は​じめての​ネットショップ開業、​流れや​ポイントを​わかりやすく​解説

最近では​​生鮮食品や​​酒類から​​、​洋服や靴、​​手作りの​​アクセサリーまで、​​インターネット上で​​多種多様な​​商品・サービスが​​手に​​入るようになりました。​​店舗で​お客さまから​​「オンラインで​​注文できますか?」と​​聞かれる​​ことも​あるでしょう。​販売機会を​増や​すためにも​​ネットショップを​​開きたいけれど、​​どこから​​手を​​付けて​よいのか​分からないと​​いう​​事業者も​​多いかもしれません。
​今回は​​ネットショップと​実店舗の​違いや、​ネットショップを​​開業する​​メリット・デメリット、​​開業までの​​流れ、​ショップ運営の​基礎知識を​​詳しく​解説します。

目次


ネットショップと​​実店舗との​​違い

そもそも​​ネットショップと​​実店舗だと、​​どのような​​違いが​​あるのでしょうか。​​以下の​​表から​​見ていきましょう。

項目 実店舗 ネットショップ
営業時間 決められた時間内で営業 24時間365日営業
接客 必要 不要
購入の決め手 商品を見たとき、試着・試食・試飲したときの印象、商品POP、店員の説明 写真や​動画、​説明文、​口コミ
商品数の制約 店頭に置ける商品数に限りがある 掲載する​商品数に​制約が​ない
質問・不明点の解消方法 店員にその場で聞く メールや​電話で​連絡する
意見の聞きやすさ 来店時に直接聞ける 対面で​意見を​聞けない
開店にかかる初期費用 ・物件取得費用
・内装・外装の工事費用
・備品などの諸費用
サイトの​構築・開設費用
店舗維持コスト ・家賃・人件費
・水道光熱費
など
・決済手数料代
・月額利用料金
・倉庫費用
など

同じように​​商品を​​販売していると​​いっても、​​店舗と​​ネットショップでは​​これだけの​​違いが​​あります。​なかでも​​ネットショップは、​​お客さまが​サイトに​​アクセスさえすれば、​​時間も​場所も​制限を​受ける​ことなく​販売機会を​創出できる​点が​大きな​特徴です。​店主が​眠りに​​ついている​​深夜​3時でも、​外国に​いる​ときでも、​ユーザーが​好きな​ときに​自分で​購入手続きを​とる​ため、​営業場所も​営業時間も​関係なく​売り上げを​​生み出せる​​ところが​​大きな​​メリットと​​いえるでしょう。​​一方、​​お客さまとの​直接の​つながりや​​交流を​重視する​販売形態の​場合は​​、​実店舗の​​ほうが​​有利と​いえます。

開業までに​かかる​時間

​準備から​​開店までに​​かかる​​時間は​ネットショップが​数日~1週間程度、​​実店舗では​2カ月~数カ月と​大きく​異なります。

実店舗は、​店舗に​最適な​場所探しから​始めます。​その後、​物件の​契約手続き、​店舗の​設計・改装、​商品の​ディスプレイ、​管理体制の​構築などに​数カ月かかるでしょう。​一方、​ネットショップでは、​ネットショップの​システムを​比較検討して​サービスを​決定し、​システムを​導入するだけで​開業できます。​早ければ、​数日〜1週間程で​販売を​始められるでしょう。

ただし、​Amazonや​楽天市場のような​モール型ECでは​出店審査が​あり、​出店が​決まった​後に​開店の​ための​審査も​発生します。​出店決定までに​1~2週間、​開店の​審査に​1週間程度かかる​場合も​あります。​出店審査申し込みから​ショップオープンまで、​最低でも​2~3週間程度は​かかるでしょう。

開業に​かかる​費用

ネットショップと​実店舗では、​開業に​かかる​費用が​大きく​異なります。

実店舗を​始める​際には、​店舗を​借りる​費用・工事費用・什器代・レジ周りの​機器代などが​発生します。​また、​商品の​仕入れ代や​人を​雇う​場合は​人件費も​かかる​ため、​数百万~数千万の​資金準備が​必要です。

ネットショップの​場合は、​インターネットの​空間に​ショップを​作ります。​ネットショップの​運用システムに​支払う​初期費用や​通信関連費用、​商品の​仕入れ代、​発送用の​梱包用品などの​備品代、​パソコンや​スマートフォン・カメラなど、​数万~数十万円あれば​ショップの​開店が​可能です。

この​ため、​初期費用を​抑えたい​ケースでは、​ネットショップが​開業しやすいと​いえるでしょう。​ネットショップは​集客に​時間が​かかり、​売れ出すまでに​時間が​かかる​ケースが​多いです。​初期費用だけでなく、​ショップが​軌道に​乗るまでの​間も​月額利用料や​販売手数料​(システム利用料)​などが​かかる​ことを​意識して​おきましょう。

もし、​初期費用や​月々かかる​費用を​抑えたい​場合は、​売り上げの​決済手数料だけで​運用できる​ネットショップの​システムの​検討を​おすすめします。

次に、​​ネットショップを​​開業する​​メリット・デメリットを​​見ていきましょう。

ネットショップ開業の​​メリット

ここでは​​ネットショップに​​あって、​​実店舗に​​ない​​メリットを​​三つ​紹介します。

低コストで​始める​ことができる

​ネットショップを​​開業する​​最大の​​メリットは、​​初期費用・固定費用を​​低く​​抑えられる​​点でしょう。​​実店舗の​​場合、​​物件の​​敷金・保証金、​​内装・外装に​​かかる​​工事費用に​​加え、​​什器や​​消耗品などを​​揃えると​​それなりに​​費用が​​かかります。​​開業前に​​金融機関から​​資金調達する​​事業者も​​少なく​​ありません。

ネットショップの​​場合、​​パソコンや​​インターネット環境の​​準備、​​商品を​​撮影する​​カメラ、​​独自ドメインの​​取得費用や​​システム利用料、​​サイトの​​構築費用などが​​かかりますが、​​実店舗に​​比べて​​初期費用は​​圧倒的に​​低く​​抑えられます。

維持費や​​人件費を​​抑えて、​​売上アップを​​狙える

週に​​7日間、​​朝から​​晩まで​​店舗を​​オープンしようとしたら​​複数の​​従業員を​​雇い、​​品出しや​​接客に​​あたる​​必要が​​あります。​​営業時間が​​長ければ​​長くなる​​ほど、​​光熱費や​​人件費がかさみます。​​一方、​​ネットショップの​​場合、​​24時間オープンしているので​​お客さまは​​深夜や​​早朝など​​好きな​​タイミングで​​購入できるうえ、​​システムを​​整えて​​おけば​​事業主一人で​​運営する​​ことも​​可能です。​​このように​​維持費や​​人件費を​​抑えながら​売上アップが​​期待できるのは​​大きな​特長と​いえます。

実店舗に​​足を​​運べなかった​​層にも​​リーチできる

実店舗だと、​​客層は​​店舗まで​​足を​​運べる​​人に​​絞られがちです。​​「興味は​​あるけれど​​遠くて​​行けない……」と​​いう​​お客さまに​​商品を​​届けられない​​ことに、​​歯痒さを​​感じている​​店舗オーナーも​​いるかもしれません。​​スマートフォンさえ​あれば​​アクセスできる​​ネットショップを​​開けば、​​あなたの​​お店は​​「いつでも、​​誰でも​​行ける​​店舗」に​​変わります。​​全国発送にとどまらず、​​海外への​​発送も​​可能に​​すれば、​​全世界の​​お客さまに​​商品を​​届ける​​こともできます。​​リーチできる​​客層が​​広がる​​ことは、​​売上アップに​​も​​つながります。

東京都渋谷区に​​ある​​フェイシャルトリートメント専門店美肌室ソラは、​​サロン専売の​​スキンケア商品を​​販売する​ネットショップ​(※)を​​開いた​​ことで、​​遠方の​​お客さまと​​も​​つながれるようになったと​​話します。

※美肌室ソラでは、​​Squareの​​ネットショップ機能を​​使いネットショップを​​開設しています。​​導入事例は​​こちらから​​読む​ことができます。

「沖縄とか​​北海道とか、​​遠くからの​​方にも​​買って​​もらえるようになりました。​​その方は、​​まだ美肌室ソラに​​訪れた​​ことがない​​方なんです。​​それでも​​商品の​​販売を​​通じて、​​やりとりが​​できるようになりました。​​これは、​​すごく​​メリットが​​ある​​ことだと​​感じています」ー美肌室ソラ店主 舘山信子さま

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ネットショップ開業の​デメリットと​対策

維持費や​​人件費に​​膨大な​​コストを​​かける​​ことなく、​時間や​場所の​制約も​受けずに​​売上アップが​​期待できる​​ネットショップですが、​メリットばかりでは​ありません。​​しっかりと​結果を​出していく​​には​​ネットショップの​特徴を​とらえたうえでの​対策が​必要です。

周知と​集客に​​力を​入れる

世界中、​​あるいは​​全国の​​人が​​お客さまに​​なりえるのは​​事実である​​ものの、​そもそも​ネットショップの​​存在を​​知って​​もらわなければ、​​商品の​​魅力を​​伝える​​ことは​​難しいでしょう。​実店舗と​異なり、​ショップを​オープンしただけでは、​誰からも​見つけて​もらう​ことは​できないのです。

SNSでの​​発信は​​もちろんの​​こと、​​広告機能を​​活用したり、​​ブログなどで​共感を​呼ぶコンテンツを​増や​したりと、​​ネット上での​​存在感を​​発揮していく​​ことが​​重要です。

お客さまとの​​つながりを​工夫する

実店舗で​​あれば、​​お客さまからも​​店員からも​​気軽に​​声を​​掛け合える​​環境が​​整っています。​​​常連客に​​ちょっと​​した​​サービスを​​してみたり、​​今後入荷予定の​​商品に​​ついてお伝えしたりなど、​個々の​お客さまに​合わせた​​接客もしやすいでしょう。

一方​​ネットショップでは、​​お客さまの​​顔を​​見る​​こともできなければ、​​会話を​​交わす​こともないまま、​​商品の​​受け渡しだけが​​行われます。​​なかには​​お客さまとの​​つながりを​​見出しにくいと​​感じる​​人も​​いるかもしれません。​​お客さまと​​接点を​​持つためには、​​商品を​​発送する​​際に​​「よかったら​SNSも​​フォローしてください」と​​手書きの​​メッセージを​​添えてみるなど、​​再び来店して​​もらう​​ための​​工夫が​​一層​大切に​​なります。

価格競争に​​巻き込まれない​付加価値を​つける

商品を​​選ぶうえで、​​価格を​​重視する​​人は​​少なく​​ありません。​​潜在顧客が​​たく​​さんいたとしても、​​目当ての​​商品が​​ほかで​​​安く​​販売されていれば、​​そちらで​​購入を​​決めてしまうかもしれません。

アクセス数は​​ある​​程度​あるのに​​なかなか​​売り上げに​​つながらない​​場合は、​単なる​価格競争から​脱出する​魅力を​もたせた​付加価値を​いかに​つけるかを​考え、​マーケティングや​商品開発、​プロモーションに​力を​入れる​必要が​あります。

ネットショップ開業サービスの​​種類

ネットショップと​​一口に​​言っても、​​さまざまな​​開業方法が​​あります。​​ここでは、​​(1)ショッピングモール型、​​(2)ショッピングカート​(ASPカート)、​​(3)ECパッケージシステムの​​3種類に​​ついて​​紹介します。

(1)ショッピングモール型

ショッピングモール型は、​​モール型ECとも​​呼ばれています。​​簡単に​​いえば、​​アマゾンや​​楽天市場、​​Yahoo!ショッピングなどの​​インターネット上の​​ショッピングモールに​​出店を​​する​​ことです。​​これらの​​サービスを​​普段の​​買い物で​​利用している​​人も​​多いのではないでしょうか。

現実の​​デパートや​​大型の​​商業施設と​​同じように、​​インターネット上の​​ショッピングモールには​​毎日​​膨大な​​数の​​利用者が​​やってきます。​​すでに​​利用者に​​信頼されている​​ショッピングモール上に​​出店する​​ことに​より、​​集客を​​事業者​自身が​​行わなくても​​済むと​​いう​​利点が​​ある​​一方で、​​出店料・手数料が​​比較的高い、​​競合他社が​​多く​​価格競争に​陥りやすい​などの​デメリットも​​あります。

【メリット】

  • ショッピングモール自体に​​圧倒的な​​集客力が​​ある
  • ​自社で​​ネットショップを​​立ち上げる​​必要が​​ない

【デメリット】

  • 出店料、​​販売手数料、​​システム利用料などの​​手​数料が​​高い
  • 競合他社が​​多い​​場合、​​価格競争になる​​可能性が​​ある
  • 出店審査が​​ある
  • 顧客情報を​​自社で​​管理できない

(2)ショッピングカート​(ASPカート)

ショッピングカートや、​​ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)​​カート、​​ショッピングASPは、​​ネットショップの​​構築に​​必要な​​システムを​​クラウド上で​​提供する​​サービスを​​指しています。

登録費用や​​月額費用を​​支払う​​ことで、​​ネットショップの​​開設・運営に​​必要な​​システムを​​利用できます。​​初心者でも​​簡単に​​使えるように​​デザインされている​​システムが​​多く、​ウェブサイト構築の​専門知識がなくても​商品や​​値段などの​​情報を​​画面の​​指示に​​従って​​登録していくだけで​​ネットショップを​​開業できるのが​利点です。

代表的な​​サービスには、​​Square オンラインビジネス、​​BASE、​​STORES、​​Shopifyなどが​​あります。

自社で​​サーバーなどを​​用意する​​必要がなく、​​費用が​​比較的安く​​抑えられ、​​手軽に​​始められる​​点が​​特徴です。​​一方、​サービスに​​よっては​​デザインの​カスタマイズが​難しい、​​登録できる​​商品数に​​制限が​​ある、​​商品が​​売れる​​度に​​手数料が​​かかる​場合が​ある​ため、​​業態や​​売上規模に​適した​サービスを​選択する​必要が​あります。

【メリット】

  • 初期費用・固定費を​​低く​​抑えられる
  • サービスに​​よっては​​無料ではじめられる
  • 初心者でも​​短期間で​​ネットショップを​​立ち上げられる
  • 顧客情報を​​自社で​​管理できる
  • ブランドや​​お店の​​個性に​​合わせて​​カスタマイズできる

【デメリット】

  • 自社で​​ネットショップを​​開設・運営する​​必要が​​ある
  • 集客を​​自社で​​行う​​必要が​​ある
  • サービスに​​よっては​​商品登録数など​​機能に​​制限が​​ある

(3)ECパッケージシステム

ECパッケージシステムは、​​ネットショップの​​構築・運営に​​必要な​​機能一式が​パッケージに​​なっている​​ソフトウェアです。​​​ショッピングカート​(ASPカート)​より​​機能が​​豊富で、​​拡張や​​カスタマイズにも​柔軟に​対応できる​​点が​​特徴です。

高機能で​​自由度が​​高い分、​​ショッピングカートに​​比べて​​かなり​​コストが​​掛かります。​​ネットショップに​​大きく​​投資を​​したい、​​ある​​程度の​​売り​上げが​​見込める、​​きめ細かい​サービスを​​ネットショップの​​お客さまに​​提供したいなどの​​場合に​検討すると​よいでしょう。

代表的な​​サービスと​​しては、​​ecbeing、​​EC-ORANGE、​​EC-CUBEなどが​​あります。

【メリット】

  • ネットショップの​​運営に​​特化した​​機能が​​パッケージ内に​​含まれている
  • 拡張性が​​高く、​​豊富な​​機能を​​追加できる
  • ブランドや​​お店の​​個性を​​より​​自由に​​表現できる

【デメリット】

  • 初期費用や​​固定費の​​負担が​​大きい
  • ウェブサイト制作の​​専門知識と​​スキルが​​必要
  • 自社で​​ネットショップを​​開設・運営する​​必要が​​ある
  • 集客を​​自社で​​行う​​必要が​​ある

ネットショップ開業までの​​流れ

ネットショップは​​実店舗に​​比べて​開業費用などの​​負担が​​少ない​​ことから、​​副業や​​兼業と​​して​​の​開業を​考えている​​人も​​いるかもしれません。​​ここでは、​​ネットショップ開業までの​​流れを​​おさらいしてみましょう。

扱う​​商品を​​決める

まずは、​​販売する​​商品・サービスを​​決めましょう。​​もうすでに​​実店舗を​​経営している​​事業者なら、​​ここは​​スキップを​​しても​​いい​段階です。​​ネットショップで​​販売できるのは​​有形商材だけでは​​ありません。​​ギターの​​オンラインレッスン、​​パーソナルトレーニングの​​チケットなどの​​無形商材の​​販売に​​ネットショップを​​利用する​​ことも​​可能です。

また、​​飲食店の​​デリバリーや​​テイクアウト商品の​​販売なども​​可能です。​​お客さまとの​​接触を​​最低限に​​減らしつつ、​​電話で​​注文を​​取る​​必要が​​ないため、​​従業員の​​負担を​​減らせます。

ここで​​注意して​​おきたいのは、​​販売する​​商品に​​よっては​​販売許可が​​必要な点です。​​販売許可の​​取得には​​数か​​月かかる​​場合も​​あります。​​事前に​​どんな​​許認可が​​求められるのか​調べて​​おきましょう。​詳しくは、​「ネット販売に​​必要な​​許可は​​?​​届出先や​​申請方法を​​商品別に​​解説」でも​紹介しています。

ショップの​​コンセプトを​​決める

実店舗と​​同様に、​​ネットショップにも​​コンセプトが​​必要です。​​どのような​​商品や​​サービスを​​提供するのか、​​どんな​​お客さまを​​ターゲットに​​するのか、​​どの​​価格帯で​​販売するのか、​​他の​​ネットショップに​​負けない点は​​どこかなどを​​考えながら、​​コンセプトを​​決めていきましょう。​​他の​​ネットショップや​​ブランドを​​参考に​​してみても​​良いかもしれません。

ネットショップでは​​お客さまと​​直接会話が​​できない分、​​デザインや​​文章で​​コンセプトを​​伝える​​必要が​​あります。​​たとえば、​​同じ​​野菜と​​いう​​商材を​​扱う​​ネットショップでも、​​「農家が​​丹精込めて​​作った​​季節の​​野菜」を​​会員向けに​​定期配送する​​お店と、​​「野菜嫌いの​​子どもでも​​飲める​​野菜ジュース」を​​メインに​​販売する​​お店では、​​商品数、​​集客方法、​​配送方法などが​​まったく​異なります。

システムを​​決める

販売する​​商品と​​コンセプトが​​決まったら、​​次は​​システムを​​決める​​段階です。​​前述の​​通り、​​ネットショップの​​開業には​​さまざまな​​方法が​​あります。

高い​​集客力の​​ある​​ショッピングモール型、​​初心者にも​​優しい​​ショッピングカート​(ASPカート)、​​自由度の​​高いECパッケージシステムと、​ネットショップの​運営システムの​特徴を​踏まえ、​​商材と​​コンセプト、​​そして​​予算に​​合った​​システムを​​選びましょう。

選ぶシステムに​​よって、​​初期費用と​​ランニング費用の​​負担に​​大きな​​差が​​出てきます。​​初期費用だけで​​決めずに、​​月額利用料金などの​​固定費、​​販売手数料や​​決済手数料などの​​取引に​​かかる​​手数料も​​合わせて​​比較しながら​​決めましょう。​​これらの​運用費が​​後々​​大きな​​負担になる​​ことも​​ありえます。

また、​​どんな​​機能を​​利用したいのかも​​ここである​​程度明確に​​して​​おきましょう。​​野菜を​​会員向けに​​定期配送する​​お店なら、​​会員登録機能が​​必要に​​なるでしょう。​​飲食店の​​テイクアウト用の​​ネットショップなら、​​ネットショップと​​POSレジの​​データを​​連携して​​おきたい​​ところです。​​商品の​​バラエティで​​勝負する​​ネットショップなら、​​商品登録数に​​制限が​​ない​​システムが​​向いていると​​いえます。​​ケータリングの​​オーダーを​​受け付ける​​ための​​ネットショップなら、​​問い​​合わせフォーム機能が​​付いていると​​お客さまには​​親切です。

決済方法を​​決める

どんな​​機能を​​利用したいのかを​​明確に​​する​​段階で、​​決済方法も​​決めて​​おきましょう。​​システムに​​よって​​提供している​​決済方法が​​異なります。​​また、​​他社の​​決済サービスとの​​連携が​​必要な​​場合も​​あります。

ネットショップに​​導入できる​​決済方法と​​しては、​​クレジットカード決済、​​オンライン銀行決済、​​キャリア決済、​QRコード決済、​​ID決済、​​電子マネー決済​​後払い​​決済​などが​​あります。​​​事業に​必要な​決済方法が​提供されている​システムか​どうかを​確認して​おきます。​​また​​あわせて、​各決済方法の​​決済手数料は​​必ず​確認して​​おきましょう。

キャッシュレス決済のなかでも​クレジットカード決済は、​​店舗での​​支払いでも、​ネットショッピングでも​​、​広く​浸透している​決済手段です。​​決済方法が​合わないために​お客さまを​取り逃す​ことのないよう、​ニーズを​考慮しながら決済方法を​決めていきます。

配送方法を​​決める

いつでも​どこでも​購入できるだけでなく、​商品の​受け取り方も​​多様化しています。​​配送業者を​​利用して​お客さまの​​登録住所に​​届けるのは​​もちろんの​​こと、​​ネットショップで​​購入して​​店舗で​​詳しく​説明して​もらいながら受け取る​​ケースも​あります。​大型​家具などは​​​配送先で​組み立てを​​行う​​場合も​​あります。

どんな​​配送方法を​​設定するのか、​​​配送料と​併せて​検討しましょう。​​希望の​​配送方法が​​ない​​場合、​​お客さまが​​他の​​ネットショップに​​流れてしまう​​ことも​​考えられます。​​同業他社の​設定を​参考に​するのも​よいでしょう。

集客方法を​​決める

商品、​​コンセプト、​​システム、​​決済や​配送方法が​​決まったら、​​集客方法を​​考える​​段階です。​​SEO対策は​​もちろんの​​こと、​​最近では​SNSを​​使った​​集客も​​ネットショップには​​欠かせないと​​いえます。

日本国内で​​人気の​​ある​SNSには、​​Facebook、​​Twitter、​​YouTube、​​Instagram、​​LINE、​​note、​​Tik Tokなどが​​あります。​SNSごとに​​特徴が​​あり、​​利用する​​層も​​異なります。​​また、​​最近では​​Instagramの​​ショッピング機能のように、​SNSで​​見た​​商品を​​そのままスマートフォンで​​手軽に​​購入したいと​​いう​​層も​​増えています。

手広く​いろいろな​SNSで​​発信するのも​​一つの​​方法ですが、​​個人や​​少人数で​​ネットショップを​​運営している​​場合、​​​SNSに​​使える​​時間が​​限られています。​​ネットショップの​​コンセプトや​​ターゲットに​​合わせて​​使う​​​SNSを​​絞るのも​​手です。

広告宣伝に​​予算を​​割ける​​場合は、​​インターネット広告や​​動画広告を​​出す​こともできます。​すでに​​実店舗を​​運営していて​​顧客リストを​​持っている​​場合は、​​メールマガジンや​​ダイレクトメールも​​有効な​​手段です。

商品を​​登録する

ネットショップの​​概要が​​見えてきたら、​​最後は​​商品の​​登録です。​​商品の​​登録は​​新商品が​​入荷する​​度に​​発生する​​作業ですが、​​最初の​​商品登録が​​一番​時間が​​かかるかもしれません。
特に​​商品数が​​多い​​ネットショップでは、​​商品登録を​​代行してくれる​​業者を​​利用する​​ケースも​​あるようです。

商品登録は​​商品名と​​価格の​​登録だけでは​​ありません。​​商品や​​サービスの​​説明や​​画像は​​もちろんの​​こと、​​たとえば​​野菜を​​定期配送する​​お店なら​​野菜の​​美味しい​​食べ方や​​おすすめの​​レシピ、​​野菜ジュースの​​お店なら​​実際に​​飲んだ​​お客さまからの​​感想などを​​載せる​​ことで、​​お客さまの​​購入意欲を​​刺激できます。

画像などを​​見て​​直感的に​​お買い物を​​する​​お客さまも​​いれば、​​ネットショップに​​掲載されている​​情報を​​つぶさに​​チェックして​​熟考した上で​​購入する​​お客さまも​​います。​​なるべく​​豊富な​​画像と​​情報を​​掲載するようにしましょう。

開業届を​提出する

個人で​ネットショップを​開業する​場合は、​「個人事業の​​開業・廃業等届出書」を​管轄の​税務署に​提出しましょう。​これは、​事業を​開始から​1カ月以内に​提出する​ことが​定められています。

開業届を​出すメリットは、​確定申告時に​青色申告が​できる​点です。​開業届を​提出しなくても​罰則は​ありませんが、​開業届を​出しておいた​ほうが​節税効果が​高まります。

青色申告を​する​場合、​開業届と​同時に​「所得税の​青色申告承認申請書」も​提出しておく​必要が​あります。

ネットショップを​開業する​際の​注意点

ネットショップを​開業する​際には、​法律などで​定められた​ルールを​守る​必要が​あります。​ルールを​守って​ショップを​運営する​ことが、​顧客からの​信頼に​つながります。

「特定商取引法に​基づく​表記」の​記載が​必要

特定商取引法では、​通信販売や​訪問販売など、​トラブルに​なりやすい​取引に​おいて、​消費者を​守る​ための​ルールが​定められています。
ネットショップも​特定商取引法の​対象で​あり、​主に​下記の​事項を​サイト内に​記載しなくては​なりません。

  • 販売業者の​名称・代表者か​通信販売の​業務責任者の​氏名・住所・電話番号
  • 販売価格​(送料、​ラッピングや​オプションなどの​価格に​ついても​表示)
  • 代金の​支払い方法・​支払い​期限、​商品の​引渡時期・期間
  • 返品・キャンセルに​ついて
  • 瑕疵担保責任に​ついて​特約が​ある​場合は​記載
  • 販売数量の​制限等の​条件が​ある​場合は​記載

特定商取引法に​違反した​場合は、​業務停止命令や、​懲役や​罰金などの​罰則を​伴います。​加えて、​法改正に​より​2022年6月以降は、​注文を​確定する​前の​段階で、​商品の​分量・販売価格・​支払い​時期などの​6項目を​お客さまが​簡単に​確認できるように​表示する​ことが​求められています。​詳しくは、​「ネットショップ運営で​​知っておくべき特定商取引法を​​わかりやすく​​解説」でも​説明しています。

許可や​資格の​取得が​必要な​ことも

ネットショップは​「何でも​自由に​売れる」イメージが​あるかもしれませんが、​販売する​ものに​よっては​法的な​規制が​かかります。​また、​システム提供会社が​独自ルールで​禁止している​場合も​あります。
ネットショップで​取り扱う​商品が​決まったら、​仕入れを​する​前に、​下記を​確認して​おきましょう。

  • 取り扱いに​資格や​許可が​必要ではないか
  • その商品の​取り​扱いが​法律や​規制で​どうなっているか
  • カートシステムの​規約に​違反しないか

<主な​取り扱い商品と​必要な​資格・許可>

取り扱い商品・カテゴリ 必要な資格や許可
通信販売酒類小売業免許
食品 食品衛生法に基づく営業許可
中古品 古物商許可
化粧品 ・化粧品製造販売業許可
・化粧品製造業許可
マッサージ器、コンタクトレンズなど ・高度管理医療機器
・管理医療機器

これ以外にも、​医薬品の​販売には​実店舗が​必要ですし、​健康食品に​関しては​複数の​法令に​注意しなければいけないなど、​商品に​よって​資格や​許可を​取得するまで​長期間かかる​ケースが​あります。

輸入関税が​かかる​こともある

ネットショップで​販売する​ために、​海外から​仕入れる​ケースも​あります。​輸入した​商品には、​基本的に​関税が​かかり、​関税は​輸入した​人が​支払う​税金です。​販売を​目的と​した​商品を​輸入した​場合に​かかる​関税に​ついてみていきましょう。​まず、​課税の​対象と​される​課税価格は、​商品代・送料・保険の​合計です。​個人の​使用目的で​輸入した​ものとは​課税対象も、​税率も​異なるので​注意が​必要です。

販売を​目的と​した​輸入の​場合は、​課税価格に​関税率を​かけて​計算されます。​関税率は​輸入品や​国に​より​非常に​細かく​分類されています。​専門的な​知識が​必要になる​ため、​自分で​輸入申告書を​作成する​場合は、​正確な​税番と​関税率の​税関への​確認が​必要です。

輸入額が​少額の​場合は、​簡易税率が​用いられる​ケースが​あります。​簡易税率は​商品に​よって、​無税~20%までの​6区分と​アルコール飲料の​3区分に​なっており、​商品に​応じた​税率が​適用されます。​課税価格が​1万円以下の​場合は、​関税は​かかりません。​例外と​して、​革製の​カバン、​手袋、​靴など​免除の​対象にならない​ものも​あります。

確定申告が​必要になる​ケースも

個人事業主や​個人の​場合、​1月1日から​12月31日までの​所得を​計算し、​所得に​応じた​所得税を​申告、​納税するのが​確定申告です。
所得は、​売り上げから​経費を​差し引いた​ものです。​ネットショップを​副業で​行っている​人は​所得が​20万円を​超えた​場合、​確定申告が​必要に​なります。

青色申告の​届出を​している​場合は、​最大65万円の​控除を​受けられます。​青色申告の​場合は​赤字でも​確定申告して​おきましょう。​赤字を​3年間​持ち越せる​ため、​翌年黒字に​なれば​相殺できます。
青色申告の​届出を​していない​場合は、​自動的に​白色申告に​なります。

ネットショップを​経営する​うえでの​ポイント

ネットショップは​手軽に​始められるだけに、​無計画に​出店すると​利益が​出ずに​悩むことに​なりかねません。​事前に、​仕入れや​販売戦略、​資金繰りなどの​計画を​しっかり​立て、​ネットショップの​運営に​ついても​勉強を​して​おきましょう。

事前に​利益計画を​立てる

ネットショップを​始める​際に、​利益計画を​立てておきましょう。​「売り上げ」​「費用」​「利益」を​具体的な​数字で​考え、​目標を​設定します。​何を​どれくらい​売れば​いいのか、​仕入れは​どれくらいの​金額で​行うべきかを​計画しましょう。

また、​ショップで​商品が​売れても、​実際に​入金されるまでには​期間が​空きます。​決済方法や、​出店モールに​より​その期間は​異なる​ため、​入金の​タイミングの​確認と、​入金されるまでの​資金繰りに​ついても​考えておく​必要が​あります。

在庫を​仕入れ過ぎない

ネットショップ開業当初に、​大量に​仕入れるのは​避ける​方が​無難です。​売れずに​在庫に​なってしまう​ケースが​考えられる​ためです。

まず、​在庫は​倉庫内で​場所を​取ります。​そして、​資金を​大量仕入れに​つぎ込んだ​ために、​次の​仕入れが​できないと​いう​ケースも​考えられます。​そして、​売り切る​ために、​値段を​下げざるを​得ない​状態に​なってしまえば、​利益が​確保できず​赤字になる​可能性すら​起こります。

長期在庫に​なるのを​避ける​ために、​商品は​様子を​見ながら仕入れましょう。​在庫を​少なくして​商品の​回転率を​上げる​方法が​効率的です。​一定数の​売り​上げが​あり、​売れる​数量の​見通しが​立ってからの​大量仕​入れが​安心な方法と​いえるでしょう。

炎上リスクの​ある​表現は​避ける

ネットショップの​商品説明や​価格、​メルマガなどには​十分に​注意が​必要です。​打ち間​違いや​過大な​表現の​ために​炎上してしまうと、​ショップの​信用にも​傷が​つくだけでなく、​お客さまとの​信頼関係の​回復に​大変な​時間と​努力が​必要に​なります。

事実とは​異なるうそや​大げさな​表現は​景品表示法で​禁止されています。​合わせて、​注意すべきは、​「価格のけた​間違い」​「クーポンなどの​利用条件・値引き率の​間違い」などです。​また、​読んだ​人が​不快な​気持ちに​なるような​表現にも​注意が​必要です。

チェックリストを​作成したり、​複数人での​チェックを​したりするなど、​うっかり​ミスや​意図しない​表現の​ミスを​予防する​対策を​取って​おきましょう。

リピーター獲得の​工夫を​する

ネットショップでは​集客が​売り上げに​直結する​ポイントです。​その中でも、​購入歴の​ある​人は​あなたの​ショップの​商品が​どのような​ものか、​サービスは​どうかを​よく​知ってくれている​お客さまです。​そうした​お客さまが​ショップの​ファンに​なって​もらう​工夫を​しましょう。

まず、​迅速な​発送は​好感度の​高い​ポイントです。​商品の​梱包は​丁寧に​行うのは​言うまでも​ありませんが、​手書きの​お礼状を​添えるなど、​ショップ運営者の​人と​なりが​感じられるような​コミュニケーションも​ファンづくりには​有効です。​また、​商品発送時に、​リピーター用の​割引クーポンを​同梱するなど、​次の​購入を​促す施策を​行うと​いう​方法も​あります。

メルマガで、​お客さまと​コミュニケーションを​取ると​いうのも​一つの​方法です。​ただし、​お客さまに​とって​有意義でない​メルマガは​登録解除される​原因にもなります。​良質な​情報と​タイムリーな​メルマガの​配信に​より、​サイトまで​来て​もらうきっかけを​作りましょう。

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実店舗に​​比べて​​開業の​​ハードルが​​低い​​ネットショップですが、​​利用する​​システムに​​よっては​​高額な​​コストが​​かかる​​ことも​​あります。​​「ネットショップで​​どれくらい​​利益が​​出せるか​​分からない」​「個人事業主なので​​簡単に​​できる​​ものが​​いい」​「実店舗も​​経営してるので、​​負担を​​増や​したくない」などの​​場合、​​Square オンラインビジネスが​​おすすめです。

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執筆は​2020年11月30日​時点の​情報を​参照しています。​2024年6月24日に​記事の​一部情報を​更新しました。​当ウェブサイトから​リンクした​外部の​ウェブサイトの​内容に​ついては、​Squareは​責任を​負いません。​Photography provided by, Unsplash