商売繁盛!「熊手」の選び方、飾り方、買い替えのタイミングとは?

縁起物の熊手を飾ることで商売繁盛を祈願するという伝統は、今も日本のビジネスの世界にしっかりと根付いています。ただ、実際に酉の市に並ぶ多種多様な熊手を前にすると、正しい選び方に迷ってしまうかもしれません。この記事ではビジネスオーナーなら知っておきたい熊手の選び方、飾り方、買い替え時期を解説します。

目次



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そもそも縁起物の熊手とは?

その名前が示す通り、熊手はもともと、熊の手のように広がった櫛(くし)状の先端で庭先などの落ち葉をかき集める道具です。伝統的には木や竹を材料として作られます。

その熊手が装飾され「縁起物」として飾られるのは、その形や用途から、福や金運を「かっこむ(掻き込む、搔き集める)」様子がイメージされることが由来であるといわれています。鷲の爪の形にも似ていることから、運を「鷲づかむ」という意味が込められているとの見方もあります。

庭仕事の道具の熊手と区別して、縁起物の飾りは「縁起熊手」とも呼ばれます。道具としての熊手を神社の縁日で売る際に、おまけとして縁起の良いおかめ(お多福)の飾りを付けたことが縁起熊手の起源ともいわれているようです。

現代の縁起物の熊手は、小判、福の神、打ち出の小槌、松竹梅、しめ縄、米俵などの幸運や金運を象徴するモチーフがあしらわれ、「商売繁盛」「大入」「開運招福」「千客万来」など、ビジネスの成功や発展を表す言葉が添えられた、非常に華やかなものです。こうした熊手は個人事業主から中小企業、大企業まで、日本では昔からビジネスオーナーが買い求め、社内や店内に飾ることで仕事の運や縁を祈願するという習わしがあります。金運アップを目的に個人が買うケースも多く、芸能人が熊手を購入してブレイクしたという発言が話題になることもあります。

熊手が買える「酉の市」とは

縁起物の熊手を買う場所としては、各地の鷲神社で開かれる酉の市の出店が一般的です。鷲神社には「おおとりじんじゃ」と「わしじんじゃ」の両方の読み方の神社が存在し、いずれも大阪府堺市の大鳥大社を総本山とする大鳥信仰の神社です。

この鷲神社や、鷲や鳥にちなんだ寺社で毎年末に行われる年中行事である「酉の市」の縁日に熊手の露店が立ちます。

酉の市が開かれるのは、11月の酉の日。酉の日(12日に一度)は、その月の最初の日から順に一の酉、二の酉、三の酉と呼ばれます。なお、2019年は11月8日、20日、2020年は11月2日、14日、26日が酉の日です。

日本各地の有名な酉の市
酉の市が開かれる寺社は関東地方に多いのが特徴です。以下の寺社では毎年酉の市が開かれています。

有名な酉の市が開かれる神社・寺院としては、酉の市発祥の社といわれる大鷲神社(東京都足立区)や、有名人も熊手を買うことでも知られる花園神社(東京都新宿区)などがあります。日本最大の酉の市である「浅草酉の市」が開かれる鷲神社(東京都台東区)、そして浅草酉の市の発祥の寺である長国寺(東京都台東区)もよく知られています。大國魂神社(東京都府中市)の酉の市は、花園神社、浅草の鷲神社と共に「関東三大酉の市」と呼ばれています。その他、金刀比羅大鷲神社(神奈川県横浜市)、鷲宮神社(埼玉県久喜市)、熊野神社(群馬県前橋市)なども酉の市で有名です。

都内で開催されている酉の市は浅草酉の市のウェブサイトにもまとめられているので、ぜひ参考にしてみてください。

酉の市以外で熊手を買う方法
10月(または旧暦の10月)に各地で開かれる「えびす講」は酉の市とは違いますが、ここでも熊手が買えます。えびす講は七福神のうち商売、農業、漁業を司る恵比寿様のお祭りです。

他に、専門店で注文、オンラインショップでの購入も可能です。専門店では酉の市に出回る熊手だけでなく、特注品の製作を請け負っているケースもあり、自社のロゴやマスコットキャラクターなどをあしらった高級熊手を作ってもらうことも可能です。オンラインショップでは、一般的な和のモチーフとは異なる現代的なデザインの熊手を販売しているところもあります。

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熊手の選び方・買い方

実際に熊手を買いに出かけると、サイズ、デザイン、値段にしても、バラエティ豊富で、選び方に迷いがちです。1,000円程度から数十万円のものまで実にバラエティー豊かで、一般的にサイズが大きく飾りが豪華なものほど値段も高くなります。

豪華な熊手ほど効果が高いと考えられていますが、実際には飾るスペースや予算に応じた選び方が推奨されています。その上で、注目すべきはデザインです。店によっては1点ごとに指し物(飾りのパーツ)のお多福や招き猫の顔が異なるなど、各店が趣向を凝らした熊手を販売しています。金運や財運に効果があるとされているのは、小判や宝船、米俵などお金に関連するモチーフです。気に入った一品が見つかったら、店の人に声をかけて買いましょう。

高価な熊手を買う際は、値引き交渉をすることも可能です。交渉のやりとりを楽しみ、お金を払う際は、値引きしてくれた金額を店への「ご祝儀」として置いてくるのが粋な買い方だといわれています。トータルで支払う額は元の値段と同じということになりますが、買い手だけでなく売り手の商売繁盛も願って、このような買い方の習慣が生まれています。ただし値引き交渉やご祝儀は必須ではありません。

一般的に、1万円程度以上の熊手を買うと、店の人が「家内安全、商売繁盛」の掛け声と共に手締め(三本締め)と呼ばれる手拍子をしてくれます。景気付けの手締めも熊手を買う醍醐味で、店により掛け声が異なるため、熊手の選び方の条件に加えてみても良いでしょう。

熊手は、一度買ったら終わりではなく、周期的に買い替えます。商売繁盛や金運アップのためには小さい熊手から徐々に大きい熊手に買い替えていくことが理想的とされています。そのため、初めての熊手は小ぶりなものにするという選び方もあります。買った熊手は、正面を向けて高く掲げて持ち帰ることで、よりたくさんの福や幸運をかき集めてくれるといわれています。

参考:粋に遊ぶ(浅草酉の市)

正しい熊手の飾り方

本来、熊手はオフィスや家の大黒柱や玄関の柱に飾るものでした。しかし最近では家屋の構造も変わってきていることから、神棚や仏壇などに飾ることもあります。熊手の飾り方として、以下のような方法が良いといわれています。

  • 熊手の正面が北以外の方角を向いている
  • 玄関に飾る場合、熊手の正面が入り口に向いている
  • いずれの場合も、高めの位置に飾る

飾る位置によって、熊手のサイズなどの選び方を考えるのも良いでしょう。

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買い替えのタイミングと方法

熊手は1年に一度、買い替えると良いとされています。古い熊手は酉の市に持参し、1年間の感謝を込めて熊手納め所に納め、新しいものを購入します。他にも、年末年始の神社でのお焚き上げで古い熊手を受け入れてくれる場合もあります。その際はお賽銭も納めるのがマナーです。

前年より大きい熊手を買うのが理想的ですが、スペースの都合などがあれば、同じサイズのものを買うことが推奨されています。

日本の伝統的な熊手の選び方や飾り方を知ることで、古来から息づくビジネスへの思いを感じながら、商売繁盛や金運アップを祈願してみてはいかがでしょうか。

執筆は2019年11月18日時点の情報を参照しています。
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