飲食店でキャッシュレスを導入するメリットとは

クレジットカードや電子マネーなどキャッシュレス決済で支払われる額が年々増加しています。そんな中、店舗でキャッシュレス決済を導入する前に、具体的なメリットを知りたいと考える飲食店経営者も少なくないかもしれません。

飲食店ではテーブルごと、あるいはお客様ごとに会計をするため、一日の中で従業員がレジに立つ回数も多いでしょう。会計の件数が多ければ、キャッシュレス決済を取り入れた際の変化も感じやすいです。今回は飲食店でキャッシュレス決済に対応するメリットを紹介します。

参考:キャッシュレスの現状と推進(経済産業省)

目次



キャッシュレス決済とは

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キャッシュレス決済とは、現金以外の手段で決済することを指します。具体的には、クレジットカードや電子マネーQRコードなどでの支払いが挙げられます。また、代引きやプリペイドカード、デビットカードでの支払いもキャッシュレス払いといえます。

日本では新型コロナウイルス感染症の拡大や経済産業省の「キャッシュレス・ポイント還元事業」などの影響を受け、少しずつキャッシュレス決済が広まっています。

現金払いよりキャッシュレス決済を好む人も少しずつ増えており、消費者庁の2020年の調査によると、以下のような点をキャッシュレス決済のメリットとして感じているそうです。

  • 支払いが簡単・迅速に行える(72.3%)
  • 割引やポイントなどの特典が得られる(68.6%)
  • 現金を持ち歩く必要がなくなる(59.2%)
  • ATMで現金をおろす必要がなくなる(41.2%)
  • 現金に触れる必要がない、飲食店でも衛生的に支払いができる(37.0%)
  • 買い物時の状況に応じて決済手段を使い分けられる(26.1%)
  • 持ち歩いている金額以上の買い物ができる(23.1%)
  • 支払履歴が分かり、お金の管理がしやすい(22.8%)
    など

参考:​​[参考・令和2年12月(確報)]キャッシュレス決済に関する意識調査結果(消費者庁)

飲食店でのキャッシュレス決済に関する調査(20代から60代までの男女が対象)では、飲食店での支払いは「キャッシュレス派」と答えた人が半数以上もいた、という結果が出ています。今後増え続けるであろうキャッシュレス決済の利用には、早いうちに対応し慣れておくことが大切だといえるかもしれません。

参考:飲食店におけるキャッシュレス決済の利用実態と意向調査(首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳の男女対象)(2019年4月18日、株式会社リクルートライフスタイル)

キャッシュレス決済の種類

キャッシュレス決済といえばクレジットカード決済を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、近年ではさまざまなキャッシュレス決済方法が誕生しており「どのキャッシュレス決済方法に対応しておくべきか?」と迷う飲食店も少なくないでしょう。ここでは近年よく利用される三つのキャッシュレス決済方法を紹介します。

クレジットカード決済

日本人にとって最も親しみ深いのはクレジットカード決済かもしれません。

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クレジットカード決済は、決済額が後日引き落とされる支払方法です。手持ちの現金が足りなくても支払いができ、比較的高額の決済がしやすいことから、店舗側としては客単価のアップが期待できます。また、ポイントが貯められるなど、現金決済にはない特典に惹かれてクレジットカード決済を好んで使う消費者も多いようです。

基本的にはカードを決済端末に差し込む、あるいはタッチ決済対応のカードなら決済端末にかざすだけで支払いが完了します。

電子マネー決済

電子マネー決済とは、電子データを利用して取引を行う決済方法です。たとえば事前にチャージをしたICカード、あるいはクレジットカード・銀行口座と紐づけたスマートフォンアプリを通じた決済などが電子マネー決済のくくりに入ります。基本的にはスマートフォン、あるいは専用カードを決済端末にかざして決済します。

例:Suica、PASMO、iD、QUICPayなど

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QRコード・バーコード決済

QRコード・バーコード決済は文字通り、QRコードやバーコードを利用し決済を行う方法です。具体的にはお客様が専用アプリから店舗用のQRコードを読み取り金額を入力する、あるいはお客様のアプリに表示されたバーコード・QRコードを店員が専用端末から読み込むことで決済が完了します。中国で広く親しまれている決済方法で、日本では最近広まりはじめたばかりの決済方法です。

例:PayPay、LINE Pay、楽天ペイなど

飲食店でキャッシュレス決済を導入する五つのメリット

飲食店でキャッシュレス決済を取り入れる、具体的なメリットを見ていきましょう。

1. 集客につながる

支払い方法の選択肢が増えることは、それまで店舗を利用していなかったお客様が訪れるきっかけになるでしょう。希望する決済方法が使えれば、お客様がお店を選ぶ際に候補として挙がりやすくなるかもしれません。

また、初めて入る飲食店では、手持ち金額で足りるかどうか不安を感じるお客様もいるでしょう。「入ってみようかな」という気持ちが湧いたとしても、支払いに不安を感じれば、諦めて他のお店に行ってしまうかもしれません。

そんなとき、その場で現金の持ち合わせがなくても支払いができるキャッシュレス決済が使えれば、安心して店舗を利用できます。

キャッシュレス決済は、新規のお客様が店舗を訪れるきっかけの一つになり得るのです。

2. 会計がスムーズになる

現金での支払い時には、お客様に合計金額を伝え、現金を受け取り、お釣りとレシートを渡すという手間が発生します。

1回1回の会計に時間がかかると、ランチタイムや繁忙期などの忙しいときには店舗全体のオペレーションが乱れる原因にもなります。

キャッシュレス決済では、お客様がお金を数えて渡したり、従業員がお釣りを返したりという手間がなくなります。スムーズな会計によって、混雑時にも他のお客様をお待たせすることが少なくなり、サービスの向上につなげられるでしょう。

3. 客単価が上がる

キャッシュレス決済を導入することで、飲食店では「ついで注文」の増加が期待できます。手持ちの現金を心配することなく注文ができるため、「あと一品」を気軽に注文するお客様もいるでしょう。また、予定していたメニューよりワンランク上のメニューを選ぶ人もいるかもしれません。

「ビールと枝豆」「ビーフシチューとバゲット」など、相性の良いメニュー同士を紹介したり、メニュー表やメニューボードを工夫したりすることもおすすめです。

「顧客単価を上げるアップセリング、クロスセリングとは?」の記事もぜひ参考にしてみてください。

4. レジ締め作業が楽になる

キャッシュレス会計が増えると、閉店後のレジ締め作業が楽になります。現金を数え、売り上げと差異があればその原因を探らなければならないレジ締め作業は、時間も手間もかかります。

キャッシュレス決済を導入すると、1日の終わりにレジに入っている現金が少なくなり、レジ締め作業が楽になるでしょう。レジ締め作業にかかる時間が減れば、人件費の削減にもつながります。多額の現金を店舗に置かないため、防犯効果も期待できます。

5. 衛生面でも安心

不特定多数の人が触っている現金には目には見えないものの、無数の細菌が付着しているものです。最近では感染症の影響もあり、「できれば現金に触れたくない」と考えるお客様も少なくありません。少ない人数で運営している飲食店では、会計後に調理を行うこともあるため、現金に触れる度にアルコール消毒をしたり手を入念に洗ったりする必要があるかもしれません。

キャッシュレス決済なら現金を手に取る必要はありません。決済はお客様がスマートフォンやクレジットカードを決済端末にかざすだけで完了するため、現金払いの衛生面における心配や手間を減らすことができるでしょう。

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飲食店でキャッシュレス決済を導入する三つのデメリット

客単価アップや会計時間の短縮など、飲食店にとって望ましい効果が期待できるキャッシュレス決済。ただし覚えておきたい弱点もいくつかあります。

1. 導入や運営に費用がかかる

キャッシュレス決済端末の導入や維持にはある程度のコストがかかります。これらのコストは決済サービスによって大きく異なるので、予算に合わせて導入するサービスを検討することが大切です。

たとえばSquareなら導入にかかるのは端末代金のみ。月額利用料金のような維持費はかからず、発生するのは決済ごとの手数料のみです。

決済サービスによっては導入費用だけで数十万円、月額費用は数万円ほどかかることもあるので、まずは予算の面から自店舗に適した決済サービスを絞ってみるのもいいかもしれません。

2. 決済手数料が発生する

現金決済とキャッシュレス決済で大きく異なる点といえば、決済手数料が発生するところでしょう。決済手数料も、導入・運営コストと同様に決済サービスごとに差が生まれる点です。たとえば、クレジットカードの決済手数料の相場は大体3%台から6%台です。Squareなら3.25%でキャッシュレス決済を受け付けることができます。決済手数料について詳しくは以下のリンクをご確認ください。

»»Squareの決済手数料について««

3. 入金サイクルが資金繰りに影響することも

クレジットカード決済の弱点として、現金決済のように売上額がその場で手に入らないことを挙げる人もいるかもしれません。入金サイクルは長ければ長いほど、資金繰りに影響します。

以前までは「当月締め、翌月末入金」などの長い入金サイクルが多くの決済サービスで採用されていましたが、近年では月に4回の入金など、より短い入金サイクルを取り入れる決済サービスも増えてきました。Squareなら最短翌営業日振込なので、現金と近い感覚で売上額を手に入れることができます。

飲食店でキャッシュレス決済方法を選ぶ際の注意点

キャッシュレス決済方法といっても種類がたくさんあって、とりあえずクレジットカード決済に対応しておけばいいのか、それとも一通りのキャッシュレス決済方法に対応しておくべきなのか……などは悩みどころかもしれません。ここでは特に重要視したい点を三点を紹介します。

利用者が多い決済方法を選ぼう

キャッシュレス決済のメリットを受けるためにも、利用者の多いキャッシュレス決済方法を導入することが大切です。すでに飲食店を経営している場合は、よくお客様から「使えますか?」と聞かれるキャッシュレス決済方法からまず導入しておくといいかもしれません。

株式会社リクルートライフスタイルの調査によれば、飲食店で支払経験のあるキャッシュレス決済として最も人気が高かったのはクレジットカード(79.1%)でした。次に多かったのは交通系電子マネー、次いで交通系以外の電子マネーが票を集めていました。

参考:飲食店では「キャッシュレス派」が52.9%で「現金派」を上回る 今後の利用意向は「キャッシュレス派」が78.8% 「ポイントやキャンペーンなど特典が魅力」が51.9%(株式会社リクルートライフスタイル、2019年4月18日)

どの決済方法が幅広く利用されているかを知るには、インターネットに公開されているこのような調査結果を参考にしてみるのも一つの手かもしれません。

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出店地域や客層を考慮する

飲食店のある地域は地方なのか、都市部なのか、若年層、あるいは高齢者が来店客の多くを占めているのか、など店舗の特徴によって、よく利用されるキャッシュレス決済方法は異なるものです。

たとえば都市部だとキャッシュレス決済に慣れている人も多く、複数のキャッシュレス決済を使いこなすお客様もいるでしょう。地方だと、まだ使い慣れていないキャッシュレス決済方法もあるかもしれません。また、指定したキャッシュレス決済の利用で特典が受けられるようなキャンペーンを実施している自治体もあり、エリアによっては推奨されているキャッシュレス決済方法を積極的に使う人もいるかもしれません。

このように地域特有の性質なども踏まえて決めていくといいでしょう。

平均客単価を参考にする

何時に来店しても1,000円で食べられるメニューが売りなのか、あるいは客単価が1万円を超えるコースメニューを提供しているのか、客単価によってもお客様が利用するキャッシュレス決済方法は変わってくるでしょう。

楽天インサイト株式会社の調査では、1,000円未満で利用するキャッシュレス決済として「スマホ非接触決済」や「カード型電子マネー」など、気軽に使えるキャッシュレス決済手段が大きな割合を占めていました。クレジットカード決済に関しては、1,000円未満で利用する割合は1割程度、9割は1,000円以上の決済に使っていたことが発表されていました。

参考:『キャッシュレス決済を最も利用する人の理由は「ポイントが貯まり、使えるから」が約8割。「ポイント還元制度」終了後であってもキャッシュレス決済を利用したい人は7割超』キャッシュレス決済に関する調査(2020年7月2日、楽天インサイト株式会社)

このように自店舗での平均客単価を踏まえたうえで、需要がありそうなキャッシュレス決済方法を見極めていくのもいいかもしれません。

Squareでキャッシュレス決済を導入しよう!

前章ではどのキャッシュレス決済方法が自店舗に向いているかを見極めるポイントを三つ説明しましたが、Squareなら一つのキャッシュレス決済方法に絞る必要はありません。

Squareで提供している決済端末なら、たった1台で複数のキャッシュレス決済方法に対応することができます。利用可能なカードブランドやQRコード電子マネーと決済手数料は以下にある通りです。

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選べる4種類のキャッシュレス決済端末

Squareではどの決済端末を導入した場合も初期費用は端末代金のみ、月額利用料金はかかりません。それぞれの特徴も簡潔に見ていきましょう。

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Square リーダー

Square リーダー(税込4,980円)は、スマートフォンやiPadなどのタブレットと組み合わせて利用するモバイル決済端末です。無線なのでテーブル会計やイベント出店時など、さまざまな場面で使うことができます。

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▲カジュアルビストロのさんぱち食堂ではSquare リーダーを利用

Square ターミナル

タブレットを持っていない、レシートプリンターも用意したい、という飲食店におすすめなのは、POSレジもレシートプリンターも搭載されたSquare ターミナルです。端末代金は税込39,980円なので、タブレット・レシートプリンター・決済端末を個別で揃えるよりもコストを抑えられる可能性があります。Square リーダーと同様、無線なので、テーブル会計も難なく行えます。

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▲クラフトコーラ専門店の伊良コーラではSquare ターミナルでオールキャッシュレスを実現

Square レジスター

Square レジスター(税込84,980円)は、スタッフ用タッチスクリーンとお客様用決済画面の2画面を搭載する据置型の決済端末です。Square POSレジがあらかじめインストールされているため、電源を入れたらすぐにSquareのさまざまな機能が使えます。お客様用決済画面には注文商品と金額が表示され、合わせて、暗証番号の入力やカードの挿入・読み取り、QRコードの表示なども可能です。

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Square スタンド

Square スタンド(税込29,980円)は、決済機能が内蔵されたiPad用のレジスタンドです。画面部分が180度回転するので、お会計内容をPOSレジに入力しお客さま側にくるっと回すと、「お客様専用ディスプレイ」に瞬時に切り替わります。お客様専用ディスプレイでお会計内容を確認したら、内蔵された決済端末を利用してお客様自身の手でキャッシュレス決済が可能です。

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売上額の入金は最短翌営業日。振込手数料など入金に際して手数料は一切かかりません。さらに無料のSquare POSレジ(iOSとAndroid対応)もしくはSquare レストランPOSレジ(iPad対応)をダウンロードすれば、オーダーエントリーシステムもで使えます。まずは無料アカウントを作成し、加盟店審査を受けるところからはじめてみましょう。

▼以下もご参考ください:

お客様の立場に立ったとき、「快適な支払いができること」はお店を選ぶポイントの一つになるでしょう。また、店舗にとってもキャッシュレス決済を導入することで、売り上げアップにつなげることができます。飲食店経営者にとってもメリットが多いキャッシュレス決済。この機会にぜひ検討してみてかいかがでしょうか。

お会計をすべてSquareで

決済受付、商品登録、価格設定、業務管理など、1台ですべてに対応できる「Square レジスター」。POSレジ搭載で、箱から出してすぐに使えます。お客さま用とスタッフ用の2画面が、スピーディーなお会計を実現します。


執筆は2018年6月7日時点の情報を参照しています。2024年4月3日に記事の一部情報を更新しました。現時点では、タクシー・ハイヤー等での電子マネー決済のご利用はできません。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash