ネットショップを運営している人の中には、「SEO」について聞いたことはあるものの、どのように対策をしていいのかわからないという人もいることでしょう。本記事では、SEOとは何かから始め、SEOがどうして必要なのか、ネットショップでしたいSEO対策、ツールの使い方、注意点を説明します。
目次
SEOとは?
SEOは「Search Engine Optimization」という英単語の頭文字をとった略語で、エス・イー・オーと読みます。日本語では「検索エンジン最適化」と訳します。「最適化」などというと難しく聞こえますが、SEO対策としてすることは難しくありません。
SEOでは、ウェブページやコンテンツの内容を調整したり、外部からのリンクを増やしたりすることで、自分のウェブページが検索エンジンの検索結果の上位に表示されるようにします。
SEO対策が必要な理由
SEO対策を行うことで、検索結果で上位に表示されるようになり、ネットショップの集客、ブランディングにつながります。また、モール型ECなど他のネットショップに勝つためにもSEO対策は重要です。ここではSEO対策が必要な理由それぞれについて詳しく見てみましょう。
検索結果からの集客
ネットショップの集客というと、ソーシャルメディアをまっさきに思い浮かべた人もいるかもしれません。ソーシャルメディアも重要ですが、検索結果からネットショップやネットショップの取扱商品の存在を知る人も少なくなくありません。たとえば、特定の調理器具を探している人はその調理器具の名前で検索して、取り扱っているお店を探すでしょう。わざわざ何百件も検索結果をていねいに見て商品を選ぶ人は少数だと考えられます。SEO対策が十分でないと、お客様にネットショップの存在を知ってもらう機会を逃してしまいます。SEO対策をきちんとして、集客につなげましょう。
ブランディング
SEO対策とブランディングは一見関係ないように見えますが、SEO対策とネットショップのブランディングは密接な関係にあります。先ほどと同じ例を用いると、さまざまな調理器具で検索して、いつも同じネットショップが検索結果の上位に表示されたとします。検索した人は「調理器具といえばこのネットショップ」というイメージを持つことになるでしょう。どのような領域で、どのようにお客様に商品やサービスを提供していくのか見極め、SEO対策をしていくのが重要です。
モール型EC対策
大手企業が運営するモール型ECは入念にSEO対策がされているため、検索エンジンの検索結果の上位にモール型ECのページが出てくることも少なくありません。また、検索してみるものの、結局会員登録をしているお気に入りのショッピングモールで買い物することが多いという人もいるかもしれません。
このような状況にあって、モール型ECに出店せず、独立したネットショップを運営している人は、お客様をとられないようにSEO対策に力を入れる必要があります。逆にいえば、SEO対策に力を入れて、有力なキーワードでネットショップのページが検索結果の上位に表示されれば、想像を超えるたくさんのお客様にネットショップに足を運んでもらえるため、SEO対策を万全にしない手はありません。
ネットショップのSEO対策は?
ネットショップの運営者はどのようにSEO対策をすればよいのでしょうか。SEO対策のしすぎは逆効果になることがあります。最初はSEO対策の基本「ページの最適化」「コンテンツの最適化」「外部サイトとのつながり」「定期的な検証と改善」の四点をおさえましょう。
ページの最適化
ページがどのように構成されているのかは、検索エンジンがランキングを決める上で重要な要素とされています。適切なページタイトルを適切なタグを使ってつけ、メタディスクリプションで簡潔かつわかりやすくページの内容を説明します。昨今スマートフォンからネットショップを利用する人も増え、モバイルサイトに関する基準も発表されています。スマートフォン向けページのSEO対策も忘れないでください。
このほかにもたくさんの気をつけたい項目がありますが、ネットショップ作成サービスを使っている場合、サービスの指示に従ってネットショップを作っていけば、細かなSEO対策は自動的にされていることがほとんどなので、ページの最適化についてはあまり心配しすぎないのも大事です。
コンテンツの最適化
コンテンツの最適化の基本は、ネットショップのページを開いた人に立つ情報を過不足なく提供することです。商品説明が足りなすぎてもいけませんが、長すぎてもいけません。商品説明だけでなく、すでに商品を購入したことのあるお客様からの評価や、商品の購入を検討している人から寄せられた質問と質問に対する回答も重要なコンテンツです。
ネットショップが提供する情報は商品に関する情報だけではありません。ネットショップのブログを運営しているという人もいることでしょう。ブログはいくつかコンテンツを書いたら終わりではありません。お客様のためになる、またはお客様が読みたいと思うコンテンツを定期的に投稿してブログの鮮度を保ちましょう。ブログの投稿が検索結果の上位に表示され、集客やブランディングにつながるかもしれません。ただし、SEO対策目的とわかるような投稿では、SEO対策としても、お客様がネットショップに対して持つ印象面でもマイナスになるので注意が必要です。
外部サイトとのつながり
検索エンジンは、他のウェブサイトからのリンクを検索結果のランキングを計算する際に利用しているといわれています。メディアなどの問い合わせなどがあったら、積極的に取り上げてもらいましょう。
ただし、検索エンジンが他のサイトからのリンクをどの程度重要視するのかは明らかにされていません。無理に他のサイトからリンクしてもらう、他のサイトからリンクがはられるように試行錯誤するのはおすすめできません。お客様が違和感を覚えるだけでなく、検索エンジンのガイドラインに違反しかねません。
定期的な検証と改善
SEO対策は一度して終わりではなく、どのくらいのお客様がどのようなキーワード検索してネットショップにたどりついたのか分析し、定期的に改善を繰り返しながらSEO対策を続けるのが重要です。
また、検索エンジンがランキングの仕組みを変えることも考えられます。ただし、「ページの最適化」の項でも触れましたが、検索エンジンのランキングの仕組みの変更などに対しては、ネットショップ作成サービスを使っている場合、サービス側で変更に対応することが多いようです。SEOに慣れるに従って、興味があれば検索エンジンの仕組みや最新事情を学習していくとよいでしょう。
ここで紹介した四点「ページの最適化」「コンテンツの最適化」「外部サイトとのつながり」「定期的な検証と改善」を実行することでネットショップのSEO対策ができます。ネットショップ作成サービスを利用していれば一部は自動的にサービス側で対策をしてくれます。さらにSEO対策に役立つツールを使いこなせば、SEO対策は難しいものではありません。続いてGoogleのツールを一例として紹介します。
Googleのツールを使いこなそう
Googleは2000年代に登場した検索エンジンで、検索エンジンの中では後発の検索エンジンでしたが、ウェブページのランキングアルゴリズムと検索結果の精度から注目を集め、現在では多くの国や地域で最も使われている検索エンジンに成長しました。検索エンジンの中にはGoogleの仕組みを利用しているものもあります。日々の生活や仕事でGoogleを活用しているという人も少なくないでしょう。ネットショップの運営者としては、効果的にSEO対策をして、利用者が多いGoogleの検索結果の上位に自分のネットショップのページへのリンクを表示させたいところです。
SEO対策に特化したツールではありませんが、Googleが提供しているアクセス解析ツール「Google アナリティクス」、コンテンツに合ったキーワードを見つけるためのツール「Google キーワードプランナー」はSEO対策を行う上で使い方を覚えたいツールです。それぞれの使い方を見てみましょう。
Google アナリティクス
Google アナリティクスを使うにはGoogleのアカウントが必要です。アカウントがない場合は、アカウントの作成から始めましょう。アカウントができたらGoogle アナリティクスのページにアクセスして、ネットショップに関する情報を入力し、登録します。
必要事項を入力すると、トラッキングコードが生成されるので、このトラッキングコードをネットショップに設置します。ネットショップ作成サービスによっては、Google アナリティクスとの連携機能が提供されていることもあります。トラッキングコードを設置すると、お客様がネットショップの各ページにアクセスするたびにデータがGoogleに送信され、ネットショプ側ではアクセス解析結果を見られるようになります。
アクセス解析結果は定期的にチェックし、どのくらいのお客様がどこからどのようにネットショップにたどりついているのかを把握しましょう。大きな変化があった場合にはSEO対策を見直す必要があります。
Google キーワードプランナー
Googleキーワードプランナーは、広告を出す際にどのようなキーワードを設定すると効果的か判断するためのツールですが、SEO対策においてネットショップに設定する最適なキーワードを探すのにも活用できます。
Google キーワードプランナーを使うと、ネットショップに最適なキーワードを見つけられるだけでなく、どのくらい検索されているキーワードなのかも知ることができます。ネットショップを表すキーワードをすでに見つけている人も、キーワードプランナーを使うと、思いもよらないキーワードが見つかることがあります。
Google キーワードプランナーで得られたキーワードをネットショップに効果的に設定し、検索結果の上位にネットショップのページへのリンクが表示されれば、より多くのお客様にネットショップに足を運んでもらえることでしょう。
ネットショップのSEO対策の一つ「コンテンツSEO」の注意点
適切に対策ができれば集客力アップ、ひいては売り上げアップにつながるSEO対策ですが、注意したい点もあります。ここでは特に注意したい「コンテンツSEO」の注意点を紹介します。
キーワードの選定と設定
適切なキーワードの選択は効果的なSEO対策につながります。キーワードが少ないのは問題ですが、多すぎてもいけません。無理にたくさんのキーワードを盛り込んでしまうと、お客様によっては押し売りのように感じられ、利用を敬遠するかもしれません。また、検索エンジンが考慮するキーワードには限りがあることを知っておくことも重要です。
キーワードの選び方にも注意が必要です。キーワードが漠然としていると、キーワードを利用して検索する人は多いかもしれませんが、競合も多くなります。逆にキーワードの意味が狭すぎると、競合は少なくなりますが、そのキーワードで検索する人の数が少なくなります。ネットショップや商品の内容を表すキーワードを十分に検討してください。一度キーワードを設定したら終わりではなく、定期的にキーワードを見直すことも重要です。
良質で正確なコンテンツを作る
コンテンツを作るのには時間がかかりますが、急がば回れで、SEO対策の王道ともいえます。商品情報を正確かつお客様の疑問に答える形で、適切な長さで記述しましょう。定期的にコンテンツを最新の情報に更新したり、最新のコンテンツを投稿したりすることで、お客様から好感を持たれると同時に、検索エンジンからはきちんとアップデートを行なっていると評価され、検索結果のランキングの向上も期待できます。
ネットショップに関連するコンテンツに限定する
良質なコンテンツを提供するのは重要ですが、トピックはネットショップに関連するものに限定しましょう。お客様との距離を縮めるためにネットショップの舞台裏などを時々投稿する程度でしたら問題はありませんが、あれもこれもと盛り込んでしまうと、どの分野に特化したネットショップなのか、わからなくなってしまいます。
本記事ではネットショップのSEO対策について説明しました。「SEOについて聞いたことはあるけれど難しそう」と考えていた人も、本記事をきっかけに、SEO対策について理解していただけたことでしょう。SEO対策は決して難しいものではありません。基本はお客様に対して良質な商品やサービスを届けたいという思いを大事に、良質な情報を提供することです。ぜひ本記事で紹介した手法やツールを活用してSEO対策に取り組んでください。
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執筆は2021年6月14日時点の情報を参照しています。
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