ネットショップで使える決済方法とは?種類や選び方を徹底解説!

一人でも多くのお客さまのニーズに対応できるよう、「ネットショップには豊富な決済方法を揃えたい」と考える運営者は少なくありません。ネットショップ作成サービスを利用する場合、対応可能な決済方法はサービスによって異なります。銀行振込や後払いに対応しているサービスもあれば、クレジットカード決済のみのサービスなど、さまざまです。すべての決済方法を網羅するのが難しい場合、どの決済方法を優先的に導入すべきなのでしょうか。

ここではネットショップで利用されている七つの代表的な決済手段と、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。ネットショップを運営している事業者や、これから運営を始めたいと考える事業者は、各決済方法の特徴を比較し、導入の参考にしてください。

目次



ネットショップで使われている決済方法

ネットショップに導入する決済方法を選ぶとき、まず外したくないのは多くの人に使われている人気の決済方法でしょう。人気の決済方法をいくつか用意しておけば、「使いたい決済方法がないから購入を諦めるしかないか……」という機会損失も起きにくくなります。総務省が行った令和4年通信利用動向調査によると、インターネットで商品を購入する際に最も利用されている決済方法はクレジットカードでした。

約8割を占めるクレジットカード決済を筆頭に、下記の決済方法が主にインターネット上の買い物で使われています。

  • クレジットカード払い……75.9%
  • コンビニエンスストアでの支払い……36.4%
  • 電子マネーによる支払い……34.8%
  • 銀行、郵便局窓口、ATMでの振込・振替……23.0%
  • 代金引換……20.5%
  • インターネットバンキング、モバイルバンキングによる振込……19.0%
  • 通信料金、プロバイダ利用料金への上乗せによる支払い(キャリア決済)……17.5%

参考:令和4年通信利用動向調査報告書(世帯編)(総務省)

ナイル株式会社が2023年8月に発表したオンラインショッピングに関する調査でも、直近1年で利用した決済方法としてクレジットカード決済が大多数(81%)を占めていました。また、「最も頻繁に利用する決済方法」としても、「クレジットカード」と回答した人が最も多い(71%)という結果となりました。

参考:【ネットショッピングの決済方法アンケート】利用頻度1位は、クレジットカード、続いてQRコード決済、コンビニ払い(Appliv TOPICS調べ)(2023年8月23日、ナイル株式会社)

上記の結果を踏まえると、複数あるの決済方法の中で最も利用されているクレジットカード決済の導入は、機会損失を防ぐために必須だといえます。

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決済方法を選ぶときに押さえておきたい5つのポイント

近年では、決済機能が組み込まれたネットショップ作成サービスが数多く登場しています。ネットショップの構築・開設に合わせて、さまざまな決済方法も導入できるというサービスです。

ただし、サービス毎に提供している決済方法は異なります。つまり前章で紹介したすべての決済方法が導入できるとは限りません。そのためにも、優先的に導入する決済方法は明確にしておくといいかもしれません。この章では、決済方法を選ぶときに押さえておきたい5つのポイントを見ていきましょう。

ポイント1. 未回収リスクが低いかどうか

クレジットカード決済やキャリア決済などの場合、購入と決済が同時に行われますが、後払いなどだと購入手続きの際には支払いが発生しません。期日までに支払いを終えてもらうことを前提に購入手続きをするものの、後日に支払うとなると支払い忘れなどがどうしても起こり得ます。また、購入手続きと支払い手続きがバラバラな分、支払いのステータスをたびたび確認したり、期日までに支払いがなければ催促をしなければいけなかったりと何かと手間がかかります。決済方法によってはこのような未回収リスクおよび管理上の負担があることを念頭に置いておきましょう。

ポイント2. 入金確認がすぐできるかどうか

すぐに入金確認ができそうな決済方法を考えたときにまず思い浮かぶのは、後払い以外の決済方法でしょう。たとえば、クレジットカード決済やID決済などです。ただし、お客さまが入金した後、その売り上げが実際に事業者の口座に振り込まれるまでの入金サイクルは、決済サービスによりけりです。前述のように、最近では決済機能のついたネットショップ作成サービスで簡単にネットショップを開設できるようになりました。そうしたサービスの場合、決済方法を問わず、売り上げはサービスが定めている入金サイクルで振り込まれることが一般的です。そのため、利用を検討しているサービスの入金サイクルは必ず確認しておくといいでしょう。Squareなら、ネットショップの売り上げも実店舗の売り上げも最短翌営業日に振り込まれます。

ポイント3. 利用者が多いかどうか

お客さまの支払いニーズに応えるためにも、利用者が多い決済方法を優先的に導入しましょう。利用者の多い決済方法をいくつかそろえておくことで、幅広い客層を取り込むことができます。ネットショップで起きがちな、商品をカゴに入れて購入せずにサイトから離脱する「カゴ落ち」は、「決済時の不満」が原因の一つとして挙げられます。対策として複数の決済方法に対応し、機会損失を防ぎましょう。

参考:決済と顧客コミュニケーション 最適化へ5つのヒント カギは「カゴ落ち」対策 ペイパルが提案する「成功」のための戦略は――(朝日新聞デジタル)

ポイント4. セキュリティー対策を万全にできるか

ネットショッピングの利用増加に比例して年々増加しているのが、不正利用の被害額です。ネットショップをはじめるにあたり、不正利用への心配も少なからずあるかもしれません。不正利用が起こりやすい決済方法といえば、クレジットカードでしょう。詳しくは「事業者必見、クレジットカードの不正利用の原因と対策」の記事でも紹介していますが、できるだけリスクを抑えるには、ネットショップ作成サービスのセキュリティー対策をチェックしておくといいでしょう。確認しておきたいポイントは、国際的なセキュリティー基準であるPCI DSSに準拠しているか、常時SSL化に対応しているか、3Dセキュアシステムは導入されているかなどです。

ポイント5. 越境ECでも使用できるか

海外のお客さまにも商品を提供したい場合は、海外からでも使える決済方法かどうかを確認しておきましょう。クレジットカード決済やPayPal(ペイパル)をはじめ、海外でも利用されている決済方法だと海外からの利用者もスムーズに購入を済ませられるでしょう。

ネットショップで最初に導入すべき決済方法は?

前章で紹介したポイントの多くに当てはまる決済方法を挙げるとすれば、クレジットカード決済でしょう。最も重要視したい点を挙げるとすれば、利用者数の多さです。いくら魅力的な商品が並んでいたとしても、一番利用者の多い決済方法が使えなければ、購入にはつながりにくいでしょう。こうした点を踏まえて、自店舗に導入する決済方法を取捨選択をしていくといいでしょう。

ネットショップの決済方法別メリット・デメリット

ここでは、ネットショップで使われる決済方法を7種類ピックアップし、それぞれのメリット、デメリットをお客さま(購入者)とネットショップ運営者(運営者)の視点から紹介します。

1. クレジットカード決済

総務省の調査で最も多くの人が使用していたクレジットカード決済は、機会損失を防ぎやすい決済手段だといえます。購入者が購入画面でカード情報を入力し、入力内容が承認されると決済が完了します。承認は数分で行われるため、決済が即座に完了し、注文確認から出荷までの時間が短縮されます。また、商品を発送する前に決済が完了するので、商品代金の未回収を防ぐことができます。

クレジットカード決済を導入するには、各クレジットカード会社や決済代行会社の加盟店審査を通過する必要があります。審査には数週間から1カ月ほどかかる場合があり、導入までに時間がかかることを念頭に入れておいた方がいいでしょう。また、クレジットカード決済の場合、不正利用によるトラブルなどを懸念する購入者も少なくありません。ネットショップ作成サービスを選択する際には、通信データを暗号化する「常時SSL化」、本人認証が行える「3Dセキュア」などの安全対策を利用できるか確認しておくといいでしょう。

                   購入者 運営者
メリット ・場所、時間を選ばずに支払いができる
・クレジットカードによってはポイントが付与される
・利用者が圧倒的に多い
・決済が短時間で完了するのですぐに商品発送にかかれる
・商品代金の未回収リスクが低い
デメリット ・カード情報の流出、不正利用によるトラブルが心配 ・導入までに時間がかかる場合がある
・決済手数料がかかる

2. コンビニ決済

クレジットカードを持っていない若年層や、カード情報を入力するのに抵抗や不安を感じる人でも利用しやすいコンビニ決済。コンビニエンスストアは24時間営業であることが多く、店舗数も多いことから銀行振込より利便性が高く、総務省の調査ではクレジットカード決済に次いで人気のある決済手段です。サービスによって前払いのものもあれば、後払いのものもあります。支払い方法には以下の2種類があります。

・オンライン発番タイプ
購入者が支払い画面でコンビニ決済を選択して購入の確定をすると、購入完了画面に受付番号が表示される、あるいはメールで送られてきます。コンビニエンスストアに設置されている端末に受付番号や必要事項を入力して決済を行います。

・払込票タイプ
運営者が払込票を発行して購入者宛に郵送します。購入者は払込票を受け取るとコンビニエンスストアのレジにて決済を行います。端末操作が苦手という場合でも支払いやすい方法です。払込票を使った前払いの場合、運営者は払込票を商品とは別で郵送しなければならないためコストがかかります。また商品とともに払込票を同梱する後払いの場合だと、商品代金の未回収になるリスクが高くなります。

                   購入者 運営者
メリット ・時間を選ばずに支払いができる ・前払いの場合、商品代金の未回収を防ぐことができる
・入金後、数分から1時間で入金確認がとれる
デメリット ・コンビニエンスストアが少ない地域では不便 ・後払いの場合、商品代金の未回収リスクが高い
・前払いの場合、注文確定後に支払いが行われず注文がキャンセルになる場合がある

3. 後払い

上述のコンビニ決済にも含まれる、後払い。購入者が商品を受け取ってから、代金を支払う決済方法です。実店舗での買い物のように、実際に商品を手にとり確認してから支払いができるので、ネットショッピングでありがちな「写真とはイメージが違う」といったトラブルを回避できます。コンビニエンスストアに限らず、サービスによっては銀行や郵便局などでも支払うことができます。

                   購入者 運営者
メリット ・商品を確認してから支払いができる ・クレジットカードを持てない若年層などの利用者を獲得しやすい
・購入者に安心感を与えられる
デメリット ・利用額に上限があり、高額商品には利用できない場合がある ・商品代金の未回収リスクが高い

4. 代金引換

荷物を届ける配送業者に、購入者が商品代金を支払う決済方法です。運営者にとっては、商品の引き渡しが無事に行われれば確実に代金を回収できるというメリットがあります。購入者は商品が届いたことを確認してから代金を支払うため、「代金を支払っているのに、なかなか商品が届かない」などと不安に感じることもないでしょう。

一方で、購入者の不在が続くと、商品が返送される可能性があります。このような場合、返送費用を運営者が負担することもあります。また、商品の受け取りを拒否され、商品代金を回収できない可能性があります。

                   購入者 運営者
メリット ・入金したのに商品が届かないといったトラブルがない ・商品と引き換えに確実に代金を回収できる
デメリット ・受け取り日時を指定した場合、不在にできない ・購入者の不在などで商品の受け取りが行われない場合、手数料や返送費用などを負担しなければならない

5. 銀行振込

支払い方法としてかねてから利用されてきた銀行振込は、運営者が指定した口座に、購入者が期日までに商品代金を振り込む決済方法です。購入者が注文を確定した後、運営者が口座情報を記載したメールを購入者に送り、購入者は銀行窓口、ATM、ネットバンキングにて振り込みを行います。クレジットカードをインターネットで利用したくない購入者や、クレジットカードを所有しない層の需要に応えることができ、銀行口座を開設するだけで比較的スムーズに導入できるメリットがある反面、銀行の休日などを挟む場合は入金確認に数日かかる可能性があります。入金確認までに時間がかかる分、商品の発送までにも時間がかかります。

購入者にとって銀行振込はコンビニ決済と同様にカード情報の入力が必要ないので情報漏洩などの心配がなく、高額商品の決済にも向いているといったメリットがありますが、振込先の口座によっては振込手数料を負担する必要があります。

                   購入者 運営者
メリット ・ネットショップでクレジットカードを利用することに抵抗がある購入者にとって、安心して高額な商品も購入できる ・導入が簡単
・手数料がかからない
デメリット ・ 銀行窓口を利用する場合、営業時間内に振り込みをする必要がある
・手数料を負担する必要がある
・入金確認に時間がかかる場合がある
・入金されないリスクがある

6. キャリア決済

契約している携帯会社などの通信キャリアから、月々の利用料金に商品代金が上乗せされて請求されます。「d払い/ドコモ払い」「au かんたん決済」「ソフトバンク まとめて支払い」などがその例です。購入者は注文画面から各キャリアの専用ページに誘導され、IDや電話番号などを入力することで、支払いを確定します。商品代金は各キャリアが立て替えて運営者に支払うので、後払いなどと比べて未回収のリスクが低く、クレジットカードを所有していない層にとって便利な決済方法でもあります。スマートフォンさえあれば、いつ、どこからでも支払いを済ませることができるので、利便性が高く、使いやすい点が長所です。

                   購入者 運営者
メリット ・スマートフォンで決済が完了し、ポイントが付与される場合もあるので利便性が高い ・クレジットカードを利用しない客層を取り込める
・商品代金の未回収リスクが低い
デメリット ・ 利用できるネットショップが限られる ・ネットショップ作成サービスによっては導入できない場合がある

7. ID決済

ID決済とは、特定のサービスのIDとパスワードを入力すると、そのサービスに登録しているカード情報を支払いに利用できる決済方法です。クレジットカード情報を含め、氏名、お届け先住所などが自動的に取得されるので、購入者自ら入力する必要がなく、カードが手元になくても商品を購入できます。手間の少なさは、機会損失防止にもつながります。具体的には、Amazon Pay、PayPayや楽天ペイ、LINE Payなどが当てはまります。

購入者 運営者  
メリット ・クレジットカードが手元になくても利用できる ・機会損失防止につながる
デメリット ・IDやパスワードを忘れると利用できない ・ネットショップ作成サービスによっては導入できない場合がある

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※決済手数料について詳しくはこちらをご確認ください。

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この記事ではネットショップの開設・運営において、大事なポイントとなる決済方法に焦点を置いて説明をしてきました。各決済方法のメリット・デメリットを理解したうえで、ネットショップ作成サービスを検討するといいでしょう。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2020年12月7日時点の情報を参照しています。2024年1月23日に一部情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash