税務調査とは?実際の流れとトラブルを防ぐ帳簿管理のコツ

Square (スクエア), ブログ編集者

「税務調査」という言葉に恐怖を感じている経営者も多いのではないでしょうか。「税務調査」とは、確定申告の内容に対して税務署が行う調査のことです。万一申告内容に誤りが見つかると、追徴課税が発生する可能性もあります。

経営者の中には、「税務調査は大企業が受けるチェックなので、中小企業や創業したての企業には遠い話だ」と思っている人もいるかもしれませんが、決してそうとは言い切れません。いざというときに焦らず対応するためにも、税務調査の内容や流れを理解しておくことは重要です。知識があって適切な帳簿管理ができていれば、過分に恐れることはありません。

ここでは、税務調査の流れやいざというときにトラブルにならないための帳簿管理のコツを解説します。しっかり理解して、会社の経営に役立ててください。

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税務調査とは

税務調査とは、税務署が納税者の申告内容が正しいかを確認するため行う調査のことです。といっても、すべての企業が対象となるわけではありません。国税庁発表資料の「税務行政の現状と課題」によると、法人の場合の実地調査件数は3.2%、個人の場合は1.1%と低い数字です。この数値を見ても、脱税などを行わない普通の企業にとって、税務調査という言葉をむやみに恐れる必要はないということがわかるのではないでしょうか。

税務調査の種類
税務調査には、大きく分けて「任意調査」と「強制調査」の2種類があります。

「任意調査」とは、脱税などの疑いのない、普通の企業を対象に行われる調査です。事前に調査が行われる旨の連絡が入るので、突然調査官が会社に押しかけるということはありません。といっても、調査の場で調査官が書類内容に関する質問をするので、黙秘や虚偽の報告などは許されません。調査官の質問にもよどみなく答えられるよう、しっかりと事前準備を行っておきましょう。

一方、脱税の疑いが濃厚な場合に行われるのが「強制調査」です。いわゆる「マルサ」、国税局査察部が行う調査のことです。強制調査は脱税の隠蔽が悪質である場合や、脱税額がかなり大きいと想定される場合に、裁判所の令状で行われます。

税務調査の対象になりやすい会社は?
税務調査の目的は、適切に納税が行われているかどうかを確認するという点にあります。そこから考えると、

・利益が急に増えた企業
・消費税の還付を受けた企業
・多額の経費が計上されている企業
・事業所得の赤字が続いている企業
・消費税の課税対象となる売上が1,000万円ギリギリの企業

などが対象になりやすいと考えられます。

もちろん、上記に該当しない企業でも調査対象になる可能性があるのが任意調査です。いつ税務署から連絡が来てもスムーズに対応できるよう、しっかり準備をしておきましょう。

税務調査の流れ
実際の税務調査はどのような流れで行われるのでしょうか。任意調査の流れを簡単に説明します。

税務調査は1日から3日(企業の規模で変わります)で完了するスケジュールで行われるのが一般的です。事前に日程調整の連絡が来て、いつ行うかを決定します。

調査においてまず行われるのは、事業概要の説明です。取引先の状況や、役員の情報を確認されることもあります。その後、帳簿のチェック、領収書と帳簿の付け合せ、仕分けの確認などが行われます。すべての確認が終わったあと、指摘事項を申し渡されます。税務調査の結果は、調査から1カ月ほどで連絡があるのが一般的です。指摘の状況によって、修正申告が求められる場合と、指導でとどまるケースがあります。追徴課税が求められることもあります。

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税務調査時に準備しておくべきもの

税務調査時は、会社のお金の流れに関する内容や、取引の内容が確認できるような資料の提出が求められます。調査の連絡があったら、以下の書類を準備しておきましょう。また、経理担当者のパソコンの中も確認し、整理しておくことをおすすめします。

・総勘定元帳
・納品書
・請求書
・契約書
・領収書の控え
・稟議書
・議事録
など

税務調査の際、調査官が税務署に持ち帰って調べたいと申し出るケースもあります。手元にないと困る資料がある場合、コピーやスキャンをして準備をしておくと安心です。

税務調査の際にチェックされる内容

税務調査では、帳簿の内容や領収書の中身などを細かく確認されます。よくある指摘事項としては、次のものが挙げられます。現状の経理関係に不安がある人や、税務調査の連絡があって不安な人は、以下のポイントを中心に内容をセルフチェックしてみるといいかもしれません。詳しくは後述しますが、誤りがあった場合には、税務調査前に自分で修正申告を行うことでペナルティを減らすことができます。

・収益や費用の属する期がずれてしまった
・減価償却資産を一括して計上してしまった
・事業と関係のない交際費を計上した
・外注実績がないのに外注費を計上している

税務調査ということで、税法の知識が必要な難しい指摘が多いのではと不安に思う人もいるかもしれませんが、実際の指摘事項は専門知識がなくても理解しやすいものです。わからない・納得できないことがあれば、調査官に質問もできます。自分での対応に不安があれば、顧問税理士に立ち会いを依頼しましょう。

万一の時のトラブルを減らすための帳簿管理のコツ

先述の指摘事項を見ても分かる通り、「帳簿管理にミスがあった」とか「経費に関する知識が曖昧だった」という理由で指摘される内容がほとんどです。もちろん自社内で間違いのない知識を持って経理作業を行うのが望ましいですが、中小企業や創業まもない企業の場合、経理知識があまりない人材が作業する局面もあります。個人事業主であれば、全てを事業主が担うというケースも少なくありません。

経理についての自信がない場合におすすめしたい方法が「会計ソフト」の活用です。会計の知識がなくても簡単に帳簿をつけられる仕組みのものが多く、こまめに入力をしていく中で自分で間違いにも気づきやすくなります。売り上げや経費の状況も自動で計算されるので、経営状況の把握にも役立ちます。便利なツールを活用して、経理業務の効率化と精度向上を図りましょう。

もし申告内容に誤りが分かったら

税務調査の連絡があり、その準備をする中で過去の書類を確認している際に、ミスを発見するのはよくあることです。その際、税務調査の前に自分から過少申告についての修正申告をするようおすすめします。

申告内容に不備があった際には追徴課税が課されますが、過少申告や未納付があった場合のペナルティとして「加算税」が課せられます。加算税にもいくつか種類がありますが、たとえば申告額が少なかった場合に課せられる「過少申告加算税」の税額は原則10%です。しかし、税務調査の事前通知が行われる前に修正申告を行った場合は加算税の対象にならない可能性が高くなります。事前通知後でも調査終了前に修正申告を行った場合でも税の軽減(原則5%)が受けられます。

申告に間違いがないのが望ましいですが、予期せぬ間違いが起こる可能性もあります。もし事前通知を受けたら、社内でも申告内容を再度確認し、不備があれば早めに動けるようにしておきましょう。

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税務調査を理解すれば、恐れる心配はない

税務調査は、あくまで申告の内容を確認するためのものですから、故意の脱税を行っていない場合には不安に思う必要はありません。もちろん、申告内容に不備があった場合は追徴課税などがありますが、それは払うべき税金を納めるだけのことであり、重い罰則があるわけではないのです。

税務調査の本質と流れを理解して、いざというときにも慌てずに対応できるように準備しておきましょう。会計関係の知識や業務に不安があれば、税理士への相談や会計ソフトの導入を考ることをおすすめします。

執筆は2019年9月25日時点の情報を参照しています。
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