ネットショップを開業しようと考えたときに、仕入れに不安を感じる人は少なくありません。個人で使える仕入れサイトや、利用にかかる費用、手続きなど確認すべきことを知って対策を立てておきましょう。
本記事では、ネットショップ初心者の人や副業・個人事業での開業を目指す人に向けて、仕入れの基本からおすすめの仕入れサイト、販売に必要な許可や会計処理までを分かりやすく解説します。無料ネットショップツールの活用方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
📝この記事のポイント
- 仕入れ方法には卸サイト、直接取引、展示会参加など複数あり、それぞれメリット・デメリットがある
- 国内・海外の仕入れサイトを研究し、自分のビジネスの目的や取扱商品に応じて選ぶことが大切
- 中古品や酒類、輸入品など扱う商品によっては、許可の申請や免許の取得が必要
- 記帳方法には三分法、分記法、五分法、総記法があり、業種や在庫管理の複雑さに応じて使い分ける
- 仕入れた商品をコストをかけずにネット販売するなら、Square オンラインビジネスが便利
目次
- ネットショップ開業時の仕入れの基本知識
・ネットショップの仕入れ方法
・仕入れサイトを利用するメリット・デメリット
・忘れてはいけない販売許可の取得 - 個人事業主におすすめの国内卸・仕入れサイト8選
・1.SUPERDELIVERY(スーパーデリバリー)
・2.卸問屋.com
・3.商材王(SHOZAIOH)
・4.TopSeller(トップセラー)
・5.NETSEA(ネッシー)
・6.マルモトネット
・7.TEN TO TEN MARKET(テントテンマーケット)
・8.ザッカネット - 個人事業主におすすめの海外卸・仕入れサイト3選
・1.Alibaba(アリババ)/AliExpress(アリエクスプレス)
・2.Cmall(シーモール)
・3.淘宝網(タオバオ) - 仕入れ商品の会計帳簿への計上と仕訳方法
・仕入れた商品を会計帳簿に計上するタイミング
・仕入れの仕訳方法4つ - 初心者でも安心!Squareの無料ネットショップで商品を販売しよう
・初期費用ゼロ・月額無料でスタートできる
・デザインテンプレートで誰でも簡単に構築できる
・SNSや仕入れサイトとの連携で効率アップ
・店舗とネットの併用にも対応 - よくある質問(FAQ)
・ネットショップでよく売れるものは?
・ネットショップで扱えない商品はある?
・ネットショップの運営は大変? - まとめ
ネットショップ開業時の仕入れの基本知識
仕入れはネットショップの成功を大きく左右する重要な工程です。適切な仕入れ先を選ぶことで、販売価格の自由度が高まり、在庫リスクの軽減や商品ラインアップの差別化にもつながります。また、仕入れ方法の選定によって、初期投資や運営の手間も大きく異なるため、事業のスタイルやリソースに応じて最適な手段を見極めることが大切です。
適切な仕入れ先を選ばなければ、在庫が売れ残ったり、品質トラブルで信頼を失ったりするリスクもあります。特にネットショップでは、実物を手に取れない分、仕入れ段階での判断が売り上げに直結します。ここでは、主な仕入れ方法と、仕入れサイトを使う際のメリット・デメリット、そして販売に必要な許可について確認しておきましょう。

ネットショップの仕入れ方法
ネットショップで商品を販売するには、まずどこから商品を仕入れるかが重要なポイントです。仕入れ先によって価格や取引条件、差別化のしやすさが異なるため、それぞれの特性を理解して、最適な方法を選びましょう。
仕入れサイトの利用
仕入れサイトとは、インターネット上で卸売業者やメーカーとつながり、商品を仕入れられるオンラインプラットフォームです。
メリット
- 少量からの仕入れが可能で、在庫リスクを抑えやすい
- 24時間いつでも注文できるため手軽にはじめられる
- 商品ジャンルが豊富で商品の比較がしやすい
デメリット
- 誰でも使えるため、競合が多く価格競争に陥りやすい
- 商品の質や信頼性は出品業者によって差がある
- 一部のサイトは法人登録のみなどの条件がある
卸問屋・メーカーからの直接仕入れ
卸問屋やメーカー、生産者から商品を直接仕入れる方法です。販売したい商品が明確な場合や、独自性のある商品を探している事業者に向いています。
メリット
- 価格交渉など、柔軟な取引を行う余地がある
- 他店にない商品を取り扱える可能性がある
- 独自ブランドやOEM展開にもつなげやすい
デメリット
- 新規取引のハードルが高く、交渉に時間がかかる
- 発注ロットが多く、初期コストが高くなりがち
- 個人事業主では取引できない場合もある
展示会や見本市への参加
メーカーや卸売業者が商品を展示するイベントに参加して、実際に商品を見ながら仕入れ先を探す方法です。
メリット
- 商品を直接確認しながら比較できる
- その場で商談ができ、関係構築につながる
- 新商品や業界トレンドをいち早く把握できる
デメリット
- 現地に行く交通費・宿泊費がかかる
- 商談にある程度の営業スキルが必要
- 予算や希望ジャンル、必要な仕入れ数など、会場で仕入れを即決するための準備が必要
海外からの仕入れ

海外の卸・仕入れサイトを通じて、海外業者から商品を調達する方法です。日本語対応サイトも増えていて、個人事業主でも利用可能です。
メリット
- 単価が安く、利益率を高めやすい
- 独自性のある商品を見つけやすい
- 日本未上陸の商品を扱えるチャンスがある
デメリット
- 送料や関税など追加コストがかかる
- 納期が長く、トラブル時の対応が難しい
- 品質や言語の壁で誤解が生じる場合がある
オークションサイトでの仕入れ
Yahoo!オークションやeBayなどを利用して、中古品や掘り出し物をオークション形式で仕入れる方法です。
メリット
- 市場価格より安く仕入れられることがある
- 競合と異なる商品ラインアップで差別化が可能
- 単発仕入れに向いている
デメリット
- 商品状態にバラつきがあり、品質リスクがある
- 安定供給が難しく、継続販売に向かない
- 返品やトラブル時の対応に手間がかかる
ドロップシッピングを利用する
ドロップシッピングとは、商品を在庫として持たずにネットショップに商品情報だけを掲載して、注文が入った時点で仕入れ先から顧客に直送してもらう販売方法です。
メリット
- 在庫リスク・保管コストが不要
- 初期費用がかからず、気軽にスタートできる
- 配送や在庫管理を外部に任せられる
デメリット
- 同じ商品を扱う競合が多く差別化が難しい
- 商品の選定・見極めにスキルが必要
- 利益率が低くなりやすい
OEMでオリジナル商品を作る
OEM(Original Equipment Manufacturing)とは、製造業者に依頼をして自社ブランドの商品を製造してもらう方法です。
メリット
- オリジナル商品で競合との差別化ができる
- ブランド戦略を強化したい企業に有効
- 製造ノウハウを生かして高品質な商品が作れる
デメリット
- 開発コスト・発注ロットが大きく、初期投資が必要
- 商品化までに時間がかかる
- OEM先との関係構築・管理が重要になる
仕入れサイトを利用するメリット・デメリット
仕入れサイトは、ネットショップ初心者でも手軽に仕入れができる反面、いくつかの注意点もあります。メリットとデメリットを整理しておきましょう。
仕入れサイトを利用するメリット
- インターネット環境さえあれば、24時間いつでも仕入れが可能です。時間や場所に縛られずに仕入れができるため、副業や兼業の人にも便利です。
- サイトや商品によっては1点から仕入れが可能です。少量の仕入れができれば、在庫リスクを最小限に抑えられます。
- アパレル、雑貨、美容品、食品など幅広いカテゴリの商品を取り扱っており、ターゲットや業態に応じて選べます。
仕入れサイトを利用するデメリット
- 同じ商品を多くの店舗が取り扱っている場合、競合との価格競争が起きやすく、差別化が難しくなることがあります。
- 海外サイトを利用する場合、納期や関税、不良品のリスクがあるため、輸送期間やトラブル発生のリスクに備える必要があります。海外とのやり取りや返品ルールなどの取引条件は事前に確認しておきましょう。
忘れてはいけない販売許可の取得
商品を仕入れて販売するには、ただ商品をそろえるだけでなく、法律に基づいた手続きも必要です。仕入れた商品を販売する際には、商品ジャンルによって特定の許可や届出が必要なケースがあります。特に輸入品を取り扱う場合は、届出先が複数あるため、早めの情報収集と準備をしておきましょう。
中古品を販売する場合:古物商許可
古物商許可1とは、中古品やリサイクル品を仕入れて販売する際に必要な許可です。中古品、古着、リサイクル品などを取り扱うには、各都道府県の公安委員会(管轄の警察署)に古物商許可の申請が必要です。
酒類を販売する場合:酒類販売業免許
酒類販売業免許2とは、ビールやワインなどの酒類を販売するために必要な税務署発行の免許です。お酒の販売には、税務署への酒類販売業免許の申請・取得が必須です。ネットショップやECモールでの販売でも同様に、酒類を扱う場合には通信販売酒類小売業免許の取得が必要になります。なお、申請から許可まで2カ月程度かかることもあるため注意してください。
輸入品を販売する場合:税関・検疫・製造販売届出など
個人輸入と販売用の物品を輸入する際は手続きが異なるため、海外から何か購入した経験がそのまま仕入れに生かせるとは限りません。個人輸入は自宅で使うことが目的のため、手続きが比較的簡易です。
しかし、販売用の輸入品には、食品衛生3や医薬品、動植物関連の各法令に基づく届出・認可が求められます。特に革製品や動植物素材を含む商品については、ワシントン条約に該当するかどうかで提出先が変わるため、取り扱う商品カテゴリに応じて正しい手続きを行いましょう4。
| 商品カテゴリ | 必要な手続き | 届出先(主な管轄) |
|---|---|---|
| 食品 | 輸入届出の提出 | 最寄りの検疫所(厚生労働省管轄) |
| 化粧品 | 化粧品外国製造販売(製造)業者届出書の提出 | 医薬品医療機器総合機構(PMDA)5 |
| 革・毛皮製品など | 輸入承認申請書の提出 | 医経済産業省(ワシントン条約6に該当する場合) 各経済産業局(ワシントン条約に該当しない場合) |
個人事業主におすすめの国内卸・仕入れサイト8選
ネットショップ初心者や個人事業主にとって、利用する仕入れサイトは非常に重要なポイントです。ここでは、副業やスモールスタートにおすすめの国内卸・仕入れサイトを紹介します。

1.SUPER DELIVERY(スーパーデリバリー)
SUPER DELIVERYは、卸・仕入れサイトの定番ともいえる事業者専用のサイトです。国内外のアパレル・雑貨・美容・食品など幅広い業種のメーカー・卸売業者が出店していて、出展企業数は3,100社以上、約198万点以上の商品を掲載しています。
掲載商品の75%以上は1点から仕入れられるため、規模の小さいネットショップにとっても使いやすいサービスです。登録を行えばすぐに仕入れが可能で、店舗によって送料無料キャンペーンが行われることもあります。
2.卸問屋.com
卸問屋.comは、国内でも屈指の規模を持つ物流倉庫を所有する卸売商社が運営している仕入れサイトで、確かな目利きでセレクトされた商品が取り扱われています。会員登録には審査がありますが、会員登録、月額料金ともに無料です。
3.商材王(SHOZAIOH)
商材王は、日本最大級の家具・インテリア総合仕入れサイトです。登録社数は7,400社以上、掲載商品数は約9,400点と豊富で、ベッドやマットレス、ソファなどのインテリアから生活雑貨まで幅広いアイテムを取り扱っています。自社で企画・デザインしたオリジナル商品を日本もしくは海外の契約工場で生産しています。
プロ撮影の高品質な商品写真やページデザインをダウンロードして利用できるうえ、自社のサイトのデザインに合わせた切り抜き画像などにも対応できます。
4.TopSeller(トップセラー)
TopSellerは、アパレル、雑貨、家具、食品など約30万点を扱う卸・仕入れサイトです。ドロップシッピングに対応しているため、在庫リスクを抑えられる点が魅力です。料金プランによって扱える商品点数が異なり、店舗の状況に合わせて選択可能です。
5.NETSEA(ネッシー)
NETSEAは、200万点以上の商品を取り扱う業界最大級の総合卸・仕入れサイトです。アパレル、生活用品、雑貨、食品、美容、ハンドメイドなど幅広いカテゴリに対応しています。特集やセール、ランキングなどでトレンドの商品が把握できるほか、サプライヤーの会社情報やレビューも閲覧できるなど、仕入れ判断の参考情報が豊富です。
また、トレンドやノウハウなど仕入れに役立つコンテンツ情報も公開されているため、幅広く商品を探したい人におすすめです。
6.マルモトネット
マルモトネットは、キッチン、インテリア、リビング、ガーデニング、アウトドアなど幅広い商品が取り扱われている仕入れサイトです。運営元の丸元商事株式会社は創業70年以上の企業で、百貨店やホームセンターでも販売されている商品を取り扱っています。
仕入先メーカーである提携企業は150社を超えていて、定番品は1個単位から発送可能です。また、アソート出荷やドロップシッピングにも対応しています。会員ランクが上がると商品によっては仕入れ価格が安くなるほか、ネットショップのノウハウ記事も充実しています。
7.TEN TO TEN MARKET(テントテンマーケット)
TEN TO TEN MARKETは、「日本のいいもの」「世界のいいもの」をテーマとした仕入れサイトです。ファッションやインテリア、食器、文具、食品などのデザイン性に優れたライフスタイル雑貨を中心に取り扱っています。
ナチュラル、ヴィンテージライク、シティモダン、レトロなどテイストから商品が選べるほか、アクセントアイテムも充実しているため、ギフト需要や個性的な雑貨を探している人におすすめです。
8.ザッカネット
ザッカネットは、雑貨・インテリア・キッチン用品など、約1,620社の事業者から暮らしに彩りを添える商材が仕入れられるサイトです。
メーカーが多数出展しており、定番ジャンルに加えて、トレーディングカードやガーデニング、美白・保湿コスメ、エクササイズ、模様替え・DIYといった特集が組まれることがあります。新商品の更新頻度も高く、トレンドを取り入れた仕入れがしやすいのが特長です。
また、探している商品をバイヤーニーズとして公開できるため、仕入れのアイデアがある場合にも便利です。
個人事業主におすすめの海外卸・仕入れサイト3選
海外の卸・仕入れサイトを活用することで、国内では手に入らない商品や、より価格競争力のある商品を仕入れることができます。近年は日本語対応のサイトや、個人でも利用しやすいサービスも増えており、副業や小規模ECでも利用が可能です。ここでは、特に人気の三つの海外サイトを紹介します。

1.Alibaba(アリババ)/AliExpress(アリエクスプレス)
Alibabaと、AliExpressはともに中国のアリババグループが運営するサービスです。日本語に対応しており、AlibabaはBtoB、AliExpressは消費者向けという位置づけですが、どちらも仕入れサイトとして利用でき、あらゆるジャンルの商品を仕入れることができます。
AlibabaはBtoBの仕入れサイトであることから、仕入れにあたってロット単位で注文するのに対し、AliExpressは、1点から購入が可能です。Alibaba、AliExpressともに会員登録、月額料金は無料です。日本国内の仕入れサイトで取り扱いたい商品を見つけられない場合は、いずれかで検索してみるとよいでしょう。
2.Cmall(シーモール)
Cmallは、中国の越境ECプラットフォームとして、日本語対応・個人事業主向けのサービスが整っている仕入れサイトです。日用品、アクセサリー、アパレル、スマートフォンのアクセサリーなどのジャンルに強く、日本円表示で日本円でのクレジットカード決済にも対応しているため、初めて海外からの仕入れに挑戦する場合にも安心です。
商品価格が全体的に安く、送料も比較的リーズナブルな点が魅力です。扱いやすい商材が多く、少ロット仕入れにも対応しています。
3.淘宝網(タオバオ)
淘宝網(タオバオ)は、中国最大のCtoCマーケットプレイスで、ファッション・雑貨・DIY用品など幅広い商品が取り揃えられています。
Google Chromeの翻訳機能を使うことで日本語表示にできるため、中国語がわからなくても仕入れが可能です。ただし、納期や関税、返品可否の確認は中国語が前提のため、信頼できる代行業者がいるとより安心でしょう。ニッチな商品やユニークな雑貨を扱いたい場合、仕入れコストを極力抑えたい場合に便利です。
仕入れ商品の会計帳簿への計上と仕訳方法
ネットショップを運営する上で、仕入れた商品の会計処理は避けて通れない大切な業務です。正しく帳簿に記録しておかないと、確定申告の際に損をしたり、税務署から指摘を受けたりするリスクを抱えてしまいます。ここでは、仕入れ費用を帳簿に記録するタイミングと、基本的な仕訳方法について解説します。
仕入れた商品を会計帳簿に計上するタイミング
仕入れにかかわる出費などはいつでも計上していいわけではなく、「商品が出荷された日」「商品が入荷した日」など、タイミングを統一して計上していくことが基本です。計上するタイミングは「計上基準」とも呼ばれており、事業者は複数ある計上基準のなかから自社にとって都合のいいものを選びます。
以下は計上基準の主な種類です。
| 出荷基準 | 入荷基準(受取基準) | 検収基準 | |
| 計上タイミング | 商品が出荷された日付 | 商品が入荷した日付 | 入荷を確認し、漏れや破損がないかの確認をすべて終えた日付 |
| 特徴 | 商品点数が多いビジネスに向いている | 入荷後に計上するため在庫データとも連携しやすく、多くのビジネスに採用されている | 商品の品質を重視している場合に採用されることが多い |
| 弱点 | 注文した数と実際の入荷数にズレが生じた場合、あとで修正しなければいけない | 特になし | 計上のタイミングが一番遅い |
なお、記帳の証拠として、請求書・納品書などの仕入れに関する書類は必ず保管しましょう。後日の確認や税務調査時に必要となることがあります。また、返品・破損などで販売できない不良品は、仕入れ原価として計上しないか、返品処理や評価損として帳簿上で適切に調整する必要があります。
仕入れの仕訳方法4つ
仕訳方法にはいくつか種類がありますが、ここでは小規模事業者にもなじみやすい四つの方法を紹介します。
1.三分法(さんぶんぽう)
仕入・売り上げ・棚卸の3要素を使って記帳する最も代表的な方法です。シンプルな構成で初心者にも扱いやすく、小規模事業者に広く採用されています。仕入れ時には借方に仕入れ、販売時には貸方に売り上げを記入します。期末には繰越商品を棚卸資産として貸借対照表に反映させます。
仕訳は簡単ですが、利益の計算は決算時に行う必要があります。商品点数が多いネットショップや副業ビジネス、在庫管理がシンプルな業態に適しています。
| 取引 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 商品を仕入れたとき | 仕入 | 現金/買掛金 |
| 商品を販売したとき | 現金 | 売り上げ |
| 期末に在庫を繰り越すとき | 繰越商品 | 仕入 |
2.分記法(ぶんきほう)
仕入れと売り上げの原価・利益を明確に分けて記帳する方式です。三分法より細かく管理でき、帳簿の正確性を高められます。
仕入時は借方に商品、貸方に現金や買掛金を記載して、販売時には借方に現金、貸方に商品と商品売買益を記載します。それぞれの取引内容が明確に区別され、利益分析がしやすいです。高単価の商品を少量扱う専門店や、原価管理を重視したい事業者におすすめです。
| 取引 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 商品を仕入れたとき | 商品 | 現金/買掛金 |
| 商品を販売したとき | 現金 | 商品(原価)+商品売買益(利益) |
3.五分法(ごぶんぽう)
三分法に値引きや返品の要素を加えた記帳方法です。返品や価格調整の多い業態で、精密な会計処理を実現します。借方・貸方に仕入値引・戻し、売上値引・戻り、繰越商品などの科目を用い、売上原価や売上高を正確に管理します。項目は多いですが、実態に即した記帳が可能です。
アパレルや雑貨業など、返品・値引きが日常的に発生するビジネスに適しています。
| 取引 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 商品を仕入れたとき | 仕入 | 現金/買掛金 |
| 値引き・返品したとき(仕入側) | 現金/買掛金 | 仕入値引・戻し |
| 商品を販売したとき | 現金 | 売上 |
| 値引き・返品されたとき(売上側) | 売上値引・戻り | 現金/買掛金 |
| 期末に在庫を繰り越すとき | 繰越商品 | 仕入 |
4.総記法(そうきほう)
すべての取引を商品という単一の勘定科目で処理する方法です。最も簡易的な方式ですが、実務ではあまり使われません。借方・貸方の両方に同じ商品科目を用いるため、仕入れと売り上げの区別がつきにくく、決算整理時に集計や分類に時間がかかる可能性があります。
そのため、総記法の利用は取引件数が非常に少なく、簡易的な帳簿管理で十分な個人事業や副業に限定されます。
| 取引 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 商品を仕入れたとき | 商品 | 現金/買掛金 |
| 商品を販売したとき | 現金/売掛金 | 商品 |
初心者でも安心!Squareの無料ネットショップで商品を販売しよう
仕入れた商品を実際に販売するには、ネットショップの開設が必要です。ショップサイト構築の経験がなく不安に感じている場合には、Squareが提供する無料のネットショップ作成ツールがおすすめです。

初期費用ゼロ・月額無料でスタートできる
Square オンラインビジネスでは、ネット販売のさまざまなニーズに対応したネットショップが無料で開設できます。商品登録数に制限はなく、スマートフォン対応のレスポンシブデザインで、顧客がスムーズに商品を閲覧可能です。
無料プランの場合、月額固定費や初期費用はかからず、必要な費用は売り上げごとにかかる決済手数料3.6%のみ。プレミアムプラン(有料)をご利用の場合、決済手数料は3.3%になります。
デザインテンプレートで誰でも簡単に構築できる
Squareでネットショップを作成する際には、HTMLやCSSなどウェブサイトを作る専門知識は不要です。小売・飲食など業種や用途に合わせたテンプレートが豊富に用意されており、配色・レイアウト・商品配置などもドラッグ&ドロップ中心で直感的にカスタマイズができます。
新商品、人気商品、セール商品、関連商品など、店舗のニーズにあったセクションの表示もできるため、短時間でも洗練されたショップを立ち上げられます。無料プランでもオンライン販売がはじめられますが、有料プランを利用するとカスタムドメインなどさらに魅力を高める機能が利用できます。
SNSや仕入れサイトとの連携で効率アップ
Square オンラインビジネスは、連携機能も充実しています。InstagramやFacebookと連携できるほか、「 個人事業主におすすめの国内卸・仕入れサイト8選」の章で紹介したSUPER DELIVERYとも連携が可能で、購入データが自動で在庫情報として登録されます。SUPER DELIVERYを通して仕入れた商品に限りますが、在庫登録をする手間が省けると作業量もぐっと減るでしょう。
店舗とネットの併用にも対応
ネットショップが軌道に乗り、実店舗出店などチャネルの拡大を検討する段階でも、Squareのサービスは引き続き活用できます。
特に、Square オンラインビジネスは実店舗との連携がスムーズで、Square POSレジと合わせて利用すればオンラインとオフラインの在庫・売り上げをリアルタイムで一元管理できます。さらに、会計ソフトと連携することで、経理処理の効率化も図れます。
また、決済端末を組み合わせれば、キャッシュレス決済にも柔軟に対応可能です。
外部アプリの追加や複雑な設定は不要なため、本業に集中したい個人事業主にとっても導入・運用のハードルが低く、スムーズに運営できるようになります。
よくある質問(FAQ)
ネットショップ開業を検討している人からよく寄せられる疑問について紹介します。あらかじめ不安や疑問を解消することで、スムーズに準備・運営が進められるでしょう。
ネットショップでよく売れるものは?
ネットショップで売れやすいジャンルはアパレル、雑貨・インテリア、コスメ、食品です。
- ファッション・アパレル関連:低単価でトレンド性が高く、リピート率も◎
- 雑貨・インテリア用品:デザイン性の高い商品やギフト用途が好まれる
- 美容・コスメ系:小ロットでも仕入れやすく、ニッチ市場を狙いやすい
- 食品・スイーツ:地域特産やオリジナル商品は特に注目されやすい
ネットショップで扱えない商品はある?
販売禁止または許可が必要な商品は主に以下のとおりです。
- 酒類:販売には税務署からの酒類販売業免許が必要
- 中古品:都道府県公安委員会に申請して古物商許可の取得が必要
- 医薬品・医療機器:薬機法に基づき、販売には管轄保健所の許可と、薬剤師や登録販売者の設置が必要です。許可なしに一般の個人が販売することは禁止されています。
- ブランド品の偽造・模倣品:違法であり刑罰の対象
ネットショップの運営は大変?
ネットショップの運営は不安に思われがちですが、現在はツールの進化により少人数でも十分に対応可能です。在庫管理や経理処理は便利なサービスの活用で自動化が図れ、販売促進もSNSなどで手軽にはじめられます。最初から完璧を目指すのではなく、まずできることからスタートさせるという姿勢で取り組めば、着実に運営スキルは身についていきます。
まとめ
ネットショップをはじめるうえで、仕入れは事業の土台となる重要なステップです。仕入れサイトを上手に活用すれば、少ないリスクでスタートでき、自分らしいショップ運営が可能になります。開業準備には多くの情報が必要ですが、完璧を目指して立ち止まるより、小さくはじめて経験を積むことが成功への近道です。
また、Squareの無料ネットショップなどを活用すると、初期コストを心配することなく販売スタートできます。ネット販売は今や、場所や時間に縛られず、誰でもチャレンジできるビジネスの一つです。まずは興味のあるジャンルで仕入れサイトに登録してみるところから、第一歩を踏み出してみましょう。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2021年11月17日時点の情報を参照しています。2025年8月22日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash

