キャッシュレス決済サービスを​導入する​際に​比較する​ポイントは?

経済産業省のまと​めに​よると、​2022年の​キャッシュレス決済比率は​36%で、​その額は​100兆円を​超えました。​キャッシュレス決済が​普及する​中で、​決済手段も​多様化が​進んでいます。​定番の​クレジットカードに​加えて、​QRコード、​電子マネーなど、​種類は​多岐に​わたります。​選択肢が​たくさん​ある​分、​使いやすい​ものや​メリットが​多いと​感じる​ものは、​お客さまに​よって​異なります。​さまざまな​ニーズに​応える​ためには、​できるだけ​多くの​キャッシュレス決済手段に​対応しておく​ことが​大切だと​いえるでしょう。

この​記事では、​キャッシュレス決済の​導入を​検討している​事業主に​向けて、​需要が​高い​クレジットカード決済、​近年ニーズが​高まる​QRコード決済、​クレジットカードに​次いで​利用者が​多い​電子マネー決済の​すべてに​対応する​キャッシュレス決済サービスや、​サービスを​比較する​際に​ポイントとなる​決済手数料や​端末料金、​入金サイクルなどを​紹介します。

参考:2022年の​キャッシュレス決済比率を​算出しました​~キャッシュレス決済比率は​36.0%、​決済額は​初の​100兆円超えに​拡大~​(2023年4月6日、​経済産業省)

目次



キャッシュレス決済サービスの​比較・検討ポイント

最近では​多くの​キャッシュレス決済サービスが​登場しており、​どの​点に​注目して​選ぶべきかは​悩みどころかもしれません。​キャッシュレス決済サービスを​選ぶ際の​比較・検討ポイントに​ついて​解説します。

対応決済手段

キャッシュレス決済には、​クレジットカードの​ほか、​電子マネー、​QRコードなどさまざまな​決済手段が​あります。​株式会社ジェーシービーの​2022年度調査に​よると、​キャッシュレス決済の​手段と​して​一般消費者が​持っているのは、​クレジットカードが​86%、​電子マネーが​75%、​コード決済が​70%と​なっています。​高い​保有率の​キャッシュレス決済手段に​対応しているかどうかを​確認し、​お客さまの​利便性を​あげる​ことも​大切です。

参考:JCB、​2022年度版クレジットカードに​関する​調査結果を​発表​(2023年3月15日、​株式会社ジェーシービー)

決済手数料と​その他の​料金

株式会社野村総合研究所が​2018年に​発表した​「キャッシュレス化推進に​向けた​国内外の​現状認識」に​よると、​クレジットカードの​決済手数料で​一番​多いのは​3%以上​3.5%未満と​なっていますが、​中には​15%以上の​ケースも​ありました。​たとえば​キャッシュレス決済で​100万円の​売り​上げが​ある​小売店が​あったとします。​その​場合、​手数料が​3.5%と​15%では、​支払う​決済手数料には、​以下のような​差が​出ます。

3.5%の​場合:1,000,000円×3.5%=35,000円
15%の​場合:1,000,000円×15%=150,000円

このように、​決済手数料だけで​115,000円もの差が​出る​ことに​なります。

また、​決済手数料は​もちろん、​サービスに​よっては​月額費用が​別途かかる​場合も​あります。​それぞれの​サービスに​よって​料金体系が​異なる​ため、​自店舗に​合った​料金プランを​選びましょう。

参考:キャッシュレス化推進に​向けた​国内外の​現状認識​(2018年2月8日、​株式会社野村総合研究所)

利用限度額と​取引制限

クレジットカードや​電子マネー、​QRコードなどの​各種キャッシュレス決済には、​利用限度額が​決められています。​それとは​別に、​決済サービス側で​1回あたりの​最小決済額や​最大決済額を​設けている​場合が​あります。​自店舗の​客単価と、​導入を​検討している​決済サービスの​条件が​合致するのかを​確認する​ことも​大切です。

また、​エステティックサロンや​学習塾、​語学学習などの​継続的な​役務の​提供する​業種の​場合、​決済金額の​条件など​取引制限が​設けられている​ことも​ありますので、​注意が​必要です。

セキュリティー対策

一般社団法人日本クレジット協会の​調査結果に​よると、​2022年の​クレジットカード不正利用被害は​約437億円で、​2021年の​約330億円から​100億円以上​増えている​ことが​分かります。​不正利用を​防止し、​顧客情報を​守る​ためにも、​セキュリティー管理が​徹底している​サービスを​選ぶ​ことが​肝心です。

クレジットカード決済には、​国際的な​セキュリティー基準である​「PCI DSS​(Payment Card Industry Data Security Standard)」に​準拠した​決済サービスを​選ぶようにしましょう。​PCI DSSは、​国際カードブランド5社​(Visa、​Mastercard、​American Express、​JCB、​Discover)が​策定を​したの​国際的な​セキュリティー基準です。

参考:クレジットカード不正利用被害の​集計結果​および数値の​訂正に​ついて​(2023年3月31日、​一般社団法人日本クレジット協会)

外部サービスとの​連携

決済サービスの​中には、​外部サービスとの​連携が​できる​ものが​あります。​たとえば、​ネットショップなどを​運営している、​運営する​予定が​あると​いった​場合は、​実店舗での​キャッシュレス決済と​売上情報や​顧客情報を​連携できると​より​便利に​なるでしょう。​キャッシュレス決済サービス導入の​際には、​自店舗で​使用している​システムと​連携できるかどうかを​確認して​おきましょう。

サポート体制

問題が​生じた​場合に、​適切な​サポートが​受けられる​体制が​整っているかどうかを​確認する​ことも​大切です。​サービスに​よっては、​メールでのみの​サポートと​いう​場合も​あるので​注意が​必要です。

入金サイクル

意外な​盲点なのが、​入金サイクルです。​最短翌営業日に​振り込まれる​場合も​あれば、​入金までの​時間に​1カ月以上かかる​場合も​あります。​キャッシュフローの​点からも、​入金サイクルを​意識する​ことは​重要です。

キャッシュレス決済端末の​比較・検討ポイント

キャッシュレス決済の​受付に​不可欠な​決済端末は、​レジカウンターに​設置する​「据え​置きタイプ」、​持ち運びのできる​「ポータブルタイプ」、​スマートフォンや​タブレットと​接続して​利用する​「モバイルタイプ」と​いった​種類が​あります。​近年では、​QRコード決済の​普及が​急速に​進み、​各キャッシュレス決済サービスが、​1台で​クレジットカード決済を​含めたさまざまな​決済手段に​対応できる​決済端末を​提供しています。

また、​なかには​専用の​POSレジアプリを​提供している​決済サービスも​あります。​レジ機能や​売上分析機能を​兼ね備えた​POSレジを​あわせて​導入する​ことで、​事務作業の​効率化を​図る​ことができます。

それでは、​キャッシュレス決済端末を​導入する​際に​注意したい​ポイントを​紹介します。

操作性

操作が​簡単で​分かりやすい​端末を​選ぶ​ことで、​スムーズな​決済が​可能に​なります。​また、​新しい​スタッフへの​トレーニングも、​操作が​簡単で​あれば​時間の​節約に​つながります。

電源と​バッテリー

使い勝手の​観点から、​有線の​端末よりも​無線の​端末を​選ぶ​ことが​よい​場合も​あります。​無線の​端末を​選ぶ際には、​バッテリーの​持続​時間が​どの​くらいであるのかも​検討ポイントの​一つです。

端末の​価格

キャッシュレス決済端末の​価格は、​数千円ほどの​安価な​ものから、​POSシステムを​搭載した​100万円以上する​高額な​ものまで​あります。​自身の​ビジネスに​必要な​機能が​あるか、​費用対効果​価格が​見込めるかなども​検討する​必要が​あります。

携帯性

業種や​店舗の​規模に​よっては、​持ち運びが​できる​決済端末が​必要に​なるかもしれません。​特に、​移動販売や​イベント会場、​ポップアップストアでの​販売などを​行うので​あれば、​軽量で​コンパクトな​決済端末を​選ぶと​よいでしょう。

インターネットへの​接続

端末を​インターネットに​接続するには、​有線LANと​無線LANが​あります。​店舗の​利用環境に​応じて、​どちらを​選ぶか​検討しましょう。

業種別に​注意すべきポイント

小売業

小売業では、​店舗での​キャッシュレス決済が​メインとなるでしょう。​お客さまの​利便性を​考え、​クレジットカードや​電子マネー、​QRコードなどさまざまな​決済手段に​対応する​必要が​あります。​また、​商品券や​ポイントカードとの​連携機能が​あるかどうかも​考慮すると​いいでしょう。​また、​ネットショップとの​連携や、​POSレジとの​連携で​在庫管理が​できたり、​売上管理が​できたりすると​便利です。

飲食業

ランチタイムに​行列が​できるような​お店では、​操作が​簡単で​会計時間を​なるべく​短く​する​ことができる​決済端末を​選ぶと​よいでしょう。​アルバイトスタッフを​多く​抱えている​お店では、​新人の​トレーニングが​簡単な​端末を​選ぶようにすると​いいかもしれません。​携帯できる​決済端末を​利用すれば​テーブル会計も​可能に​なります。​また、​キャッシュレス決済サービスの​中には、​セルフレジに​対応した​端末を​提供している​ところも​あります。

宿泊業

宿泊業で​欠かせないのが​予約管理です。​宿泊業では​予約システムと​連携できるかどうかも​重要な​ポイントと​なります。​会員制を​採用している​宿泊業の​場合は、​会員管理や​ポイントシステムに​対応した​キャッシュレス決済サービスを​選ぶと​よいでしょう。​また、​宿泊業では​シフト制を​採用している​場合は、​シフト作成機能などが​ある​スタッフ管理システムと​連携できると​便利です。

美容業

美容業も​予約を​受け付ける​ことの​多い​業種です。​そのため、​キャッシュレス決済サービスを​導入する​際には、​予約管理システムと​連携できる​ものを​選ぶと​業務の​効率化に​つながります。​また、​POSレジと​連携し、​在庫管理施術の​履歴だけでなく、​お客さまの​アレルギー情報や​会話の​糸口となる​情報を​記せる​お客さまカルテと​連携できると​便利でしょう。​さらに、​サービス向上の​ための​アンケート機能と​連携できたり、​リピーターを​増や​すための​対策と​して​ポイント還元や​キャッシュバックなどの​特典機能が​ついていたりする​ものを​検討すると​よいかもしれません。

キャッシュレス決済サービス5社を​比較

これまで、​キャッシュレス決済サービスを​導入する​際に​比較する​ポイントを​紹介してきました。​この章では、​クレジットカード、​QRコード、​電子マネーを​受け付ける​キャッシュレス決済サービス5社の​導入コストなどを​比較していきます。​併せて​各サービスの​特徴や​POSレジ機能に​ついても​説明します。

  Square STORES 決済 stera pack Airペイ 楽天ペイ
初期費用 端末料金
4,980円(税込)〜
端末料金
19,800円(税込)
端末料金
無償貸与
端末料金
無償貸与
端末料金
19,800円(税込) 〜
月額固定費 無料 無料 3,300円(税込)※ 無料 無料
振込手数料 無料 売上合計10万未満:200円

売上合計10万以上:無料
三井住友銀行:無料

その他の金融機関:220円
無料 楽天銀行:無料

その他の金融機関:330円
入金サイクル 三井住友銀行・みずほ銀行:翌営業日

その他の金融機関:週1回
手動入金:2営業日以内

自動入金:月1回
月2回もしくは月6回 Airペイ:月3回もしくは月6回

Airペイ QR:月1回
楽天銀行:翌日

その他の金融機関:手動で翌営業日
手動振込申請の有無
分割決済の可否

※ スタンダードプランの​場合

1. Square​(スクエア)

jp-blog-introducing-square-reader-04

売上額が​最短翌営業日に​振り込まれる​「Square」は、​クレジットカード決済、​QRコード決済、​電子マネー決済に​対応しています。​無料で​使える​独自の​Square POSレジアプリ​(※)は、​手持ちの​スマートフォンや​タブレットに​アプリを​ダウンロードするだけで​レジと​して​利用できます。​POSレジアプリの​ほかに、​クラウド請求書機能や、​ネットショップ作成機能、​予約管理機能なども​あります。​導入費用や​維持費は​かからないので、​初期費用と​固定費を​抑えつつ、​いろんな​機能を​活用して​効率よく​事業運営したい​事業主には​ぴったりの​選択肢かもしれません。

※Square ターミナルと​Square レジスターには、​Square POSレジアプリが​搭載されています。

2. STORES 決済​(ストアーズ決済)

キャッシュレス決済以外には​「STORES 請求書決済」が​活用できるので、​対面決済に​限らず、​非対面決済にも​対応できます。​iPad対応の​STORES レジの​ほか、​他社の​POSレジとの​連携も​可能です。​クレジットカード払いの​場合、​Visaもしくは​Mastercardに​限り、​2回払いやリボ払いも​可能です。​また、​世界で​8億人が​使う​QR決済サービスの​WeChat Payにも​対応しています。

3. stera pack​(ステラパック)

Android OSを​使用した​据え置きタイプの​専用端末を​使用します。​専用の​POSレジは​ありませんが、​stera marketで​POSレジアプリを​購入する​ことができます。​クレジットカード決済、​電子マネー、​QRコード決済を​含め、​30種類の​決済手段が​利用できます。​また、​Visa、​Mastercard、​JCBで​あれば、​リボ払い、​分割払い、​ボーナス払いを​受け付ける​ことができます。​新規申込者には、​13カ月目まで​月額利用料が​無料に​なる​お試しプランが​用意されています。​3年の​契約期間が​あり、​途中解約では​違約金が​発生する​ケースも​あるので​事前に​確認して​おきましょう。

4. Airペイ​(エアペイ)

クレジットカード決済の​ほか、​電子マネー決済、​QRコード決済、​インバウンドの​お客さまに​とって​便利な​UnionPay​(銀聯)​や​Alipay+も​利用できます。​POSレジには、​スマートフォンなどに​ダウンロードできる​独自の​POSレジアプリ​「Airレジ」を​無料で​使えます。​Airレジには​売上分析や​レジ機能、​顧客管理、​在庫管理機能などが​揃っており、​店舗での​決済を​サポートします。​アプリの​対応端末は​iPhoneや​iPadの​iOS端末のみで、​Android端末などには​対応していないので​気を​つけましょう。

5. 楽天ペイ

楽天銀行で​口座を​開設している​事業主に​とっては、​利便性が​高い​「楽天ペイ」。​振込口座に​楽天銀行を​指定していれば、​毎日​入金され入金手数料も​無料です。​クレジットカードと​電子マネー決済に​対応した​決済端末の​ほかに、​レジ周りに​設置できる​QRコードも​提供しており、​別々に​申し込む​ことができます。​独自の​POSレジアプリは​ないため、​他社の​POSレジアプリと​連携する​必要が​あります。

クレジットカード・QRコード・電子マネーに​対応した​決済端末を​導入しよう!

ここまで、​キャッシュレス決済サービスや​端末を​選ぶ際に​考慮する​ポイント、​各キャッシュレス決済サービスの​特徴に​ついて​説明を​しました。

クレジットカード、​QRコード、​電子マネーに​対応した​決済端末には、​据え​置きタイプ、​ポータブルタイプ、​モバイルタイプが​あり、​Squareでは​すべての​タイプを​提供しています。

creditcard-reader-comparison-1

▲Square リーダーで​決済を​受け付けている​様子

ここでは​Squareが​提供する​モバイル決済端末Square リーダーを​導入する​手順を​説明します。

(1) 無料アカウントを​作成する​(※1)
(2) QRコード決済電子マネー決済に​申し込む
(3) 決済端末を​手に​入れる​(※2)
(4) 決済端末の​設定を​行う
(5) ご利用開始!

jp-blog-steps-to-start

※1. Visa、​Mastercard、​American Expressは​アカウント作成後、​最短​当日から​お取り扱いいただけます。
※2. Square リーダーは、​Square ショップの​ほか、​家電量販店から​手に​入れる​こともできます。​取り扱い​店舗は​こちらから​ご確認ください。

アカウントの​作成に​かかる​時間は、​ほんの​数分。​決済端末は、​通常2日から​5日程度で​手元に​届きます。​上記五つの​ステップが​無事に​終わり、​審査に​通過すると、​以下の​キャッシュレス決済手段が​受け付けられるようになります。

jp-blog-pricingtable-scqr

※年間キャッシュレス決済額が​3,000万円未満の​新規かつ中小企業の​加盟店の​場合、​Visaと​Mastercardの​決済手数料を​2.5%で​ご利用いただけます。​年間キャッシュレス決済額が​3,000万円を​超える​場合、​すべての​決済手段に​おいて​カスタム決済手数料を​ご利用いただける​可能性が​ありますので、​営業チームまで​お問い​合わせください。

また、​Squareでは​POSレジと​レシートプリンターが​搭載された​オールインワン決済端末の​Square ターミナルや、​スタッフ用タッチスクリーンと​お客さま用決済画面の​2画面を​搭載した​Square レジスターなども​提供しています。​詳しくは​こちらから​ご確認ください。

jp-blog-hardware-X2

この​記事では​クレジットカード、​QRコード、​電子マネーに​対応した​キャッシュレス決済サービスや​決済端末に​ついて​解説しました。​近年では​多くの​コストを​かける​ことなく、​最短​即日で​導入できる​キャッシュレス決済。​会計の​場面で​接触を​減らせる​決済方法を​自店舗でも​取り入れてみては​いかがでしょうか。

お会計を​すべて​Squareで

決済受付、​商品登録、​価格設定、​業務管理など、​1台ですべてに​対応できる​「Square レジスター」。​POSレジ搭載で、​箱から​出して​すぐに​使えます。​お客さま用と​スタッフ用の​2画面が、​スピーディーな​お会計を​実現します。


Squareの​ブログでは、​起業したい、​自分の​ビジネスを​さらに​発展させたい、と​考える​人に​向けて​情報を​発信しています。​お届けするのは​集客に​使える​アイデア、​資金運用や​税金の​知識、​最新の​キャッシュレス事情など。​また、​Square加盟店の​取材記事では、​日々​経営に​向き合う​人たちの​試行錯誤の​様子や、​乗り越えてきた壁を​垣間見る​ことができます。​Squareブログ編集チームでは、​記事を​通して​ビジネスの​立ち上げから​日々の​運営、​成長を​サポートします。

執筆は​2020年11月13日​時点の​情報を​参照しています。​2024年11月​8日に​記事の​一部情報を​更新しました。​当ウェブサイトから​リンクした​外部の​ウェブサイトの​内容に​ついては、​Squareは​責任を​負いません。