個人でネット販売を始めるには?ネットショップ開業のやり方を解説

※本記事の内容は一般的な情報提供のみを目的にして作成されています。法務、税務、会計等に関する専門的な助言が必要な場合には、必ず適切な専門家にご相談ください。

スマートフォンやパソコンがあれば、自宅から商品を販売できる。今やネット販売は、企業だけでなく個人にとっても身近な選択肢となっています。ライフスタイルの多様化や副業解禁の流れもあり、自分のペースで収入を得たい、好きなことで稼ぎたいという思いから、ネット販売にチャレンジする人も出てきています。

この記事では、個人でネット販売をはじめる方法や手順、注意点などをわかりやすく解説します。

【この記事のポイント】
-個人でもスマホやPCでネット販売を手軽に始められる時代に
-販売方法はフリマアプリ、SNS、自作ショップなど多様
-販売前に商品、ターゲット、価格を明確に
-税務・法律・顧客対応の基礎知識が信頼される運営に不可欠
-初心者には、決済・在庫管理が一体化したSquareの活用が便利

目次


個人でもネット販売は可能?

個人でもネット販売をはじめることは十分可能です。むしろ、スマートフォン1台あればはじめられる時代になったことで、個人が趣味や副業としてネット販売をはじめるケースが珍しくなくなっています。特別な資格や大規模な設備も必要なく、アイデアと少しの準備でオンラインショップを持つことができます。

もちろん、ビジネスとして継続的に利益を出していくには、販売戦略やマーケティングの知識も必要になりますが、まずは小さな一歩からはじめることが可能です。たとえば、自宅にある不用品をフリマアプリに出品したり、自作のハンドメイド作品をマーケットプレイスで販売したりすることで、ネット販売の仕組みや流れを体験できます。

個人でネットショップをはじめる主な方法

個人がネット販売をはじめる方法はいくつかあります。目的やスキル、売りたい商品の種類に応じて、最適な方法を選びましょう。

フリマアプリやマーケットプレイスを利用する

初心者におすすめなのが、フリマアプリ(例:メルカリ、ラクマ)やマーケットプレイス(例:Amazon、Yahoo!ショッピング)の利用です。これらのサービスは、販売ページの作成が簡単で、購入者とのやりとりもアプリや管理画面上で完結するため、手軽にはじめることができます。

さらに、集客力が高いため、自分で広告や宣伝をしなくても商品が売れる可能性があります。ただし、販売手数料がかかることや、価格競争が激しい点には注意が必要です。利益を意識した価格設定が求められます。

自分でネットショップを作成する

自由度を重視する場合は、自分でネットショップを作るのがおすすめです。たとえば、Shopify、BASE、SquareなどのECプラットフォームを使えば、プログラミングの知識がなくても簡単にオンラインストアを立ち上げられます。

デザインや商品の見せ方を自由にカスタマイズできるため、オリジナリティを打ち出しやすいのがメリットです。ただし、集客や運営をすべて自分で行う必要があるため、販売戦略やマーケティングの知識が必要になります。

SNSを活用して販売する

InstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどのSNSを使って商品を紹介・販売する方法も注目されています。特にアート作品やファッションアイテムなど、視覚的な魅力がある商品とは相性が良く、フォロワーとの関係性を生かして購入につなげることができます。

最近では、InstagramショッピングやLINE公式アカウントなど、SNSとECを連携できる機能も充実しており、SNS上から直接販売ページに誘導することも可能です。ただし、継続的な投稿やファンとのコミュニケーションが必要なため、コツコツと取り組む姿勢が求められます。

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ネット販売をはじめる前に決めておくこと

ネット販売は手軽にはじめられますが、事前にいくつかのポイントを明確にしておくことで、スムーズに運営が進みます。ここでは、販売する前に決めておきたい基本の3項目を紹介します。

販売するもの

まずは、「何を売るのか」を明確にしましょう。以下のような視点で商品を選ぶと、販売後のミスマッチを防ぐことができます。

  • 自分が得意・好きなこと(例:ハンドメイド作品、デザイン雑貨)
  • 周囲にニーズがあるもの(例:ベビー用品、ペットグッズ)
  • 他にはない特徴や特色がある商品(例:地元の素材を使った食品)

すでに販売されている商品でも、自分ならではの工夫やセット販売、オリジナルの見せ方によって差別化できます。

ターゲットと価格帯

次に重要なのが、「誰に売るか(ターゲット)」と「いくらで売るか(価格帯)」の設定です。

たとえば、

  • ターゲット:20〜30代の女性向け、子育て中のパパ・ママ向け、ペットを飼っている人向け
  • 価格帯:1,000円以内の手軽な商品、ギフト向けの3,000円前後、高品質志向の5,000円以上

この2点を明確にすることで、商品写真・説明文・販売チャネルの選び方などに一貫性が出て、購入されやすくなります。また、価格を決める際は仕入れ・材料・手数料・送料などのコストをしっかり把握し、利益が出る価格設定を心がけましょう。

開業届の提出

個人でネット販売を継続的に続ける場合、開業届の提出が必要になる場合があります。特に、以下の条件に当てはまる人は開業届の提出を検討しましょう。

  • 継続して販売する予定がある
  • 本格的に収益を得たいと考えている
  • 確定申告で青色申告をしたい

開業届は税務署に提出する書類で、個人事業主として正式に事業をはじめるためのものです。提出は無料で、難しい書類ではありません。青色申告を希望する場合は、「青色申告承認申請書」も合わせて提出する必要があります。これにより、最大65万円の控除を受けられるなど、節税メリットがあります。

個人ネットショップ開業のステップと必要な準備

ネットショップを開業する際には、いくつかのステップを踏んで計画的に準備を進めることが大切です。ここでは、個人がネット販売をはじめるための基本的な流れと、各段階で必要になる準備について紹介します。

1. 販売商品・仕入れの準備

まずは、販売する商品の準備からスタートします。

  • 自作する場合:材料の手配、試作品の制作、商品写真の撮影など
  • 仕入れる場合:仕入れ先の選定、仕入れ価格の確認、在庫管理の方法を検討

商品を販売するためには、品質管理・在庫の保管場所・発送方法も合わせて考える必要があります。また、販売に許可や資格(食品や化粧品など)が求められる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

2.販売チャネルの選定

次に、どこで売るか(販売チャネル)を決めます。主な選択肢は以下の三つです。

  • フリマアプリ・マーケットプレイス:初心者でもはじめやすいが、手数料がかかる
  • 自分のネットショップ:自由度が高いが、集客は自力で行う必要あり
  • SNS連携販売(Instagram、LINE公式など):フォロワーを生かした販売が可能だが、継続的な発信が必要

目的・予算・販売スタイルに合ったチャネルを選びましょう。

3.ショップの構築

販売チャネルが決まったら、ショップページの構築に進みます。プラットフォームによって多少異なりますが、主な作業は以下のとおりです。

  • ショップ名・ロゴ・コンセプトの設定
  • 商品ページの作成(タイトル、説明文、写真、価格など)
  • プロフィールやショップポリシー(返品・交換対応、送料など)の記載

購入者が安心して商品を購入できるよう、信頼感のあるデザインや説明文を意識しましょう。

4.決済・配送設定

次に、購入後の決済・配送の流れを整えます。

  • 決済方法の設定:クレジットカード、コンビニ払い、銀行振込、PayPayなど
  • 送料・配送方法の設定:定形外郵便、クリックポスト、宅急便など

送料は「全国一律」「地域別」「無料」などのパターンがあるので、コストや競合状況を踏まえて設定します。

5.集客・販売開始

準備が整ったら、いよいよショップを公開して販売開始です。とはいえ、ネットショップは「作れば売れる」わけではないので、集客活動が非常に重要です。

  • SNSで商品や制作過程を発信
  • 友人・知人への告知、口コミの活用
  • キャンペーンやクーポンの活用
  • SEO対策(検索に強い商品タイトル・説明文)

小さな実績の積み重ねが信頼に変わり、リピーターやファンの獲得にもつながります。

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個人でネット販売をする際の注意点

ネットショップは個人でもはじめられる手軽さが魅力ですが、事業として継続的に運営していくためには、守るべきルールや対応すべき責任も伴います。特に注意しておきたいのが、「税金の申告」「法律への対応」「お客さま対応」の3点です。

税金の申告

ネット販売によって収入が発生した場合、たとえ副業や小規模でも、原則として確定申告が必要です。たとえば、会社員が副業としてネットショップを運営している場合でも、年間の所得が20万円を超えると確定申告が必要になります。

一方、専業主婦や学生など、年間48万円以上の所得があると基礎控除を超えるため、申告が必要になるケースもあります。

また、将来的に継続して販売する意思があるなら、開業届を提出し、青色申告を選択することで節税のメリットを受けられます。

法律への対応

ネット販売を行う場合、法律やガイドラインに則って運営する義務があります。知らなかったでは済まされないため、以下の点には特に注意しましょう。

特定商取引法の表示義務
ネット販売を含む通信販売を営む場合、特定商取引法に基づく表記の掲載が義務付けられています。具体的には以下のような情報を、購入前に誰でも確認できる形で表示しなければなりません。

  • 販売者の氏名、屋号
  • 住所
  • 電話番号、メールアドレス
  • 商品の価格
  • 送料や手数料
  • 支払い方法
  • 返品・キャンセルの条件

また、古物商許可を取得して中古品をネット販売する際には、上記に加えて許可を受けた公安委員会名・許可証番号の表示も求められます。

その他の法律や規制
販売する商品によっては、事前に許可や届出が必要になるケースがあります。

  • 食品:食品衛生法に基づく営業許可
  • 化粧品:化粧品製造販売業許可、​化粧品製造業許可
  • 古着・中古品:古物営業法に基づく古物商許可

知らずに違反してしまうと、営業停止や罰則の対象になる可能性もあるため、自分が扱う商品の法的要件をしっかり確認しましょう。

お客さま対応

ネット販売では、顔の見えない取引だからこそ、誠実な対応が信頼とリピーターの獲得につながります。お客さま対応はショップの印象を左右する非常に重要な要素です。

購入前の問い合わせ対応
商品についての質問や不明点に対して、できるだけ早く、丁寧に返答することで、購入の後押しになります。返信が遅れたり、対応が雑だったりすると、「このショップ大丈夫かな……」という不安を与えてしまいます。

購入後のフォロー
注文後の「確認メールの送信」「発送連絡」「納品後のフォロー」など、取引の途中経過をこまめに伝えることが安心感を生みます。もし在庫切れや発送の遅延などがあった場合も、すぐに連絡を入れることが大切です。

クレームや返品対応
トラブルが起きた場合には、感情的にならずに冷静・誠実に対応することが求められます。返金や返品のルールを事前に明記しておくことで、トラブルを最小限に抑えることができます。

近年はSNSで評判が広まりやすいため、悪い対応がすぐに拡散されるリスクもあります。逆に、丁寧な対応が高評価につながれば、信頼とファンを増やす大きなチャンスにもなります。

個人のネット販売におすすめ!Square オンラインビジネス

これからネット販売を始める個人にとって、「どのサービスを使ってネットショップを作るか」はとても大きなポイントです。中でも、初めてのネット販売におすすめなのがSquareです。Square(スクエア)は、もともと対面決済のモバイル端末で知られていますが、現在はオンライン販売に対応した機能も非常に充実しており、初心者にも扱いやすいサービスを提供しています。

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専門知識がなくてもネットショップが作れる

Square オンラインビジネスは、誰でも簡単にネットショップを開設できる機能です。プログラミングの知識は一切不要で、テンプレートに沿って操作するだけで、洗練されたデザインのオンラインストアを作成できます。無料プランでも基本的な機能はほとんど網羅されているため、初期費用をかけずにはじめられるのも魅力です。

ネットショップを無料で開始するならSquare

EC作成から、オンライン決済、店舗連動の在庫管理まで、便利な機能が無料で簡単に始められます。

決済から在庫管理までオールインワン

Squareの強みは、決済・在庫管理・売上管理など、販売に必要な機能がすべて一体化している点です。たとえば、以下のような業務が、Squareだけで完結します。

別々のツールを用意したり、複雑な連携作業をしたりする必要がない分、販売活動に集中でき、個人でショップを運営する負担が大きく軽減されます。

まとめ

個人でもネット販売は十分に実現可能であり、 フリマアプリ、SNS、ECプラットフォームなど、販売チャネルも豊富に用意されており、目的やライフスタイルに合った形でショップを運営できます。ただし、販売を継続していくには、税務や法律面の知識、お客さま対応といった基本的なビジネスマナーも大切です。ネット販売はあくまで“商売”であることを意識し、信頼される運営を心がけましょう。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2021年8月11日時点の情報を参照しています。2025年6月17日に一部情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。