この記事は2020年3月31日時点の情報を参照しています(2021年2月24日に記事の一部情報を更新)。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況、感染予防に関する最新情報は厚生労働省のウェブサイトも合わせてご確認ください。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、国や金融機関、団体などからさまざまな支援策が発表されています。ここでは中小のビジネスや個人事業主が受けられる支援を中心に紹介していきます。
目次
- 【経済産業省】セーフティネット保証4号・セーフティネット保証制度5号
- 【日本政策金融公庫】新型コロナウイルス感染症特別貸付
- 【日本商工会議所】持続化補助金
- 【中小企業庁】持続化給付金
- 納税、社会保険料、電気ガス料金への猶予
- まずは誰かに相談したいという場合
【経済産業省】セーフティネット保証4号・セーフティネット保証制度5号
経済産業省が緊急対応策として発表しているのが、信用保証協会を利用したセーフティネット保証4号とセーフティネット保証制度5号です。
金融機関などから融資を受けているビジネスであれば、信用保証制度という言葉には耳馴染みがあるかもしれません。信用保証制度とは、中小企業者は金融機関から融資を受ける際に、信用保証協会を公的な保証人として立てられる仕組みを指します。そうすることで融資額を拡大できたり、長期での借入が可能になったりと、中小ビジネスの資金調達を支える役割を持ちます。
ただし、信用保証協会が提供する一般保証には限度額が設定されています。今回経済産業省が新型コロナウイルスの緊急対応策として発表しているセーフティネット保証4号とセーフティネット保証制度5号は、信用保証協会の通常限度額とは別枠で借入債務を保証する仕組みです。
まずは二つの違いを見ていきましょう。
セーフティネット保証4号 | セーフティネット保証制度5号 | |
---|---|---|
融資額の上限 | 2億8,000万円 | 2億8,000万円 |
保証の割合 | 100% | 80% |
概要 | 突発的災害を理由に売上高が減少している地域で 事業を行なっている中小企業者 (個人事業主を含む)を支援するための措置 |
業況の悪化している業種に属する中小企業者 (個人事業主を含む)を支援するための措置 |
対象事業者 | ・指定を受けた地域において1年間以上継続して事業を行っていること(※1) ・最近1か月間の売上高又は販売数量(建設業にあっては、完成工事高又は受注残高。以下「売上高等」という。)が前年同月に比して20%以上減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること(中小企業庁より抜粋) |
・指定業種(※2)に属する事業を行っており、最近3か月間の売上高等が前年同期比5%以上減少の中小企業者 ・指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が20%以上、上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていない中小企業者(中小企業庁より抜粋) |
指定期間(事業主が認定申請をできる期間) | 2020年2月18日から2021年3月1日まで | - |
※1. 新型コロナウイルスは全国に影響を及ぼしているとみなされているため、ここでの「指定を受けた地域」は47都道府県を指します。
※2. 指定業種は中小企業庁のページからご確認ください。
参考:
・セーフティネット保証制度(4号:突発的災害(自然災害等))
(中小企業庁)
・セーフティネット保証制度(5号:業況の悪化している業種(全国的))(中小企業庁)
このように保証の割合、また認定基準などが大きな違いとして挙げられます。その後、2020年3月11日には認定基準の緩和も発表されており、以下に当てはまる事業者も申請ができるようになりました。
- 業歴3カ月以上1年1カ月未満の事業者
- 前年以降の店舗増加等によって、単純な売上高等の前年比較では認定が困難な事業者
参考: 新型コロナウイルス感染症に係る認定基準の運用緩和について(経済産業省)
また、政府系金融機関から「すでに融資を受けている」という事業主もいるでしょう。このような事業主の資金繰りが悪化してしまわないよう、経済産業省では返済猶予などの条件変更に対応できるよう、金融機関に要請を出しています。まずは中小企業金融相談窓口に相談をしてみましょう。
現在受けている融資についての相談
【問い合わせ先】
中小企業金融相談窓口:03-3501-1544 (平日・休日ともに、9時17時)
金融庁相談ダイヤル:0120ー156811(フリーダイヤル、平日10時から17時)
セーフティネットについての相談
【問い合わせ先】お近くの地方経済産業局
【日本政策金融公庫】新型コロナウイルス感染症特別貸付
新型コロナウイルス感染症特別貸付は、日本政策金融公庫が扱う融資です。概要や対象者については以下の表をご確認ください。
融資額の上限 | 6億円 |
---|---|
利率 | 融資後3年目までは基準利率から0.9%を差し引いた率(限度額:1億円)、4年目以降は基準利率 |
概要 | 新型コロナウイルスの影響により、一時的な業況の悪化が見られる中小企業者の支援措置 |
対象事業者 | 新型コロナウイルス 感染拡大の影響を受け、以下に該当するビジネス: (1)最近1ヵ月の売上高、または過去6カ月の平均売上高が、前年または前々年の同期と比較して、5%以上減少 (2)業歴が3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等は、最近1ヵ月の売上高が、次のいずれかと比較して、5% 以上減少(日本政策金融公庫より抜粋) |
詳細リンク | https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_t.html |
また、以下の要件を満たしている場合、公庫以外の実施機関から利子補給を受け取り、融資後3年目までは実質無利子で融資を受けられる「特別利子補給制度」を併用することも可能です。
小規模事業者 | 中小企業者 | |
---|---|---|
個人 | 要件なし | ー |
法人 | 売上高15%以上減 | 売上高20%以上減 |
あくまでも「実質」無利子であることから、まずは利子を含んだ融資額を返済し、その後、利率の利息分が返金される仕組みです。
参考:「新型コロナウイルス感染症特別貸付」と「特別利子補給制度」の併用による実質的な無利子化融資のご案内(日本政策金融公庫)
また、「最近融資を受け始めたばかりで、新型コロナウイルスの影響で資金繰りが悪化してしまった」という場合も、融資について相談ができます。1月29日以降に融資を受け始めた事業主に限っては、一定の要件を満たせば新型コロナウイルス感染症特別貸付の融資条件を適用することも可能のようです。そのほかよくある質問はこちらにまとめられています。
【問い合わせ先】
日本公庫各支店の中小企業事業の窓口
【日本商工会議所】持続化補助金
日本商工会議所が小規模事業者を対象に行うのは「持続化補助金」です。販路を開拓するために必要となった経費の3分の2(上限額50万円)を肩代わりしてくれるというものです。新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、販路開拓などに取り組んでいる事業者に対しては、上限額が100万に引き上げられました。
たとえばECサイト開設にかかった費用や、省人化に務めるべく、宿泊施設で自動受付機の導入に費やしたコストなどが対象となります。
第1回受付締切:受付は終了しました
第2回受付締切:受付は終了しました
第3回受付締切:受付は終了しました
第4回受付締切:受付は終了しました
第5回受付締切:2021年6月4日(金)[郵送:締切日当日消印有効]
最新の公募要領は公式ページにある「新着情報」からご確認ください。
【問い合わせ先】
日本商工会議所 小規模事業者持続化補助金事務局
電話:03-6447-2389
詳細リンク:https://r1.jizokukahojokin.info/
【中小企業庁】持続化給付金
感染症拡大の影響を受けて、前年同月比が50%以上減少している中小ビジネス、個人事業主が受けられる給付金です。
第二次補正予算案の決定に伴い、確定申告での収入を「雑所得」としていたフリーランスや今年の1月から3月までに創業した事業者も新たに対象として追加されています。
以下のような場合も給付対象となります。
- 2020年1月から3月までに創業した事業者
- 事業者が決めた特定月の収入が、3月までの平均収入と比べて50%減少している
- 中堅・中小法人、個人事業主、確定申告で主な収入を雑所得、あるいは給与所得としているフリーランス
法人には最大200万円、個人事業者には最大100万円が上限とされています。いずれも売上減少分と給付額のいずれか低い額が支給されます。
申請は2021年1月31日までとなっており、持続化給付金の特設サイトから行えます。
納税、社会保険料、電気ガス料金への猶予
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、以下の税金の納付が難しい場合は猶予が認められる可能性があります。まずは該当する問い合わせ先に相談してみましょう。
問い合わせ先 | 猶予期間 | |
---|---|---|
国税 | 所轄の税務署 | 1年間(猶予期間中の延滞税の全部、または一部免除) |
地方税 | 所轄の都道府県・市区町村 | 1年間 |
厚生年金保険料 | 管轄の年金事務所 | ・猶予された金額を猶予期間中に各月に分割して納付することになります ・財産の差押えや換価(売却等現金化)が猶予されます ・猶予期間中の延滞金が一部免除されます(「新型コロナウイルス感染症で 影響を受ける事業者の皆様へ」(経済産業省より抜粋) |
電気・ガス料金 | 契約をしているガス・電気事業者 | 各事業者によって対応が異なります。詳しくはこちらをご確認ください。 |
まずは誰かに相談したいという場合
東京都産業労働局では、中小事業者やフリーランスに向けて、相談窓口を用意しています。資金繰りから経営、融資についてなどそれぞれ窓口が設けられているので、適切な窓口に問い合わせてみましょう。以下のリンクに問い合わせ先がまとめられているので、参考にしてみてください。
【企業の皆様・はたらく皆様へ】新型コロナウイルス感染症に対応した支援策について(東京都産業労働局)
ここでは2020年3月31日時点での代表的な支援策をまとめました(2021年2月24日に一部の内容を更新)。経済産業省は「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」にてビジネスへの支援策をこまめに更新しているので、随時、最新情報を確認してみてください。同省の新型コロナウイルス感染症特設ページからも最新情報が確認できます。
もっと読もう。飲食店や小売店ができること
(1) 新型コロナウイルス対策 -飲食店や小売店ができること-
(2) 中小ビジネス・個人事業主に向けた、新型コロナウイルスの支援策
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2020年3月31日時点の情報を参照しています。2021年2月24日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
経営に役立つヒントをご紹介
Squareのメールでは、新型コロナウイルス関連の支援金最新情報やビジネスでさらに売上を伸ばすコツ、経営がさらに楽になる便利なツールの情報、Squareの導入事例などをご紹介いたします。