賃貸物件のオーナーにとって、家賃の集金は重要な業務の一つです。これまでその方法は銀行口座からの引き落としか、オーナーへの直接振り込みが中心でしたが、最近では家賃のクレジットカード払いが新たな選択肢として広まっています。
この記事では、家賃のクレジットカード払いが増えている背景や、オーナーにとってのメリット、クレジットカード決済の導入方法や注意点、簡単に始められるサービスを解説します。
目次
- 家賃のクレジットカード払いが増えている理由
- 家賃集金を口座振替ではなくクレジットカード決済にするメリット
- 賃貸でクレジットカード決済を導入する方法
- 家賃集金にクレジットカード決済を導入する際の注意点
- 家賃の集金には決済サービスのSquareがおすすめ!
- まとめ
家賃のクレジットカード払いが増えている理由
クレジットカード払いを受け付けている賃貸物件が増えている背景には、大きく二つの要因があります。それが、キャッシュレス決済の普及と利便性の高さです。
キャッシュレス決済の普及
ここ数年、政府によるキャッシュレス推進の取り組みもあり、現金以外の手段を利用する機会がますます増えています。実際に、JCBが2023年に行った調査によると、普段何らかのキャッシュレスを利用している人の割合は94%に達することが判明しました。
なかでも特に多いのがクレジットカードの利用です。同調査によると、クレジットカードの保有率は87%にのぼるうえ、保有者は月の生活費の43%をクレジットカードで支払っているなど、クレジットカードが日常的な決済手段として定着していることがわかります。
家賃の支払いも例外ではありません。最近では不動産物件検索サイトなどでも「家賃クレジットカード払い可の賃貸物件」の特集が組まれるなど、クレジットカード決済という選択肢が広まりつつあります。
口座振替と同じメリットを得ながら、さらに便利(導入や管理が簡単)
家賃の支払い方法としてもっとも一般的な口座振替ですが、クレジットカード払いに比べて開始まで手間や時間がかかるのが難点です。口座振替を始めるには、まず入居者が口座振替依頼書に必要事項を記入し、それを金融機関や収納代行会社などに提出しなければなりません。提出後、引き落としが始まるまでには1〜2カ月程度かかります。
一方、クレジットカード決済の場合は、最短で手続きの当日に家賃の自動引き落としを開始できます。また、口座振替と同様に全入居者からの入金日を統一できるのはもちろん、方法によっては全員の支払い状況を1か所で可視化できるため、管理も簡単です。
家賃集金を口座振替ではなくクレジットカード決済にするメリット
ここからは、家賃をクレジットカードで集金するメリットを見ていきましょう。
手続きに時間がかからない
家賃のクレジットカード決済は、口座振替と比べて手続きが非常にスピーディーで簡単です。家賃の口座振替は開始までに1〜2カ月程度かかる一方で、クレジットカード決済なら入居者の支払い情報を登録するだけで、家賃の定期請求を始められます。また口座振替の場合、実際に引き落としが始まるまでは銀行振込などで対応しなければならず、その間の管理が煩雑になりますが、クレジットカード決済ならその心配はありません。
支払いの滞納や未払い防止になる
家賃の集金に関して直面するトラブルは、滞納や未払いではないでしょうか。クレジットカード決済を導入することで、家賃の滞納や未払いを防止できます。また、口座振替では、申し込み手続き時の印鑑相違や記入漏れ、口座の残高不足などの理由で集金がスムーズにいかないことも考えられます。このようなリスクはクレジットカード決済で改善が可能です。
さらに、クレジットカード決済は退去費用の支払いに利用できる場合もあります。修繕などの原状回復費が入居時の敷金でカバーできない場合、超過分を退去者に請求することがあります。その金額が高額になることも珍しくないことから、退去費用をクレジットカードで支払えるのは入居者にとって利便性が高いといえます。
アピールポイントが増え空室対策になる
クレジットカード決済を導入すれば、入居者にとっては家賃の支払い方法の選択肢が広がるため、顧客満足度の向上にもつながります。また日本よりもクレジットカードの利用が普及している国から来た入居者にとっても慣れ親しんだ支払い方法として魅力的に映るかもしれません。競合物件がキャッシュレス決済に対応していない場合は、クレジットカード払いを受け付けていることがアピールポイントになります。つまり、クレジットカード決済の導入自体が、空室対策として有効な打ち手だといえるでしょう。
賃貸でクレジットカード決済を導入する方法
クレジットカード決済を導入する際は、クレジットカード会社と直接契約するほかに、決済代行会社と契約する方法があります。
各クレジットカード会社と直接契約する
クレジットカード会社と直接契約する方法は、少し手間がかかります。特に、入居者の利便性を考えて複数のカードブランドを受け付けたい場合はなおさらです。
通常クレジットカード会社と直接契約する際は、導入したいカードブランドのアクワイアラー(加盟店契約会社)に加盟店の申し込みをし、審査を受けます。複数のブランドに対応したい場合は、交渉や契約手続きをそれぞれのアクワイアラーと個別に進めなければなりません。さらに、入金サイクルがアクワイアラーごとに異なるため、売り上げの管理も煩雑になりがちです。
決済代行会社を利用する
決済代行会社を利用すると、一度の申し込みで複数のカードブランドを取り扱うことができます。また、ブランドにかかわらず売り上げは決まった入金日にまとめて振り込まれるため、入金確認や売り上げ管理も簡単です。多くの入居者を抱える賃貸物件にとっては、導入だけでなく管理の労力を大幅に削減できるためメリットの高い方法だといえるでしょう。
基本的なコストとしては決済手数料がかかりますが、初期費用や月額固定費が無料のサービスもあります。手数料や入金サイクルは決済代行会社によって異なるので、契約前にしっかり確認しましょう。
家賃集金にクレジットカード決済を導入する際の注意点
メリットの多いクレジットカード決済ですが、導入する際にはいくつかの注意点があります。
手数料を負担する必要がある
入居者がクレジットカードで決済する場合は、物件オーナーや管理会社が家賃の数%にあたるの決済手数料をクレジットカード会社あるいは決済代行会社に支払うことになります。
「それなら家賃に上乗せすればいいのでは」と考えるオーナーもいるかもしれませんが、手数料を利用者に肩代わりさせることを「加盟店規約」で禁止しているので、入居者に転嫁することはできません。
入金までタイムラグがある
入居者がクレジットカードで家賃を支払っても、すぐにオーナーに入金されるわけではありません。クレジットカード会社や決済代行会社はそれぞれ独自の入金サイクルを設けており、入居者が家賃を支払った日からオーナーの口座に入金されるまでにはタイムラグが生じます。会社によって入金が週に1回の場合もあれば、月末締め翌月末払いのケースもあるため、契約前に確認しましょう。
家賃の集金には決済サービスのSquareがおすすめ!
手間とコストを最小限に抑えつつ、クレジットカード決済をスピーディに導入するには、決済代行会社Squareの「Square 請求書」の利用がおすすめです。
最短当日から利用が可能
Squareの導入は簡単。無料アカウントを作成するだけです。個人情報と事業内容、銀行口座情報を入力すれば、最短でその日のうちにクレジットカード決済を開始できます。
初期費用や固定費用ゼロ
Squreの料金体系はシンプルで、月々の固定費やアカウント維持費などはかかりません。発生するのは、クレジットカードでの決済ごとにかかる手数料のみ。長期契約も必要ないため、気軽に始めることができます。
簡単に家賃集金ができる
Square 請求書を利用すれば、クレジットカード決済機能がついた請求書を手間なく作成・送付できます。インターネットにつながった環境なら端末や時間を選ばずに操作できるため、たとえば契約の場でタブレット端末から作成し、入居者のメールアドレスにそのまま送信することも可能です。入居者が受け取ったメール内のリンクでクレジットカード情報を入力すると、決済は完了です。受け付けられるのは、Visa、Mastercard、American Express、JCB、Diners Club、Discoverの6ブランドです。
また、「定期送信機能」と「カード情報保存機能」を組み合わせれば、入居者のカード情報が保存され、家賃が定期的に自動で課金されるようになります。入居者が学生で保護者が家賃を支払う場合は、同意を得たうえで保護者のクレジットカードに課金することが可能です(※)。
※Squareで決済できるのは、敷金、礼金、家賃、管理費、共益費です。仲介手数料は決済の対象になりません。
最短翌営業日入金で安心
請求した家賃は、最短で指定した支払日の翌営業日に口座に振り込まれます。もちろん、振込手数料は無料です(※)。
※三井住友銀行・みずほ銀行をご登録の場合は、0:00 から23:59 までの決済分が、決済日の翌営業日に振り込まれます。三井住友銀行とみずほ銀行以外の金融機関口座をご登録の場合は、毎週水曜日で締め、同じ週の金曜日に合算で振り込まれます。
支払状況がすぐに確認できる
家賃売り上げに関する情報はSquareの管理画面に自動で反映されるため、アカウントにログインするだけで全入居者の支払い状況を簡単に一覧できます。
まとめ
キャッシュレス決済が急速に広がりつつあるなか、今後家賃のクレジットカード決済は当たり前の選択肢として定着するでしょう。今回紹介したように、Squareなどの決済代行会社を利用すれば、導入だけでなく、その後の管理の負担も大幅に下がる可能性があります。Square 請求書の詳しい機能や始め方などはこちらをご覧ください。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2017年10月6日時点の情報を参照しています。2024年11月15日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by,Unsplash