アクセサリーのネット販売には何が必要? 開業ステップや注意点を検討しよう

ピアスやネックレス、髪飾りなど、アクセサリーはネット販売にも適した商材です。そこで、アクセサリーをネット販売するメリットや、アクセサリー専門のネットショップを開店する方法を検討してみましょう。ネット販売の注意点や仕入れ方法も解説します。

目次



アクセサリーをネット販売するメリット

日常からお出かけまでの装いを彩るアクセサリーは、ユーザーにとってネットショッピングで購入しやすい商品の一つです。ディテールを写した画像や着用イメージ、コーディネート例、購入者レビューなどがあれば、試着なしでも気軽に購入でき、贈り物にも適しています。

では、アクセサリーをネット販売するメリットを、ビジネスの側面から考えてみましょう。

1. 低コストで開店できる

店舗が必要な対面販売よりもネット販売のほうが低コストであることは言わずもがなですが、アクセサリーのネット販売にはさまざまな販売プラットフォームの利用が考えられ、低コストな選択肢が数多く存在します。たとえば、出店のための初期費用や月額費用がかからないネット販売プラットフォームを使ってアクセサリー専門のネットショップを自作し、自分で撮影した商品写真を使用すれば、コストをかなり低く抑えることが可能です。

サイズが小さく軽いアクセサリーは、配送や梱包材の費用も安く抑えることができ、仕入れや出店コスト以外の面でも極めて扱いやすい商材といえます。

2. 広い在庫管理スペースが不要

アクセサリーはかさばらず、大規模な在庫スペースが不要という点も、ネット販売のメリットです。実店舗を持たないネット販売なら、物理的なスペースのためのコストを少しでも抑えることで、販売価格や利益率に還元できます。

3. 実店舗より対象エリアが広い

ネット販売の魅力は、広範囲に存在するユーザーをターゲットにできることです。好みのアクセサリーを扱っていても買いに行けない距離にある実店舗より、ネット販売のほうが多くの人にリーチできる可能性があります。

実店舗にプラスしてネット販売を始める場合も、実店舗の商圏に、ネット販売の商圏である日本全国が追加されることで、より多くの人に商品の価値を届けることが可能になります。

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アクセサリーをネット販売するデメリット

反対に、アクセサリーをネット販売するデメリットについても考えてみましょう。ネットショップの開店に際しては、デメリットの克服に必要なアプローチを試してみてください。

1. 「好み」が商品を左右する

ネット販売では、ショップのコンセプトに合わせた商品選びが重要ですが、ユーザー受けする商品かどうかは、事前に入念なリサーチが必要です。

ニッチなジャンルのアクセサリーの場合、ターゲットにしっかりフォーカスしたマーケティング方法も開店計画と同時に考えておくと良いでしょう。

2. トレンドに注意が必要

服や靴と同様に、アクセサリーにもトレンドがあります。素材、形状、雰囲気など、トレンドに合わない、または流行遅れと感じられるアクセサリーは、需要が低い傾向が否めません。

アクセサリーのネット販売のメリットである「小さなスペースで在庫管理が可能」という点を生かすためにも、トレンドをしっかりリサーチし、仕入れ数量やセールのタイミングに反映させていくことが必要です。

3. 接客による購買促進ができない

実店舗での販売とは違い、アクセサリーの試着や会話による購買促進ができない点はネット販売のデメリットといえますが、前述のように商品写真や説明によってカバーすることで、多くのネットショップが活況を呈しています。動画や画像でのプロモーションに適したSNSなどを上手に活用すれば、商品の魅力や使用例を伝えることも可能です。

ただし、商品到着後に試着し返品される可能性も踏まえ、返品や交換に関するネット販売上のルールをユーザー向けに分かりやすく提示しておくなど、前もって対策しておきましょう。

ネット販売開始の8ステップ

アクセサリーのネット販売をスタートするには、主に以下の8ステップが必要となります。以下の8ステップをエクセルシートなどに書き込み、各ステップのためのアイデアや決定事項を追加で入力していくと、計画を進めやすくなります。

1. コンセプトを決める

ネット販売の柱ともいえるコンセプトは、第一に設定すべきものです。ショップ名、商材、サイトデザインなどは、すべてコンセプトに基づいて決定していくため、コンセプトがないと計画を進めるのは難しいでしょう。

たとえば、以下のようなコンセプトの例を見てみましょう。

  • 40代女性がオン・オフ両方に使えるアクセサリー
  • 手頃な価格の冠婚葬祭向けアクセサリー
  • エシカル&フェアトレードの地球に優しいアクセサリー

アクセサリーのネット販売と一口に言っても、それぞれのコンセプトによってショップのイメージは全く異なることがわかります。最初にコンセプトを明確化し、そこに向かってネット販売の計画全体を立案しましょう。

2. ショップ名を決める

コンセプトに合うだけでなく、覚えやすさも重要なのがショップ名です。もちろん、他店、特に同業のショップで使われていない名前にすることも重要なので、ショップ名の候補をインターネットで検索してみると良いでしょう。外国語や造語を使う場合は、コンセプトにふさわしい意味であるか、俗語としておかしな意味がないかなど、調べておくと安心です。

3. 出店方法を決め、準備する

ネット販売のためには、ネット上のどこでアクセサリーを販売するかを考える必要があります。ネット販売では、以下のような出店方法の選択肢があります。

  • 自作ネットショップ(モール型、ASP型など)
  • フリマサイト(フリマアプリ)
  • ハンドメイドマーケット

以上のうち、モール型ネットショップは初期投資や毎月の固定費が比較的大きいため、売り上げがある程度見込めるネットショップ向きです。小規模からネット販売をスタートしたい、低コストで続けたいというネットショップに適した出店方法については、次章で詳説します。

4. 仕入れ先を探す

仕入れも、コンセプトに合わせた商品探しが肝です。仕入れ先としては、メーカーまたは作家から直接買い付ける、または卸売り専門の業者から仕入れるという方法があります。メーカーや作家との直接取引はコネクションがないと難しい場合もありますが、個性的なアクセサリーを探しやすい傾向があります。仕入れサイトなどで商品を探す方法は一般的である分、流行りのアクセサリーや低価格のアクセサリーを仕入れることができます。

いずれの場合も、ネット販売のコンセプトに沿って、ネットショップの商品構成のバランスなども考えながら何を取り扱うか選びましょう。

5. 商品を仕入れる

仕入れ先が決まったら、ネット販売したいアクセサリーを発注します。アクセサリーのデザインやトレンド感だけでなく、発注単位や入数がネット販売の規模に合うかどうかも確認してから発注しましょう。

また、仕入れの過程では、上代・下代、掛け買いといった専門用語や商慣習に直面することもあります。発注した商品の送料なども含め、不明な点はクリアにしてから仕入れを進めることで、誤った理解によるトラブルを防ぐことができます。

6. 決済方法や配送方法を決める

ネット販売では、オンラインでの決済システムと、商品をお客様に届けるための梱包や発送が必要となり、この段階でもネットショップのコンセプトに合致する方法を選びます。決済は、以下のような方法が考えられます。

  • クレジットカード
  • 銀行振込
  • コンビニ決済
  • 後払い決済
  • 代金引換
  • QRコード決済(PayPayなど)

決済方法はネットショップのターゲット層に合わせ、年代ごとの利用者の多い決済方法を検討して選択すると良いでしょう。

商品配送については、サイズの小さい商品であればメール便を利用でき、大きいサイズは宅配便を利用します。メール便は受け取り時に在宅が不要な便利さがある反面、追跡サービスや破損・紛失時の保証がないサービスもあります。繊細で壊れやすいアクセサリーや高価なアクセサリーの場合は、配送業者各社のサービスを比較し、ネット販売のスタイルに適したものを選ぶことをお勧めします。

アクセサリーの梱包は、配送時の外装サイズと、ショップコンセプトの体現の二つの側面から考えます。小さいアクセサリーでも、厚みのあるパッケージに入れるとメール便で送れなくなる可能性があります。高級感の演出やギフト用も視野に入れたアクセサリーなら敢えて化粧箱に入れる、逆に、梱包のコストを可能な限り抑えて商品の低価格を実現するなど、コンセプトに合う梱包方法を決め、袋や箱、タグ、緩衝材などの梱包資材を用意しましょう。

7. 商品写真、説明文を用意する

ネット販売では、ユーザーが直接商品を見たり触れたりすることができないため、商品写真と説明文が購入決定に非常に重要な役割を果たします。写真や文章ならではの利点もあります。

  • ディテールを伝えやすい
  • 高品質の写真や文章でコンセプトを表現できる
  • アクセサリーのコーディネート例を複数見せられる
  • 使用感やイメージを伝え、商品価値を最大化できる
  • サイズや素材を明記することで安心感を与えられる

ネット販売の商品写真や商品説明文のポイントは、ユーザー目線で知りたい情報を網羅しつつ、アクセサリーの使い方も含めた価値を、ポジティブかつ誠実に伝えることです。

自分で撮影する場合は、高解像度の写真が撮れる一眼レフなどのカメラの他、新型のスマートフォンカメラでも、ライティングや背景次第で魅力的な商品写真を撮ることができます。アクセサリーは特にディテールが大切な商品であるため、細部まではっきり写っていることが大切です。ネット販売では、同じ商品でも写真のクオリティで人気に差が付いてしまうこともあるため、競合となるネットショップの例もリサーチしてみましょう。

8. 集客施策(マーケティング方法)を決める

実店舗であれば通りがかった人が立ち寄る可能性もありますが、ネット販売では集客施策が必須です。予算やかけられる手間に応じて、かつネットショップのコンセプトやターゲット層に合うマーケティング方法を選びます。

ここに挙げた例はあくまで一部分ですが、ネット販売の開始後には並行してネットショップのアクセスデータの分析も定期的に行うと、マーケティングコストを効果的に使えます。

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アクセサリーをネット販売する場所

前述のネット販売開始の8ステップのうち、5番の出店方法については、フリマサイトやハンドメイドマーケットへの出品、そしてネットショップを自作するという方法を検討してみましょう。

フリマサイトへの出品

スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末から気軽に使え、「フリマアプリ」とも呼ばれるフリマサイト。不要品や中古品だけでなく、新品も取り引きでき、アクセサリー販売も行われているネット販売プラットフォームです。

フリマサイトでのアクセサリー販売の場合、サイトデザインの自由は利かないものの、必要事項を入力し、商品画像をアップロードしていくことで販売が可能になる簡単さが魅力だといえます。販売手数料、決済手数料、振込手数料だけで利用が可能で、月額費用などはかかりません。

利用するフリマサイトによって、販売した商品を匿名で配送できるサービスや値下げ交渉の有無などが異なるため、希望条件に合うものを選ぶ必要があります。

ハンドメイドマーケットへの出品

オリジナルの手作りアイテムのみを対象としたハンドメイドマーケットは、個性的なアクセサリーや一点ものなどを探すユーザーに人気のネット販売プラットフォームです。利用するプラットフォームによって、アマチュア作家が活躍しやすい、プロやセミプロが多く販売しているなどの特徴がある他、販売手数料や振込手数料も異なります。

フリマサイトのような匿名配送には対応していませんが、サイト自体の知名度の高い場合は既存ユーザーが多く、比較的集客が行いやすいことも特徴です。文章の入力と画像のアップロードだけで自分のページを作成できるため、手軽に手作りアクセサリーのネット販売を始められます。

ネットショップの自作

ネットショップの自作は、サーバーの用意から自分で行うフルスクラッチ型だけでなく、アプリケーションサービスプロバイダ(ASP)と呼ばれる業者からシステムを借りて作る方法もあります。

ASP型の自作ネットショップなら、作成や運営の難易度が低く、しかも自由度の高いサイトデザインで、コンセプトをしっかり体現できます。フリマサイトやハンドメイドマーケットのようにプラットフォーム内のページではなく、独立したネットショップになるため、独自ドメインを持つことも可能で、アクセサリーのブランド感やショップ独自の雰囲気を重視するなら自作がおすすめです。

自作とはいっても、デザインのテンプレートや決済機能などを選んで組み合わせていくことで完成するため、ウェブデザインの専門知識は必要ありません。月額費用の有無によって利用できる機能に違いがある他、販売手数料、決済手数料、振込手数料が発生します。総合的にコストの低いネットショップサービスを選べば、小規模なビジネスでもネット販売の利益が出やすくなります。

以上のように、さまざまな販売用サービスなどを活用することで、アクセサリーのネット販売は自由自在に展開が可能です。世界に一つしかない、独自のコンセプトを持った素敵なアクセサリーショップを、ネット販売で始めてみませんか。

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執筆は2021年11月16日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash