釣銭準備金はいくら用意すべき?金額や内訳を紹介

実店舗やイベントで商品やサービスを販売するというと、「どのような商品を提供しよう」「コンセプトはどうしよう」と商品のことを考えがちですが、販売という業務で忘れてはいけないのが釣り銭の準備と管理です。キャッシュレス化が進む一方で、現金で決済したいというお客様も少なくありません。本記事では、どのくらい釣り銭を準備すると十分なのか、いつどのように準備し、管理したらよいのか、さらにキャッシュレス決済の導入とそのメリットについてもあわせて説明します。

目次


釣り銭の準備金額の目安

釣銭の準備は、実店舗を営むにあたって、初日から必要な重要な業務の一つです。釣り銭がないと、お客様が購入を諦めてしまったり、スムーズでない体験から満足度が下がってしまったりするかもしれません。

特に実店舗をオープンするときや、初めてイベントに参加するときには、どれくらいの金額をどのようなお札や硬貨で用意すればよいのか迷う人も少なくないでしょう。ここでは釣り銭の準備金額の目安と、金種(紙幣や硬貨などの種類)について説明します。

まずは10万円分の釣り銭を用意しよう

実際に必要な釣り銭は、店舗の規模、1日の来客者数、商品の価格帯によって異なりますが、10万円分の釣り銭があれば、開店早々に釣り銭がなくなってしまい、右往左往するといったことはないでしょう。たくさんのお客様が来店して、釣り銭が足りなくなりそうになったら、スタッフがいれば銀行に両替に行ってもらう、イベントであれば近隣の出店者に助けてもらうといったこともできます。お客様に釣り銭が不要になるように支払いをできないか、キャッシュレスでの支払いが可能か聞いてみてもよいでしょう。きちんと準備をしていて、店舗が盛況で、誠意をもってお願いすれば、釣り銭が不足している状況に理解を示してくれることでしょう。

釣り銭が不足する状況とは逆に、キャッシュレスで支払うお客様が多い場合、想定していた10万円も釣り銭が必要ないこともあります。そのような場合は、向こう数日の釣り銭として、以降金額を調整するとよいでしょう。

いずれの場合でも、日々どのくらいの釣り銭が必要なのか記録、分析し、適切な金額の釣り銭を見極めるのが重要です。

10万円分の金種内訳例

以下は、10万円分の釣り銭の金種内訳例です。

  商品の値段が1,000円単位 商品の値段が500円単位 商品の値段が100円単位
100円玉 0枚 0枚 100枚
500円玉 0枚 40枚 40枚
1,000円札 20枚 20枚 20枚
5,000円札 16枚 12枚 10枚
10,000円札 (お客様が支払いに使うのみなので準備不要) (お客様が支払いに使うのみなので準備不要) (お客様が支払いに使うのみなので準備不要)

上の表にもありますが、商品の価格設定によっては、特に1円や5円など小さい金額の硬貨は必要とならないかもしれません。ただし、割引クーポンが利用できる場合や、飲食業のように一部軽減税率に対応する場合など、硬貨が必要となることもあります。

商品の値段がいくら刻みなのか、どのような商品をどのように提供するのか、さらにお客様がどのような金種で支払う傾向があるのかなどによって、必要となる釣り銭の内訳は異なります。用意する釣り銭の金額と合わせて、どのような金種を用意するとスムーズに営業できるのかについて、事業を始める前に検討し、営業を開始してからも継続的に記録と分析を繰り返すとよいでしょう。

仮説を立ててシミュレーションしてみる

商品の価格設定を考慮しながら、お客様がどのような商品をいくつ購入されるのか、どのような金種が使われるのか、仮説を立ててみましょう。このシミュレーションから、必要となる釣り銭の金種を把握できます。

実際に営業しながら釣り銭の量と金種を調整する

まずは10万円分を用意して、実際に店舗を運営しながら、記録と分析を繰り返し、必要な釣り銭の量と金種を見極めます。釣り銭が足りなくなってしまうと心配する人もいるかもしれませんが、必要以上に用意して使わないと、釣り銭を用意する手間と時間が無駄になってしまい、また、店舗に大量の釣り銭を置いておくと盗難のおそれもあります。ちょうどよい釣り銭の金額と金種を営業しながら見極め、調整していきましょう。

釣り銭の準備方法

必要な釣り銭の金額と金種を決めたら、次は、実際に釣り銭を準備します。釣り銭の準備方法として、以下の二つが考えられます。

  • 銀行で両替する
  • 紙幣で買い物をする

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

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銀行で両替する

銀行で両替をして釣り銭を用意する方法は、多くの店舗で採用されている一般的な方法です。銀行では、用意したい金額を希望の金種で正確に両替できます。また、一度に大きな金額の両替も可能で、事業者やスタッフの手間を大幅に削減できます。

一方で、多くの銀行では両替に手数料がかかります。都市銀行の場合、数百円ほどの手数料がかかり、口座を開設したり、両替機を利用したりして手数料を節約できます。両替機を使った少量の両替であれば手数料が無料になることもあります。ゆうちょ銀行は、硬貨や紙幣50枚までであれば手数料が無料で、かつ日本全国に支店があるので、頻繁に両替をするようであれば、口座開設を検討してもよいかもしれません。

参考:金種指定料金の新設(ゆうちょ銀行)

手数料に加えて、銀行での両替については、営業時間も考慮する必要があります。一般的に、硬貨への両替は銀行の営業時間内にしかできないため、釣り銭として硬貨が必要な価格設定をしている場合には、注意が必要です。

紙幣で買い物をする

簡易的に少ない量の釣銭を用意する方法で、手数料は不要ですが、必要な金額や金種によっては、何度も異なる店舗で買い物をする必要があり、時間と手間がかかります。手数料はかかるかもしれませんが、必要経費と割り切って、銀行の両替サービスを利用するのが賢明でしょう。

困ったときには……

準備を万全にしていても、釣り銭が足りなくなってしまうことはあります。そのようなときには、釣り銭が足りなくなる前に、お客様にお釣りがいらないように支払ってもらえないかたずねてみるとよいでしょう。イベントでは、近隣の出展者に両替をしてもらえないか頼んでみるのも一つの手です。

釣り銭を準備するタイミング

店舗の開店時には釣り銭を用意しますが、日常業務が始まったら、どのようなタイミングで釣り銭を準備するのがよいのでしょうか。営業終了後にレジをしめて、釣り銭を確認し、必要に応じて釣り銭を用意する店舗が多いようです。釣り銭を準備するタイミングを具体的に見てみましょう。

営業終了後に翌日の釣り銭を確認する

営業中はお客様との金銭のやり取りが発生するため、店舗にある現金の量が変動します。このため、営業終了後のレジ締め作業のときに、どのくらい現金が、どの金種で残っているか確認するとよいでしょう。金額としては十分でも、翌日の釣り銭として十分でない金種があるかもしれません。金種の確認も忘れないようにしてください。

釣り銭が足りなかったり、足りない金種があったりしたら、両替の手配をしましょう。銀行の営業時間内であれば銀行で両替をし、営業時間外であれば翌日誰がどのタイミングで両替をするのか業務の流れを明確にしておくとスムーズに釣り銭を準備できます。

銀行入金時に両替して効率よく釣り銭を準備

お客様が現金で代金を支払うと、店舗には現金がたまっていきます。適度な量の釣り銭は必要ですが、紛失や盗難のおそれがあり、店舗に大量の現金を置くのは避けたいところです。

そこで、日次や週次など定期的に、または店舗にある現金が一定金額を超えたら銀行に現金を入金します。このタイミングで釣り銭に必要な両替をあわせて行うと、銀行に手間と時間を減らせ、業務効率を上げられます。

開店当初は銀行入金のタイミング、釣り銭準備のタイミングがつかみにくいかもしれませんが、業務を続けながら、適切なタイミングを見極めましょう。

キャッシュレス決済の導入を検討しよう

キャッシュレス決済が普及しつつあり、経済産業省は2025年までにキャッシュレス決済比率を40%程度までにのばすという目標を掲げています。同省によると、2022年のキャッシュレス決済比率は36.0%(111兆円)でした。最も多く利用されたのがクレジットカードで、決済比率は30.4%、金額にして93.8兆円にのぼります。このような状況で、事業者としてはクレジットカードをはじめとするキャッシュレス決済を受け付けない手はありません。

参考:2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました (METI/経済産業省)

キャッシュレス決済には、売り上げや顧客満足度の向上といった効果のほかに、釣り銭準備業務の手間も減らせます。具体的にどのような効果があるのか見てみましょう。

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準備すべき釣り銭とその管理コストを削減できる

キャッシュレス決済はデジタルで処理され、現金の受け渡しがありません。キャッシュレス決済の割合が増えると、必然的に準備すべき釣り銭が減り、釣り銭の管理にかかる手間と時間を減らせます。釣り銭管理業務も、お客様に快適に買い物をしてもらうためになくてはならない業務ではありますが、キャッシュレス決済で釣り銭業務の負担を減らして、本来の業務に集中したいところです。

売り上げや釣り銭の紛失・盗難リスクを軽減できる

キャッシュレス化により、売り上げや釣り銭など、店舗に置いている現金の量が減れば、紛失や盗難のリスクを大幅に減らせます。また、売り上げなどの数値はデジタルデータとして正確かつ自動的に記録が残るので、人手で現金を取り扱うときに起こりがちなミスも防げます。

デジタルでの情報の取り扱いというと、情報漏えいを心配する人がいるかもしれませんが、現在ではセキュリティーに配慮したさまざまなキャッシュレス決済サービスが提供されています。それでも心配という人は、決済サービスを導入する前に、セキュリティー対策について直接聞いてみるとよいでしょう。

顧客層の拡大や機会損失の低減につながる可能性も

支払い手段として、キャッシュレス決済という選択肢を用意しておくことで、キャッシュレス決済に抵抗のない若い世代を新しくお客様としてとりこむことができるかもしれません。さまざまな選択肢を用意しておくことで、顧客満足度の向上にもつながります。

また、商品を購入したいものの、手持ちの現金がないというお客様がいても、キャッシュレス決済が可能であれば対応でき、販売の機会損失を減らせます。

Squareの決済端末を導入しよう

キャッシュレス決済を導入するというと、少なくない時間と手間、投資が必要と考える人もいるかもしれませんが、キャッシュレス決済サービスのSquareなら、大きな初期投資を必要とせず、アカウントと決済端末を用意すればすぐに使い始められます。

決済端末は、オンラインで購入できるほか、急に必要な場合には家電量販店でも購入できます。もっともコンパクトな決済端末「Square リーダー」は税込4,980円です。

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Squareのアカウントは無料で作成でき、審査はありますが、最短で当日からサービスを利用できます。手数料は決済手数料のみです。スマートフォンから使えるPOSレジアプリ「Square POSレジ」や、メールで送れる請求書「Square 請求書」など関連サービスの多くも無料で利用できます(※)。

※一部有料のサービスもあります。

完全キャッシュレス化も選択肢の一つ

世界のキャッシュレス化が進んだ国の中では、現金をほとんど目にすることがない国もあります。

現金での支払いを受け付けている店舗でも、キャッシュレス決済の利用が圧倒的に多いのであれば完全キャッシュレス化も一つの選択肢です。一方で、顧客層によっては、現金で支払いたいというお客様が多いかもしれませんが、将来的な選択肢として完全キャッシュレス化とはどのようなものか、メリットを知っておく価値はあるでしょう。完全キャッシュレス化には以下のようなメリットがあります。

完全キャッシュレス化で釣り銭が不要に

すべての決済がデジタルで行われるため、物理的な釣り銭が必要なくなります。これにより、釣り銭の取り扱い、計算、両替の手間がなくなり、業務を格段に効率化できます。時間を節約でき、釣り銭管理のストレスから解放され、本来の事業に専念できます。釣り銭という細かい金銭を物理的に人手で扱うことがなくなるので、細かな金額の誤差や過不足に悩まされることもなくなります。

衛生面の懸念事項が減る

釣り銭は、人から人に渡され、人の手に触れた紙幣や硬貨です。特に最近では、新型コロナウィルス感染症が拡大したときに、現金を扱わないキャッシュレス決済が衛生面とともに注目を集めました。完全にキャッシュレス化すれば、釣り銭を介した接触がなくなり、店舗の清潔度も保ちやすくなります。このように、完全キャッシュレス化を達成できれば衛生面での懸念事項を減らせます。

現金での売上金管理、入金の手間が減る

現金の取り扱いには、常に管理の手間や、紛失・盗難などのリスクを伴います。売り上げの取り扱い、銀行への入金作業など、これらの手間が完全に排除されることで、業務が格段に効率化されます。

売り上げがデジタルで一元管理されるため、正確性が向上します。経理・財務に関する日常業務はもちろん、確定申告もスムーズに行えるでしょう。また、入金作業には銀行まで行く時間や待ち時間も含まれ、長期間で考えると大きな負担です。この時間をなくすことでも業務を効率化できます。

Squareなら今すぐキャッシュレス決済導入できる

カード決済、タッチ決済、電子マネー決済、PayPayのQRコード決済が簡単に始められます

本記事では、実店舗を経営する事業者や、イベントに出店する事業者を対象に、釣り銭の取り扱い方とキャッシュレス化について説明しました。日々の業務を円滑に進め、お客様に快適に買い物をしてもらうために、釣り銭の準備と、将来的に釣り銭業務の負担を減らすためのキャッシュレス化は欠かせません。

対面で商品やサービスを販売する事業に携わったことのない人には、釣り銭業務は一見、小さな一業務に見えるかもしれませんが、実際に営業を開始してみると、必要な釣り銭の予測し、効率的に銀行で両替をするスケジュールを決めるのは簡単ではないことがわかります。

釣り銭業務を効率化する一方で、お客様がキャッシュレス決済に慣れてきている時流に乗って、釣り銭の取り扱い自体も減らしていきたいところです。顧客の利便性の向上、衛生面でのリスク低減、そして業務をシンプルにできるなど、多岐にわたるメリットがあります。事業の性質や顧客層によっては、完全にキャッシュレス化してしまうのも一つの手です。

実店舗を経営したい、イベントに出店してみたいという事業者は、ぜひ本記事を参考に、釣り銭業務の改善やキャッシュレス化に取り組んでみてください。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2023年8月29日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash