簡単にネットショップが作成できるBASEは、2023年6月時点でショップ開設数が200万を超えるなど、スモールビジネスに人気のサービスです。この記事では、BASEを利用したネットショップの開設方法や手数料、メリットとデメリットを紹介します。
参考:「BASE」のショップ開設数が200万ショップを突破!直近3年で100万ショップが新規開設(2023年6月5日、BASE株式会社)
目次
BASEとは
BASEは、BASE株式会社が運営するネットショップ作成サービスです。ファッション、フード、ハンドメイドなど幅広く販売が可能で、用意されているテンプレートに写真や文字を入れるだけで簡単にネットショップが開設できると人気です。BASEが用意しているドメインを利用でき、別途サーバーを契約する必要がないのも手軽さの特徴といえるでしょう。
BASEの使い方
BASEでネットショップを作成する方法を紹介します。
1.アカウントを作る
BASEでネットショップを開設するのに、最初にすべきはアカウントの作成です。メールアドレス、パスワード、ショップURLを指定して登録を行います。ショップURLのドメインには「base.shop」「base.ec」というBASEの名前がついたものや、「fashionstore.jp」「handcrafted.jp」など取り扱う商品に合わせられるものなどから選択することができます。
無料のドメインに使いたいものがない場合や、会社やブランドなどですでに持っているドメインを「BASE」にも適用したい場合は、「独自ドメイン App」をインストールすると、すでに持っているドメインや新しい独自ドメインを使って、ショップのURLを変更できます。「独自ドメイン App」のインストールは無料ですが、ドメインの取得や更新費用は別途かかります。
2.特定商取引法に基づく表記を設定する
ネットショップは特定商取引法の「通信販売」にあたります。特定商取引法では、「事業者の氏名」「販売価格」「代金の支払時期・方法」を含む全15項目を表示項目として定めています。「特定商取引法に基づく表記」と呼ばれる事項です。この表記を設定するには、管理画面の右上にあるメニューの「ショップ設定」から「運営に関する情報の設定」タブをクリックして内容を記入します。特定商取引法について詳しくは、「ネットショップ運営で知っておくべき特定商取引法をわかりやすく解説」の記事も参考にしてください。
3.支払方法を選択する
ネットショップで導入したい決済方法を選択します。対応している決済方法は、2024年3月現在以下のものになります。
- クレジットカード
- 銀行振込
- コンビニ決済/Pay-easy
- キャリア決済
- PayPal決済
- 後払い決済
- Amazon Pay
- Pay ID
決済方法の選択肢がいろいろあることで、お客様の利便性は高くなります。詳しくは後述しますが、BASEでは決済ごとの決済手数料と事務手数料などがかかります。
4.商品を登録する
ホーム画面、もしくは商品管理画面から商品を登録します。商品説明文、価格などの必要情報を入力し、写真をアップロードします。写真は1商品につき、最大20枚まで掲載できます。
5.サイトのデザインを編集する
サイトデザインのテンプレートには、無料のものと有料のものがあります。無料の場合は、20種類以上ある無料テンプレートの中から、イメージや好みに合うテーマを選択します。有料の場合は、クリエイターがデザインした高品質かつ無料版にはない機能を兼ね備えたテンプレートを5,000円から購入することができます。また、無料、有料問わず、「SNSバナー」「ピックアップ商品」などのパーツをサイト内に配置し、カスタマイズもできます。
6.サイトを公開する
テスト用に入力した商品などが残っていないかを確認し、いよいよサイトを公開します。ネットショップを公開したら、SNSなどで宣伝して集客しましょう。
BASEの料金プランは2種類
BASEには、月額利用料はかからないスタンダードプランと、月々16,580円(年払い)かかるグロースプランの2種類があります。どちらのプランも、商品が売れたときに決済手数料がかかり、スタンダードプランではサービス利用料も発生します。決済手数料やサービス利用料は、自動的に売り上げから引かれる仕組みになっています。ショップの月商が50万円超の場合は、スタンダードプランよりもグロースプランのほうが手数料を抑えることができます。
参考:BASE料金プランページ
各プラン共通の手数料
お客様が決済を終えた後、その代金はショップの口座に直接振り込まれるわけではありません。売上金はBASEを介して振り込まれるので、売上金を指定の口座に移動させたい場合は、BASEへの振込申請が必要となります。その際に、スタンダードプラン、グロースプランを問わず下記の手数料が発生します。
- 振込手数料(売上金を指定の口座に振り込むとき)…250円
- 事務手数料(売上金を指定の口座に振り込むとき)…2万円未満500円、2万円以上0円
BASEのメリット
BASEでネットショップを開設するメリットは、主に以下の三つです。
1.初期費用を抑えられる
スタンダートプランから始めれば初期費用・月額費無料でネットショップ開設ができます。月商が50万円を超えてきたら、グロースプランに乗り換えることで手数料をスタンダードプランよりも抑えることができます。
2.操作が簡単
テンプレートを選択して必要事項を入力するだけでネットショップが開設できます。サイトの公開後もシンプルで簡単に操作できるため、HTMLなどパソコンの知識があまりなくても運営が可能です。
3.無料の拡張機能がある
メルマガ配信、クーポン、アクセス解析、配送設定など無料の拡張機能も充実しています。これらを使用して、ショップをカスタマイズし、充実させることができます。
BASEのデメリット
BASEでネットショップを開設することのデメリットは、主に三つです。
1.集客をする必要がある
Amazonや楽天市場などのオンラインのショッピングモールでは、広告費用を支払うことで特集ページなどの上位に自社のネットショップを掲載してもらったり、モール内の店舗・商品検索などでお客様に検索してもらえたりと、工夫次第でお客様の目に止まりやすい広告宣伝を打つことができます。しかしながら、BASEで作成したネットショップは、ブログやSNSのほか、リスティング広告やSEOなどを活用して集客する必要があります。
2.販売手数料がかかる
BASEのスタンダードプランは、商品が売れるごとに決済手数料3.6%プラス40円、そのほかにサービス利用料として3%がかかります。そのため、売り上げが増えるほど、販売手数料の負担も増えます。たとえば500円の商品が売れた場合、決済手数料(18円+40円)+サービス利用料15円=73円が商品価格から差し引かれます。500円の商品が10個売れた場合、決済手数料(18円+40円)×10+サービス利用料15円×10=730円もかかることになるのです。
3.入金を手動で行う必要がある
BASEで作ったネットショップで販売した売上金額は、ショップの運営者自らが振込申請をする必要があります。売上金額は、申請した日から10営業日でショップ指定の口座に振り込まれます。前述の通り、振込手数料に都度250円、振り込み金額が2万円未満の場合は500円の事務手数料が必要になります。
無料でネットショップが開設できるのはBASEだけじゃない
BASEのほかにも、無料でネットショップを開設できるサービスはあります。そのうちの一つがSquare オンラインビジネスです。
基本的なネットショップ機能は無料で使うことができます。決済方法には主要なクレジットカードブランドが利用でき、決済手数料はかかりますが、サービス利用料や振込手数料はありません。また、BASEでは追加アプリや外部アプリでの拡張が必要な商品の在庫管理やInstagram連携も、Squareなら特に追加などの作業がいらないのも便利なところです。売上額は自動で最短翌営業日に振り込まれるので、キャッシュフローの面でも安心です。
商品レビューやかご落ちメールの送信、広告の非表示、カスタムドメインの利用などの機能を利用したい場合は、利用したい機能に合わせて有料プランを選ぶことができます。
SquareとBASEの無料プランの比較は、以下になります。
Square | BASE | |
---|---|---|
プラン名 | 無料プラン | スタンダードプラン |
初期費用 | 無料 | 無料 |
月額利用料 | 無料 | 無料 |
決済手数料 | 3.6% | 3.6%+40円 |
サービス利用料 | 無料 | 3% |
振り込み手数料 | 無料 | 250円 |
事務手数料 | 無料 | 2万円未満は500円、2万円以上は0円 |
入金サイクル | 自動。指定口座に最短翌営業日振り込み | 振込申請が必要。申請日から10営業日で指定口座に振り込み |
在庫管理、売上管理 | ○ | 追加アプリ、外部アプリとの連携が必要 |
実店舗との連携 | ○ | × |
無料でネットショップを開設したいと考えているビジネスオーナーは、一つのアカウントでさまざまな機能がSquare オンラインビジネスも検討してみてはいかがでしょうか。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2022年10月25日時点の情報を参照しています。2024年3月26日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash