起業一年目:事業運営の土台の作り方

自分の思いやアイデアをサービスや商品という形にして、多くの人たちに届けたい。起業の決意を固め、必要な手続きをひと通り終えたら、次は事業をいかに軌道にのせ、拡大させることに注力する段階です。

目次

概要

このガイドでは資金繰りや集客、売り上げ管理、従業員の雇用まで、起業一年目に知っておきたいことについてを説明します。

よくあるご質問

資金繰りはどうすればよいですか?

「黒字倒産」という言葉があるように、現金の出し入れをきちんと管理することは安定した経営の基本です。また、資金繰りは短期的なものだけでなく、長期的な計画を作成することが大切です。計画は現実的で、確実に実行できる内容である必要があります。資金繰り表を作成したり、専門家に相談したりして計画を立てます。資金繰り表は金融機関からの融資を受ける際にも役に立ちます。

集客はどうすればよいですか?

ビジネスの形態や予算に応じて、ソーシャルメディアやチラシ配布、新聞広告などさまざまな集客方法が考えられます。加えて、新規のお客様にリピーター客になってもらう工夫も、事業拡大のためには欠かせません。

事業運営を楽にしてくれるツールはありますか?

売り上げ管理や在庫管理、従業員の勤怠管理、請求書の作成・発行など、手間や時間のかかる作業を楽にしてくれるツールがたくさん登場しています。これらのツールを組み合わせ、活用することで、業務の大幅な効率化につながります。

従業員の採用はどうすればよいですか?

事業が拡大し、日々の業務を一人でこなすことが難しくなったら従業員の採用を考えるタイミングです。候補者を見つけるには、知人に紹介してもらったり、求人広告を出したりするなどの方法があります。ただ、雇用形態に関係なく誰かを採用することは、雇用者としての責任が求められます。採用する際は労働基準法などの法律を守ることを忘れないようにしましょう。

詳しく知る

資金繰り

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安定した収入が得られるようになるまでにも、製造や仕入れ、家賃や従業員の給与などさまざまなコストは発生します。事業が軌道に乗る前に資金ショートになっては元も子もありません。キャッシュ不足にならずに済むようお金の出入りを把握することは、重要なポイントです。

資金繰り表の作成

資金繰り表は、一定期間の現金収入と現金支出を分類・集計し、現金収支の動きや現金過不足の実態などを把握するための表です。日々の記録から資金不足になることが予測できれば、借り入れを行ったり、支払いを延期したりするなどの対策を前もって講じられます。日本政策金融公庫では資金繰り表の雛形を公開しています

専門家に相談

税理士など専門家に相談することも大切です。自分では気づけなかった点を指摘してもらえたり、効率の良いやり方をアドバイスしてもらたりなどのメリットがあります。

前もっての対策

資金不足になる前に、対策をしましょう。家族や知人などから借り入れをしたり、日本政策金融公庫の融資を受けたりする方法があります。各自治体でも融資制度を設けていることがあるので、情報をチェックしてみましょう。

集客

何もせず待っているだけではお客様は来ません。まずはお客様に商品やサービスを知ってもらう必要があります。起業したばかりで予算に余裕がないときは、コストがかからない方法から始めましょう。

まずは、TwitterやFacebook、Instagramなどのソーシャルメディアの活用が考えられます。これらのサービスでは、多くの機能を無料で利用できます。アカウントを作成し、商品やお店の写真を投稿したり、事業にかける想いをアピールしたりしましょう。共感したユーザーの「いいね!」や「シェア」によって情報が拡散され、より多くの人たちに知ってもらうことが可能です。

エリアを限定して集客をしたい場合は、チラシを配布したり、地域でよく読まれている新聞に広告を出したりする方法があります。「何を提供しているビジネスなのか」「消費者にどのような価値を提供できるのか」が一目でわかるような内容にすることがポイントです。

また、商品やサービスを購入したお客様にリピーター客になってもらう工夫も忘れないようにしましょう。たとえば、「2週間以内の再来店でお会計から10%オフ」「定期購入は通常よりも20%お得!」など、お得感を演出します。他にも、プリペイド式でチャージしながら使えるSquare ギフトカードも、お客様の再来店を促してくれるでしょう。

PDCAサイクルを回す

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事業を運営するには、PDCAサイクルを回すことが大切です。PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返すことによって、業務改善を継続的に行うことです。

Plan(計画)

目標を設定し、達成に向けて計画を立てる段階です。具体的な期間と数字を明確にすることがポイントです。目標を達成するためには、どのようなことが必要か、どんな方法があるかなどの情報収集も行います。

【例】

目標:前四半期よりも総売上高を20%増

計画:
① 3,000円以上購入したお客様に単価の高い商品Aのサンプルを配る
② 商品を利用している写真をハッシュタグ付きでInstagramに投稿した人に、次回購入時に使える8%割引券を提供する

Do(実行)

計画を実際の行動に移す段階です。

Check(評価)

計画に沿って実行できたかを評価する段階です。併せて、実行した施策が有効だったかどうかを評価します。

【例】

①3,000円以上購入したお客様に商品Aのサンプルを配る
→商品Aの購入者アンケートの結果、サンプルをきっかけに購入した人は全体の5%

②商品を利用している写真をハッシュタグ付きでInstagramに投稿した人に、次回購入時に使える8%割引券を提供する
→購入者アンケートの結果、Instagramの投稿を見て商品を購入した人は全体の40%。割引券の使用率は86%。

上記の場合、サンプルの用意など時間や手間がかかる①に比べて、②の方が費用対効果が大きいと考えることができます。

Square POSレジなら、SMSやメールでお客様に電子レシートを送信できます。お客様はこの電子レシートに返信する形で、商品やサービスに対する満足度をお店側に伝えられます。

Action(改善)

評価をもとに、改善案を実行します。上記の例の場合、ソーシャルメディアの活用に予算を増やし、サンプルの配布を減らすという決断などが挙げられます。

PCDAサイクルは、一度回して終わりではなく、必要に応じて何度も繰り返すことが求められます。

業務効率化につながるツール

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1人で起業したばかりのころは、営業やマーケティング、事務作業などすべてを自分で対応しなければいけません。売り上げに直接つながる業務を優先して行うためにも、ツールを用いて効率化できる業務はないか確認しましょう。

請求書の作成や発行

請求書の作成や発行に時間を取られていませんか。お金のやり取りのためミスは許されず、取り引きが増えるにつれ手間も増えます。

Square 請求書を使えば、オンラインで請求書を簡単に作成でき、お客様にメールで送ることができます。メールを受け取ったお客様は、そのままクレジットカード決済ができるため振り込みなどの手間がかかりません。

請求書の原本を希望するお客様のために、印刷にも対応しています。また、支払い状況の管理も併せて行うことができ、業務効率化につながります。

在庫管理

小売など在庫を抱える事業を営んでいる人にとって、在庫管理の徹底は必須です。無駄なく仕入れ、かつ在庫切れにならないよう管理することは、業務効率化だけでなく、コスト削減にもつながります。

Squareの在庫管理なら、在庫が切れそうになればアラートで知らせしてくれるので、効率的な在庫管理ができます。また、スマートフォンやタブレット端末を使って、どこからでもリアルタイムで在庫状況を把握することが可能です。

売り上げ分析

事業を拡大するためには、売り上げを分析し、結果を次の戦略に活かすことが大切です。細かい数値を手入力で管理することは、手間や時間がかかります。また、完全にミスを防ぐことも難しいです。

Square データを使えば、リアルタイムの売り上げ情報をいつでもどこからでも把握できます。加えて、過去の売り上げ情報との比較も可能です。購買傾向を分析し、季節や流行りに応じた商品を前面に押し出すなど、次の戦略に活かせるでしょう。

従業員の採用と管理

事業が軌道に乗り、自分だけでは業務に対応できなくなったら、従業員の採用を考えましょう。業務の負担が減るだけではなく、新たな挑戦もできるかもしれません。

人材募集は、知人に紹介してもらったり、求人広告を出したりする方法などがあります。入社後にギャップが生じないように、求める人物像や経験、スキルなどを明確に伝えましょう。

また、従業員を採用したら、勤怠管理の徹底は雇用者として必須です。Square POSレジをお使いの場合、スタッフ管理機能がタイムカードとして利用できます。加えて、従業員ごとの売り上げ管理機能もあるため、売り上げ成績に応じた適切なフォローアップをすることも可能です。

起業一年目で事業運営の土台をしっかりと作ることは、その後の事業拡大にもつながります。忙しい経営者をサポートしてくれるツールを活用し、効率よく取り組みましょう。