月々500円など定額で商品やサービスを提供する、サブスクリプションサービス(以下、サブスクサービス)。サブスクサービスを開始する際に便利なのが、サブスク決済システムです。サブスクの料金をお客さまから自動で回収するための決済システムで、自動継続課金と呼ばれることもあります。
なかでも「できるだけコストをおさえて、サブスク決済を受け付けたい!」というビジネスオーナーにおすすめなのが、Squareです。月額利用料など固定費がかかるサービスも多いなか、初期費用も固定費も無料で、簡単にサブスク決済がはじめられます。
このガイド記事ではサブスクサービスが向いているビジネスや、導入のメリットなどを振り返りながら、Squareでサブスク決済を受け付ける方法を紹介します。
■Squareガイドでは、Squareが提供している豊富な機能の使い方を紹介しています。シリーズ一覧はこちら
目次
サブスクサービスが向いているビジネス
サブスクとは、定額の料金を支払い、商品やサービスを利用する仕組みのことで、英語で「定期購読」や「予約購読」を意味する「Subscription(サブスクリプション)」の略語です。「月額課金」「定額制」「定期購入」などと呼ばれることもあります。
サブスクサービスが導入できる場面は意外と幅広く、無縁だと思っているビジネスでも実は活用できるかもしれません。サブスクサービスの例をいくつか見てみましょう。
- 語学教室の月会費
- ヨガレッスンの月会費
- 料理教室の月会費
- シェアオフィスの月会費
- パンのお取り寄せセット定期便
- コーヒー豆の定期便
- クラフトビールの定期便
- 生鮮食品の定期便
- 日用品の定期便
- 古着のレンタル定期便
など
会費はもちろんのこと、お客さまが定期的に購入するような商品を販売している店舗やネットショップなら、サブスクサービスはぜひ取り入れたいものです。
サブスクサービスを導入する最大のメリットは、決まった頻度で一定の売り上げが回収できるところ、言い換えると、安定した収益を確保できる点でしょう。
また、支払いにはサブスク決済システムを利用すると、以下のようなメリットがあります。
- 都度請求する手間が省ける
- お客さまの傾向を分析できる
事前に金額や頻度、請求先情報などを設定しておけば、サブスク決済システムが自動でお客さまに請求をします。毎回自ら請求を行う必要がなく、少ない業務負担で売上拡大を目指せるところは大きなメリットです。加えて、サブスク決済システムに決済データが蓄積されていくので、データ分析を通してどのタイミングでサブスクを停止するお客さまが多いのかなどの課題を見つけ、改善などにもつなげられるでしょう。
Squareでサブスク決済をはじめるには
Squareでサブスク決済を受け付けるのに必要な準備と費用を見ていきましょう。
必要な準備
必要な準備は、無料アカウントの作成だけです。作成は、数分で終わります。アカウントの審査結果は登録のメールアドレスに最短即日で届きます。
費用
Squareのサブスク決済を導入する際の初期費用はゼロ。月額利用料もありません。クレジットカード決済によるサブスク決済を受け付けたときにだけ、決済手数料がかかります。
Squareにはサブスク決済を受ける方法が三通りあります。どの方法を選ぶかによって決済手数料率が異なりますが、基本的には決済金額の3.6%、あるいは3.75%のどちらかが発生します。
Squareでサブスク決済を受け付けよう!
Squareでは三つの異なる機能からサブスク決済を受け付けることができます。それぞれ使い方や特徴を以下の比較表にまとめていますので、ご自身のビジネスに合ったものを探してみましょう。
Square 請求書 | Square サブスクリプション | Square リンク決済 | |
決済手数料 | 3.75% | 3.6% | 3.6% |
定期請求の頻度 | 日ごと/週ごと/月ごと/年ごとで自由に設定が可能 | 毎週/隔週/月ごと/四半期/半年ごと/毎年で設定が可能 | 毎週/隔週/月ごと/四半期/半年ごと/毎年で設定が可能 |
送信方法 | メール・SMS・リンクの共有 | メール | リンクの共有 |
複数プランの作成 | ○ | ○ | ○ |
サブスクリプションのキャンセル | ○ | ○ | ○ |
支払日の事前リマインダーの設定 | ○(自動) | ○(手動) | × |
請求日の設定 | ○ | ○ | × |
請求終了日の設定 | ○ | △(請求回数の設定が可能) | × |
ディスカウントの設定 | ○ | ○ | × |
未払い請求の一覧表示 | ○ | × | × |
ファイルの添付(契約書など) | ○ | × | × |
支払期日後のリマインダー | ○ | × | × |
請求時に必要な情報 | ・名前 ・メールアドレス、または電話番号 |
・名前 ・メールアドレス、または電話番号 ・住所(商品を発送する場合) |
なし |
お客さま側でできることも見てみましょう。
Square 請求書 | Square サブスクリプション | Square リンク決済 | |
カード情報の変更 | ○ | ○ | ○ |
サブスクリプションのキャンセル | × | ○ | ○ |
サブスクリプションの一時停止 | × | ○ | × |
上記の表からある程度相性のよさそうな機能が見えてきたかもしれません。それぞれについてもう少し詳しく見ていきましょう。
Square 請求書はこんな人におすすめ
Square 請求書はこんな人におすすめ! ✅サブスク内容がお客さまごとに異なる ✅見積もりや契約書の確認が必要なサービスを提供している ✅支払状況をひと目で把握したい 利用が向いている業態 ✅税理士や弁護士の月額顧問料 ✅家具や家電の月額レンタル料 ✅マンツーマン語学レッスン費 ✅シェアオフィスの月会費 など |
Square 請求書はサブスク決済(自動継続課金)にも対応したクラウド請求書サービスです。カスタム機能が充実していて、柔軟性が高いところが特徴です。
ほかのサブスク機能と大きくは異なる点は、見積もりの作成や契約書を添付できるところです。たとえば、お客さまのニーズに合わせてサービス内容を提案するビジネスの場合、まず見積もりを提示し、お客さまが金額を確認したあとに、請求書を送ることができます。また、見積もりや請求書に契約書を添付することも可能です。契約書はSquareの管理画面から無料で作成できるので、契約書の作成から請求書の発行までSquareでまとめて行えます。ふだんから請求書を発行することが多いBtoBビジネスや、契約書などが必要なビジネスには使い勝手がいいでしょう。
また、請求終了日を設定できるのも、Square 請求書の特徴です。請求終了日を設定しておけばその日を境に請求が自動で停止し、コース終了時などに請求をマニュアルで止めなくて済むので、作業量の削減に貢献します。
事業者がすることは、必要項目を入力して請求書をメールで送るだけ。お客さまはメール内にあるリンクを通じてクレジットカードで決済をします。初回の決済時にお客さまがカード情報を保存すれば、毎月指定日保存したカードに自動で請求がされます。請求書機能では「未払い」の請求書を一覧できる絞り込み機能があるので、支払状況の把握も簡単です。
Square 請求書はお客さまの名前とメールアドレスがないと送れないため、事前にお客さまのメールアドレスを確認しておきましょう。
▼Square 請求書でサブスク決済を受け付ける方法
(1)Squareの無料アカウントを作成する
(2)ブラウザからSquareの管理画面(Square データ)にログインする
(3)サブスクとして提供するサービスを[商品]として登録する
(4)[請求書]>[定期請求書]をクリックする
(5)[定期請求書を設定]をクリックする
(6)各項目を入力し、自動引き落としをオンにする
上記のほか、Square 請求書アプリ、Square POSレジアプリから送信することも可能です。詳しいステップはこちらをご参考ください。
Square サブスクリプションはこんな人におすすめ
Square サブスクリプションはこんな人におすすめ! ✅不特定多数に同じサブスクプランを提供したい ✅100人以下の利用者を想定している ✅対面で申し込みを受け付けることが多い 利用が向いている業態 ✅ヨガレッスンの月会費 ✅料理教室の月会費 ✅パンの定期便 ✅生鮮食品の定期便 など |
Square 請求書よりも簡単にはじめられるのが、Square サブスクリプションです。基本的な機能はほとんど同じですが、請求書と比べると入力項目が少なく、より手軽にはじめられます。
また、Square 請求書はお客さまごとに請求内容をカスタマイズしやすいところが特徴ですが、不特定多数のお客さまに同じサブスクプランを提供する場合はSquare サブスクリプションのほうが効率がいいかもしれません。
ステップは大きく二つあります。まず、お客さまに提供するサブスクプランを作成します。次に、お客さまごとに作成したサブスクプランを割り当てます。事前にプランを登録しておけば、毎回いちからプランの詳細を入力する必要がなく、楽ちんです。
プランには価格はもちろん、請求頻度などを設定できます。また、お客さまが請求を一時停止できるように設定することも可能です。これはSquare サブスクリプションに限った特徴です(※)。
※お客さま自身でサブスクリプションをキャンセルすることは、ほかの機能でもできます。
お客さま情報を登録し、プランを選択し、必要に応じて発送先を入力するだけでサブスク決済の設定が完了します。
Square 請求書のように支払リマインダーや請求終了日の設定、契約書の添付などができなくても大丈夫という場合には、Square サブスクリプションで十分でしょう。
ただし、請求時にはお客さま情報(名前、電話番号、メールアドレス、住所※など)が必要になるため、定期請求をはじめる前にお客さまから情報を収集するというステップを挟む必要があります。利用者が多いとこの作業に時間がとられてしまうかもしれません。100人以上の利用者を想定している場合は、次項のSquare リンク決済がおすすめです。
※商品を発送しない場合は不要です。
▲Square サブスクリプションの作成画面。入力項目が少なく、すぐに作成できる。
Square サブスクリプションの使い方については以下の動画をご確認ください。
Square リンク決済はこんな人におすすめ
Square リンク決済はこんな人におすすめ! ✅不特定多数のお客さまに同じ内容のサブスクサービスを提供したい ✅100人以上の利用者を想定している ✅申し込みは基本的にオンラインで受け付けたい 利用が向いている業態 ✅オンラインセミナー ✅パンのお取り寄せセット定期便 ✅オンラインレッスン など |
Square 請求書とSquare サブスクリプションはどちらも、定期請求を始める前にお客さま情報をある程度収集しないといけないという点が共通しています。
教室やスタジオ、実店舗など、申し込みの手続きを対面で行うのであれば、お客さま情報は比較的簡単に収集できるでしょう。ただ、もし全国のお客さまに向けて「コーヒー豆の定期便を提供したい」という場合、毎回一人ひとりのお客さまの情報を事前に聞き出すとなると、やりとりにかなりの時間をとられてしまいます。
Square リンク決済なら事前にお客さま情報を入力する必要はなし。手順としては、Square リンク決済で申し込みページを作成し、お客さまにリンクを共有するだけです(※)。お客さま自身が情報を入力して、サブスクサービスの申し込みを完了させます。
※特定商取引法に基づく表記が必要です。詳しくはこちらをご確認ください。
▲Square リンク決済で作成できる、サブスク申込のページ
「コーヒー豆の定期便(月に1回)をご希望の方はこちらからお申し込みください」という形で、ページへのリンクを共有すれば、SNSでも宣伝がしやすいでしょう。お客さまが申し込みページに一度カード情報を入力すれば、あとは自動で請求がされます。Square サブスクリプションと同様に、請求完了のメールからいつでも解約したり、カード情報を変更したりすることができます。事業者
が定期請求をキャンセルすることも可能です。
▼Square リンク決済でサブスク決済を受け付ける
(1)Squareの無料アカウントを作成する
(2)ブラウザからSquareの管理画面(Square データ)にログインする
(3)[リンク決済]>[リンクを作成する]>[支払を受け付ける]をクリックする
(4)商品の内容、請求金額を入力し、請求頻度を選択する
(5)自動で発行されるリンクをコピーして、SNSなどで宣伝する
▶️Square リンク決済をはじめる
▶Square リンク決済でサブスクリプションをはじめる
ECサイト不要でオンライン販売が可能に
Square リンク決済なら会計リンクを作成しSNSやメールで共有するだけ。ECサイトがなくても誰でも簡単ににオンライン販売が可能です。
Squareのサブスク決済についてよくある質問
最後にSquareのサブスク決済についてよくある質問を見ていきましょう。
サブスク決済で受け付けた売上額はいつ振り込まれますか?
Squareで受け付けたサブスク決済の売り上げは、支払日の最短翌営業日に振り込まれます。振り込みスケジュールの詳細はこちらをご確認ください。
支払いが完了していることはどこから確認できますか?
どの機能でサブスク決済を受け付けるかによって、確認方法が異なります。
- Square 請求書:[Square 請求書]>[請求書]のページから、支払済み、未払いなどで絞り込んで、一覧を表示することができます。
- Square サブスクリプション:[支払い]>[サブスクリプション]にアクセスし、該当するお客さまのサブスクリプションをクリック。[取引履歴]から確認することができます。
- Square リンク決済:[Square リンク決済]>[お取引]から誰が、いつ、どのサブスク内容で決済したかを一覧できます。決済日をもとに並び替えることも可能です。
サブスクは簡単にキャンセルできますか。
Square サブスクリプションとSquare リンク決済をご利用の場合、支払いはお客さまご自身で停止できます。メール内の下部にある[このサブスクリプションの管理が必要ですか? - 管理]という箇所をクリックすると、キャンセルの手続きができます。同じ箇所からカード情報を変更することもできます。Square 請求書に関しては、お客さまから事業者にキャンセルの旨を伝え、事業者側でキャンセルの手続きをする必要があります。
どの機能を利用する場合でも、事業者側での停止が可能です。Squareの管理画面にアクセスし、該当するプランや請求書の編集画面にアクセスすると即時で請求を停止できます。
Squareのネットショップを使っています。ネットショップからでもサブスクは受け付けられますか?
Square オンラインビジネスをご利用いただきありがとうございます!有料の「プラス」プランにアップグレードすると、Squareで作成したネットショップからでもサブスク決済を受け付けられるようになります。詳しくは料金体系をご確認ください。
さまざまな業種で取り入れられるサブスク決済。売上拡大や業務効率化を目指して、無料かつ簡単にはじめられるSquareを導入してみてはいかがでしょうか。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2023年10月24日時点の情報を参照しています。2024年7月31日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash