TシャツをS・M・L、白・青・赤と異なるサイズや色で展開している、200mlと500mlの自家製梅シロップを販売しているなど、同一の商品でもさまざまなサイズ・容量・色で展開している場合に押さえておきたいのがSKU(エス・ケー・ユー、スキュー)です。
小売店をはじめる際、POSレジの商品登録画面でSKUの入力が求められるけれど、何を指しているのかいまひとつわからない……と思う人も少なくないかもしれません。SKUはどのような役割を持つのでしょう。SKUの基本知識、JANコードやPLUとの違い、SKUの設定方法などを通してSKUの理解を深めていきましょう。
目次
SKUとは
SKUとはStock Keeping Unitの頭文字をとった略語で、「最小の管理単位」を意味します。これだけ聞いてもあまりピンとこないかもしれません。以下の図を見てみましょう。
Tシャツという一つのアイテムをさらに細かなカテゴリに分類していくと、上記のようにサイズ別、色別で分けることができます。1つのマスに入った種類を1SKUとして数えます。
緑色のTシャツだけを見てみると、サイズが4種類あるので4SKUになります。全色、全サイズを合わせると全部で16SKUあることになります。
異なるSKUを割り振る商品としては、以下も例として挙げられます。
- ブランドが異なる場合
- 商品の正味量が異なる場合(100グラム入り、200グラム入りなど)
- 価格・色・サイズ・包装状態(ギフトラッピング付など)が異なる場合
- 単体で販売している商品をセットとしても販売する場合
など
それぞれのSKUを把握するうえでは16字以内の英数字を組み合わせた独自の管理番号をつけることが一般的です。SKUは店舗独自の管理番号なので、自由につけることができます。
上記の図にある赤いTシャツのSサイズにSKUを設定してみましょう。
4325SR
4325は仮で作成しているブランドコードです。続くSはサイズ、RはRedのRです。そのほかにも手前にWをつけて、性別(WはWomen’s、MはMen’sなど)ごとに分けて設定することもできるでしょう。
W4325SR
SKUの役割
ここまではSKUが何かを説明してきましたが、なぜここまで細かくSKUを設定する必要があるのだろうと思う人もいるかもしれません。
「Tシャツ」などと大まかに商品を登録してしまうと、どの色のTシャツの売れ行きがいいのか、どのブランドの売れ行きがいいのか、どのサイズに需要があるのか、など細かな売上分析が難しくなります。さらにはどの在庫が不足していて、在庫切れを防ぐうえで何を発注すればいいのかなどの判断も困難になります。
細かなアイテムの種類にSKUを割り振ることで、売上分析にはもちろんのこと、在庫管理を行ううえでも役に立ちます。
SKU、JANコード、PLUの違い
商品情報を表すコードには、SKUのほかにも、JANコードやPLUといったものがあります。ここでは似ているようで異なるそれぞれの役割を説明していきます。
JANコード
JANコードはJapanese Article Numberの略語であることから、日本独自のコードかと思う人もいるかもしれませんが、実は世界100カ国で使われている国際標準の商品識別コードです。JANコードとは日本独自の呼び方で、海外ではEANコード、GTINなどと呼ばれているようです。
商品についている縞模様のJANコードをスキャンすれば、どの事業者のどの商品かを知ることができます。バーコードは標準タイプ(13桁)、短縮タイプ(8桁)と二種類あり、いずれにもGS1事業者コード、商品アイテムコード、チェックデジットが含まれます。
SKUとの違いとして自社管理用ではないこと、また、色や価格などの細かな情報が含まれない点が挙げられます。
JANコードの作成に不可欠な「GS1事業者コード」は、GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)のホームページから簡単に登録することができます。
PLU
先述のJANコードには価格情報が含まれていません。販売価格は時期に応じて変動することもあるため、JANコードの商品情報には含まれないそうです。
商品価格が盛り込まれているのが、Price Look Upの略語で「価格を調べる」を意味するPLU(ピー・エル・ユー)です。レジでバーコードを読み取ると価格が表示されるのは、厳密にいえば読み込んだPLUをもとにPOSシステムに登録してある価格情報を調べて表示している、といえます。
SKUを自動生成できる、Square リテールPOSレジ
「SKUとは」の章でSKUを表す英数字の組み合わせは自由に決められると説明しましたが、一つずつ組み合わせを考えて登録していくにはそれ相応の時間がかかります。
決済サービスのSquareが提供する小売店用のPOSレジ、Square リテールPOSレジを利用すると、ワンクリックで全商品のSKUを生成することができます。方法は以下の通りです。
(1) Square データから[SKUを自動生成する]の設定がオンになっているかを確認する
※[商品] > [設定] > [在庫] にアクセスすると、確認できます
(2) Square データの[商品]にアクセスする
(3) ページの右上にある[アクション]と書かれたドロップダウンから[SKUの生成]をクリックする
※すでに全商品バリエーションにSKUが割り当てられている場合は、「生成するSKUがありません」と書かれたポップアップが表示されます。
▲Square リテールPOSレジのイメージ画像
SKUを登録する方法はもう一つあります。
Square リテールPOSレジの特徴として、アプリを立ち上げるとタブレットのカメラがバーコードスキャナーに早変わりします。
バーコードをスキャンすると新規商品を登録するためのポップアップが表示され、そのまま商品登録に進むとバーコードに含まれる情報をもとにSKUが自動で入力されます。すでに登録されているSKUの場合は、在庫が自動で追加されます。
また、SKUを入力する欄の上には「GTIN」を入力する欄があることに気づくかもしれません。前述の「JANコード」はここに登録することができます。Global Trade Item Number(グローバルトレードアイテムナンバー)の略語であるGTINは、JANコードやEANコード、UPCの総称です。詳しくはこちらをご確認ください。
Square リテールPOSレジのアプリをまだダウンロードしていない場合、Squareのアカウントをまだ作成していない場合にはこちらにある手順に従ったうえ、上記をお試しください。SKUの生成は、Square リテールPOSレジが提供する無料・有料プランのどちらからでも利用することができます。
▼Square リテールPOSレジを利用した在庫管理方法についてはこちらの記事もご参考ください。
»»いまさら聞けない!?在庫管理の基本知識««
この記事ではSKUの基本知識や、SKUが在庫管理や売上分析に役立つ理由などを紹介してきました。
Square リテールPOSレジならSKUは自動で設定できるうえ、在庫情報はPOSレジで受け付けた決済情報と連動して自動で調整されていきます。在庫管理・売上分析を効率化したいとお悩みの場合は、Square リテールPOSレジの無料プランからまずははじめてみてはいかがでしょうか。
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執筆は2021年11月17日時点の情報を参照しています。2023年6月27日に記事の一部を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
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