税務署での確定申告などの相談内容は?電話や窓口での相談方法も

※本記事の内容は一般的な情報提供のみを目的にして作成されています。法務、税務、会計等に関する専門的な助言が必要な場合には、必ず適切な専門家にご相談ください。

税務署では、個人事業主や法人からの税に関する相談を受け付けています。しかし、「何をどこまで聞いていいのかわからない」「気軽に利用するのはハードルが高い」と相談をためらっている人も多いのではないでしょうか。

税務署では、確定申告書の書き方や控除の仕組みといった、確定申告に関するさまざまな相談が可能です。税に関する不明点を放置した結果、申告漏れや計算ミスが起これば、後に過少申告加算税や延滞税といったペナルティ(追徴課税)を課される可能性もあります。安心して事業を続けるためにも、税務署の相談窓口を積極的に活用しましょう。

また、税務署では確定申告に限らず、事業のスタート時に必要な開業手続きからインボイス制度、毎年の税制改正への対応まで、事業運営に関わる幅広い税の疑問に答えてくれます。この記事では、税務署で相談できる内容の具体的な範囲から、電話や窓口での相談方法、スムーズに疑問を解消するための事前準備のポイントまで詳しく解説します。税務関連の処理を効率化するツールも紹介しますので、経理業務の負担を軽減したい人はぜひ参考にしてください。

📝この記事のポイント

  • 税務署では確定申告の書き方や控除の仕組みなど、申告に関する無料相談を受けられる
  • 税務署は公平・中立な立場であることから、個別の経費判断や節税アドバイスは対応外
  • 確定申告以外にも開業手続きやインボイス制度、税制改正など事業に関わる幅広い相談が可能
  • 電話・対面・チャットボットなど複数の相談手段があり、効率的に活用できる
  • クラウド会計ソフトと連携可能なSquareを導入すれば、確定申告の準備が格段にラクになる
目次


確定申告がわからないとき、税務署で無料相談が可能!その内容は?

確定申告の無料相談は、会社員・個人事業主・法人を問わず利用可能です。税務署では、確定申告期間中に特設会場を設けるなどして相談体制を拡充しています。

税務署での確定申告の相談は「形式面」のサポートが中心

税務署で受けられるのは、主に申告書を正しく完成させるための「形式的」なサポートです。

税務署に相談できる内容 具体例
確定申告書の具体的な記入方法 ・確定申告書第一表の「収入金額等」の欄には、経費を差し引いた金額を書くべきなのか?
・青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄の書き方がわからない
添付が必要な書類の種類と確認 ふるさと納税の寄附金控除を受けるには「寄附金受領証明書」の添付は必要か?
・住宅ローン控除で必要な「年末残高証明書」とはどんな書類か?
各種控除の基本的な仕組みと計算方法 ・生命保険料控除の控除額は、証明書のどの金額を見て計算すればよいか?
・配偶者控除と配偶者特別控除の違いと、適用条件を教えてほしい

漠然とした質問ではなく「どの書類の、どの項目について、何がわからないか」を明確にしておくことで、的確なアドバイスを得やすくなるでしょう。

判断を伴う内容や経理の相談は基本的に対象外

個別の経費判断や節税方法など、主観的な判断(法律や制度を個人の具体的な状況にどう当てはめるか)が求められる内容に関しては、税務署に相談しても具体的な回答は得られません。というのも、税務署はすべての納税者に対して公平・中立な立場でなければならず、特定の納税者に有利な指導(節税アドバイスなど)は、その公平性を損なう可能性があるためです。

税務署に相談できない内容 具体例
個別の取引における経費判断 ・この会食費は「接待交際費」になるか?
・自宅兼事務所の家賃は、何割まで経費として認められるか?
節税対策のアドバイス ・税金を最も安くするには、どの控除を使えば有利か?
・青色申告と白色申告、どちらが自分の場合得になるか?
経理代行や記帳代行 ・会計ソフトの操作方法を教えてほしい
・帳簿付けを手伝ってほしい

これらの相談は、納税者の利益を第一に考える税理士の専門分野です。節税や経営判断に関するアドバイスが必要な場合は、税理士への相談を検討しましょう。

なお、国税庁に対して個別の取引に関する税務上の取り扱いを質問し、文章で回答をもらえるサービス(国税庁「税務上の取扱いに関する事前照会に対する文書回答について1」)があります。

確定申告以外で、個人事業主や中小企業が税務署で相談できること

税務署では確定申告のサポートに限らず、事業のライフステージに応じたさまざまな税務相談に対応しています。相談できる​ことは​多いので、​わからない​ことが​あれば​事業の​円滑化の​ために​迷わず​利用しましょう。

開業について

開業時には「個人事業の開業・廃業等届出書2」や「青色申告承認申請書3」など、定められた期限内に提出すべき重要な書類があります。税務署では、これらの書類の正確な記載方法や提出期限について確認可能です。

また、青色申告と白色申告の制度上の違いや、それぞれに求められる帳簿保存の要件といった、事業者が適切な申告方法を選択するための客観的な情報提供も行っています。

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インボイス制度について

2023年10月から​運用が​開始された​インボイス制度や、​消費税の​軽減税率制度で​わからない​ことが​あれば、​国税に​関わりが​ある​制度の​ため税務署で​相談できます。​インボイス発行事業者の​登録申請方法、​インボイスの​記載内容、​軽減税率の​対象品目などに​ついて、​知りたい​ことを​相談してみましょう。

税制改正について

税法は毎年改正されるため、最新の情報を把握しておくことが必要です。税務署では、定額減税や電子帳簿保存法の改正といった最新の税制改正に関して、変更点の概要や、それに伴い事業者が新たに対応すべき事項について、正確な情報を得られます。

その他の相談

上述の​相談内容以外にも​国税に​関わる​ものであれば​税務署で​相談が​可能です。災害や病気、業績の著しい悪化などにより、期限までに国税を納付することが困難な場合の「納税の猶予」や「換価の猶予」といった制度4に関する相談も可能です。相談したい​内容が​適切か​迷う​場合は​電話で​税務署に​問い​合わせる​ことを​おすすめします。

電話や窓口など、税務署への相談方法

税務署への相談には、対面、電話、オンラインなどの方法があります。相談したい内容や状況に合わせて使い分けることで、疑問をスムーズに解消できるでしょう。

窓口・確定申告相談会での相談

複数の書類を確認しながらじっくり相談したい場合や、口頭での説明が難しい複雑な事情がある場合には、税務署の窓口での対面相談が適しています。職員に申告書や帳簿などの資料を直接見せながら話せるため、具体的なアドバイスを受けやすいのが利点です。

ただし、対面相談は原則として事前予約制のため、あらかじめ所轄の税務署に電話し、相談内容を伝えて日時を予約する必要があります。確定申告期間の特設会場は予約不要の場合もありますが、大変混雑するため時間に余裕を持つようにしましょう。

電話での相談(国税局電話相談センター)

税務署に行く時間がない場合や、特定の項目について手早く確認したい場合は、電話での相談5が便利です。
​方法は​次の​通りです。

1.所轄の​税務署に​電話を​かける
2.音声ガイダンスで​「1」を​選択する
3.相談したい​税の​種類を​選択する
4.国税局電話相談センターに​つながる

全国どこからでも同じ通話料で利用できる国税相談専用ダイヤル(0570-00-5901)に直接かけることもできます。
税務署の​窓口と​同様に​平日の​日中しか​利用できないと​いう​デメリットは​ありますが、​予約した​日まで​待って​税務署に​出かける​必要が​ないので​時間効率の​メリットが​あります。​電話を​かける​前に​関連書類を​手元に​用意しておくと​良いでしょう。

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FAX・Eメールでの相談

聴覚や​発話に​障害が​ある​人に​限り、​FAXや​Eメールで​税務署に​相談5すると​いう​手段も​用意されています。​ただし、​申請書や​届出書の​提出を​FAXや​Eメールで​行う​ことは​できません。

チャットボット、タックスアンサーの活用

一般的な税務用語や制度の概要を知りたい場合、また、電話や窓口で相談する前にまずは自分で調べてみたい場合には、国税庁ウェブサイトのオンラインツールが役立ちます。AIチャットボット「ふたば6」や、Q&A形式で税に関する情報がまとめられている「タックスアンサー7」は、24時間いつでも利用可能です。多くの一般的な疑問はここで解決できるため、まずオンラインツールで調べ、それでも不明な点を整理してから電話や窓口を利用すると良いでしょう。

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税務署に相談するメリット・デメリット

税務署に相談する際は、メリットとデメリットの両方を理解しておきましょう。アドバイスを求める内容によっては、税理士に相談した方が良い場合もあります。

メリット1:無料で相談できる

回数や時間に関わらず一切費用がかからないのが税務署に相談する大きなメリットです。税理士に相談すれば数万円単位の費用が発生する可能性のある内容でも、税務署なら無料で解決できる場合があります。

事業をはじめたばかりで資金に余裕がない時期はもちろん、副業の確定申告や、不動産売却、相続といった一時的な税務相談をしたい人にとっても利用しやすい制度といえるでしょう。特に電話相談の場合は、名前を名乗らずに匿名で質問することも可能なため、「まずは一般的な話だけ聞きたい」といった場合でも気軽に問い合わせることができます。

まずは税務署で制度の概要や基本的な考え方を理解し、より専門的な判断や手続きの代行が必要だと感じた場合にのみ税理士に依頼する、という活用方法も考えられます。

メリット2:正確な回答が得られる

税務署の回答は国税庁の公式な見解に基づいているため、その時点での法律や通達に沿った、最も信頼性の高い回答を得られます。ブログやSNSなどから手軽に得られる情報は古い情報であったり、特定のケースにしか当てはまらない個人的な解釈であったりするケースが少なくありません。その点、税務署の回答通りに申告すれば、税務調査で指摘を受けるリスクを減らせる可能性があります。

ただし、相談員の知識レベルや解釈によって回答のニュアンスが異なる場合もあるかもしれません。そのため重要な判断に関わる相談の場合は、相談日時、対応した職員の所属部門と氏名を記録しておくことをおすすめします。

デメリット1:希望するタイミングで相談できるとは限らない

窓口での相談は基本的に事前予約制のため、思い立った​ときに​すぐ相談できるとは限りません。特に確定申告期間は税務署の窓口・電話ともに大変混雑するため、希望する時間に予約が取れない場合もあります。また、​相談内容によっては、法人税担当、資産税担当といった専門の職員でなければ回答できない場合もあります。

デメリット2:長時間の相談は難しい

税務署では​多くの​案件に​対応する​ため、​必然的に一人​あたりの​相談時間には​限りが​あります。複数の年度にわたるような複雑な相談や、多岐にわたる質問を一度に解決するのは難しいと考えた方が良いでしょう。相談する際は、必要書類をそろえ、質問したい内容を2〜3点に絞り込んでおく必要があります。

また、税務署の相談は基本的に一回限りで完結するものであり、相談の都度、担当者が変わることも珍しくありません。そのため、事業全体の状況を俯瞰し、長期的な視点でアドバイスを受けたい場合には、時間的な制約なく相談できる税理士に相談した方が良いでしょう。

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デメリット3:具体的な節税アドバイスは期待できない

税務署は中立な立場から「適正な申告」をサポートする機関であり、納税者の税負担を軽くするための助言は行っていません。
たとえば、青色申告の申請方法や青色申告特別控除などの仕組みは教えてくれますが、「あなたの事業規模なら、青色申告に切り替えることで年間〇〇円の節税になります」といった、個別の状況に踏み込んだ有利・不利の判断はしてもらえません。

また、税務署は課税回避行為には厳しい姿勢で臨むため、アドバイスは保守的な内容になりがちです。法律の範囲内で税負担を最小限に抑えるための選択肢や、複数の選択肢の中からどれが最も有利かを検討するような内容については、税理士に相談した方が良いでしょう。

税務署への相談時のポイントや注意点

税務署に相談する際は、準備次第で得られる成果が大きく変わります。限られた時間を最大限に活かし、的確な回答を得るために、事前に以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 税務署が対応できる・できない内容を理解しておく
  • 相談内容は事前に整理しておく
  • 相談できる時間を確認し、混雑していない時間帯を狙う
  • 忘れないよう相談内容はメモを取る

税務署が対応できる・できない内容を理解しておく

税務署は国税庁に属する組織であるため、対応しているのは「国税」に関する相談のみです。「地方税」は市役所や​区役所の​管轄で​あり、​税務署では​相談を​受け付けていません。​

国税 地方税
所得課税:所得税、​法人税、​地方法人税、​特別法人事業税、​復興特別所得税
資産課税:相続税・贈与税、​登録免許税、​印紙税
消費課税:消費税、​酒税、​たば​こ税、​たば​こ特別税、​揮発油税、​石油ガス税、​航空機燃料税、​石油石炭税、​電源開発促進税、​自動車重量税、​国際観光旅客税、​関税、​とん税、​特別とん税
所得課税:住民税、​事業税
資産課税など​:不動産取得税、​固定資産税、​​法定外普通税、​事業所税、​都市計画税、​水利地益税、​共同施設税、宅地開発税、​国民健康保険税、​法定外目的税
消費課税:地方消費税、​地方たば​こ税、​ゴルフ場利用税、​軽油引取税、​自動車税、​軽自動車税、​鉱区税、​狩猟税、​鉱産税、​入湯税

相談したい税金の種類がどちらの管轄か、事前に確認しておきましょう。

相談内容は事前に整理しておく

限られた時間で的確な回答を得るため、質問リストを作成しておきましょう。以下の3点を整理しておくと、税務署の職員に状況が伝わりやすくなります。

  • 現状:いつ、誰が、何をしたかなど、事実関係を時系列でまとめる。
  • 疑問点:その状況下で、具体的に何がわからないのかを明確にする。
  • どうしたいか:最終的に自分がどうしたいのか、相談のゴールを伝える。

また、確定申告の相談をする際には以下のような持ち物を用意しておきましょう。

  • 前年分の確定申告書の控え
  • 売り上げ・経費がわかる帳簿
  • 各種控除証明書(生命保険料、医療費、寄附金など)

関連書類をただ持参するだけでなく、質問に関わる箇所に付箋を貼るなどの準備をしておくとスムーズです。必要な持ち物がわからない場合は、事前に税務署に相談することをおすすめします。

相談できる時間を確認し、混雑していない時間帯を狙う

税務署の開庁時間は原則、平日の午前8時30分から​午後5時です。以下のタイミングは税務署が混雑する傾向にあるため、利用を避けた方が良いでしょう。

  • 確定申告期間
  • 連休明け
  • 多くの​人が​外出を​控える​悪天候の​日の​翌日
  • 午前中の早い時間帯

なるべく平日の閉庁に近い時間帯を狙うと、比較的待ち時間が少なく済む可能性があるでしょう。

忘れないよう相談内容はメモを取る

専門用語が多く出てくる可能性もあるため、職員が説明した根拠(法律)などを忘れないようメモを取るようにしましょう。相談の最後には「つまり、〇〇という理解でよろしいでしょうか?」と自分の言葉で要約して確認することで、認識のズレを防ぎ、後の手続きミスを減らせます。

やらないともったいない!電子化による業務効率化も税務署に相談可能

税務署では、​税務関連の​電子データに​関わる​手続きや​法令を​取り巻く​疑問も​相談できます。​経営の​効率化や​財務管理の​可視化の​ためにも、​ビジネスに​おいて​書類や​業務の​デジタル化は​急務です。​税務署での​相談の​前に、​帳簿や​書類の​電子化の​ルールをおさらいして​おきましょう。

電子帳簿保存法など、電子化と税務の関係

改正電子帳簿保存法が​2022年に​施行された​ことに​伴い、​Eメールなどで​電子的に​授受した​取引情報を​電子データで​保存する​義務が​定められました。

電子帳簿保存法は、法人・個人事業主を問わず、すべての事業者が対象です。特に、メールでPDFの請求書を受け取ったり、ECサイトで備品を購入したりした場合の領収書データなどの「電子取引データ」は、原則として電子データのまま保存する義務があります。その際「取引年月日・取引金額・取引先」で検索できる状態にしておくなどの要件があり、これらの具体的な対応方法について税務署に相談が可能です。

時間もコストも削減できる電子化のメリット

電子化のメリットは以下の通りです。

  • コストの削減につながる
  • 業務時間を短縮できる
  • 人的ミスを防げる
  • 迅速な経営判断につながる
  • 税務調査にスムーズに対応できる

電子化によって、まず紙代やインク代、書類を保管するためのキャビネットや倉庫といった物理的なコストが不要になります。また、キーワード検索で必要な書類を瞬時に見つけられるため、書類探しの手間が省けて経理業務が高速化し、生産性の向上にも期待できます。

さらに、会計ソフトと連携すれば手入力や転記作業が減るため、計算ミスや入力漏れといった人的ミスを防ぐことも可能です。
このようにして担保された正確なデータは、売り上げや経費の状況をリアルタイムで把握することを可能にし、データに基づいた迅速で的確な経営判断の土台となります。

「税務調査への対応がスムーズになる」という点も大きな利点といえるでしょう。帳簿データを一元管理しておけば、調査官からの資料提出要求に対し、慌てて書類を探すことなく、迅速かつ正確にデータを提示することが可能です。

税務処理が簡単に?コストを最大限抑えて効率化・電子化できるSquare

「業務をデジタル化したいけれど、何からはじめればいいかわからない」「コストは抑えたい」という人におすすめなのが、決済代行サービスのSquareです。

決済・売上データが自動で帳簿に反映される

Squareは、キャッシュレス決済の受付だけでなく、日々の売上管理ができるPOSレジアプリや、オンラインで請求書を発行・管理できる機能などを提供しています。これらのサービスを利用することで、売り上げに関するデータが自動的に記録・集計され、手作業での入力や管理の手間を大幅に削減できます。

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申告準備がラク!クラウド会計ソフトとの連携

Squareはfreeeやマネーフォワードといった主要なクラウド会計ソフトと連携可能です。店舗やオンラインでの売上データが自動で会計ソフトに反映されるため、面倒な仕訳作業から解放され、確定申告の準備が格段にラクになります。

Squareの決済端末は4,980円(税込)から導入でき、POSレジアプリや請求書機能は無料で利用開始できます。かかる費用は決済ごとの手数料のみというシンプルな料金体系も魅力です。税務処理の負担を軽くするため、Squareの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

よくある質問 FAQ

税務署での相談に関してよくある質問をまとめました。疑問点や不安な点がある場合は、ここで解消しておきましょう。

税務署での相談は予約が必要?

対面での相談(面接相談)は、原則として事前の電話予約が必要です。予約なしで訪問した場合、長時間待たされたり、相談を受け付けてもらえなかったりする可能性があります。確定申告時期の相談会など、一部予約不要の場合もありますが、事前に所轄の税務署に確認しましょう。

なお、電話での相談に関しては予約は必要ありません。

税務署と税理士への相談はどう違う?

税務署と税理士では、その立場と役割が根本的に異なります。

税務署は、税金を徴収する公的機関です。すべての納税者に対して中立・公平な立場から、法律に基づいた客観的な情報を提供します。「適正な申告・納税」をサポートする役割のため、特定の個人が有利になるようなアドバイスは行わない代わりに無料で相談ができます。

一方、税理士は、納税者の代理人という立場の民間の専門家です。依頼者の利益を第一に考え、法律の範囲内で税負担が軽くなる節税対策や経営に関するアドバイスを行います。また、税理士が作成・提出する申告書は信頼性が高く、適正な申告を行っている証明となるため、結果として税務調査の対象となるリスクを軽減できるという大きなメリットもあります。ただし、これらのサービスは基本的に有料なので、相談料や顧問料などの支払いが必要です。

それぞれの特徴を理解し、相談したい内容に応じて使い分けましょう。

税理士に確定申告だけ頼む場合の費用はいくら?

個人事業主の場合、5〜10万円程度が一般的な相場です。売上高や取引件数に応じて料金も高くなる傾向にあります。日々の記帳から帳簿作成まで依頼する場合や、消費税の課税事業者で消費税申告が必要な場合も、別途料金が加算されるのが一般的です。

まとめ

税務署は、税金に関する疑問や不安を抱える事業者にとって、心強い味方になります。費用をかけずに、国税に関する公式の見解や、法律に基づいた正確な情報を得られるため、確定申告や日々の経理で不明な点があれば積極的に活用しましょう。

ただし、税務署の相談には「希望するタイミングで相談できるとは限らない」「節税相談はできない」といったデメリットもあります。相談に行く際は、事前に内容を整理し、ポイントを押さえて効率的に利用することが大切です。より専門的で踏み込んだアドバイスが必要な場合は、税理士への相談も視野に入れると良いでしょう。

こうした税務署での相談や日々の税務処理をスムーズに進める上で重要なのが「業務のデジタル化」です。日頃から書類や情報がデジタルで整理されていれば、税をめぐる業務の煩雑さが緩和され、働き方の改善や人材不足の解消にもつながります。Squareのようなツールを導入し、ビジネスのDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めてみてはいかがでしょうか。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2023年10月23日時点の情報を参照しています。2025年9月4日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash