ネットショップは自作できる?作り方と基礎知識、メリット・デメリットを検討してみよう

新たにネットショップを開設するなら、ウェブ制作のプロに依頼するだけでなく、自作することも選択肢の一つです。最近では、ウェブデザインの経験がなくてもネットショップを自作できる便利なツールも利用可能です。ネットショップを自作する方法や、自作のメリットとデメリットを検討してみましょう。

目次



ネットショップは自作するべきか?

ネットショップの制作をプロのウェブデザイナーに依頼するか、それとも自作するかを決めるには、「ネットショッピングに何が求められているか」を洗い出しておく必要があります。

現代のネットショップはただ商品を売買するだけの場所ではなく、快適なショッピング体験や優れたブランド価値を提供する場でもあります。そのため、商品画像と購入ボタンだけのネットショップでは十分とはいえず、競合に勝つことが難しい時代になってきています。

さらに、ネットショップではお客様の個人情報も扱うため、万全のセキュリティー体制も必須です。ネットショップの構造上の不備で個人情報が流出するようなことがあれば、ビジネスの信用に関わります。

以上のような課題に対応することは、「お客様に提供する価値の最大化」につながります。ネットショップの自作にあたっても、価値の最大化を考慮しながら、必要な機能や要素を慎重に検討しましょう。

ネットショップに求められる機能

ネットショップの自作に着手する前に考えておきたいのが、ネットショップに備える機能です。最近では、お客様側の使い勝手とネットショップ側のマーケティング要素を含め、最低でも以下の六つの機能が求められます。

  • 商品閲覧(商品ページ)
  • 決済
  • レビュー
  • レコメンド(おすすめ商品)
  • メンバー登録と情報管理
  • 問い合わせ

この他にも、ネットショップやブランドコンセプトの説明、セールや新作などの特別情報、FAQ(よくある質問)といったページも、お客様への提供価値を高めるために必要です。ニッチな分野のネットショップなら、専門用語の解説や商品使用方法の動画などのページも求められるかもしれません。
このように、ネットショップを自作する際は「必要な機能」を検討し、その機能をサイトに実装できるかどうかも、自作方法を選ぶ際の参考にしてみましょう。

自作ネットショップの四つのタイプ

ネットショップの自作と一口に言っても、ゼロから自分で作る、既存のプラットフォームやテンプレートを活用して作るなど、さまざまな自作方法があります。自作ネットショップの代表的な四つのタイプのうち、どの手法が希望に近いか考えてみましょう。

1. フルスクラッチ型

サーバーを構築、または借りて、まっさらな状態からプログラムを自分で設計する、文字通りゼロからネットショップを自作するタイプの作り方は、フルスクラッチと呼ばれます。自作方法の中でも、プログラミング、ウェブデザイン、セキュリティー管理など求められるスキルが最も高く、ウェブ制作経験者や上級者向けといえます。ウェブ制作コストが抑えられ、デザインや構造の自由が効く反面、自作にかかる人手と時間は他の方法より格段に大きくなります。開店後も、検索エンジンの進化に応じたアップデートのほか、ネットショップの宣伝を行い、知名度アップを図る必要があります。

2. モール型

オンライン版のショッピングモールである、たくさんのネットショップが集まったモールタイプのサイト(ECモール)の一部として、ネットショップを出店する方法もあります。フルスクラッチ型と比べて、デザインや機能の自由度は落ちますが、モール自体に知名度と集客力があれば、出店後の集客がしやすいことが最大の特長です。モール型では、ネットショップ開設の初期費用のほか、月額利用料として最大10万円前後が決済手数料とは別にかかることがあります。とはいえ、マーケティングや広告のコストは自作ネットショップとしては比較的安く済みます。

  • 例:楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなど

3. ASP型

アプリケーションサービスプロバイダ(ASP)と呼ばれるサービス会社から、ネットショップの自作と運営に使うシステムを借りる方法です。デザインの自由度が高いことに加え、テンプレートなどの用意されたフォーマットを活用することで、ウェブ制作の専門知識なしでも素敵なネットショップを比較的短時間で立ち上げることが可能です。個人でサーバーを契約する必要がなく、無料から1万円ほどの月額料金で利用でき、プランによっては独自ドメインが利用できることもメリットですが、モール型のようなユーザーの流入がないため、集客には手間やコストをかける必要があります。

4. ソフトインストール型

レンタルまたは自前で構築したサーバーに、既成のソフトウェアをインストールしてネットショップを自作する方法です。無料のオープンソースのソフトウェアを利用すれば、コストは低く抑えることができますが、デザインや機能のアレンジにはプログラミング言語の理解が必要です。フルスクラッチ型よりは制作の手間が少ないものの、セキュリティーの正しい知識を持ってネットショップを管理することが求められる点では、中級者から上級者向けの自作方法といえます。

ネットショップを自作するために必要な知識

ネットショップを自作すると決めたら、実際にウェブ制作作業に取り掛かる前に、プログラミング、デザイン、ネットショップ運営の基礎知識を十分に持っているか考えてみましょう。足りない知識は勉強して補う、または自分の知識レベルに合った自作方法を検討することが求められます。

プログラミングの知識

ウェブ制作におけるプログラミング言語とは、ネットショップの機能やデザインを形作り、ページの色や表示の仕方を決めるために使われる素材のようなものです。つまり、ネットショップはプログラミング言語を使って組まれたプログラムで形作られています。PHPやJAVAなどのプログラム言語に加え、HTMLやCSSなどのマークアップ言語やスタイルシート言語(文章の構造や装飾を指示するための言語)も、ネットショップの自作でよく使われます。

ただし、モール型やASP型のネットショップの場合は、プログラムは既に用意されているため、プログラミングの知識がなくても自作できます。

デザインの知識

ネットショップにおけるデザインとは、美しさや格好良さには限りません。UX(ユーザーエクスペリエンス)やUI(ユーザーインターフェース)といった、ユーザーにとって使いやすく、ストレスのない使用体験を提供するためのデザインの知見も求められます。具体的には、ネットショップのページの階層、ページ内のコンテンツの配置、ボタンの位置や大きさなどが、ターゲットのペルソナに合っていることで、ネットショップの使いやすさと収益性の高さに貢献します。

特にフルスクラッチ型やソフトインストール型でネットショップを自作する際は、一度UXとUIの基礎を学ぶことで、自信を持ってウェブ制作に取り組めるようになるでしょう。

ネットショップ運営の基礎知識

ネットショップを自作するためには、モール型やASP型のネットショップであっても、開店とその先を見据えた運営の基礎知識が必要です。開店はしたものの、ターゲットが定まらない、資金繰りや仕入れが間に合わない、必要な営業許認可を取得していない、決済方法がターゲットに合わないといった課題があると、スムーズなネットショップ経営が難しくなります。ネットショップの自作を始める前に、開店と運営に何が必要かを学び、ウェブページの構造設計やデザインに反映させることで、利便性や収益性の高いネットショップを作ることができます。

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ネットショップを自作するメリット

ここで、プロのウェブデザイナーに依頼してネットショップを作るケースと比較し、ネットショップを自作すること自体のメリットについても整理しておきましょう。

自由なデザイン、カスタマイズが可能

プロに依頼してネットショップを作る場合、機能やページ数によって料金が高くなる、細部にわたった変更がしにくい、開店後のページのアップデートやレイアウト変更にも料金がかかるといったデメリットがあります。これに対して自作する場合は、自由度の高さが大きな魅力です。

ロゴをあと10%拡大したいといったレイアウトの要望から、画像やテキストの差し替え、開店後のページの追加に至るまで、自作なら納得がいくまでこだわり抜くことができます。ただし、ASP型やモール型の場合は、テンプレートに従ったデザインを活用するケースが多く、大きなカスタマイズのためにはHTMLやCSSを使って手を加えることになります。とはいえ、最近は選べるテンプレートやフォーマットの種類も多く、選んで組み合わせていくだけでも、使い勝手が良くブランディング力のあるネットショップを作ることが可能です。

自分のペースで進められる

依頼手続きや打ち合わせなどの手間がなく、自分の都合次第でウェブ制作の作業を進めることができる点も自作のメリットです。開店後も、ネットショップを運営しながら隙間の時間などを有効活用してウェブページの改変ができるのは、自作ならではの強みといえます。

出店や販売にかかるコストが低い

出店のために莫大な予算を割くことなく、低コストでネットショップを開店できるのが自作のポイントです。プロに依頼してネットショップを作成する場合は、数十万円から数百万円ほどのコストがかかります。それに対して、フルスクラッチ型の自作なら、サーバーとドメインの取得費用だけでネットショップが開設可能です。初期費用が完全無料のASPを利用して開店し、購買成立後に販売手数料(決済手数料)のみがかかる、という仕組みを利用することもできます。有料プランで自作する場合も、商品ページ数、マーケティングに使えるオプションの数など、必要に応じてプランをアップグレードすると良いでしょう。

ネットショップを自作するデメリット

一方、ネットショップを自作することで起こり得るデメリットも、事前に十分検討しておく必要があります。自作方法によってもデメリットが異なるため、どのタイプを選ぶか、どのようにデメリットをカバーするかも整理してみましょう。

集客力がないので広告費や宣伝の手間が必要

フルスクラッチ型、ASP型、ソフトインストール型に共通する課題が、「集客力」です。これは、プロに依頼して作ったネットショップにもいえることですが、モール型のような知名度がないネットショップでは、開店して待っているだけではユーザーが流入せず、売り上げが出ません。

そのため、ネット広告、実店舗と連動した宣伝、ソーシャルメディアマーケティングやブログを使ったSEO対策、メディアへのアピールなどで、ネットショップの存在を消費者に知らしめる施策が必須です。

技術力や専門知識が必要

上級者向けの自作方法では、プログラミングやデザインのスキルや知識が必要です。しかし、ASP型やモール型なら全くの初心者でもネットショップを自作できます。ネットショップを運営しながら少しずつ専門知識を身につけていくことも可能なので、収益性の向上のための知識を蓄積していくことはデメリットとは言い切れないかもしれません。

サーバなどの保守運用が必要

自作のネットショップでは従来、サーバーの管理や運用が必須でしたが、現在、ASP型やモール型の場合はサーバー管理もサービスに含まれているため、ネットショップ側は何もする必要がありません。フルスクラッチ型とソフトインストール型では、サーバーの保守運用を自分で行う必要があります。

セキュリティー対策、デバイス対応が必要

安全なネットショッピングには欠かせないSSL(インターネット上の通信データの暗号化)対応など、セキュリティー対策もネットショップの自作の課題です。また、ユーザーはパソコン、タブレット、スマートフォンなど、さまざまなデバイスからネットショップにアクセスします。そのため、多様なデバイスに対応していないネットショップは利便性が低下するという問題があります。

これについては、フルスクラッチ型やソフトインストール型では自分で解決する必要があるものの、ASP型やモール型ではサービス側が対応済みであるため、個人が対応する必要がないのが現状です。

オープンまでに時間が必要

ネットショップを自作する際、制作にかける時間と開店スケジュールを決定しても、予定通りに進まないことがあります。その理由として、難しい自作方法を選んだ、細部にこだわりすぎて制作期間が長引いてしまったといったことが挙げられます。

これについては、無理のない自作スケジュールを設定する、時間がない場合は短時間で開店できるASP型を選ぶといった工夫をしてみましょう。

トラブルも自己対応が必要

ネットショップへのアクセスが急増してサーバーが落ちる、ネットショップがサイバー攻撃を受ける、サイトの設計ミスで個人情報が流出する、といったトラブルは、どんなネットショップにも起こり得るものです。ネットショップを自作する以上、こうしたトラブルも想定し、自分で対応することが求められます。

どんな事態にも対応できるよう、安定したレンタルサーバーを利用する、セキュリティー対策の充実したASPやモールを選ぶなど、事前に対策をしておきましょう。

以上のように、ネットショップの自作するためには、自分のスキルレベルに合う制作方法を選ぶことに加え、インターネット利用やセキュリティー、ユーザーフレンドリーなデザインなどの知識をアップデートしておくことも重要です。最近ではネットショップの自作に役立つ情報も入手しやすく、学んだことを経営に生かすことでお客様に高い価値を提供できるため、ぜひ学びを深めながらネットショップを自作の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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執筆は2021年8月24日時点の情報を参照しています。
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