美容師として経験を積み、「いつか自分の美容室を持ちたい」と考えるとき、大きな課題になるのが開業資金です。物件や内装にいくらかかるのか、自己資金はどの程度用意すればよいのか、融資を使えるのかなど、資金面の疑問は少なくありません。
この記事では、美容室の開業資金や費用の内訳、自己資金の考え方、資金調達の方法を解説します。開業までの流れや必要な手続きに加え、Squareの各種サービスを使った開業後の運営効率化も紹介します。
📝この記事のポイント
- 美容室の開業資金は、物件取得費、内装工事費、設備費、運転資金に分けて考える
- 美容室の開業で必要な自己資金に決まった金額はないが、参考データでは自己資金比率20〜30%程度
- 自己資金だけで足りない場合は、融資や自治体の創業支援制度などを組み合わせて検討する
- 居抜き物件や中古設備を活用し、内装・設備に優先順位をつけることで開業資金を抑えられる
- Squareならネット予約やキャッシュレス決済に加え、即時入金サービスや資金調達など開業後の資金繰りを支える機能が充実
目次
- 美容室の開業資金はいくら必要?
・開業費用の平均と美容室の目安
・美容室開業の自己資金はいくら必要? - 美容室の開業費用の内訳
・物件取得費
・内装・設備工事費
・美容器具・備品・材料費
・運転資金 - 美容師が独立するときの資金調達方法
・日本政策金融公庫や金融機関の融資
・補助金・助成金 - 美容室の開業資金を抑える方法
・居抜き物件や中古設備を検討する
・内装と設備に優先順位をつける
・運転資金は削りすぎない - 美容室開業までの流れと資金計画
・事業計画書を作成する
・物件を選び見積もりを集める
・資金調達をする
・物件契約と内装工事 - 美容室開業に必要な資格・手続き
・美容師免許と管理美容師
・保健所に美容所開設届を提出
・税務・労務の手続き
・消防署への手続き - いよいよ開業!美容室を成功させるコツ
・コンセプトをしっかり決める
・集客と販促活動に力を入れる
・接客とオペレーションに注意する - Squareで美容室開業をスムーズに!
- まとめ
- よくある質問
・美容室の開業には1,000万円必要ですか?
・美容室開業の自己資金はいくら必要ですか?
・美容師の独立資金が足りない場合はどうすればよいですか?
美容室の開業資金はいくら必要?

一般的に、美容室の開業には1,000万円ほど必要だといわれていますが、店舗の規模や立地、前の店舗の内装や設備が残っている「居抜き物件」か、内装や設備が撤去済みの「スケルトン物件」かによって大きく変わります。後者の場合、工事費がかさむ傾向があります。
開業費用の平均と美容室の目安
美容室は給排水設備やシャンプー台などが必要なため、一般的な事務所型ビジネスより初期投資が大きくなるケースがあります。日本政策金融公庫の「創業の手引+(美容版)」1に掲載されている総額1,000万円の創業計画例を見てみましょう。
| 費用項目 | 計画例 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 内外装工事 | 600万円 | 店舗の内装・外装 |
| 美容設備 | 70万円 | セット椅子3台、シャンプー台2台 |
| 什器・備品 | 100万円 | 店内で使用する什器など |
| 保証金 | 100万円 | 物件契約時の保証金 |
| 運転資金 | 130万円 | 消耗品や広告費など |
| 合計 | 1,000万円 | 設備資金870万円、運転資金130万円 |
実際に開業した事例からは、開業資金の増加傾向が伺えます。ビューティガレージが2024年5月から2025年4月までに開業を支援した美容室56件の集計では、平均開業費用は1,376万円、自己資金は406万円、借入金は970万円でした2。平均開業費用は前の年度と比べて約4%増えており、内装費や器具などにも物価上昇の影響が出ていることが伺えます。なお、自己資金比率は29.5%で、貯金だけではなくNISAや積立保険、株式投資などで資金を作って起業した人も多かったそうです。
美容室開業の自己資金はいくら必要?
美容室の開業で必要な自己資金に決まった金額はありません。前述のビューティガレージの統計や、日本政策金融公庫が過去にまとめた美容室開業に関する資料を参考にすると、20〜30%程度がひとつの目安といえます。
美容室の開業費用の内訳

美容室の開業費用は、(1)物件、(2)工事、(3)設備・備品、(4)運転資金に大きく分けて見積もりましょう。
| 費用項目 | 内容 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| (1)物件取得費 | 保証金、敷金、礼金、仲介手数料 | 立地や広さで変わる |
| (2)内装工事費 | 床、壁、電気、水回り工事 | 美容所の基準を満たす必要がある |
| (3)設備・備品費 | セット面、シャンプー台、タオルなど | 新品と中古のバランスを考える |
| (4)運転資金 | 家賃、材料費、広告費、人件費 | 数カ月分を確保しておく |
(1)物件取得費
店舗を借りる場合は、保証金・敷金や礼金、仲介手数料などが発生します。さらに、契約から開業までの期間にも家賃がかかる場合があります。美容所として必要な給排水や電気容量を確保できるかも確認が必要です。物件取得費を抑えたい場合は居抜き物件も候補になります。
(2)内装・設備工事費
内装工事は、美容室の開業費用で大きな割合を占める項目です。デザインだけでなく、給排水や電気、空調などの設備工事も予算に含めます。シャンプー台の位置を変えるだけでも配管工事が必要になることがあるため、早い段階で図面と見積もりを固めることが重要です。保健所や消防署の基準に合わず再工事にならないようしっかりと確認しましょう。
(3)美容器具・備品・材料費
セット椅子やシャンプー台のほか、ドライヤー、ワゴン、タオルなども必要です。カラー剤やシャンプーなど、開業時にそろえる材料費も見込んでおきましょう。設備は中古品やリースも検討できます。
(4)運転資金
運転資金には、家賃や材料費、人件費のほか、水道光熱費や広告費などが含まれます。来客数が安定するまでの期間を含めて確保しておきましょう。日本政策金融公庫の美容業向けの手引では、創業から半年程度は赤字が続くことを見込んで運転資金を用意するよう提案しています1。クレジットカードなどのキャッシュレス決済を導入するのであれば、決済代行会社の入金サイクルも検討事項に入れると、開業後の資金繰りにも役立ちます。
美容師が独立するときの資金調達方法

起業したいと考えながらも、「自己資金が足りないのでは」とためらう人は少なくありません。自己資金だけで美容室の開業費用をまかなえない場合は、外部からの資金調達を検討しましょう。
日本政策金融公庫や金融機関の融資
美容師が独立する際に検討できる資金調達方法に、日本政策金融公庫が提供する「生活衛生新企業育成資金」や、民間金融機関の創業融資があります。生活衛生新企業育成資金4は、生活衛生関係の事業を創業する人、または創業後おおむね7年以内の人が対象ですので、事業開始後にも利用できる融資制度です。振興計画認定組合の組合員かどうかによって、融資限度額などの条件が変わります。
補助金・助成金
国や自治体の補助金・助成金の利用も検討しましょう。たとえば国の制度では、小規模事業者持続化補助金<創業型>5があります。機械装置や広報、借料、委託・外注にかかる費用などが対象で、最大200万円(インボイス特例の要件を満たす場合は+50万円)の補助が受けられます。申請には、特定創業支援等事業による支援を受けていることなどの要件があるため、最新の公募要領を確認しましょう。
自治体が提供する助成金もあります。東京都中小企業振興公社の令和8年度「創業助成事業6」は、一定の要件を満たす都内の創業予定者や創業後5年未満の事業者などを対象に、賃借料や広告費、器具備品購入費などを助成する制度です。
美容室の開業資金を抑える方法

開業資金を節約する方法を紹介します。お客さまの満足度や快適さに配慮しながら、優先度の低い初期投資を減らしてコストを抑えましょう。
居抜き物件や中古設備を検討する
美容室の居抜き物件では、配管や美容設備を引き継げる場合があります。条件が合えばスケルトンから工事するより費用を抑えられます。状態の良い中古品やリースも選択肢に入れるとよいでしょう。
内装と設備に優先順位をつける
開業時から理想をすべて実現しようとせず、コンセプトに直結する内装や、施術品質に関わる設備を優先しましょう。セット面の数を将来増やす計画なら、最初は必要最低限の設備で営業し、予約数やスタッフ数の増加に合わせて追加することもできます。
運転資金は削りすぎない
オープン直後は、固定客が定着するまで売り上げが安定しない可能性があります。家賃や材料費、人件費などの支出を月単位で洗い出し、売り上げが計画を下回っても数カ月〜半年は営業を続けられるよう資金を残しておきましょう。
美容室開業までの流れと資金計画

美容室開業までに必要な手続きや作業を見ていきましょう。
事業計画書を作成する
事業計画書は、どのようなお客さまに何を提供する美容室なのかをまとめた計画書で、融資などの資金調達を行う際にも必要になります。以下のような項目を記入します。
- コンセプト:顧客ターゲットや提供サービス、美容室の方向性
- 投資計画:開業に必要な資金と調達先
- 損益計画:売上・利益目標、売上予測は「客単価×席数×回転数×営業日数」で考える
- 販促戦略:売上達成に必要な施策
物件を選び見積もりを集める
事業計画書で考えた、実現したい美容室を叶えるための物件を選定します。商圏の特徴や店舗前の人の往来や交通量、路面かビルの中かなどを考慮しましょう。内装業者にも現地調査を依頼し、電気や水道などの設備について意見を聞くのもおすすめです。
物件候補が決まったら、家賃と初期契約費用・工事費を見積もります。美容室は水回りの工事が大きくなりやすいため、契約前に設備条件を確認しておきましょう。この段階で保健所にも相談しておくと、構造設備の基準を踏まえてレイアウトを検討できます7。
資金調達をする
開業に必要なものの見積もりを集め、開業資金を試算します。自己資金で足りない場合には、出資を募る、補助金や助成金を利用する、金融機関からの融資を受けるなどの方法を検討します。借入れが必要な場合は、融資の見通しを確認しながら契約を進めるようにしましょう。
物件契約と内装工事
入居日や解約の条件、支払期限や支払い方法、原状回復などを確認し、物件の契約を行います。契約時には前家賃や敷金・礼金、仲介手数料、借主に連帯保証人がいない場合は保証料も必要になります。内装工事の費用には、デザイン・設計費、仮設・造作・建具などの工事費に加え、空調・電気・水道などの設備工事費が含まれます。
美容室開業に必要な資格・手続き

美容室開業に必要な資格や手続きをまとめました。いずれも時間に余裕を持って手配を進めましょう。
美容師免許と管理美容師
美容所のオーナー自身が美容師であることは必須ではありませんが、美容を業として行えるのは美容師です。東京都の基準では、美容師である従業者が常時2人以上いる美容所は、管理美容師を置く必要があります7。
管理美容師になるには、美容師免許取得後3年以上美容業務に従事し、所定の講習会を修了する必要があります。スタッフを雇って開業する場合は、人員計画と資格要件を早めに確認しましょう。
保健所に美容所開設届を提出
内装工事などを終えて店舗の準備が整ったら、構造設備が法令などの基準に適合していることの確認を受けてから営業を始めます。自治体によって必要書類はやや異なりますが、東京都保健医療局は管轄の保健所に「開設届」「構造・設備の概要(施設の平面図)」「従業者名簿と美容師免許証」「結核や皮膚疾患の有無に関する医師の診断書」などの提出を求めています7。届出から営業を始められるまでは1週間程度の時間がかかるため、余裕を持って提出しましょう。
税務・労務の手続き
個人事業主として開業する場合は、税務署への届出も必要です。「個人事業の開業・廃業等届出書」は開業した年分の所得税の確定申告期限までに提出しましょう8。青色申告を希望する場合は、別途「所得税の青色申告承認申請書」の期限にも注意してください。
また、従業員を雇う場合は労災保険や雇用保険などの手続きが発生します。労災保険は労働基準監督署、雇用保険は公共職業安定所で手続きを行います。
消防署への手続き
消防設備の基準を満たしているかを確認するために、消防署への手続きが必要となります。手続きは所在地によってやや異なりますが、たとえば東京消防庁の管轄では、「防火対象物使用開始届出書」を使用開始の7日前までに管轄消防署へ提出しなければなりません9。
また、建物の用途や規模、収容人数によっては、防火管理者を選任しなくてはならない場合もあります。内装工事の内容によっては、工事前に「防火対象物工事等計画届出書」が必要になるケースもあるため、保健所同様、必要な消防設備について工事の着工前に消防署へ相談・確認を行うことをおすすめします。
いよいよ開業!美容室を成功させるコツ

内装工事が終わり届出が済んだら、いよいよ開店の準備です。美容室を人気店にするためのポイントを紹介します。
コンセプトをしっかり決める
自店のコンセプトをしっかりと決めることは、美容室にとって欠かせません。ターゲットとするお客様の属性を想定し、「小さな子どもと一緒に行ける」「営業時間が長く仕事終わりでも行きやすい」などのコンセプトに沿ったサービスの特徴を決めましょう。
集客と販促活動に力を入れる
美容室の集客や販促に欠かせないのが、お店のウェブサイトやソーシャルメディアの活用です。開店までにはお店のウェブサイトやInstagram、Facebookをはじめとするソーシャルメディアでの情報発信、ショップカードやチラシなどで販促活動を行いましょう。特に写真や動画が中心のInstagramは施術の仕上がりを伝えやすく、美容室の販促におすすめです。発信から集客につなげられるよう、SNSの投稿からそのまま予約サイトにアクセスできる導線を作っておきましょう。
接客とオペレーションに注意する
お客様に「また来たい」と思ってもらえるよう、顧客管理台帳でカウンセリング内容を管理できる体制を整えておきましょう。快適な空間づくりには、雑誌や動画閲覧用のタブレットを席に配置するのもおすすめです。
キャッシュレス決済を導入すれば、クレジットカードやQRコード決済などに対応でき、現金の持ち合わせが少ないお客様も安心して利用できます。ネット予約機能のある予約システムがあれば、24時間予約を受け付けられるだけでなく、予約管理にかける手間を抑え、ダブルブッキングなどミス防止にもつながります。
Squareで美容室開業をスムーズに!

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開業直後は材料の仕入れなどで現金が必要になるため、キャッシュレス決済の入金サイクルも重要です。Squareのキャッシュレス決済は、月額固定費0円から始められ、必要なのは決済端末の購入費(4,980円〜)と、決済ごとにかかる決済手数料のみ。通常入金の振込手数料は無料で、三井住友銀行またはみずほ銀行の銀行口座なら決済日の翌営業日に、そのほかの金融機関では毎週金曜日に入金されます。さらに、入金額の1.5%の手数料ですぐに売上金を受け取れる即時入金サービスも利用できます。
Squareは、決済実績を積んだ一部加盟店を対象に、将来の売上金の一部を前払いとして受け取れる資金調達も提供しています。開業直後だけでなく、日々の経営の心強い味方になれるSquareの各種サービスを、ぜひ検討してみてください。
予約管理はSquareで
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まとめ
美容室の開業資金の目安は1,000万円前後とされていますが、居抜き物件や中古設備の活用で抑えることもできます。融資や創業支援制度も検討し、開業後の運転資金を含んだ資金計画を作りましょう。Squareのように入金サイクルが早いキャッシュレス決済を活用することも、資金繰りを考えるうえで有効です。
よくある質問

ここでは美容室の開業についてよくある質問をまとめます。
美容室の開業には1,000万円必要ですか?
店舗規模や物件の状態によって必要額が変わるため、必ず1,000万円必要というわけではありません。居抜き物件や中古設備を利用すれば初期投資を抑えられます。
美容室開業の自己資金はいくら必要ですか?
一律の基準はありませんが、参考データでは自己資金比率20〜30%程度が一つの目安です。
美容師の独立資金が足りない場合はどうすればよいですか?
日本政策金融公庫や民間金融機関の融資、自治体の補助金・助成金などを検討できます。物件や工事の見積もりを集め、事業計画書を作成して資金の不足分を計算してみましょう。
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執筆は2026年8月26日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。

