新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、各都道府県では独自の対策、要請、支援を行っています。この記事では、北海道でビジネスを営む事業者向けに役立つ情報をまとめています。
「新北海道スタイル」に取り組む
北海道では感染拡大を防止するために、道独自のガイドライン「新北海道スタイル」を定めています。事業者は、以下の点を守りながら営業することが求められています。
1, スタッフのマスク着用とこまめな手洗い
2, スタッフの健康管理の徹底
3, 施設内の定期的な換気
4, 設備や器具などの定期的な消毒・洗浄
5, 人と人との接触機会を減らす
6, お客様に咳エチケットや手洗いを呼びかける
7, お店の取り組みをお客様に積極的に知らせる
これらの7点に加えて、北海道コロナ通知システムを導入し、QRコードを掲示しているお店では、新北海道スタイルのステッカーの掲示が可能なのに合わせて、申請すれば店名が北海道庁のウェブサイト上に公表されます。
参考:「新北海道スタイル」取組宣言の店舗名の公表について(北海道)
11月下旬から感染者が急増している札幌市では、不要不急な外出・往来の自粛が要請されており、新北海道スタイルのさらなる徹底が必要な状態です。上記の対策をすでに行っているお店では、もう一歩進んだ方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
たとえば、以下のような方法が考えられます。
非接触決済を取り入れる:お会計は従業員とお客様の接触が避けられない場面です。お釣りのやり取りなどで何かと時間がかかってしまう現金よりも、Kitacaなどの電子マネーや、少額ならサインなしでクレジット決済ができるタッチ決済の方が、カードを従業員に渡さずに決済できるので、お客様も安心でき、かつお会計にかかる時間を短縮できるかもしれません。
セルフオーダーを導入する:お客様のスマートフォンでQRコードを読み込み、表示されたメニューから注文を行うセルフオーダーなら、メニューの受け渡しや注文取りの際に発生するお客様と従業員の接触をなくすことができます。Squareのセルフオーダー機能では、無料でセルフオーダーシステムを導入することができます。
テイクアウト・デリバリーを取り入れる:来店を控えるお客様のためにテイクアウトやデリバリーを始めたお店も多いかもしれませんが、テイクアウトやデリバリー時の決済を非接触にしてはいかがでしょうか。たとえば、注文用のウェブサイトを立ち上げれば、お客様はウェブサイト上で注文、受取時間、受取場所の指定、決済をオンライン上で済ませることができ、あとは店頭や自宅で商品を受け取るだけです。車での来店が多い地域なら、駐車場で商品受け渡しができるように設定をするのもおすすめです。
ネット販売を始める:特産品を扱うようなお店では、道内よりも道外からのお客様が多いかもしれません。道外にいるお客様にも商品をお届けできるよう、ネット販売を始めてみてはいかがでしょうか。ECサイトやネットショップを無料で開設できるサービスを利用すれば、コストを掛けずにネットショップを作れます。ネットショップを始めたら、ダイレクトメールやソーシャルメディアなどを使って、道内外にいるお客様にお知らせしましょう。お店に直接行けないけれど、買い物をしたいと思っているお客様は案外多いかもしれません。
他にも、「お店に行くのは難しいけれど、応援したい」と考えているお客様向けにギフトカード(商品券)を販売する方法もあります。事業を続けていくための売り上げを確保できるので、キャッシュフローの改善にも役立ちます。
次項では、キャッシュフローを改善する方法として支援金、給付金、融資の情報を紹介します。
事業者向け支援金・給付金
政府による持続化給付金や家賃支援給付金などに合わせて、道内の事業者向けの支援金、給付金の情報を紹介します。
道特別支援金A・B
- 対象事業者:飲食店と取引のある事業者、または外出・往来の自粛要請で影響を受けた事業者
- 条件:道特別支援金Aは2020年11月から2021年3月のいずれかの月の収入が前年または前々年同月比で50%以上減少した月がある、道特別支援金Bは2021年4月から7月のいずれかの月の売上が前年または前々年同月比で30%から50%未満の減少
- 支給額:個人事業主が10万円、中小企業が20万円
- 申請期間:道特別支援金Aは2021年4月1日から2022年1月31日、道特別支援金Bは2021年7月2日から2022年1月31日
酒類販売事業者特別支援金
- 対象事業者:道内に本社・本店がある酒類製造事業者または酒類販売事業者で、月次支援金を受給している事業者
- 条件:(1)対象月(2021年5月、6月、8月、9月)の収入が前年または前々年同月比で50%以上減少し、該当する月で月次支援金を受給している、(2)まん延防止等重点措置や緊急事態措置により、酒類提供の停止要請が行われた飲食店との直接または間接的に複数回継続した取引がある、(3)給付後も事業を継続する意思がある
- 支給額:個人事業主が10万円/月、中小企業が20万円/月
- 申請期間:2021年5月・6月分は2021年7月30日から2022年1月31日、2021年8月・9月分は2021年9月24日から2022年1月31日
飲食店等への要請に係る支援金(10月1日から10月14日)
- 対象事業者:札幌市内全域の飲食店、カラオケ店
- 条件:2021年10月1日から10月14日までの全期間中、
(1)営業時間の短縮(北海道感染防止対策認証店は酒類の提供は午後8時まで、営業時間は午後9時。非認証店は酒類の提供は午後7時半時まで、営業時間は午後8時)
(2)同一グループの同一テーブルへの案内は4名まで
(3)業種別ガイドラインと感染防止対策チェック項目の遵守
(4)飲食が主な店舗では、カラオケ設備を使用しない
(5)飲食が主ではない店舗でカラオケ設備を使用する場合は密を避け、感染対策を徹底する - 支給額:個人事業主を含む中小企業は一日あたり2.5万円から7.5万円、大企業は一日あたり最大20万円
- 申請期間:2021年10月15日から11月30日(郵送での受付)
緊急事態措置の適用延長に伴う協力支援金(9月13日から9月30日)
- 対象事業者:札幌市内全域の飲食店、カラオケ店、結婚式場
- 条件:
2021年9月13日から9月30日までの全期間中、(1)酒類・カラオケを提供する飲食店の休業、(2)酒類・カラオケを提供しない飲食店は営業時間を5時から20時までとする、(3)業種別ガイドラインと感染防止対策チェック項目の遵守 - 支給額:個人事業主を含む中小企業は一日あたり4万円から10万円、大企業は一日あたり最大20万円
- 申請期間:2021年10月1日から11月30日(郵送での受付)
緊急事態措置の適用延長に伴う協力支援金(8月27日から9月12日)
- 対象事業者:札幌市内全域の飲食店、カラオケ店、結婚式場
- 条件:
2021年8月27日から9月12日までの全期間中、(1)酒類・カラオケを提供する飲食店の休業、(2)酒類・カラオケを提供しない飲食店は営業時間を5時から20時までとする、(3)業種別ガイドラインと感染防止対策チェック項目の遵守 - 支給額:個人事業主を含む中小企業は一日あたり4万円から10万円、大企業は一日あたり最大20万円
- 申請期間:2021年9月13日から10月31日(郵送での受付)
道特別支援金
- 対象事業者:(1)時短営業対象の飲食店と取引のある事業者、(2)外出・往来の自粛要請により影響を受けた事業者
- 条件:2020年11月から2021年3月までのいずれかの月の売上が前年同期比で50%以上減少している
- 支給額:20万(法人)、10万(個人事業主)
- 予備審査受付期間:2021年4月1日から12月30日
事業者向け融資
支援金、給付金以外にも、資金繰りを改善する手段として融資が考えられます。道内の事業者向けの融資情報を紹介します。
新型コロナウイルス感染症緊急貸付(短期資金)
- 融資対象:最近1カ月の売り上げが、前年または前々年の同月に比べて5%以上減少している事業者
- 用途:運転資金
- 融資期間:1年以内
- 融資金額:8,000万円以内
- 利率:年1.0%(固定金利)
- 信用保証:信用保証協会の保証付き(保証料を道が1/3もしくは全額補助)
新型コロナウイルス感染症対応資金
- 融資対象:新型コロナウイルス感染症の拡大により経営に影響を受けている事業者の中で、危機関連保証、もしくはセーフティネット保証4号または5号の認定を受けている事業者
- 用途:設備資金、運転資金
- 融資期間:10年
- 融資金額:4,000万円以内(国準拠)、2,000万円以内(道特別)
※国準拠の限度額を超えた場合、道特別の申し込みが可能 - 利率:年1.0%(5年以内)、年1.2%(10年以内)
- 売上減少が5%以上の個人事業主、売上減少が15%以上の中小企業:当初3年分実質無利子、融資期間中の保証料を国と道が負担
- 売上減少が5%以上15%未満の中小企業:融資期間中の保証料の半分を国と道が負担
事業者向け相談窓口
感染者の急増や営業時間の短縮要請などを経験し、いつもと異なる環境の中でビジネスを続けるのは簡単なことではありません。経営の不安や疑問、質問を抱える事業者向けに、相談できる様々な相談窓口が設けられています。
道内の事業者向けワンストップ相談窓口
政府や道による様々な支援策、融資制度の中で、「どれを利用できるのか分からない」「どこに相談をするべきか迷う」という場合は道庁の「新型コロナウイルス感染症対策支援総合相談窓口」に相談しましょう。新型コロナウイルス感染症対策支援総合相談窓口の連絡先はこちらをご確認ください。
専門家の派遣
新型コロナウイルス感染症の影響で、資金繰りや雇用維持に悩む中小企業・小規模事業者を対象に無料で、弁護士や公認会計士などの専門家を派遣する事業です。詳しくは、こちらをご確認ください。
道税の申告期限の延長・納税の猶予相談
新型コロナウイルス感染症の影響で、道税の申告が期限に間に合わない場合や、一時的に納税が困難な場合は、最寄りの総合振興局や道税事務所で相談を受け付けています。詳しくは、こちらをご確認ください。
農業者・食品事業者向け相談窓口
農林水産省では、北海道の農業者・食品事業者向けに相談窓口を設けています。詳しくは、こちらをご確認ください。
札幌市の事業者向けワンストップ相談窓口
札幌市では、経営や融資、テレワークの導入、市税の猶予、感染対策など、幅広い相談に応じるワンストップ相談窓口を、札幌中小企業支援センターに設けています。詳しくは、こちらをご確認ください。
心のケア
先の見えない状況が続く中、ストレスや不安を感じるのは事業者も同じです。厚生労働省では、チャットやソーシャルメディアを使った心の相談窓口を用意しています。メンタルヘルスの不調を誰かに相談したいとき、もしくは従業員が心の不調を抱えているようなら、これらの窓口を利用してみてはいかがでしょうか。
北海道で事業を営む個人事業主、フリーランス、中小企業の事業者向けの支援制度、融資制度、相談窓口を紹介しました。最新情報をウェブサイトなどでご確認のうえ、ご利用ください。
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執筆は2020年12月2日時点の情報を参照しています。2021年10月19日に一部情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash
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