定額制、定期購入、月額課金といったサブスク型サービスでは、お客さまのクレジットカードに費用を定期的に請求することがあります。また、ホテルやレストラン、美容室など、事前に予約が必要なサービスを提供している事業者のなかには、キャンセル代をお客さまのクレジットカードに請求することがあるでしょう。
こうした請求をする際には、チャージバックなどのトラブルを回避するためにも、お客さまから支払いに同意する旨の署名をもらうことをお勧めします。今回紹介する「クレジットカード利用承諾書」をぜひご活用ください。
目次
- クレジットカード利用承諾書とは
・クレジットカード利用承諾書は、チャージバックの防止に役立つか - 承諾書が必要な場面
- クレジットカード利用承諾書の内容とは
・クレジットカード利用承諾書のテンプレートをダウンロードする - クレジットカード利用承諾書についてよくあるご質問
クレジットカード利用承諾書とは
クレジットカード利用承諾書とは、カード名義人が署名した文書であり、事業者にカードへの請求を許可するものです。事業者名、カード名義人の氏名、カードの種類・番号・有効期限といった情報が記されています。1カ月毎、3カ月毎、半年毎など、定期的に発生する請求に対して使われることが多いです。
クレジットカード利用承諾書は、チャージバックの防止に役立つか
チャージバックの目的は、不正な取引から消費者を保護することです。カード名義人が納得のいかない請求や身に覚えのない請求に対して、支払いを拒否することから起きます。具体的にはカード名義人がクレジットカード会社に支払異議申し立てをし、その内容が認められた場合、カード会社が事業者(加盟店)に対して売上代金の取消処理を行うことをチャージバックといいます。
チャージバックが発生すると、カード会社による決定が下るまで、対象の売上代金が保留状態になるため、ビジネスにとって大きな影響を及ぼします。さらに反証に伴う労力といった面でも大きな負担が伴います。
クレジットカード利用承諾書は、チャージバックからビジネスを守る方法の一つです。サービスや商品に対して、カード請求を許可する署名入りの承諾書があれば、チャージバックで事業者に有利な判断が下る可能性が高まるほか、煩雑さも軽減されます。チャージバックが起きた際に必要な書類についてはこちらでも紹介しています。
承諾書が必要な場面
クレジットカード利用承諾書は、カード情報を手動で入力する非対面決済や保存済みカード情報を利用した決済(自動継続課金)で役に立ちます。
承諾書には二つの役割があります。お客さまが請求に異議を申し立てるリスクを軽減すること、および当事者間の時間を節約することです。たとえば、オフィスにランチを届けるケータリングサービスを考えてみましょう。署名済みの承諾書があれば、ケータリングが完了すると同時にお客さまのカードに請求できます。支払方法について毎回確認したり、請求書に捺印を求めたりする手間が省けます。
他方、定期請求だけでなく、商品やサービスの一部費用を先に受け取る場面でも承諾書が役立ちます。一例が、高価な機器をレンタルする事業です。承諾書があれば、機器が返却されるまでカードで保証金を預かれるからです。
クレジットカード利用承諾書の内容とは
クレジットカード利用承諾書は、複雑な書類ではありません。一般的には以下の項目が含まれます。
- クレジットカード情報(カードの種類、名義、番号、有効期限)
- 事業者(加盟店)の情報
- カード名義人の請求先住所
- お客さまの保存済みカードに加盟店が請求することを許可する文言
- カード名義人の名前とサイン
- 日付
クレジットカード利用承諾書のテンプレートをダウンロードする
Squareでは、一般的なクレジットカード利用承諾書を無料で提供していますテンプレートはそのまま使用することも、カスタマイズして店舗名やロゴなどを追加することもできます。承諾書に含めるべき文言については、弁護士に相談することをお勧めします。
>テンプレートのダウンロードはこちら
クレジットカード利用承諾書についてよくあるご質問
クレジットカード利用承諾書の使用は法的に義務付けられていますか?
クレジットカード利用承諾書に関する法律はありません。使うべきかどうか不明点がある場合は、専門家に問い合わせることをおすすめします。
クレジットカード利用承諾書にセキュリティーコードを記入しないのはなぜですか?
セキュリティーコード(CVV)を記録することは、PCI DSSのセキュリティー基準に違反します。カード情報を手動で入力する場合は、毎回CVVをお客さまに確認する必要があります。Squareのカード情報保存機能を利用する場合は、CVVを毎回確認する必要はありません。
カード情報保存機能とは何ですか?
お客さまの許可を得ている場合に、Square上に支払い情報を安全に保存できる機能です。Square 請求書を介した定期請求に役立ちます。カード情報保存機能の詳細についてはこちらで説明しています。
署名入りの承諾書はどのように保管すればよいですか?保管期間はどれくらいですか?
PCI DSSのセキュリティー基準では、クレジットカード情報を処理するすべての事業者に対して、カードデータへの物理的なアクセスを制限することが求められます。カードデータを保護するため、署名済みの承諾書を安全な部屋やキャビネットに保管し、業務上必要な従業員のみがアクセスできるようにします。
チャージバックが請求可能な期間はそれぞれ異なるため、署名済みの承諾書は、請求後も2~3カ月間は保管しておくことをお勧めします。
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執筆は2024年3月1日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash