカフェを立ち上げたい。長年集めてきた鉄道グッズを鉄道ファンに楽しんでもらえるレストランを始めたい。音楽ファンが夜な夜な集うレコードバーを開きたい。店舗のコンセプトが決まっていくとどんどん夢に近づいていくように感じますが、それらを実現するための第一歩として待ち受けているのは資金調達です。

節約を試みても安価に収めることはなかなか難しい開業資金調達方法として、これまで「補助金・助成金」と「融資」を紹介してきました。この記事では、開業資金の一部として活用したいクラウドファンディングとビジネスコンテストの利用方法に迫ります。

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クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは「群衆(Crowd)」と「資金調達(Funding)」をつなぎあわせた造語で、実現させたいプロジェクトに対して、不特定多数の人からインターネット上で資金を募る資金調達方法です。利用するプロジェクトの系統はさまざまで、カフェや宿泊施設の開業資金を集めるプロジェクトもあれば、絵本の出版費用や映画の製作費用、なかには葦船(あしぶね)でのテスト航海ができるよう支援額を募るプロジェクトなどもラインアップに並びます。

クラウドファンディングは比較的新しいサービスで、1997年にイギリスのロックバンドが再結成ツアーを開催できるよう、インターネット上で寄付金を募ったことを皮切りに浸透したそうです。以来数々のクラウドファンディングサービスが登場しており、今では大きく以下の3種類に枝分かれしています。

  購入型 金融型 寄付型
特徴 金銭以外のものでリターン(※) 金銭でリターン。融資型、ファンド投資型、株式投資型とあり、いずれも利息、または配当金を支払うことで出資者はリターンを得られる仕組み 全額寄付に充て、リターンは一切なし。基本的には社会貢献をするための資金調達方法
目標金額の達成例 クラフトコーラ「伊良コーラ」は200万円の目標額に対して、264万円の資金調達に成功。10,000円の支援額を提供すると、伊良コーラのスペシャル調合ファーストバッチ(100ml)、ドリンクチケット1回分、特製ステッカー、感謝の手紙がもらえる(参考:祖父の魂を受け継いだ「クラフトコーラ」をあなたへ届けたい! 富山市のファミリーパークは、ニホンライチョウを救うために1,000万円を目標額に寄付金を募り、2,626万5千円の寄付金調達に成功(参考:残そうニホンライチョウ!絶滅の危機にあるライチョウを救いたい
活用できるサービス READYFOR?(レディーフォー)
CAMPFIRE(キャンプファイアー)
Makuake(マクアケ)
FAAVO(ファーボ)
CAMPFIRE Owners
セキュリテ
ジャパンギビング
Readyfor Charity

※リターン:支援者が支援額と引き換えにもらえるもの。「購入型」の場合は物品やサービスがリターンになる

なかでも今回は成長が目立つ「購入型」に着目します。

いざ「クラウドファンディングに挑戦してみよう!」と決めたはいいものの、利用するプラットフォームの選び方、プロジェクトの掲載から資金調達までの流れ、目標金額に達成しなかった場合は……などさまざまな疑問が浮かぶのではないでしょうか。

クラウドファンディングサイトを選ぶ際の基準としては、以下の三つのポイントを重要視するといいでしょう。

(1)手数料
基本的には10%から20%ほどが相場のようです。手数料はサイトに公開されていない場合もあるので、プロジェクトの相談をする際に聞いておきましょう。

(2)実施方式(All or nothing方式・All in方式)
多くのプロジェクトが掲載されている分、自分のプロジェクトが惜しくも目標金額に到達しなかったときのことも考えておかなければいけません。基本的に多くのサイトでは、目標金額に到達しなければ支援者に金額が返金される「All or nothing方式(達成後支援型)」を採用しています。つまり目標金額に達成すれば資金調達ができますが、達成しなければ一円も入ってこないという仕組みです。

一方で「All in方式(即時支援型)」を採用している場合、終了日までに目標額を達成できなくても、集まった金額(手数料を差し引いた額)は手元に入ります。プロジェクトによっては、達成率が100%を超え、想定額以上を調達できることもありますが、なかには達成率が半分に満たないまま終了してしまうプロジェクトもあります。このようなリスクを軽減するためにも「All in方式」を採用しているプラットフォームを検討視野に入れておくといいかもしれません。一方でAll in方式をあえて使用しないことを明言し達成への意気込みを伝える、という戦略もあるようです。

参考:高校3年九州からWSC世界大会でトップレベルに挑戦したい!

(3)プロジェクトの達成率
サイトによってはプロジェクトの達成率を公開しているプラットフォームもあります。たとえばREADYFOR(レディーフォー)では、2019年8月時点で75%の達成率を記録しているそうです。同社ではプロジェクトに合わせてマーケティング戦略などを考えてくれるプランも用意しており、成功に近づける戦略を一緒に練ってくれます。目標金額に着地できる可能性を高めるためにも、このようなサービスを考慮してみてもいいかもしれません。

参考:プロジェクトはじめる(READYFOR)

プロジェクトを掲載しよう!全体の流れとは

利用したいサイトを決めてからはどのような流れで資金調達まで行き着くのでしょうか。基本的な手順は以下の通りです。

(1)プロジェクトを作成する
募集内容や目標額を入力し、プロジェクトの募集ページを作成します。

参考:プロジェクトの作り方(CAMPFIRE)

(2)審査を受ける
募集ページがより魅力的に見えるよう、このタイミングでブラッシュアップの手助けをしてくれるプラットフォームもあるようです。

(3)プロジェクト開始
プロジェクト作成から開始までは数週間ほど見積もっておくといいでしょう。支援額を募る期間はプラットフォームによって異なりますが、基本的には最短2日に設定することもできれば、最長では3カ月ほど支援金を募ることもできるようです。一般的には一カ月ほどで募集を締め切るケースが多いようです。

(4)目標額に到達できるよう、広報活動に努める
プロジェクトについて知ってもらわなければ、支援を受けることもできません。ソーシャルメディアなどを通して、自身のクラウドファンディング活動について発信しましょう。目標額に到達するには、目にした人の共感を呼ぶような工夫を加えた投稿が好ましいでしょう。さらに友人や家族などに情報を拡散してもらうのも、認知度を広めるうえでは有力といえます。

(5)目標額達成!支援額が入金される
入金日はサービスによっても異なりますが、プロジェクトの終了日から一、二カ月ほどが多いようです。また、実施方式によっては入金がされない場合もあります。詳しくは下記の表を参考にしてください。

  All or Nothing方式 All in方式
目標額に達成 集まった金額から手数料が差し引かれた金額が支払われる 集まった金額から手数料が差し引かれた金額が支払われる
目標額未達成 支援額は支援者に全額返金される(この際、集まった金額は回収できない。手数料も発生しない)  集まった金額から手数料が差し引かれた金額が支払われる

(6)【ステップ5で資金調達ができた人のみ】リターンを支援者に送付する

参考:プロジェクトをはじめる(FAAVO)

いくつものプロジェクトがあるなかで、多くの人に「実現してほしい」と一緒に熱くなってもらうことで資金調達を目指すクラウドファンディング。たくさんの人を惹きつける魅力的なビジネスプランを打ち出し、資金調達を試みてはいかがでしょうか。

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ビジネスコンテストとは

起業を志す学生や社会人が各々のビジネスアイデアで競い合い、勝利を目指す「ビジネスコンテスト」。審査員を惹きつけたアイデアの提供者には賞金が渡るのも大きな特長です。

主催者は企業やNPO法人、政府や自治体、教育機関、金融機関などと多岐にわたり、ビジネスコンテストによって応募条件や賞金・特典内容、募集スケジュールが異なります。たとえば地域に限定されているものもあれば、「発展途上国に向けたビジネスプラン」などターゲットが絞られているものがあるので、自分のビジネスにマッチするビジネスコンテストを見つけましょう。

賞金は50万円から数百万円ほどが相場とされており、見事勝利した場合には賞金を開業資金に充てることもできます。金銭面以外には下記のメリットが考えられるでしょう。

・賞金に加えて、起業家にとってうれしい特典が受けられるものもある
過去の例では「経営のサポートが受けられる」「コワーキングスペースの使い放題」などが挙げられます

・事業計画書の質に磨きをかけられる
なかにはビジネスコンテストの期間中に事業計画書の書き方などを無料で指導する「ブラッシュアップ講座」もあるので、融資などにも有力な事業計画書に昇華させられるかもしれません

ビジネスコンテストは誰もが審査員の前で発表できるわけではなく、書類審査から入るのが一般的です。その後、通過者だけが受けられる無料のブラッシュアップ講座が開催されたり、二次審査があったりと主催者によって流れは若干異なりますが、最終の面接審査に進むことで勝利に近づくことができます。審査基準としては以下のような点が挙げられます。

  • 長期スパンで成長が見込めるか
  • 類を見ない目新しさや革新性があるか
  • 実現可能であるか
  • 社会や経済に貢献できるビジネスプランであるか

たとえば世界市場に向けて事業を拡大していきたい中小企業を対象とする「フェデックス・スモール・ビジネス・アイデア・コンテスト」や、地方自治体が主催しているビジネスコンテストなどはスモールビジネスなどでも参加しやすい内容でしょう。後者には地域の資源を生かす、地域活性化につながるなどを条件にしているところにあれば、対象者をSOHOワーカーに絞っているところもあるようです。

あくまでも開業資金の一部として、ビジネスコンテストへの参加を視野に入れるのではなく、コンテストによっては賞金のほかにも事業計画書に磨きをかけられる機会もあります。ブラッシュアップした事業計画書は、その後融資を受ける際などにも生かせるかもしれません。


もっと読もう!開業に発生する費用とは

(1)開業に発生する費用とは
(2)補助金・助成金を活用しよう
(3)融資を活用しよう
(4)クラウドファンディング・ビジネスコンテストにチャレンジしてみよう

執筆は2019年12月4日時点の情報を参照しています。
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