ICカードと聞くと、どんなカードが思い浮かぶでしょうか。交通系ICカード、クレジットカード、マイナンバーカード……実はこれらはどれもICカードです。ICカードは特にキャッシュレス決済と密接な関係にあります。
本記事では「ICカード決済」に焦点を当て、ICカードの仕組みや種類、店舗に導入するメリット、具体的な導入方法を解説します。
📝この記事のポイント
- ICカード決済とは、ICチップ付きクレジットカードや交通系ICカード、電子マネーなどを使った決済方法
- ICカード決済に対応すると、現金以外の支払い方法を希望するお客さまに対応しやすくなる
- 会計時間の短縮や、レジ締め・釣り銭管理など現金管理の負担軽減につながることも
- 導入方法には、決済手段ごとに直接契約する方法と、決済代行会社を利用する方法がある
- Squareは、ICカード決済を含む複数のキャッシュレス決済に対応できる決済サービス
目次
- ICカード決済とは
・ICカード決済の仕組み - ICカードの種類
・接触型(ICチップ付きクレジットカードなど)
・非接触型(交通系IC・電子マネーなど)
・デュアルインターフェース型 - ICカード決済を導入するメリット
・ICカード利用者に対応しやすくなる
・会計時間を短縮できる
・現金管理にまつわる業務が減る - ICカードとほかの決済方法の違い
・磁気カード
・QRコード決済 - 店舗におけるICカード決済の導入方法
・直接契約をする
・決済代行会社を利用する - ICカード決済の導入事例
・NYLON JAPAN YARD SALE(出版):イベント来場者のニーズに対応
・新潟カツ丼 タレカツ(飲食店):キャッシュレス決済導入で機会損失を防止
・サガン鳥栖(スタジアム運営):会計時間の短縮に成功 - ICカード決済の注意点
・導入にかかるコスト
・セキュリティー対策 - ICカード決済を受け付けるにはSquare
- まとめ
- よくある質問
・ICカード決済にはどのような種類がありますか?
・交通系ICカードでどのように支払えばいいですか?
・交通系電子マネーはスマートフォンで使えますか?
ICカード決済とは

ICカード決済を理解するためには、まず「ICカード」自体について知る必要があります。ICカードとは、情報を記録・処理するための「ICチップ」が搭載されたカードのことです。
ICカード決済はその名のとおり、ICカードを利用する決済手段のことです。本記事では、主にICチップ付きクレジットカード、交通系ICカード、電子マネーを使った店舗での決済を「ICカード決済」として扱います。
ICカード決済の仕組み
ICカード決済では、カードに搭載されたICチップと決済端末が通信し、支払いに必要な情報を読み取ります。
ICチップ付きクレジットカードの場合は、カードを端末に差し込む、またはかざして決済します。交通系ICカードや電子マネーの場合は、カードやスマートフォンを端末にかざすことで、チャージ残高などから支払いが行われます。
サイズは小さいものの、ICチップはコンピューターとほとんど同じ構造だといわれています。簡単にいうと、頭脳のような役割を果たす「CPU(中央演算処理装置)」と情報を記録する働きを持つ「メモリ」で構成されています。ICカードにはコンピューターのような電源ボタンはありません。そのため、通信するには適切な端末にかざしたり、差し込んだりと外部から電力を加えます。
ICカードの種類
ICカードは、端末との通信方法によって主に「接触型」と「非接触型」に分かれます。それぞれの特徴と、両方の機能を備えた「デュアルインターフェース型」について解説します。
接触型(ICチップ付きクレジットカードなど)
接触型のICカードは、カードを端末に差し込んで利用するタイプです。カード表面のICチップを端末に接触させることで、決済に必要な情報を読み取ります。
たとえば、ICチップ付きクレジットカードを端末に差し込み、暗証番号を入力して支払う方法が接触型にあたります。

非接触型(交通系IC・電子マネーなど)
非接触型のICカードは、カードやスマートフォンを決済端末にかざして利用するタイプです。カード内部のICチップとアンテナが端末と通信し、支払い情報をやり取りします。
SuicaやPASMOなどの交通系ICカード、nanacoやWAONなどの電子マネーは、非接触型ICカードの代表例です。

デュアルインターフェース型
デュアルインターフェース型は、接触型と非接触型の両方に対応したICカードです。
たとえば、端末に差し込んで暗証番号を入力する決済と、端末にかざして支払うタッチ決済の両方に対応したクレジットカードが該当します。

ICカード決済を導入するメリット
ここでは、クレジットカードや交通系ICカードなどのICカード決済を店舗に導入する主なメリットを紹介します。
ICカード利用者に対応しやすくなる
現金のみの店舗では、お客さまが手持ちの現金を持ち合わせていない場合、購入を見送る可能性があります。ICカード決済に対応しておくと、クレジットカードや交通系ICカード、電子マネーで支払いたいお客さまにも対応しやすくなります。
経済産業省の公表1によると、2025年の国内キャッシュレス決済比率は58.0%(国内指標)でした。国は2030年までに65%、将来的には80%を目指す方針を示しています。
ただし、これはキャッシュレス決済全体の数値であり、ICカード決済のみの利用率を示すものではありません。店舗で利用されやすい決済手段は、業種や客層によって異なるため、自店舗のお客さまに合う決済方法を確認することが大切です。
会計時間を短縮できる
ICカード決済は、現金の受け渡しや釣り銭の確認が不要になるため、会計時間の短縮につながりやすい決済方法です。タッチ決済対応のクレジットカードや交通系ICカードであれば、カードやスマートフォンを端末にかざすだけで支払いが完了します。
経済産業省によるとりまとめ2では、現金よりもキャッシュレス決済のほうが支払時間が短いことが示されています。
| 決済手段 | 支払時間の平均値 |
|---|---|
| 現金 | 26.1秒 |
| 接触(端末などへ差し込む方式) | 21.2秒 |
| 非接触(国際ブランドのタッチ決済、各種電子マネー) | 14.3秒 |
| コード決済 | 16.2秒 |
現金管理にまつわる業務が減る
現金決済では、釣り銭の準備、閉店後のレジ締め、売上金の保管や入金など、現金管理に関わる作業が発生します。ICカード決済を含むキャッシュレス決済の比率が高まると、取り扱う現金が減り、レジ締めや釣り銭管理の負担を抑えやすくなります。
経済産業省のとりまとめ2では、大阪・関西万博でキャッシュレス決済を導入した店舗への調査において、業務効率の向上やセキュリティー向上を実感した店舗が多かったことが紹介されています。
- 業務効率の向上:93%の店舗が効果を実感(現金管理や釣り銭対応などの負荷軽減)
- セキュリティー向上:90%の店舗が効果を実感(現金を扱わないことによる盗難・紛失リスクの低減)
ICカードとほかの決済方法の違い
キャッシュレス決済には、ICカード決済のほかにも、磁気カードやQRコード決済などがあります。ここでは、ICカード決済と混同されやすい決済方法との違いを整理します。
磁気カード

磁気カードは、カード裏面などにある磁気ストライプに情報を記録したカードです。決済時は、カードを決済端末の溝に通して情報を読み取ります。
一方、ICカードはICチップに情報を記録し、端末に差し込む、またはかざして情報を読み取ります。ICチップは情報を暗号化できるため、磁気カードに比べて偽造や不正読み取りのリスクを抑えやすいとされています。
近年は、セキュリティー対策の観点から、磁気カードよりもICチップ付きカードやタッチ決済への移行が進んでいます。
QRコード決済

QRコード決済は、カードではなくスマートフォンアプリを使って支払う方法です。お客さまが店舗のQRコードを読み取る方式と、スマートフォンに表示したQRコードを店舗側が読み取る方式があります。
ICカード決済は、カードやスマートフォンを決済端末にかざす、または差し込むことで支払います。一方、QRコード決済はコードを読み取って決済する点が異なります。
店舗におけるICカード決済の導入方法
店舗でICカード決済を受け付ける方法は、主に「決済手段ごとに直接契約する方法」と「決済代行会社を利用する方法」の2つです。
直接契約をする
クレジットカードや交通系ICカードなど、導入したい決済手段ごとに加盟店契約を結ぶ方法です。たとえばクレジットカード決済であれば、対応したいカードブランドや加盟店契約会社に申し込みます。交通系ICカードに対応したい場合も、対応する加盟店契約会社との契約が必要です。
直接契約では、決済手段ごとに手続きや審査、入金管理が必要になる場合があります。導入したい決済手段が多いほど、契約や運用の管理が複雑になりやすい点に注意しましょう。
決済代行会社を利用する
決済代行会社を利用すると、クレジットカード、交通系ICカード、電子マネーなど、複数の決済手段をまとめて導入しやすくなります。申し込み窓口や入金管理をまとめられる場合があり、個別に契約するよりも運用しやすいことがあります。
ただし、対応している決済手段や入金サイクル、決済手数料はサービスによって異なります。導入前に、自店舗で受け付けたいICカード決済に対応しているか、売上金がいつ入金されるかを確認しておきましょう。
ICカード決済の導入事例
ここではICカード決済をはじめとしたキャッシュレス決済の導入事例について見ていきましょう。
NYLON JAPAN YARD SALE(出版):イベント来場者のニーズに対応

NYLON JAPAN YARD SALEは、横浜・大さん橋ホールで開催された、ファッション誌「NYLON JAPAN」が主催するフリーマーケットです。会場内の支払いをICカード決済を含むオールキャッシュレスにするため、Squareの決済端末「Square ターミナル」をレンタルして各ブースに導入しました。
キャッシュレス決済に振り切った理由は、読者層の多くを占める20代から30代のニーズに応えるためです。
「今回のイベントにいらっしゃるお客さまもそれくらいの年齢(20代から30代)だとすると、現金をそもそも使っていないんですよね」「もう本当にスマホ1台で済ませているじゃないですか。なので、スマホ決済にいかに対応できるかを一番重要視していました。オールキャッシュレスにしたいというよりも、世の中がそうなので、そこに合わせたという感じですね」
ーカエルム株式会社代表、NYLON JAPAN 編集長 戸川貴詞さん
▶︎NYLON JAPAN YARD SALEの導入事例を詳しく読む
新潟カツ丼 タレカツ(飲食店):キャッシュレス決済導入で機会損失を防止

新潟カツ丼 タレカツは、東京や関西などに店舗を展開するタレカツ丼専門店です。創業以来、長らく現金のみのお会計でしたが、プリンター一体型のSquare ターミナルを採用し、ICカード決済を含むキャッシュレス決済を導入しました。
導入に踏み切った理由は、キャッシュレス決済が使えないことによるお客さまの離脱を防ぐためです。客単価が1,000円以内に収まることが多い同店では、キャッシュレス決済の中でも交通系ICカードを利用するお客さまが多いといいます。
「お客さまの利便性が上がっているし、カード決済がないことで逃がしていた機会を取り戻せていると思います。Square ターミナルから送られてくる決済金額も、毎日店舗から上がってくる数字とずれていたことがないですね」
ー株式会社ラグーンインターナショナル代表 阿部信明さん
サガン鳥栖(スタジアム運営):会計時間の短縮に成功

サガン鳥栖は、佐賀県鳥栖市の「駅前不動産スタジアム」をホームとするJリーグクラブです。Squareの決済端末とPOSレジシステムを導入し、試合開催日における完全キャッシュレス化を実現しました。
ICカード決済をはじめとしたキャッシュレス決済に踏み切った理由は、現金対応による事務負担やミスを減らし、限られた時間での会計の回転率を上げるためです。現金のやり取りがなくなったことで、数万人が殺到するハーフタイムでもスピーディーな決済が可能になり、売り上げの向上にもつながっているそうです。
「試合前後とハーフタイムのわずか15分間が勝負となるなかで、いかに効率よく販売できるかが重要になります。そのひとつの取り組みが、完全キャッシュレス化です。同じ入場者数で比較した場合でも、以前より売上が数パーセント伸びており、導入して良かったと実感しています」
ー株式会社サガン・ドリームス 代表取締役社長 小柳智之さん
ICカード決済の注意点
ICカード決済には便利な点がある一方で、導入前に確認しておきたい点もあります。ここでは、店舗が特に確認しておきたいコストとセキュリティーについて解説します。
導入にかかるコスト
ICカード決済を導入する際は、決済端末の費用や決済手数料を確認しておきましょう。初期費用や端末代金はサービスによって異なり、無料で始められるものもあれば、端末の購入費や月額費用がかかるものもあります。
また、決済ごとに所定の手数料が発生します。手数料率だけでなく、振込手数料、入金サイクル、月額費用、オプション費用なども含めて比較することが大切です。
導入前に、自店舗の月間決済額や客単価をもとに、どのくらいの費用が発生するかを確認しておくとよいでしょう。
セキュリティー対策
ICチップを搭載したカードは、磁気カードに比べて偽造や不正読み取りのリスクを抑えやすいとされています。ただし、不正利用のリスクがなくなるわけではありません。
クレジットカード決済を取り扱う場合は、カード情報を安全に扱える決済サービスを選ぶことが重要です。たとえば、PCI DSSに準拠した決済サービスかどうかは、確認しておきたいポイントの1つです。
PCI DSSとは、クレジットカード情報を安全に取り扱うための国際的なセキュリティー基準です。店舗側でも、決済端末や管理画面の取り扱い、スタッフへのルール共有、不審な取引への対応などを確認しておきましょう。
ICカード決済を受け付けるにはSquare

ICカード決済にすぐにでも対応したいと考えている事業者にお勧めなのが、Squareです。さまざまなキャッシュレス決済をお手頃な価格で、簡単に導入できる決済サービスです。ここでは導入方法や導入コスト、入金サイクルなどを見ていきましょう。
Squareの導入方法
Squareの導入は簡単で早いところが大きな魅力です。利用開始までのおおまかな手順を説明します。
(1)まずは無料アカウントを作成しましょう。アカウントの開設は数分で終わります。提出した内容をもとに審査が実施され、結果は最短即日で分かります。
(2)審査を通過したら決済端末を手に入れましょう。端末はSquare ショップ、または一部家電量販店から購入できます。
(3)Square リーダー、Square スタンドを購入した場合(※)は「Square POSレジアプリ」を自身でタブレットやスマートフォンなどにダウンロードしましょう。POSレジの基本機能が無料で使えるアプリです。
※Square ターミナル、Square ハンディ、Square レジスターにはPOSレジがすでに搭載されています。
(4)ここまでの手順を踏んだ後、決済端末のセットアップを終えれば、利用を始められます。
Squareの導入コスト
Squareの導入コストは端末代金のみです。端末は複数あるので、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。
- レシートプリンターが内蔵された「Square ターミナル」:39,980円
- 決済機能付きタブレットスタンド「Square スタンド」:29,980円
- タブレットとあわせて利用する「Square リーダー」:4,980円
Squareの入金サイクル
Squareで受け付けたICカード決済の売り上げは最短翌営業日(※)に振り込まれます。さらに即時入金サービスを利用すれば、タップひとつで売り上げをすぐに登録口座へ入金することができます。入金額の1.5%の手数料がかかり、手数料を差し引いた金額が入金されます。
売り上げが手元に入るまでの期間が短く、現金と似たような感覚で扱えるうえ、安定した資金繰りが期待できます。
※三井住友銀行とみずほ銀行以外の金融機関口座をご登録の場合、毎週水曜日で締め、同じ週の金曜日に合算で自動振込されます。
Squareなら今すぐキャッシュレス決済導入できる
Squareはアパレル店やカフェからサービス業まで、あらゆる業種に対応するキャッシュレス決済サービスです。クレジットカード決済、電子マネー決済、QRコード決済が簡単に始められます。アカウント作成は無料、月額利用料も0円。売上は最短即時入金、スマホを使ったタッチ決済なら端末購入も不要と、キャッシュレス化をはやさでサポートします。
まとめ
ICカード決済は、ICチップ付きクレジットカードや交通系ICカード、電子マネーなどを使った決済方法です。導入する際は、対応できる決済手段、端末費用、決済手数料、入金サイクル、セキュリティー対策などを確認しておくことが大切です。複数の決済手段に対応したい場合は、決済代行会社を利用する方法も選択肢になります。
自店舗の客層や運用方法に合うサービスを比較し、必要なICカード決済に対応できる環境を整えましょう。
よくある質問
最後に、ICカード決済の導入に関するよくある質問をまとめました。
ICカード決済にはどのような種類がありますか?
ICカード決済には、以下のような種類があります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| クレジットカード | Visa、Mastercard、JCBなどのブランドがあり、お客さまは利用額を後日支払う |
| 交通系ICカード | Suica、PASMOなど。事前にチャージした残高で電車やバス、買い物などに使える |
| 電子マネー | WAON、楽天Edy、nanacoなど。事前にチャージした残高で支払う |
交通系ICカードでどのように支払えばいいですか?
交通系ICカードで支払う場合、お客さまはレジに設置された決済端末にカードやスマートフォンをかざします。端末が情報を読み取ると、チャージ残高から代金が差し引かれます。
現金の受け渡しや暗証番号の入力、サインが不要なため、会計をスムーズに進めやすい点が特徴です。ただし、残高不足の場合は支払いが完了しないため、別の支払い方法に切り替える、またはチャージしてから支払う必要があります。
交通系電子マネーはスマートフォンで使えますか?
交通系電子マネーは、対応するスマートフォンに設定することでカード代わりに使える場合があります。
| OS | 主な設定方法 |
|---|---|
| iPhone | ウォレットアプリに交通系ICカードを追加する |
| Android | おサイフケータイ対応機種で、モバイルSuicaやモバイルPASMOなどのアプリを利用する |
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2023年10月30日時点の情報を参照しています。2026年6月22日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。

