少子高齢化による生産年齢人口の減少や、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、人手と人件費を削減でき、衛生面でも清潔を保ちやすいセルフレジに注目が集まり、コンビニエンスストアなど身近な店舗でも導入が進んでいます。この記事ではセルフレジと、会計処理を一部自動化するセミセルフレジについて、導入のメリットトデメリットを合わせて紹介します。
目次
- セルフレジとは
・セルフレジの概要
・セルフレジを導入すべき理由
・セミセルフレジとの違い
・小売店と飲食店のセルフレジは違う - セルフレジ・セミセルフレジを導入するメリット
・衛生面で清潔になる
・キャッシュレス決済を導入しやすい
・店員の人数を減らせる
・レジ業務が軽減される
・人手不足の影響を緩和できる
・人件費が減る
・会計時間の短縮につながる
・支払いのミスが減る - セルフレジやセミセルフレジを導入するデメリット
・精算忘れが起きる
・万引きが起きることも
・サービスのよさが伝わりにくい
・支払機を別途設置するコストがかかる
・支払機の設置スペースが必要
・かえって混雑するおそれも
・操作がわからないお客様もいる
セルフレジとは
セルフレジの概要
セルフレジとは、お客様自身が会計処理のすべてまたは一部を支払機で行うシステムです。近年スーパーマーケットやコンビニエンスストアの一部店舗でセルフレジの導入が進み、利用したことがある、セルフレジを愛用しているという人もいることでしょう。
セルフレジを導入すべき理由
特に小売業界や飲食業界では、セルフレジを導入することでレジまわりの作業を軽減できます。人手不足が深刻化する中で、少ない店員数で店舗の営業が続けられること、人件費を削減できることからセルフレジに期待が集まっています。
セミセルフレジとの違い
セルフレジというと、一般的にはお客様が商品バーコードの読み取りから支払いまでのプロセスすべてを自分で行う「フルセルフレジ」を指しますが、厳密にはフルセルフレジのほかに「セミセルフレジ」というタイプのセルフレジも存在します。
「半分、準」を意味する「セミ」がつくことから、お客様は会計プロセスの一部分を自分で行います。具体的には、店員がバーコードをスキャンしてPOSシステムに商品情報を登録し、お客様は支払機で代金を支払います。
小売店と飲食店のセルフレジは違う
セルフレジというと、スーパーマーケットやコンビニエンスストアといった小売店のシステムというイメージが強いですが、飲食店でも導入が進んでいます。飲食店でのセルフレジの歴史は実は長く、ラーメン店などに設置されている食券の券売機もいわばセルフレジの一つです。これに加えて、インターネットを利用した事前注文と前払いによるテイクアウトや、店舗での飲食後にバーコードやQRコードを発行してお客様自身で会計を行うシステムも普及しつつあります。
セルフレジ・セミセルフレジを導入するメリット
衛生面で清潔になる
店員とお客様の間での現金やカードの受け渡しが少なくなるため、衛生面で清潔を保ちやすくなります。一方で、不特定多数のお客様が使うセルフレジやセミセルフレジは、頻繁に清掃するなどして清潔に保つ必要があります。
キャッシュレス決済を導入しやすい
セルフレジやセミセルフレジは、現金のほか、クレジットカードや電子マネーなどさまざまなキャッシュレス決済に対応しているものが多いため、セルフレジやセミセルフレジを導入に合わせて一気に主要なキャッシュレス決済手段に対応できます。
店員の人数を減らせる
セミセルフレジには商品情報を登録する人手が必要ですが、セルフレジの場合、運用が軌道にのり、お客様がシステムを使い慣れてくると、会計処理すべてをセルフレジに任せられるようになり、人手を削減できます。まだ実験段階ではありますが、完全に無人の店舗も出てきています。
レジ業務が軽減される
お客様がセルフレジやセミセルフレジを利用して会計処理の全部または一部を行うため、店舗でのレジ業務を軽減できます。
人手不足の影響を緩和できる
日本では高齢化が進み、生産年齢人口が減少傾向にあります。このような中、人手不足の影響はすでに社会に現れています。少ない人数で営業を行う店舗も少なくありません。セルフレジやセミセルフレジを導入して、レジ業務の全部または一部をお客様に任せられれば、人手不足の影響を緩和できます。
人件費が減る
セルフレジやセミセルフレジによってレジ業務の負担を軽減し、これまでよりも少ない人数で店舗を運営できれば、人件費の削減につながります。
会計時間の短縮につながる
店員がレジ業務を行う店舗では、会計業務はレジを操作できる店員が行うことになるため、混雑時にはレジに長い列ができることも少なくありません。セミセルフレジでは依然店員による処理が必要ですが、セルフレジではレジの台数さえ確保できれば、お客様が自分で会計処理をできるので混雑の解消につながります。
支払いのミスが減る
セルフレジやセミセルフレジでは、提示された金額をキャッシュレス決済や現金で支払います。キャッシュレス決済の精度は高く、現金払いの場合でも、人手による処理では釣り銭の数え間違いなどが発生する可能性がありますが、セルフレジやセミセルフレジでは現金が投入されると正確に金額が処理できます。
セルフレジやセミセルフレジを導入するデメリット
セルフレジやセミセルフレジを導入しても、レジ業務にまつわるすべての課題が解決されるわけではありません。ここではセルフレジやセミセルフレジを導入するにあたって知っておきたいことを説明します。
精算忘れが起きる
セルフレジやセミセルフレジによって、お客様から受け取った金額を間違えたり、釣り銭を渡し間違えたりといったミスは減らせますが、一部の商品のバーコードをスキャンし忘れてしまうお客様や、同じ商品を重複してスキャンしてしまうお客様が出てくる可能性があります。
万引きが起きることも
悪意のない精算忘れに加えて、意図的に商品のバーコードをスキャンしない、または、セルフレジで精算せずに商品を持ち去る万引きにも注意が必要です。商品の総重量からスキャンし忘れた商品があることを警告するシステムはすでに存在し、AIが購入内容を追跡するシステムの開発も進められています。事業者としてはお客様を疑わずに店舗を運営できるにこしたことはなく、今後テクノロジーによって精算忘れや万引きの防止に対処できることが期待されます。
サービスのよさが伝わりにくい
セルフレジやセミセルフレジは使い慣れると店舗にとってもお客様にとってもメリットの多いサービスですが、お客様によっては自分で会計処理をすることに戸惑いを感じ、従来の店員による会計処理を好む人も少なくありません。時間はかかるかもしれませんが、会計時間の短縮、ミスが減るといったメリットを伝えていく必要があります。
支払機を別途設置するコストがかかる
セルフレジでもセミセルフレジでも、導入にあたって別途支払機を設置する必要があります。セルフレジやセミセルフレジの場合、支払機を購入して設置しようとすると一台あたり数百万円の費用がかかることもあります。複数台設置したい場合は、多額の出費を覚悟しなければなりません。初期費用を抑えたい場合はレンタルやリースを検討するのも一つの手です。
支払機の設置スペースが必要
支払機の中には卓上の比較的小型のものもありますが、それでも少なからず店舗のスペースを占有します。複数台設置したい場合は、より慎重に設置スペースを検討する必要があります。
かえって混雑するおそれも
セルフレジやセミセルフレジを店員やお客様が使い慣れるには時間がかかります。操作に困ったお客様が店員を呼び出すなど、かえって人手が必要になり、レジが混雑する可能性があります。セルフレジやセミセルフレジの導入直後は過度に効果を期待せず、効果が出るまでに時間がかかることを知っておくと、余裕を持って対応できるでしょう。
操作がわからないお客様もいる
セルフレジやセミセルフレジは、さまざまなお客様を想定して操作しやすく作られていますが、初めて使う支払機に戸惑うお客様がいるのも確かです。そういったお客様がいることを想定して、丁寧に対応することで、お客様は安心して時間をかけてセルフレジやセミセルフレジの操作に慣れていくでしょう。
本記事では近年小売店や飲食店で導入が進みつつあるセルフレジとセミセルフレジについて、メリットとデメリットを合わせて説明しました。人手不足が深刻化する中で、セルフレジやセミセルフレジは店舗側、お客様側双方にメリットがあり注目を集めているシステムです。小売店や飲食店などで見かけたら利用してみるなどしながら、動向を追っておくとよいでしょう。
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執筆は2022年1月10日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash