経営者に共通する悩み「孤独」と向き合うには

経営者として責任を一手に担い、次々と訪れる判断局面の最終決定を下す経営者。常にプレッシャーにさらされ、同じ立場の人間も社内にはおらず、孤独を感じている人も多いのではないでしょうか。

今回は、経営者が感じる孤独とそれに向き合う方法について紹介します。

経営者の孤独とメンタルヘルス

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企業におけるメンタルヘルスの問題が注目されている今、2015年12月からストレスチェックが義務化され、労働者を対象にした取り組みが進められています。

参考:改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について(厚生労働省)

一方、経営者は心的負担が大きな環境下にありながらも制度の対象者とはなっておらず、自らケアするしかないのが現状です。経営者自身が孤独感やストレス、疲れに適切に対処して不調を減らすことができれば、経営上のリスク軽減にもつながり、より安心して事業を進められるようになるでしょう。

孤独感と上手に付き合うのも経営テクニックのひとつだといえます。もし孤独感に悩まされているようであれば、以下のような方法を参考に対処してみてください。

孤独に対処する方法

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家族と過ごす
仕事上の利害関係がなく、ありのままの自分を常に受け入れてくれる家族は、一緒にいるだけで安心できる大切な存在です。

普段感じている悩みを打ち明けやすい間柄でもあります。たとえ具体的な解決策は出てこないとしても、事情を共有できる相手がいることで、ひとりで問題を抱え込むことをさけられ、精神的負担が軽くなるのではないでしょうか。

そんなかけがえのない存在となる家族ですが、身近にいないこともあるでしょう。その場合は、気が置けない親友やパートナーにその役を求めてみてください。

趣味に費やす時間を持つ
趣味に没頭している間は仕事のことを忘れ、心地よい興奮を感じることのできる貴重なひとときでしょう。何かと忙しい経営者ですが、スケジュールを上手にやりくりして、短時間でも良いので定期的に趣味の時間を持つようにするのも、孤独と向き合うコツのひとつといえます。

また趣味を共にする仲間は、社会的な立場を意識することなく、お互いの好きな話題を語り合える貴重な相手です。直接、経営上の問題を解決することには結び付きにくいかもしれませんが、仕事から離れ、心からリラックスした状態で同じときを過ごせる仲間がいるというだけでも、心に安寧がもたらされるでしょう。

「仕事に打ち込む自分」と「趣味に没頭する自分」のスイッチを上手く切り替えられるようになると、「より質の高い仕事の時間を得るためにあえて趣味の時間をつくる」といったセルフマネジメント能力も身に付くのではないでしょうか。

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体を動かす
気分転換に体を動かすことも、孤独感がもたらすストレス対策として効果的です。

平成28年度にスポーツ庁が行った調査によると、「日常的に運動している人の多くは、運動・スポーツのストレス解消効果を感じている」「日常的に運動している人は、生活が充実している割合が多い」といった報告がなされており、運動することによって精神に安らぎを感じている人が多いことが分かります。

さらに、この調査では、特に週に一度以上の頻度で運動をしている人の方がより充実感を得ているという結果も出ています。定期的に時間を作って体を動かす習慣を持つことが大切だということがわかります。

参考:平成28年度体力・運動能力調査の結果について(スポーツ庁)

運動を習慣化するには、スポーツクラブを利用するのも一手です。さまざまなトレーニングマシンやスタジオプログラムが用意されており、専門的な知識と経験を持つスタッフからの指導を受けることができます。また、スポーツクラブは趣味の世界と同様に、お互いの職業や地位を意識することなく誰もが同じ立場で運動に取り組める場となっており、余計な気遣いにとらわれずリラックスできるひとときを過ごせます。

時間的な制約が多い経営者の場合は、自身の都合や体調に合わせてマンツーマンで対応してくれるパーソナルトレーナーを活用して効率よく取り組むという方法もあります。

習慣的に体を動かすことが趣味のひとつとなれば、心身両面を健全な状態に保つことができ、一石二鳥の効果が期待できます。

ほかの経営者と会う
経営者同士の会合に参加するという方法もあります。「同じ立場の人が身近にいる」という実感を得ることで孤独感が軽減されるほか、いま自分が直面している課題に対して経験者からアドバイスを受けることができたり、事業を進めるにあたって参考となる情報が得られたりする良い機会ともなります。

専門家に相談する
事業を進めていくうえで、経営面のアドバイスをくれる経営コンサルタントという職種があるように、働き手のメンタル面をケアしてくれるカウンセラーやセラピストといった職種があります。

主に従業員を対象とした産業カウンセラーが一般的には知られていますが、経営者に特化した経験豊かなカウンセラーも存在するので、経営者の場合は後者を選択するとよいかもしれません。さらにコーチングの指導を受けるという方法もあります。

いずれにせよ、メンタルケアの専門家に頼ることは、孤独感がもたらす不安に対処する有効な手立ていえます。家族との時間や運動、専門家など、孤独感を一人で抱え込まず、さまざまな方法を試してみてはいかがでしょうか。

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執筆は2018年2月26日時点の情報を参照しています。
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