ネットショップの集客に役立つ効率的・効果的な方法を紹介

ネットショップを立ち上げたあとで起きる悩みの一つが集客でしょう。どんなによい商品やサービスも、ネットショップに載せるだけでは売り上げにつながりません。ネットショップで売り上げを伸ばすための集客ノウハウについて、ポイントとなる考え方や具体的な集客方法を紹介します。

目次



ネットショップ集客で押さえるべきポイント

ネットショップ立ち上げのときは、商品・サービスや店の魅力といった「売り手側の視点」で考えがちですが、集客で一番に考えなければならないのは、どうやったらページを訪ねてくれるか、商品を買ってくれるのかという「買い手の視点」です。

買い手側の視点でターゲット別に戦略を立てる

消費者は次のような4種類に分けることができ、それぞれのターゲットにあわせて戦略を立てていきます。

  1. 全く興味を持っていない人:商品・サービスに興味をもってもらう
  2. 興味はもっているが存在を知らない人:ネットショップの存在を知らせ購買してもらう
  3. 一度購買したことのある人:商品・サービス・ネットショップに親しみを感じてもらいリピートにつなげる
  4. リピート購入し馴染客になっている人:商品・サービスの良さを拡散してもらう

売り手側の視点で魅力の伝え方を考える

もちろん「売り手側のこだわり」として、ネットショップや商品・サービスそのものの魅力を上げていくことも重要です。ネットショップの顔であるウェブサイトの各ページには、必要な情報が分かりやすく記載され、スムーズに購買できることが重要です。

また、訪問したときの親しみやすさ、ストーリーのわかりやすさなどが、ネットショップの個性として伝わることもリピーター獲得には欠かせない点です。

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効果的に集客するには

ネットショップの集客は、実店舗の集客と基本的な部分は同じです。継続したこまめな運営が鍵を握ります。主な流れと集客方法を検討する際のポイントを挙げておきます。

ネットショップ集客の流れ

はじめに、どのようなお客様に来てもらい、どのような行動を起こしてほしいのか、ターゲットと目的・目標などの方針を決めましょう。

次に、現在のページの現状を分析します。Googleアナリティクスのようなアクセス解析ツールや、Google Search Consoleといった検索キーワードとクリック数を分析するツールなどを活用しましょう。

どこからどのような人が何人きて、どの商品を見てどのくらい滞在して帰ったのか、どの検索キーワードで表示され、そのうち何回クリックされているかといったところから、戦略を立てます。

おおよその戦略が決まったら、費用と効果のバランスをみながら集客手段の選定を行い、運用していきます。効果は定期的にフィードバックして成果を分析し、改良します。

ネットショップ集客方法の選択ポイント

集客方法を選ぶうえで考慮したい点は、投資コストと集客効果です。詳しく見ていきましょう。

投資コスト

集客の手段を検討するときは、投資のコストと成果のバランスで考えましょう。コストには直接的なお金だけでなく、手間(人件費)などの固定費や、時間、難易度も影響します。

集客効果

効果の内容も必ず確認しておきたい点です。即効性があるのか、どのくらいの影響範囲に広げられるのか、インパクトの大きさはどのくらいなのかといった特徴を検討し、最適な方法を組み合わせていきます。

無料でできる集客と運用のポイント

無料のツールや集客方法は、手間がかかったり、効果が現れるのに時間がかかったりすることが多いですが、地道に運用することで信頼を得て、優良顧客を増やせる可能性があります。

SEO・MEO対策

知りたい情報やほしいものがあるとき、多くの人がネット検索を利用します。検索キーワードに合ったウェブサイトが検索結果として表示されますが、この検索結果で上位に表示されるように施策を行うのがSEO(検索エンジン最適化)です。一方、MEO(マップエンジン最適化)はGoogle マップ上で店舗情報が上位に表示されるように行う対策を指しています。

SEO対策では、検索をした人にとって「有益な」コンテンツとしてページの充実を図ることを求められます。たとえば、無理にキーワードを詰め込んだ長文よりも、文字数が少なくても良質なコンテンツの方が効果があるといわれています。また、表示に時間がかかるサイトよりも表示速度が早いサイト、古い情報をそのままにしているサイトよりも常に最新情報が更新されているサイトのほうがメリットがあるなど、SEO対策では優良なコンテンツの蓄積と更新が欠かせません。

SEO対策の効果は、Google Search ConsoleやGoogle アナリティクスなどのツールから確認することができます。

Google Search Console

Google Search Consoleを使うと、Google上でのあなたのネットショップの掲載順位、表示回数などがわかります。また、品質ガイドラインに従っているかどうかのチェックが行なわれるのも特徴的です。ガイドラインに準拠してないと判断される例には、「コピペと判断される文章が掲載されている」「リンク先の導線が不自然」などが挙げられます。問題があると判断された場合、検索順位が著しく下がってしまう可能性があるので注意が必要です。知らぬ間に検索順位が下がってしまわないためにも、ネットショップのページがガイドラインに沿っているかどうかこまめに行うのが得策です。

Google アナリティクス

Google アナリティクスでは、

  • ユーザーの属性情報(地域、年齢など)
  • ユーザーがネットショップにアクセスした方法(検索から、他社サイトのリンクからなど)
  • ユーザーがそれぞれのページに滞在した時間

などがわかります。改善を図ったページへのクリック数や滞在時間などからSEO対策の効果を分析できるでしょう。

メールマガジン・独自アプリによるプッシュ通知

メールマガジンの配信は操作そのものは難しくありませんが、こまめな運用が必要です。親近感は接触頻度に応じるともいわれており、繰り返すことにより想起率も上がります。

また、専用のアプリをダウンロードしてもらい、プッシュ通知で接触回数を増やす方法もあります。ただし、あまり頻繁だと逆効果です。キャンペーンなど、もらってうれしい要素を混ぜ込みましょう。

ブログ運営

商品やサービスに関連する情報やエピソード、活用方法などを掲載し、「読んだらやってみたくなる」「更新が楽しみになる」コンテンツを増やしていくことでSEO効果を狙えます。次に紹介するソーシャルメディアとの連携も効果的です。

ブログ作成サービスに登録して運用するのであれば操作は簡単です。サービスによってターゲット層が異なるので、戦略にあったものを選びましょう。

また、ネットショップ作成サービスの中には、ブログ機能を提供しているものもあります。複数のサービスを利用する必要がなく、一つのツールでネットショップ運用からブログ投稿までできるので、運用負荷が少ないのがメリットです。

ソーシャルメディアの運用

ソーシャルメディアの運用は、「口コミ」パワーを活用した集客方法です。購買やサービス利用といった行動変容を起こす原動力として重要視される一次情報(実際の体験談、使った人の声)の宝庫で、拡散力が強いのが特徴です。

ソーシャルメディアでは同じものに関心を持つ人がつながっていきます。「いいね!」ボタンやシェア、コメントといった意思表示の機能やハッシュタグなどを利用することで、仲間や同じ関心層の人たちがつながり、情報が拡散します。

ソーシャルメディアの定番として挙げられるのは、Facebook、Instagram、Twitter、YouTube、TikTokでしょう。それぞれにコアとなるユーザー層があり、関心の度合いも、表現の方法(文字、写真、動画)も異なります。ブログより反応速度が早く、拡散力も高い一方、情報が流れるのも早いため、持続して認知度を上げていけるようにすると効果的です。

開設・投稿そのものは簡単にできますが、投稿が認知され、拡散されるまでには積極的な運用が不可欠です。更新頻度が重要な鍵を握ります。既存のお客様を足がかりに、地道な更新でフォロワーを増やしてつながりを広げ、情報を拡散してもらう必要があります。

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有料の集客ツールの特徴と運用のポイント

有料の集客ツールを使う場合には、ターゲットをしっかりと絞ることで効率的な集客が期待できます。ただし、効果は投資した金額に比例する傾向にあり、相応のコストがかかります。それぞれの特徴を理解し、ターゲットにあわせた投資であれば劇的な結果を得ることもあります。

リスティング広告

検索のキーワードに連動し、検索結果のページの有料広告枠に表示させる広告方法です。キーワードの選定によって効果が変わり、上位表示されたとしてもリンク先をクリックするかどうかは、広告のタイトルやディスクリプション(ページの概要説明)の魅力によるといえます。入札価格が同じ場合、ページの品質スコアが高いほうが上位に表示されるしくみのため、しっかりとしたコンテンツづくりは不可欠です。

ディスプレイ広告・動画広告

ウェブサイトを訪問したときに、広告枠にテキストや画像、動画を表示するしくみです。画像や動画は直感的なイメージを伝え、インパクトがあります。特に動画は、視覚と聴覚の両方に働きかけるため印象に残りやすくなります。一方、クオリティの低いものだと逆効果で、マイナスイメージになる可能性もあります。ターゲット別にビジュアルやキャッチコピー、ランディングページ(リンク先のページ)を変えるなど、効果的な活用を心がけましょう。

広告は、クリックさせるのが目的ではなく、リンク先の商品やサービスのページを訪れ、購買の行動を起こさせるのが目的です。広告とランディングページとの連動も重要で、違和感なくイメージを訴求できるものにし、せっかく入ってきたのにすぐ離脱することがないようにしましょう。

ソーシャルメディア広告

年齢・性別・地域・興味など、ターゲットを絞り込んで広告を打つことができます。投稿記事のように作成することができ、フォロワーが少ない期間に拡散させる手段として有効です。「刺さる」広告がシェアされれば広く拡散され、多くの人の目にとまります。

純広告

メディアの広告枠を買い取り、出稿する広告を純広告といいます。Yahoo! JAPANのトップページにある広告枠に自社の広告を掲載する、というとイメージがしやすいかもしれません。

純広告と一口に言っても種類は複数あります。たとえばホームページ上に掲載できる画像付の「バナー広告」、ホームページ上の文章に広告を入れ込む「テキスト広告」、記事や特設ページとして掲載する「タイアップ広告」、ユーザーがクリックした動画の前や途中で流れる「動画広告」、メールで配信される「メール広告」などです。契約形態は基本的に「インプレッション保証型」あるいは「インプレッション課金型」で、インプレッション(広告が見られた)数や期間を保証するものが前者、インプレッション数に応じて課金されるのが後者です。

アクセス数が多く、かつ適切な媒体を選べば、潜在顧客に認知してもらえるというメリットがある一方で、ほかの広告と比べると費用が高いことがデメリットといえるかもしれません。

リアルイベントに出店する

イベントへの出店も立派な集客方法の一つです。お客様と顔を合わせられないネットショップだからこそ、イベントというリアルな場でお客様と交流をはかり、商品の魅力を直接アピールしてみてはいかがでしょうか。その場で購入にはつながらなくても、ショップカードやQRコードなどを用意しておけば、少なくともネットショップに誘導することができるでしょう。ネットショップで利用できるクーポンなどをその場で配ると、アクセスにつながりやすいかもしれません。

ネットショップ集客の注意点

ネットショップの集客には特殊な技術や専門知識が必要なように見えるかもしれませんが、基本は実店舗と同じです。最後に、集客をする際に注意しておきたい点を見ていきましょう。

情報セキュリティーには要注意

集客する際、情報管理には特に注意しましょう。ショップ運営では、個人情報につながるデータがたくさん出てきます。ちょっとしたエピソードで投稿する際にも、特定されているものがないかをよく確認しましょう。

安全な運用だけでなく、安全・安心に配慮していることを伝えることもポイントです。また、ネガティブな表現や固定観念の強いコメントは炎上しやすく、拡散しても集客にはつながりません。ていねいに更新を重ねることが大切です。

デバイス別でのユーザビリティにも配慮を

インターネットはどのような通信環境で情報をとるか、受け手次第です。今は半数以上の人がスマートフォンで情報を取得しているといわれています。デバイス別の見え方や伝わり方など、特徴をつかんでコンテンツを考えることも重要です。

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執筆は2020年12月11日時点の情報を参照しています。2021年10月21日に記事の一部情報を更新しました。
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