SNS集客でネットショップの売り上げをアップさせよう!

ネットショップを運営する上で、SNSでの集客は欠かせません。SNSを集客に活用する理由、SNS集客の具体的な手法、SNS集客のメリットとデメリット、SNSを利用するにあたって決めておきたいこと、集客に利用できるSNSとその特徴を解説していきます。

目次



SNSを集客に活用する理由

2000年代中盤頃にさまざまなSNSがサービスを開始してから15年以上経ちます。この間、パソコンやインターネットが普及したのはもちろん、スマートフォンが登場し、多くの人がネットショップを利用するようになりました。

総務省が毎年公表している情報通信白書(令和2年版)によると、2019年のインターネットの利用率は前年から10%以上伸びて89.8%に達しました。インターネットを利用する端末はスマートフォンが63.3%、パソコンが50.4%、タブレットが23.2%です。商品やサービスの購入・取引でインターネットを利用する人は60%弱、SNSの利用で70%弱とされています。商品やサービスの購入・取引について10代の利用は多くはありませんが、SNSの利用については10代から30代では80%を超えています。

参考:情報通信白書令和2年版(総務省)

特にネットショッピングを活発に利用する若い世代に、ネットショップやネットショップで扱っている商品やサービスをアピールするには、この年代の人たちが日々利用しているSNSで集客をするのが効果的だといえそうです。

SNSでは身近な家族や友人、情報を得るためにフォローしているインフルエンサーやショップの投稿を目にします。このような投稿の中に商品やサービスに関する情報があると、試しに購入してみたいと考える人もいることでしょう。インターネット上の匿名の口コミも商品やサービスの購入にあたって役に立ちますが、より身近に感じている人からの口コミを信頼するのは人の性といえます。

また、マスメディアの時代からインターネットの時代に移り変わる中で、消費者の行動も変わってきています。マスメディアの時代にはAIDMA(Attention、Interest、Desire、Memory、Action)というモデルで消費者の行動が説明されましたが、インターネットの時代にはAISAS(Attention、Interest、Search、Action、Share)で説明されるようになりました。AISASは電通が提唱し商標登録している用語です。AIDMAとAISASの最初の2語のAttention(認知)、Interest(興味)は同じですが、その後の消費者の行動がAIDMAでは受動的なのに対し、インターネット時代のAISASでは能動的です。マスメディアの時代には欲求を刺激され、商品が記憶に刻まれ、購入に至っていた消費者が、能動的に商品について検索、購入し、商品について情報を共有するようになりました。

このように時代が、マスメディアの時代からインターネット、SNSの時代に変化する中でSNSを集客に生かさない手はありません。

どのようにSNSで集客するのか?

ネットショップの集客にSNSが役に立ちそうだとわかりましたが、具体的にどのようにSNSを使って集客をすればよいでしょうか。ここでは具体的な手法を三つ紹介します。

商品やサービスについて投稿してアピール

もっとも一般的な方法で、すでに取り組んでいるという人も少なくないでしょう。SNSでは文章、写真、動画などさまざまなメディアを使ってネットショップで取り扱っている商品やサービスをアピールできます。取り扱っている商品やサービスそのものについて投稿するほか、利用シーン、生産者であればどのように生産されたのか、セレクトショップであればどのような経緯や思い入れで商品を取り扱っているのかなどを共有することでお客様の共感を呼ぶこともできるでしょう。

キャンペーン

基本的にSNSでは新しい情報がユーザーのタイムラインにどんどん流れていきます。このようなSNSの特徴から、SNSは期間限定の情報を投稿するのに向いています。期間限定のタイムリーな情報の一つとして、キャンペーン情報があります。お客様はお得に商品やサービスを購入できる機会に敏感です。商品やサービスのアピールと合わせて、タイムセールや季節ごとのセール、ポイント付与などの情報もSNSに投稿しましょう。SNSでは簡単に情報をシェアできるので、お得な情報はお客様からお客様へと拡散されていきます。

また、キャンペーンというと、セールやポイント付与を思い浮かべますが、

  • SNSに商品やサービスについて投稿してくれたお客様に抽選でプレゼントをする
  • 新しくネットショップのアカウントをフォローしたユーザーに抽選でプレゼントをする

といったSNS上でのキャンペーンを開催している例も見られます。このようなSNS特有のキャンペーンについては他のネットショップから多くが学べるはずです。普段から気になるショップの動向を観察しておくとよいでしょう。

お客様とのコミュニケーション

SNSにはユーザーやビジネスアカウントをフォローする機能があります。ネットショップのアカウントをフォローしている人のタイムラインにはネットショップからの投稿が表示されるため、フォロワーは多いに越したことはありません。将来的にフォロワーからネットショップのお客様が出てくるかもしれません。無理にフォロワーを増やす必要はありませんが、普段からフォロワーが増えるような投稿をしたり、キャンペーンを開催したりといった工夫はしましょう。

お客様がネットショップを身近に感じられる情報や、お客様に役立つ情報を投稿することで、SNSがお客様とのコミュニケーションチャネルになります。

ネットショップを無料で開始するならSquare

EC作成から、オンライン決済、店舗連動の在庫管理まで、便利な機能が無料で簡単に始められます。

SNS集客のメリット

SNS集客にはメリットが多そうですが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。SNS集客の個々のメリットを詳しく見てみましょう。

コストを抑えて手軽に始められる

世界的に広く利用されているSNSでは、ビジネスアカウントの多くの機能を無料で利用できます。このためSNSを使った集客は、コストを抑えて取り組めます。さらに、SNSでの投稿が注目されてアカウントのフォロワーが増えると、従来の集客手法以上の効果を発揮することもあります。SNSには普段から使い慣れたスマートフォンで投稿できるため、誰でもいつでもどこからでも集客に取り組めるという手軽さもあります。

たくさんの人にスピーディーにリーチできる

多くのSNSにはボタンを一つクリックするだけで情報をシェアできる機能があります。フォローしているアカウントからの投稿に共感してシェアした経験もあるかもしれません。このように手軽に情報をシェアできるため、一度大事な情報だと判断されると、人から人へ、これまでには考えられなかったスピードで情報が拡散していき、潜在的なお客様にリーチする可能性が高まります。

販路を拡大できる

闇雲にたくさんのSNSに投稿するのはお勧めできませんが、適切なSNSを複数利用することで販路を拡大できます。特にショッピングモール型のプラットフォームに出店していないネットショップにとっては、SNSを利用した販路拡大は必須です。

検索結果に表示される

検索エンジンを使って情報を検索するとTwitterやYouTubeといったSNSの投稿が表示されます。このようにSNSや投稿内容によっては、検索結果の目につきやすい場所に投稿が表示されることもあります。

また、SNSを頻繁に利用する世代では検索エンジンではなく、SNSの検索機能を使って情報を検索しているともいわれています。フォロワーを意識した発信と合わせて、利用しているSNS内で情報が見つかりやすいように的確なハッシュタグをつけて投稿するのが効果的です。

新規お客様の獲得と既存のお客様の維持

SNSはコミュニケーションツールとしても有用です。魅力的な投稿に興味を持った人が新たなお客様になったり、投稿へのコメントからお客様とのやりとりが発生したりします。また、オープンな場以外でも、メッセージ機能を使ってお客様から問い合わせや要望が寄せられることもあるでしょう。お客様とのコミュニケーションを楽しみつつ、コミュニケーションから見えてくるお客様の声に真摯に応えていくことで、新しいお客様を獲得し、既存のお客様との関係を維持でき、ネットショップの集客につながります。

jp-blog-sns-02

SNS集客のデメリット

SNS集客にはたくさんのメリットがありますが、デメリットや注意したい点もあります。ここでは具体的にどのようなデメリットがあるのか見てみましょう。

継続的な運用が負担になる可能性も

SNSを使い始めたら、継続的に投稿していく必要があります。投稿が途絶えてしまったらフォロワーも不自然に感じるでしょうし、SNSに費やしてきた時間と労力が無駄になってしまいます。

人によってはSNSを日常の一部として負担なく楽しめる人もいますが、投稿作業をストレスに感じる人もいます。さらに業務で継続的に運用しなければならないというプレッシャーがあると、SNSに向かない人には負担になりかねません。

SNS集客に取り組むにあたって、SNSの運用に向いた担当者を選ぶ必要があります。ネットショップのオーナーも従業員もSNSの運用に向いていない場合は外部に委託するという手もあります。ただし、事業において重要な集客やブランディングにも関わる業務なので、まずは内部でSNSに取り組んでみるのがよいでしょう。

人的な負担と合わせて、費用面でも負担が発生します。SNSへの投稿というと、遊びの延長のように捉える人もいるかもしれませんが、重要な業務です。担当者を置く場合、投稿内容を検討し、定期的に投稿していくだけでなく、お客様とのやりとりも発生し、相応の時間をSNSに費やすことになります。また、SNSに不慣れな人がSNSの担当者となる場合、SNSを使いこなせるようになるまでの学習コストがかかります。

SNSはコストをかけずに手軽に集客できるだけでなく、このような負担があることも知っておくとよいでしょう。

投稿の頻度やタイミングに注意

SNSを使ってみると、新商品や、おすすめのキャンペーンなどさまざまな情報を投稿したくなります。ただし、あまりにもたくさん投稿をしすぎると、お客様のタイムラインにネットショップの投稿が占め、うっとうしく感じられてしまうこともあります。適度な投稿の頻度やタイミングはネットショップやお客様の層によって違いますが、一日に一回か多くても二回、お客様が心地よいと感じる頻度を想像して投稿するようにしましょう。タイミングについては、お客様が仕事中の忙しい時間帯は投稿を見逃してしまう可能性もあります。通勤時間、昼休み、仕事が終わった夜の時間帯など、適切なタイミングを見計らって投稿しましょう。SNSによっては設定したスケジュールで投稿する機能のあるものもあります。

結果が出るまでには時間がかかることも

SNS集客に取り組み始めると、投稿に対する「いいね」の数やフォロワーの数、どの程度SNSからの流入があったのかなど、SNS集客の効果が気になるところです。ただし、結果が出るまでには時間がかかることもあるため、はじめから過大な期待をしないことをおすすめします。一方で、いったん投稿に注目が集まると、急激にフォロワー数が伸びることもあります。

炎上リスクがある

SNSへの投稿で表現が誤解され、炎上につながることがあります。大手企業でもSNSで炎上した事例があります。細心の注意を払ってSNSを使うのと合わせて、もし炎上してしまったらどのように対応すべきか、事前に対策を検討しておくのが賢明です。

SNSを利用するにあたって決めておきたいこと

ただなんとなくSNSを利用するのではなく、SNSを利用する目的や目標、担当者を事前に決めておくと、効率よくSNSを利用した目標達成につながります。ここでは、SNSを利用するにあたって決めておきたいことを具体的に説明します。

目的

この記事を読んでいる人の中には「SNSを利用して集客につなげたい」という人が多いことでしょう。SNSをビジネスで利用するにあたって、目的をはっきりさせておくと、どのような投稿をしたらよいかが見えてきます。

コンセプトやテイスト

ネットショップはどのようなコンセプトで運営しているでしょうか。SNSへの投稿のテイストがあまりにもネットショップのイメージからかけ離れたり、コミュニケーションのスタイルが一貫していなかったりすると、お客様は混乱してしまいます。

ネットショップのコンセプトと合わせてどのようなテイストの投稿をするのか、どのようにSNSでお客様とコミュニケーションをするのか明らかにしておくとよいでしょう。

目標

SNSを利用するにあたって、投稿頻度、フォロワー数、投稿に対する「いいね」の数、SNSからのネットショップへの流入数など具体的な数値目標を立てておくと、SNSを利用する励みになり、SNS集客の効果測定に役立ちます。

どのSNSを利用するか

次項でネットショップの集客に使えるSNSの具体例を挙げて説明しますが、国内外で使われている有名なSNSだけでも使い切れないほどのSNSが存在します。人気のSNSは常に変化して、新しいSNSが出てくる可能性もあります。また、年代によってもSNSの好みは違います。

ネットショップで提供する商品やサービス、コンセプトを考えながら、ターゲットとするお客様が利用していそうなSNSの中から一つか二つ、多くても三つを選んで利用を検討するとよいでしょう。あまりにもたくさんのSNSを一度に使おうとすると、どのSNSの更新もままならないことになりかねません。相性のよいSNSを選んで丁寧に定期的に投稿することをおすすめします。

SNS担当者を選出

SNSでの情報発信や計画、SNS上でのお客様とのコミュニケーションは片手間にできる業務ではありません。また、複数の人がそれぞれにSNSに投稿するなどすると、ネットショップのコンセプトやテイストを保つのは難しいでしょう。

このような理由から、SNSに真剣に取り組みたい場合は、人員に余裕があればSNS担当者を選んだり、SNSに関する業務を担当するチームを作ったりするとよいでしょう。

集客に使えるSNSとその特徴

人気のSNSは時とともに移り変わります。ここで紹介するSNSの一つTikTokは2017年に始まったサービスで数年前まで名前が上がることがありませんでした。一方で、数年前までは人気があったものの衰退していったサービスもあります。SNSを使い始めてからも、情報発信に使っているSNSがターゲットとするお客様に使われているか、どのような競合SNSがあるのかなど最新の状況を把握するようにしましょう。ここでは2021年9月現在人気のSNSを取り上げます。

LINE

国内で最も人気のあるSNSで、Gaiax社の調べによると、月間のアクティブユーザー数はほかのSNSを圧倒的に突き放しています。日常のコミュニケーションにLINEを使っているという人も多いのではないでしょうか。同調査によると、最も多く利用しているのは40代とのこと。SNSというと、タイムラインに情報を発信するタイプのSNSが主流ですが、LINEでは直接のコミュニケーションや、お客様に対して通知するなど、よりお客様に近い形での情報発信が可能で、ビジネスでも利用されています。

参考:2021年9月更新! 12のソーシャルメディア最新動向データまとめ(ガイアックスソーシャルメディアラボ)

Twitter

LINEに続いて日本で利用されているSNSです。前出のGaiax社の調べでは、Twitterのユーザーは20代が群を抜いて多く、40代と30代が続きます。Twitterというと、短文を投稿してコミュニケーションするSNSというイメージがありますが、画像などのメディアや投票を投稿することもできます。リツイートや新規フォローを推奨するキャンペーンを開催している事例も見られます。

Instagram

InstagramはLINEとTwitterについで利用されており、親会社のFacebookを抜いて利用者の多い写真や動画を中心としたビジュアル重視のSNSです。20代の利用が最も多く、30代、40代と続きます。ほかのSNSと比べて女性の利用割合が多いのもInstagramの特徴です。InstagramにはTwitterやFacebookにあるシェア機能が公式アプリにはないため、投稿が拡散される範囲や速度は限定的ですが、視覚的に商品やサービスの魅力を訴えたいネットショップにとっては、ほぼ必須のSNSといってよいでしょう。

Facebook

国内の月間ユーザー数はLINE、Twitter、Instagramに続き、一時期のFacebookの流行は去ってしまったといわざるをえません。ただし、40代前後の利用者が多く、ネットショップのお客様の層によってはFacebookでの集客に取り組む価値があります。また、FacebookはほかのSNSと異なり、クローズドなSNSで個人情報が蓄積されているため、地域や性別、年齢をしぼった広告を打ちやすいのも特徴です。

YouTube

YouTubeは2005年にサービスを開始した歴史の長い動画SNSで、Facebookと同様に40代の利用者が最も多くなっています。近年はユーチューバーと呼ばれる動画製作者が動画で収益を上げることにも注目が集まっています。本業以上に動画で収益を上げている中小規模の事業者も存在します。ネットショップとしては、商品の利用方法や、生産の様子といった情報を共有する場として活用できるほか、ライブ機能を活用してお客様やビジネスに興味を持っているユーザーとコミュニケーションする事例も見られます。

TikTok

TikTokは2017年にサービスを開始した新興の動画共有SNSで、動画の撮影や編集も同サービスのアプリで手軽にできます。新興のSNSで、日本での知名度はそこまで高くないものの、若年層で注目が集まっているSNSだとされています。主要SNSをおさえたあとに、今後利用が広がる可能性のあるSNSとして利用を始めてもよいでしょう。

本記事ではネットショップの集客に欠かせないSNS集客について、具体的な手法、メリットとデメリット、決めておきたいこと、集客に利用できるSNSについて説明しました。ひとくちにSNSといっても、集客につなげるために利用するには、戦略的に利用したいところです。ぜひ本記事を参考にネットショップに合ったSNSをみつけ、集客に生かしてください。

ネットショップを無料で開始するならSquare

EC作成から、オンライン決済、店舗連動の在庫管理まで、便利な機能が無料で簡単に始められます。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2021年10月4日時点の情報を参照しています。
当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
Photography provided by, Unsplash