新型コロナウイルス感染症の影響による収入減や、企業の副業容認の動きなどにより、「個人でお金を稼ぐ」ことに関心が寄せられています。副業として、あるいは自分の作品を売る場として、個人でネット販売を始めたい人も多いのではないでしょうか。この記事では、ハンドメイド商品やアート作品などの販売をネットショップではじめたいという人向けに、個人販売サイトを作る方法と注意点を紹介します。

参考:第二回 副業の実態・意識に関する定量調査(パーソル総合研究所)

目次



個人でネットショップを開業するには?

事業計画を立てる

事業計画とは、自身のビジネスプランを明文化することです。「なにを」「だれに」「どのように」売るかを整理しましょう。

「なにを」では、自分が販売したい作品、商品について考えます。基本的には、得意とする分野、興味のある分野を商材としたほうがいいでしょう。個人で販売でき、なおかつオンラインで売れやすいものとして挙げられるのが、オリジナリティーのある商品、ニッチな商品でます。まずは少数の品ぞろえからスタートし、顧客が増えて行くタイミングで新しい作品や商品開発に取り組み、顧客のニーズにあった商材をラインアップしていきましょう。

「だれに」は、作品や商品を販売するターゲットです。年齢層、性別、どの地域までを販売対象とするのかを考慮しながら設定していきます。どのようなお客様に自身の作品や商品を届けたいのかをイメージしながら、ネットショップの作りや宣伝コピー、ネットショップに載せる写真について考えていきましょう。

「どのように」とは、具体的な販売の方法です。ここではネットショップでの販売を前提に、「どこで売るか」を考えていきます。出店方法の詳細については後述します。
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商品の仕入れ先を決める

ハンドメイド商品を商材にしたいと考えている人は、材料の仕入れ先を検討しなくてはなりません。手芸店やアクセサリーパーツの実店舗で実物を手に取って購入するのもいいでしょう。また、Amazonや楽天市場などのオンラインモールやメルカリなどのフリマアプリから購入することも可能です。

さらに、パーツもオリジナルのものを使用したいという人には、パーツをオーダーメイドしてくれるサービスを利用するのもいいでしょう。

ここでは、ネットで購入できる仕入れ先を紹介します。以下のサイトの中には、およそ小売価格の半額以下で購入でき、中には10分の1以下の価格での仕入れができるものもありますので、ぜひチェックしてみてください。

・NETSEA(ネッシー)
アクセサリーパーツの卸通販でのおすすめが、NETSEA(ネッシー)です。約3万点以上のアクセサリーパーツが激安で販売されているだけでなく、ハンドメイド素材全般・スマホケース、韓国ファッションや雑貨なども購入が可能です。卸の仕入れサイトには会員費が必要なものも多いですが、NETSEAは個人事業主や開業準備中の人でも無料会員登録が可能です。会員登録するだけで卸価格を見ることもできます。

・PandHall
PandHallは中国から直接輸入できる卸通販サイトで、ハンドメイド素材全般、天然石、時計用品など数十万点を販売しています。ピアスフックが100本で1,000円程度で販売されるなど、かなりの低価格でアクセサリーパーツを仕入れることができます。また、アクセサリー作りに必要な道具も購入が可能です。会員登録も無料です。

・8Seasons
8Seasonsは、パンダホール同様、中国の卸通販サイトです。特徴は、少量から仕入れしやすいことで、大量仕入れに抵抗を感じる人におすすめです。また、18金、14金メッキのパーツや高級感のある完成品の天然石アクセサリーも販売されています。ハンドメイド商品のほか、自身のネットショップでそのまま販売したい場合にもぴったりです。

・貴和製作所
貴和製作所は、東京や神奈川などに実店舗を構えるアクセサリーパーツの専門店です。店舗やオンラインストアに掲載のない商品のお取り寄せサービスや、クリエイター向けのオリジナルパーツの製作サービスも行っていますので、オリジナリティーあふれる商品を作りたい方におすすめです。

販売可否の法律確認

個人でネットショップでの販売を行う際に気をつけなくてはならないのが、各種法規制です。ネット通販を行う際に大きく関わってくるのが、特定商取引法です。特定商取引法については後ほど詳述しますが、ネットショップでは事業者の氏名や住所、電話番号の明記などが義務付けられています。

また、いくら自分で製作した商品であっても、他者の著作物を利用したり、模倣したりしたものは著作権侵害になる可能性があります。さらに、芸能人やアイドルを作品や商品に使用すると肖像権とパブリシティ権の侵害、ブランドのロゴを使用した場合には商標権侵害になる可能性がありますので要注意です。

必要な届出・許可を取得する

ハンドメイドの服やアクセサリー、家具などであれば販売には特別な許可は必要ありませんが、以下に当たるものを販売するときは許可が必要となります。

・中古品……古物商許可
・食品……営業許可
・輸入食品……検疫所への輸入届出、食品表示の日本語表記
・酒類……通信販売酒類小売業免許
・自作の化粧品……化粧品製造販売業許可、化粧品製造業許可

参考:ネットショップでの販売に必要な許可とは。届出先から申請方法までをご紹介

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出店方法を決める

ネットショップを始めようとしている人にとって、まず問題となるのが「どこで売るか」ということです。出店方法としては、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのオンラインショッピングモール、BASEやSTORES、Squareなどのネットショップ作成サービスなどが挙げられます。また、InstagramやFacebookなどのSNSを利用した通販や、メルカリやPayPayフリマなどのフリマサイトやアプリを利用した販売も選択肢の一つです。まずは無料で始めてみたいという人は、初期費用と月額費用が無料のSquare、BASE、STORESなどがおすすめです。

冒頭で紹介したように事業計画を明確にしておけば、自分の販売したい商品に適した出店方法を判断しやすくなります。初期費用と月額固定費は高いけれど集客力のあるショッピングモールか、費用が比較的安価でサイトの設計の自由度が高い有料のネットショップ作成サービスか、制約はありつつも初期費用と月額固定費ゼロの無料のネットショップ作成サービスを選ぶのかは、運営のしやすさ含めて判断しましょう。

必要な備品を購入する

ネットショップの運営に必要な備品は、概ね以下のものになります。初期費用を抑えたい場合は、中古品の購入も検討しましょう。
・パソコン……60,000円前後〜
・ネット回線……月々4,000円前後〜
・カメラ……6,000円前後〜
・照明機材……5,000円前後〜
・FAXつき固定電話……20,000円前後〜
・梱包資材……100円前後〜

個人事業主・開業届を提出する

ネットショップの開店が決まったら、所轄の税務署に「開業届」を届け出て、新規事業の立ち上げを申請しましょう。開業届を出さなくても罰則などは特にありませんが、屋号入りの銀行口座開設や事業者向けの卸売りサイトの会員登録などには必要です。

参考:開業届はネットショップ開始に必須?提出のメリットや手続き方法を解説

確定申告をする

個人事業主として開業届を出したら、1月1日から12月31日までの1年間に生じた事業所得の確定申告を行います。確定申告では、売り上げから経費を差し引いた分が事業所得となり、そこから基礎控除の48万円とそのほかの控除を差し引いた分が課税される所得金額となります。事業所得が基礎控除額の48万円を超えない場合は申告の義務はありませんが、医療費控除が受けられない、市町村からの所得証明などを発行してもらうことができないなど、デメリットも大きいので、確定申告はしておいた方が良いでしょう。

会社員として給与収入を得ながら副業としてネットショップを運営している場合も、利益が年20万円を超えた分を雑所得として確定申告する必要があります。

参考:ネットショップの収入に確定申告は必要?

ネットショップの注意点

ネットショップを運営していく上での注意点をいくつか紹介します。

経費をおさえる

経費には、売り上げの増減に関わらず毎月かかる固定費と、売り上げに応じてかかる流動費があります。

ネットショップで必要となる固定費には
・オンラインショッピングモールや有料ネットショップ作成サービスの月額利用料
・インターネット回線料金
などが挙げられます。

そのほか流動費として挙げられるのは、
・決済手数料
・販売手数料
・広告費
・配送料
・出荷手数料
・梱包資材費
です。

これらの経費をおさえつつ、売り上げを最大限に確保することがネットショップの運営には欠かせません。

在庫を多く持ちすぎないようにする

ネットショップでは、商品を保管しておく場所が必要です。また、ハンドメイド品やアート作品などを販売している人であれば、その材料も在庫となります。余分な在庫を抱えることは、売り上げにならないものを抱えることになります。商品点数が少ない場合は、エクセルなどを使用して在庫管理表を作り、都度入力していくのもいいでしょう。

集客方法を考える

まずは、どのようなお客様に自分のネットショップに来てもらい、どのような行動を起こしてほしいのかを決めます。集客方法として手軽に始められるものを紹介します。

・SNS 
SNSは同じものに関心を持つ人が集まりやすいことから、「いいね」やコメント、シェアなどで情報を拡散しやすいメリットがあります。Facebook、Instagram、Twitterなどで商品写真や文章を掲載するほか、YouTubeやTikTokなどの動画系SNSでも拡散と誘客を促すことが可能です。すでに商品や販売者自身にファンがついている場合は、有効な手段となり得ます。

・Google アナリティクス 
ユーザーの行動を可視化してくれるもので、どこからどのような人がきて、どの商品を見てどれだけの時間滞在したのか、どこからネットショップに流入して、どのデバイスを使用したのかが分かります。その情報を分析した上で、効果的な広告戦略を考えるのも一つの手でしょう。

・SEO対策
多くの人が、知りたいものや欲しいものがあるときにネット検索を利用します。検索結果には、キーワードに合ったサイトが表示されますが、この検索結果で上位に表示されるように工夫をするのがSEO(検索エンジン最適化)対策です。SEO対策では、無理にキーワードを詰め込んだコンテンツよりも、検索意図に合った良質なコンテンツを提供する方が効果があるといわれています。SEO対策の効果は、Google アナリティクスなどのツールから確認できます。

・Google Search Console
Google上でのネットショップの掲載順位や表示回数などがわかります。Googleでは、コンテンツが品質ガイドラインに準拠しているかチェックが常に行なわれ、ガイドラインに準拠してないと判断される場合には検索順位が大きく下がってしまうこともありますので、注意が必要です。不適切と判断されるのは、「無断複製と判断される文章の掲載」や「リンク先の導線が不自然」といった場合です。

・ブログ運営
商品やサービスに関連する情報や制作秘話、活用方法などを掲載し、読者が更新を楽しみにしてくれるようなコンテンツを増やしていくことがSEO効果につながります。ネットショップ作成サービスの中には、ブログ機能を提供しているものもあります。いくつものサービスを利用する必要なくネットショップの運用からブログの投稿まで行えるので、活用してみましょう。

無料で利用できる集客や運用ツールは、手間がかかったり、効果が現れるまでに時間がかかったりすることが多いです。しかしながら、地道に運用することで、お客様との距離を縮め、優良顧客を増やしていきましょう。

ネットショップ運営の知識を勉強する

ネットショップの運営業務は、フロント業務とバックエンド業務の大きく二つに分かれます。

フロント業務は、商品を売るための業務を主に指します。
・商品企画
・ECサイト制作
・ネットショップのプロモーションなど

バックエンド業務は商品が売れた後の業務のことを指しています。
・商品の受注や発送
・在庫管理
・顧客対応
・売上管理など

詳しくは「ネットショップの運営を成功させるコツと成功事例」でも紹介しているので、ご覧ください。

特定商取引法に基づく表示に注意する

特定商取引法は消費者の利益を守ることを目的に、事業者に対して各種の規制を行っています。

ネットショップを含む通信販売は遠隔での商取引となります。消費者保護のため、誤解や認識の齟齬が生じないように、広告表示に関しては下記を含む14項目の決まり事が定められています。特定商取引法の違反は、行政処分や罰則の対象となりますので注意しましょう。詳しくは、消費者庁の「特定商取引法ガイド」をご確認ください。

・販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
・代金(対価)の支払い時期、方法
・商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
・商品若しくは特定権利の売買契約の申込みの撤回又は売買契約の解除に関する事項(その特約がある場合はその内容)
・事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
・申込みの有効期限があるときには、その期限
・販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容およびその内容
・引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容

引用:特定商取引法ガイド(消費者庁)

また、特定商取引法の改正に伴い、2022年6月1日より、ネットショップではお客様が注文を確定する前の段階で、下記の6項目を簡単に確認できるように表示を行うことが求められています。加えて、期間を限定して販売する商品に関しては、商品名にも申込期間の記載が必要です。

(1)分量(商品の数量など)
(2)販売価格・対価(定期購入の場合は2回目以降の価格も表示)
(3)支払い時期・方法(定期購入の場合は各回の請求時期も表示)
(4)引渡・提供時期(定期購入の場合は次回分の発送時期も表示)
(5)申込の撤回・解除について
(6)申込期間(期間限定販売の場合)

参考:令和3年特定商取引法・預託法の改正について(消費者庁)

ネットショップ作成サービスを使おう

ネットショップの出店方法として、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのオンラインショッピングモール、SquareやBASE、STORESなどのネットショップ作成サービス、InstagramやFacebookなどのSNSがあります。

ここでは、比較的簡単で安価に導入できるネットショップ作成サービスを紹介します。
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Square

クレジットカードや電子マネー決済を提供する決済代行サービスSquareでは、ネットショップが簡単に作成できる「Square オンラインビジネス」を提供しています。基本的なネットショップ機能は決済手数料以外、無料で使うことが可能です。商品レビューやかご落ちメールの送信、広告の非表示、カスタムドメインの利用などの機能を利用したい場合は、利用したい機能に合わせて有料プランを選びましょう。

  • 初期費用:無料
  • 月額費用:
      ・無料プラン:無料
      ・プロフェッショナルプラン:1,200円(税込)
      ・パフォーマンスプラン:2,500円(税込)
      ・プレミアムプラン:6,800円(税込)
  • 決済手数料:
      ・無料プラン・プロフェッショナルプラン・パフォーマンスプラン:3.6%(JCBは3.95%)
      ・プレミアムプラン:3.3%(JCBは3.95%)

Square オンラインビジネスの料金プランについて詳しくはこちらをご確認ください。

BASE

TVCMでもおなじみのBASEは、初期費用・月額費用がすべて無料で利用できるネットショップ作成サービスです。デザインテンプレートの種類が豊富で、好みのものを選んでカスタマイズできます。一度購入してくれたお客様向けにメルマガを無料で配信できるなど、集客面での便利な機能もあります。また、受注生産アプリとの連携もあるので、受注販売なども取り扱うことができます。

  • 初期費用:無料
  • 月額費用:
      ・スタンダードプラン:0円
      ・グロースプラン:5,980円
  • 決済手数料:
      ・スタンダードプラン:3.6% + 40円
      ・グロースプラン:2.9%
  • サービス利用料:3%(スタンダードプラン)
    その他、BASEロゴを非表示にする月額500円の有料オプションなどもあります。

STORES

STORESの一番のメリットは、初期費用が無料かつサービス利用料もかからず、安価にネットショップを運営できるところです。また、初心者でも、HTMLなどの知識がなくてもシンプルな作業でネットショップを作ることができます。ただ、デザインのカスタマイズの自由度はあまり高くないので、注意しましょう。月額費用無料のフリープランでは、ロゴ非表示とアクセス解析、独自ドメインが使えません。

  • 初期費用:無料
  • 月額費用:
      ・フリープラン:無料
      ・スタンダードブラン:2,178円(税込)
  • 決済手数料:
      ・フリープラン:5%
      ・スタンダードブラン:3.6%

カラーミーショップ

テンプレートが豊富で、ネットショップ初心者でも自分好みのショップを開設できる使いやすさが特徴です。名入れギフトに対応しているほか、仕入れサポート、フリーページの作成、SNSとの連携、会員機能など、集客や売上アップのための機能も充実しているので、自身の目的と規模に応じて三つのプランから最適なものを選びましょう。

  • 初期費用:3,300円(税込、レギュラーとラージプランのみ)
  • 月額費用:
      ・フリー:0円
      ・レギュラー:3,300円(税込)
      ・ラージ:7,945円(税込)
  • 決済サービス利用料:
      ・フリー:6.6%+30円
      ・レギュラー・ラージ:決済方法に応じて発生(クレジットカード決済は4%から)

ショップサーブ

会社設立が1999年と、EC業界の中では老舗とも呼べるサービスです。ECカート機能だけでなく、メルマガやクーポン、SNSの連携、シークレットセールなど、セールスプロモーションに利用できる機能も充実しています。

  • 初期費用(開通料):16,500円(税込)
  • 月額利用料:サイト証明書付きの場合(企業証明書付きの場合は、料金がプラスされます)
     ・ベーシックプラン:18,150円(税込)
     ・プライムプラン:24,200円(税込)
     ・プレミアムプラン:51,480円(税込)
  • 決済サービス利用料:決済方法に応じて発生(クレジットカード決済は3.59%から)
  • 注文処理手数料:受注1件に対して34円

個人でオンライン販売を始める方法は、実にさまざまです。最初は煩雑な作業も出てきますが、自身の商品や作品、事業計画に合ったプラットフォームを選んだ上で工夫を重ね、売上アップを目指しましょう。

ネットショップを無料で開始するならSquare

EC作成から、オンライン決済、店舗連動の在庫管理まで、便利な機能が無料で簡単に始められます。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2022年2月9日時点の情報を参照しています。2022年5月26日に一部情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash