実店舗の​開業に​必要な​資金額は​いくら?​ 開店・運営の​各コストを​計算しよう

店舗開業に​かかる​資金を​計算するには、​まず、​店舗ビジネスには​どんな​コストが​発生するかを​把握しておく​必要が​あります。​開店と​運営の​二つの​フェーズに​分けて​店舗に​必要な​資金を​予測しておけば、​無理なく​店舗開業の​計画を​立てる​ことが​可能です。​併せて、​開店資金の​準備方法に​ついても​考えて​おきましょう。

目次


店舗の​「開店に​かかる​費用」とは?

店舗開業までの​フェーズでは、​店舗物件、​設備、​許認可、​その他と、​大きく​分けて​四つの​領域で​資金が​必要です。​領域ごとに、​必要な​資金を​一項​目ずつ検討してみましょう。

A. 店舗物件

店舗用の​物件を​借りる​際に​発生する​費用には、​以下のような​ものが​あります。​不動産情報サイトなどで​店舗物件を​探す場合、​掲載されている​毎月の​賃料から​各項目の​金額を​計算し、​必要資金を​導き出す​ことができます。​表内に​ある​かかる​費用の​相場は​首都圏などの​例で​あり、​地方部などでは​これより​安い​資金で​済む可能性が​高い他、​物件の​状態などに​より​例外も​あります。

jp-blog-funds-build-your-store store

店舗物件の​初期費用の​うち、​保証金​(敷金)は​原則と​して​退去時に​戻ってくる​お金です。​ただし、​賃料の​未払いや​物件の​破損などが​あった​場合は、​それに​かかった​費用を​保証金から​差し引いた額が​返却されます。​退去の​際は、​店舗に​施した​内装などを​全て​入居前の​通りの​スケルトン状態に​戻す​必要が​あり、​その工事資金は​自前で​用意する​ことになると​覚えて​おきましょう。

前の​借主が​同業者で、​内装や​設備を​そのまま残して​ある​物件を​「居抜き物件」と​呼びます。​例えば​飲食店の​居抜き物件なら、​自分で​新たに​厨房設備や​空調設備、​テーブルなどを​調達する​必要がなく、​スケルトン物件と​比較して、​低コストでの​店舗開業が​可能な​ため非常に​人気が​あります。

また、​地域に​よっては​本契約の​前に​気に入った​物件を​押さえておく​ための​一時金と​して、​手付金​(申込金)を​不動産会社が​預かる​ケースも​あります。​手付金は​1万円から​賃料1カ月分程度である​ことが​ほとんどですが、​手付金が​必要と​言われた​場合は、​本契約または​キャンセル後に​返却されるかを​確認し、​その旨が​明記された​受領証を​必ず​もらいましょう。​なお、​東京都では​手付金を​要求しないように​指導を​しています。

上の​表に​したがって​店舗物件の​取得に​必要な​資金額を​計算すると、​以下のようになります。

【例:月額賃料20万円の​店舗物件】

  • 造作譲渡料あり​(居抜き物件/飲食店)​ 約130万〜600万円
  • 造作譲渡料なし​(スケルトン物件)​ 約80万〜300万円

このように、​店舗物件の​初期費用の​最低額と​して、​スケルトン物件の​場合で​賃料の​4カ月分から​15カ月分程度を​用意しておく​必要が​あります。

不動産会社や​物件オーナーに​よっては、​「3カ月フリーレント​(賃料無料)」​「礼金ゼロ」​「仲介手数料0.5カ月分」などの​キャンペーンや​サービスを​実施している​場合も​あります。​初期費用と​長期的に​かかる​費用の​両方を​考慮した上で、​店舗物件の​契約時に​必要な​資金を​計算してください。

B. 設備

打ちっぱなしの​コンクリートが​剥き出しの、​シンプルな​箱のような​スケルトン物件を​借りる​ことを​想像してみると、​店舗開業までに​必要な​設備の​イメージが​湧きやすくなります。​居抜き物件の​場合は、​譲り受ける​設備などの​費用は​前述の​「造作譲渡料」に​計上し、​それ以外に​新たに​揃える​ものと​必要な​資金を​考えてみましょう。

jp-blog-funds-build-your-store equipment

飲食店の​場合、​厨房設備と​して​エスプレッソマシンや​フライヤー、​製氷機、​作業台、​食器洗浄機などが、​美容院では​シャンプー台や​セット椅子などの​購入資金が​必要です。​多くの​設備は、​新品と​比較して​中古品は​半額程度で​販売されている​他、​月額制の​リースも​あるので​店舗開業資金を​抑える​ために​検討してみては​いかがでしょうか。

上の​表に​従って​合計した​数字が、​店舗の​設備の​ための​必要資金と​なります。

【例:15坪の​飲食店の​設備費/居抜き物件】

  • 新品什器など​購入の​場合 約700万〜1,000万円
  • 中古什器など​購入の​場合 約400万〜700万円

【例:15坪の​飲食店の​設備費/スケルトン物件】

  • 新品什器など​購入の​場合 約850万〜1,600万円
  • 中古什器など​購入の​場合 約550万〜1,300万円

これらの​例は​いずれも​専門業者に​施工を​依頼した​場合の​金額です。​資金額に​よっては、​壁の​塗装や​タイルなどの​内装は​DIYで​仕上げて​施工費を​節約するなど、​時間や​手間を​賢く​使ってみましょう。

C. 許認可

飲食業に​必要な​食品衛生責任者や​防火管理者の​資格など、​保健所などの​行政機関で​資格や​許認可を​得る​必要が​ある​ケースでは、​受講料や​申請料が​かかります。​物件や​設備の​ための​資金ほど​高額にはならない​ものの、​必要資金の​リストに​加えて​おきましょう。

jp-blog-funds-build-your-store permission

受講料・申請費用は​各自治体で​異なります。​その他の​業種・業態で​店舗開業に​必要な​許認可や​資格に​ついても​確認の​上、​申請料などを​必要資金と​して​計画して​おきましょう。

D. ​その他

店舗開業の​ために​ウェブサイトや​ネットショップを​開設する​場合、​デザイン会社に​依頼して​作って​もらうと​制作料が​発生し、​最小限の​機能の​サイトでも​10万〜50万円ほど​かかります。​十分な​資金が​ない​場合は、​テンプレートを​使用して​自分で​ウェブサイトを​作ると​いう​方法も​検討してみては​いかがでしょうか。​いずれの​場合も​運営費と​して、​ドメイン利用料​(年間1,000円前後)、​サーバー利用料​(年間1万円前後)​などが​かかります。

また、​店舗開業に​合わせて​専用車の​購入が​必要な​場合も、​開業資金に​含めて​計算して​おきましょう。​車両に​ロゴや​店名、​連絡先を​載せるなどすれば、​宣伝の​役割も​果たします。

jp-blog-funds-build-your-store other

店舗の​「運営に​かかる​費用​(運転資金)」とは?

店舗物件、​設備、​許認可と​いった​開店に​かかる​費用と​並んで、​仕入れ費用や​家賃、​宣伝費など​毎月の​店舗の​運営に​かかる​費用に​ついても​必要資金を​計算します。​運営に​かかる​費用を​意味する​「運転資金」には、​以下のような​項目が​あります。

jp-blog-funds-build-your-store runbusiness

飲食店の​場合、​一般的に​食材の​仕入れ費、​人件費、​家賃の​合計​(FLR比率)が​売り上げの​65%から​70%以内である​ことが​望ましいと​されています。​店舗の​坪数、​客単価、​回転率、​価格帯などから​売り上げ目標を​立て、​そこから​仕入れ費用や​人件費と​して​必要な​金額を​設定すると​資金計画が​立てやすくなります。

この他、​出張などが​ある​ビジネスの​場合は​移動交通費、​災害や​非常事態に​備える​ための​災害対策費、​接待などの​交際費、​月々の​返済が​必要な​融資などが​ある​場合は​返済額も、​店舗の​運転資金の​一部と​して​計算しておくと​良いでしょう。

店舗開業後に​かかる​月々の​運転資金が​明らかに​なったら、​開業時点で​運営の​ための​資金と​して​用意しておくべき金額を​導き出します。​開業直後の​時期は​店舗の​知名度の​低さから​集客が​難しい​可能性も​ある​ため、​売り上げ目標に​到達しない​月も​出てくる​ことを​考え、​余裕を​持って​資金を​準備しておく​ことで、​経営を​スムーズに​する​ことができます。​飲食店や​美容院などでは​「運転資金の​6カ月分」、​それ以外の​業種では​「運転資金の​3カ月分」の​資金を​目安と​して​用意する​ことで、​不足分を​補うようにします。

【例:月々の​運転資金50万円の​店舗が​開業時に​用意する​資金】

50万円×6カ月=300万円

業種に​より、​最適な​運転資金の​計算方法を​確認し、​資金不足で​ビジネスの​立ち上げに​つまずく​ことがないよう​備えましょう。​業種に​よっては、​これより​低額の​運転資金で​まかなえる​ケースも​あります。

店舗開業に​かかる​資金の​合計額は?

ここまでに​登場した表の​Aから​Eの​金額を​合計した​ものが、​店舗開業に​必要な​資金と​なります。​表の​空欄に​金額を​記入し、​計画に​必要な​資金額を​導き出してみましょう。

【例:家賃20万円で​15坪​(居抜き物件)の​飲食店に​必要な​開業資金】

 A(130万円)+B(400万円)+C(3万4,000円)+D(0円)+E(300万円)
=783万4,000円

あくまでも​この​金額は、​首都圏などに​店舗物件を​借り、​内装施工を​全て​専門業者に​委託する​開業ケースに​おける​必要資金の​平均額です。​地方部など​賃料が​安い​エリアで​開業する、​あるいは​時間を​かけて​自分の​手で​内装の​施工作業を​するなどすれば、​数十万から​数百万円の​開業資金の​節約も​不可能では​ありません。​また、​中古品の​什器や​備品などには​思わぬ低価格の​掘り出し物が​見つかる​こともある​ため、​ぜひ上手に​活用し、​資金計画の​プラスに​しましょう。

jp-blog-openstore02

店舗開業の​資金の​準備

店舗の​開業に​必要な​資金額を​計算したら、​貯金などの​自己資金と​照らし合わせ、​不足分の​資金を​無理なく​調達する​方法を​考えましょう。​代表的な​資金調達には、​以下のような​方法が​あります。

  • 銀行融資​(要返済)
  • 商工会議所、​地方自治体を​通じた​融資​(要返済)
  • 各省庁、​地方自治体に​よる​補助金、​助成金、​支援金​(返済不要)
  • クラウドファンディング​(返済不要)

資金調達が​必要なのは​開業の​タイミングだけでは​ありません。​設備が​故障したり、​追加の​仕入れが​必要に​なったりと、​急な​出費が​発生する​場合も​あれば、​新商品の​開発や​2店舗目の​出店など​事業拡大に​資金が​足りない​場合も​あるかもしれません。​そのような​事態に​備えて、​資金調達サービスも​提供している​ビジネスソリューションを​検討してみましょう。​たとえば、​Squareなら​キャッシュレス決済から​資金調達まで、​ビジネスオーナーを​サポートする​多彩な​サービスを​提供しています。

カンタンで​スピーディーな​資金調達

お申し込みは​オンラインで​簡単、​面倒な​書類提出は​不要。​お申し込みから​入金まで​最短4日。​速くて​簡単な、​ビジネスの​新しい​選択肢です。

開業資金の​節約には​Square!

各処に​細かく​気を​配らないと​開業資金は​あっと​いう​間に​膨らんでしまいます。​できるだけコストを​抑えるには、​いかに​節約できる​ポイントを​見つけられるかが​重要に​なってきます。

たとえば​以下の​ツールは​店舗を​はじめる​際には​なるべく​揃えて​おきたい​ものでしょう。

これらを​すべて​揃えるとなると​サービスに​よって​導入費用や​維持費用が​予想以上に​高く、​「しょうがない、​手書きで​管理するか」などと​泣く​泣く​導入を​諦めてしまう​人も​いるかもしれません。​Squareなら、​キャッシュレス決済端末を​除いて​すべて​無料で​導入・利用する​ことができます​(※)。

※一部​有料機能​あり

jp-blog-flash-disc-t2

キャッシュレス決済端末の​導入費用や​月額利用料も​Squareなら​従来のように​躊躇してしまうような​金額ではなく、​端末に​よっては​数千円で​導入可能、​月額利用料は​決済ごとに​かかる​手数料のみです。

導入するには​無料アカウントを​作成して、​決済端末を​手に​入れるだけ。​導入までの​流れが​煩わしくないのも、​ばたばたしてしまう​開業時には​うれしい​点かもしれません。

実店舗から​ネットショップまで​カバーできる​Squareのような​包括的な​サービスを​導入する​ことは、​コスト削減だけでなく、​一定の​作業を​自動化でき、​日々の​店舗運営に​かかる​負担を​減らすことにもつながります。​まずは​無料アカウントを​作成して、​使い勝手を​肌で​感じてみるのが​一番かもしれません。

店舗開業前の​コスト計算と​資金調達方法を​入念に​検討する​ことで、​開業準備中や​開業直後に​ビジネスが​息切れしてしまう​ことを​未然に​防ぎ、​健全な​店舗運営が​可能に​なります。​夢を​形に​してお客さまに​愛される​店舗に​育てていく​ために、​綿密な​資金計画を​立て、​必要に​応じて​計画の​見直しも​忘れずに​行いましょう。


Squareの​ブログでは、​起業したい、​自分の​ビジネスを​さらに​発展させたい、と​考える​人に​向けて​情報を​発信しています。​お届けするのは​集客に​使える​アイデア、​資金運用や​税金の​知識、​最新の​キャッシュレス事情など。​また、​Square加盟店の​取材記事では、​日々​経営に​向き合う​人たちの​試行錯誤の​様子や、​乗り越えてきた壁を​垣間見る​ことができます。​Squareブログ編集チームでは、​記事を​通して​ビジネスの​立ち上げから​日々の​運営、​成長を​サポートします。

執筆は​2020年1月18日​時点の​情報を​参照しています。​2024年3月​1日に​記事の​一部情報を​更新しました。​当ウェブサイトから​リンクした​外部の​ウェブサイトの​内容に​ついては、​Squareは​責任を​負いません。​Photography provided by, Unsplash