簡単にネットショップを作れるBASE(ベイス)は、2025年1月時点で累計ショップ開設数が230万を超えるなど、スモールビジネスに人気のサービスです。ただし、利用方法によっては手数料が高くついてしまうケースもあります。そこでこの記事では、BASEのプランや手数料、メリットとデメリットのほか、費用を抑えてネットショップをかしこく運営する方法も紹介します。
目次
- BASE(ベイス)でネットショップが無料で開設できる
- BASE(ベイス)の料金プランと販売手数料
・料金プランは2種類
・販売手数料はどれくらい? - BASE(ベイス)の3つのメリット
・(1) 初期費用を抑えられる
・(2) 操作が簡単
・(3) 無料の拡張機能がある - BASE(ベイス)の3つのデメリット
・(1) 集客する必要がある
・(2) 複数の手数料がかかる
・(3) 入金には振込申請が必要 - BASE (ベイス)よりも費用をおさえられる、Square(スクエア)オンラインビジネス
・充実の無料プラン、負担は決済手数料のみ
・振込申請の必要なし!
・売り上げは最短翌営業日に振り込まれる
・さらに高機能な有料プランもある - 【比較表】 Square(スクエア)とBASE (ベイス)の無料プラン
・手数料と機能の比較表
・手元に残る金額の比較 - まとめ
BASE(ベイス)でネットショップが無料で開設できる
BASE(ベイス)は、BASE株式会社が運営するネットショップ作成サービスで、ファッションやフード、ハンドメイド品など幅広い商品の販売が可能です。用意されたテンプレートに写真や文字を入れるだけで簡単にネットショップを開設でき、別途サーバーを契約する必要などはありません。
BASEの大きな特徴は、初期費用や月額利用料などを負担することなくネットショップを始められる点です。商品が売れたときにのみ手数料がかかるという仕組みのため、試しにどのくらい売れるのか見てみたい場合でも気軽にショップを構えることができます。
BASE(ベイス)の料金プランと販売手数料
無料で気軽に始められるBASEでは、ビジネスの規模に応じて料金プランを選ぶことができます。
料金プランは2種類
BASEの料金プランには、「スタンダードプラン」と「グロースプラン」の2種類があります。
スタンダードプランは、無料でネットショップを開設できるプランです。初期費用と月額費用は無料ですが、商品が売れるたびに決済手数料とサービス利用料がかかります。
グロースプランでは月あたり16,580円(年払いの場合)の利用料が必要ですが、決済手数料は低く抑えられ、サービス利用料もかかりません。なお、決済手数料とサービス利用料は売り上げから自動的に差し引かれます。
販売手数料はどれくらい?
BASEの販売手数料としてかかるのは、前述のとおり決済手数料とサービス手数料です。このうち、決済手数料の額は決済方法によって異なります。
スタンダードプランの決済手数料は、クレジットカード決済やコンビニ決済の場合3.6%+40円、Amazon PayやPayPal決済では4.6%+40円です。ここにプラスして、決済方法を問わず売り上げに対して3%のサービス手数料がかかります。
一方、グロースプランの販売手数料は決済手数料のみで、クレジットカード決済やコンビニ決済の場合は2.9%、Amazon PayやPayPal決済では3.9%です。BASEによると、目安として月商50万円を超える場合は、スタンダードプランよりもグロースプランの方がお得になるとされています。
BASE(ベイス)の3つのメリット
BASEでネットショップを開設するメリットは、主に以下の三つです。
(1) 初期費用を抑えられる
スタンダートプランから始めれば、初期費用・月額費無料でネットショップを開設できます。月商が50万円を超えてきたら、グロースプランに乗り換えることで手数料をスタンダードプランよりも抑えることができます。
(2) 操作が簡単
テンプレートを選択して必要事項を入力するだけでネットショップが開設できます。サイトの公開後もシンプルで簡単に操作できるため、HTMLなどの知識があまりなくても運営が可能です。
(3) 無料の拡張機能がある
メルマガ配信、クーポン、アクセス解析、配送設定など無料の拡張機能も充実しています。これらを使用して、ショップをカスタマイズし、充実させることができます。
BASE(ベイス)の3つのデメリット
BASEでネットショップを開設するデメリットは、主に三つです。
(1) 集客する必要がある
Amazonや楽天市場などのオンラインのショッピングモールでは、広告費用を支払うことで特集ページなどの上位に自社のネットショップを掲載してもらったり、モール内の店舗・商品検索などでお客さまに検索してもらえたりと、工夫次第でお客さまの目に止まりやすい広告宣伝を打つことができます。しかしながら、BASEで作成したネットショップは、ブログやSNSのほか、リスティング広告やSEOなどを活用して集客する必要があります。
(2) 複数の手数料がかかる
BASEの利用には複数の手数料がかかります。特にスタンダードプランでは、商品が売れるたびに決済手数料とサービス利用料がダブルで発生するため、売り上げが増えるほど販売手数料の負担も増大します。
たとえばクレジットカード決済で500円の商品が売れた場合、3.6%の決済手数料(18円)+40円に、3%のサービス利用料(15円)がかかり、合計73円が売り上げから差し引かれます。これが500円の売上額に占める割合は実に14.6%です。そのため、実際に売上金を受け取ると、手数料が思っていたよりも割高だと感じるかもしれません。
(3) 入金には振込申請が必要
手数料が差し引かれた売上金を口座に移すには、その都度手動で振込申請をする必要があります。忙しいショップオーナーにとっては、定期的に発生するこの手間が負担になるかもしれません。なお、振り込みには250円の振込手数料のほか、申請額が2万円未満の場合は500円の事務手数料(売上金が2万円未満の場合)が必要です。
また、実際に入金されるまでには10営業日を要する点もデメリットの一つです。最短で翌営業日に振り込まれる「お急ぎ振込」という方法もあるものの、振込手数料と事務手数料とは別に、振込申請金額の1.5%の手数料がかかります。そのため、コストを抑えつつスピーディな入金を求める場合は、BASE以外の方法も検討してみましょう。
BASE (ベイス)よりも費用をおさえられる、Square(スクエア)オンラインビジネス
BASEのほかにも、無料でネットショップを開設できるサービスはあります。そのうちの一つがSquare オンラインビジネスです。
充実の無料プラン、負担は決済手数料のみ
Square オンラインビジネスは、充実した機能を無料で利用できるネットショップ作成サービスです。商品マスタの作成からサイトの構築まで、ネットショップの開設に必要な作業を効率よく進めるツールを備えているほか、店舗での商品受取にも対応しています。
商品の在庫管理やInstagramとの連携など、ネットショップ運営に必要な機能が最初から備わっているのも特徴です。BASEを利用する場合、これらの機能を利用するには追加アプリや外部アプリでの拡張が必要ですが、Squareなら特に追加作業は不要です。
また、ネットショップだけでなく実店舗を運営しているオーナーにとっては、在庫や注文状況、売り上げ、顧客情報などあらゆる情報を実店舗のPOSレジと同期できる点も見逃せません。あらゆるチャネルの売り上げを1カ所で管理できるため、店舗運営の効率が飛躍的に高まります。
無料プランでは初期費用や月額利用は一切かからず、必要なのは決済ごとにかかる3.6%の決済手数料のみ。サービス利用料などはなく、隠れコストもありません。
振込申請の必要なし!
Square オンラインビジネスでは、振込申請の手間は不要です。決済を受け付けると、売上金はフローに沿って登録済みの銀行口座に自動的に振り込まれます。この際、振込手数料や事務手数料は一切かかりません。つまり、手間やコストをかけずとも、スピーディに売上金を受け取ることができるのです。
売り上げは最短翌営業日に振り込まれる
売上金はすぐに振り込まれるので、キャッシュフローの面でも安心です。振り込みのタイミングは、三井住友銀行とみずほ銀行の口座の場合、決済日の翌営業日と非常にスピーディです。それ以外の金融機関口座の場合でも、毎週水曜日で締めて同じ週の金曜日に合算した金額が振り込まれるため、資金繰りへの影響を最小限に抑えられます。
さらに高機能な有料プランもある
Square オンラインビジネスには、2段階の有料プランがあり、幅広いショップオーナーに対応しています。
月あたり3,375円(年払いの場合)の利用料がかかるプラスプランでは、無料プランの全機能に加えて、ウェブサイトの高度なデザイン、お客さま用アカウントの作成、FacebookやGoogle広告の作成と管理、アクセス解析、予約注文、カスタムドメインの利用などが可能です。
月あたり9,180円(年払いの場合)のプレミアムプランでは、プラスプランの全機能を使えるのに加えて、決済手数料が3.3%とお得に設定されています。
【比較表】 Square(スクエア)とBASE (ベイス)の無料プラン
ここまで、BASEとSquare オンラインビジネスについて見てきましたが、果たしてどちらがよいのかと悩む人も多いかもしれません。そこでまずは、両サービスの無料プランを比較してみましょう。
手数料と機能の比較表
Square | BASE | |
プラン名 | フリープラン | スタンダードプラン |
初期費用 | 無料 | 無料 |
月額利用料 | 無料 | 無料 |
決済手数料 | 3.6% | 3.6%+40円 |
サービス利用料 | 無料 | 3% |
振込手数料 | 無料 | 250円 |
事務手数料 | 無料 | 2万円未満は500円、2万円以上は0円 |
入金サイクル | 自動。指定口座に最短翌営業日振り込み | 振込申請が必要。申請日から10営業日で指定口座に振り込み |
在庫管理、売上管理 | ○ | 追加アプリ、外部アプリとの連携が必要 |
実店舗との連携 | ○ | × |
手元に残る金額の比較
実際に、SquareとBASEで同じ商品を売る場合、最終的に銀行口座に入金される金額にどのくらい差が出るのでしょうか?例として、500円の商品を30個売り、合計で15,000円の売り上げを得た場合を考えてみましょう。
販売および入金の条件は以下のとおりです。
- 月額利用料が無料のプランを利用
- 決済1回あたりに売れる商品は1個
- クレジットカード決済
- 最短での入金
まず、BASEを利用して500円の商品を30個売った場合、以下の手数料が発生します。
- 決済手数料:1,740円
- サービス利用料:450円
- 振込手数料:250円
- 事務手数料:500円
- お急ぎ振込手数料:192円
注意したいのは、決済手数料は決済1回あたりにかかる点です。この場合は、1回の決済あたり500円 × 3.6%+40円=58円かかるため、58円 × 30個=1,740円です。500円 × 30個 × 3.6%+40円ではない点に留意しましょう。また、サービス手数料は500円 × 30個 × 3%で450円です。
最短での入金を希望する場合は、振込申請額に対して1.5%のお急ぎ振込手数料が発生します。このケースでは、申請額は15,000円-1,740円-450円=12,810円であるため、お急ぎ振込手数料として192円(小数点以下四捨五入)がかかります。
以上の結果、BASEでは手数料の合計が3,132円となり、15,000円の売り上げに対して手元に残るお金は11,868円です。
次にSquareの場合を見てみましょう。
- 決済手数料:540円
- サービス利用料:0円
- 振込手数料:0円
- 事務手数料:0円
- お急ぎ振込手数料:0円
Squareで商品を売る際の手数料は3.6%の決済手数料のみ。サービス利用料、振込手数料、事務手数料は無料です。決済完了後は金額が最短翌日に自動入金されるため、BASEのようにお急ぎ振込手数料もかかりません。
この結果、Squareを利用して15,000円を売り上げた場合、残るお金は14,460円となります。
それぞれの場合の売上額に対するコスト比率を比べてみると、BASEの場合は20%にのぼるのに対し、Squareの場合は決済手数料と同じ3.6%。想像していたよりも大きな差があると感じる人が多いのではないでしょうか。 また、BASEを利用する場合に忘れてはならないのが振込申請の手間です。手間には当然ながら人件費がかかるため、実質的なコスト比率は20%以上になるでしょう。
まとめ
Square オンラインビジネスは、メールアドレスを用意してアカウントを作成するだけですぐに利用できます。解約料もないため、少しでも気になった人はさっそく試してみてはいかがでしょうか。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2022年10月25日時点の情報を参照しています。2025年1月20日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash