音楽や動画の配信サービス、野菜の定期便など、私たちの生活に浸透しつつあるサブスクリプション(サブスク)サービス。お客さまから定期的に料金を徴収し、サービスや商品を提供するビジネスモデルです。サブスクの仕組みや定額課金との違い、サブスクのメリット、決済方法について解説しながら、サブスクに便利な決済サービスも紹介します。
目次
- サブスクとは?
- サブスク導入のメリット
- サブスクで利用される決済方法
- 業種別サブスク活用例
- サブスク決済の導入方法は主に2つ
- 決済代行会社を選ぶときのポイント
- サブスク決済の導入ならSquareがおすすめ
- まとめ
サブスクとは?
サブスク(サブスクリプション)は、一定の料金を支払うことで商品やサービスを一定期間利用できるビジネスモデルです。従来のサブスクの例として、新聞や雑誌の定期購読、スポーツジムの月額会員などがあります。最近では食品の宅配やクリーニングなど、日常生活の隅々まで多様なサブスクが提供されています。音楽やソフトウェアなどのデジタルサービスをはじめ、衣料品、車、家具をレンタルできるサブスクも登場しています。
近年のサブスクの傾向として、人々が物を「所有すること」から「利用すること」に対してお金を払うように変化してきたことが挙げられます。映像コンテンツのサブスクなら、ビデオやDVDを購入して所有するのでなく、観たいときに観れて、なおかつ物が増えないので収納の心配も不要で、自由な利用体験が得られます。衣料品のサブスクは、長く着るか不明な服を所有するより、トレンドの服を試着感覚で短期間利用したいというニーズに応えています。
サブスクの仕組み
サブスクの場合、お客さまは最初に決済方法や利用頻度などを指定すれば、あとは毎回購入を検討するのでなく、決められた範囲内で商品・サービスを固定価格で継続的に利用します。利便性の高さがサブスクの魅力といえます。
また、音楽の聴き放題のサブスクのように、シングルCD1枚程度の費用で利用できるサービスであれば、お得感も大きくなります。新しいコンテンツがどんどん追加されるサブスクは継続利用の訴求力も高く、1年分まとめて決済すると割引される仕組みなども継続利用を促進します。
サブスクサービス提供する事業者は、サービス内容を設定して適正な価格を付けたら、課金方式を決定し、提供を開始します。課金を自動化しておけば毎月手動で請求する手間はありませんが、継続利用や上級プランを訴求するマーケティング施策を適切なタイミングで実施する必要があります。
サブスクと定額課金の違い
サブスクと定額課金は、同じ意味で使われることが多々あります。定額課金は、特定の商品やサービスの継続利用に対して、月や年単位で定額の金額を支払うものです。サブスクのなかには、定額課金のものもあれば、利用料に応じて請求料金を変える従量課金を採用しているものや、定額課金と従量課金を組み合わせたものがあります。
サブスク導入のメリット
サブスクのメリットを考えてみましょう。
1. 売り上げの継続・安定につながる
サブスクは一度契約が成立すれば、継続的に売り上げが入ってきます。サブスクの契約件数が増えることでビジネスが安定しやすくなるため、お客さまが継続したくなるサブスクを目指しましょう。
継続的な売り上げを確保するには、契約に沿って定期的にお客さまに請求し、請求金額をもれなく回収しなければいけません。サブスクの支払い方法には、対面、銀行振込、口座振替、クレジットカード払いなどが挙げられますが、未回収のリスクが低く、事務負担も少ないのは、自動で課金・引き落としができる決済システムです。サブスクサービスには、こうしたサブスクに適した決済システムの導入が欠かせません。
2. 新規顧客を獲得しやすい
初めて買うジャンルの商品でも、低額で始められるサブスクなら気軽にトライできるのも特徴です。サブスクを入り口として客層を拡大し、まずは継続的に利用してもらえるよう訴求してやがて上級プランや他の商品を提案するなど、新規からリピーターへと育てていける可能性もあります。
3. データを集めて活用できる
サブスクを通じて集積された顧客データはビジネスの資産です。年齢などの顧客の属性データと、商品の好み、利用のタイミングといった情報を分析すれば、サービス内容のブラッシュアップや、他の商品開発にも役立ちます。
4.さまざまな業態で導入できる
ここ数年、さまざまなジャンルでサブスクサービスが提供されるようになっています。動画や音楽、衣料品、車、家具といった一般消費者向けのサービスのみならず、気象情報サービスのウェザーニュース1が法人向けに気象情報を提供したり、出店料が無料になるキッチンカー向けのサブスク2が登場したりと、創意工夫次第ではどんなジャンルにもサブスクサービスを取り入れられるといえます。
サブスクで利用される決済方法
サブスクでよく使われる決済方法には、以下の三つが挙げられます。いずれも未回収のリスクが低く、毎回の決済の手間も少ないことが特徴です。
- (1)クレジットカード決済
- (2)ID決済(Amazon Pay、PayPay、楽天ペイなど)
- (3)キャリア決済(携帯電話料金と合算して支払う)
(1)クレジットカード決済
クレジットカードは、オンラインショッピングで最も多く使われる決済方法なので、ぜひ対応しておきたいところです。ただし、決済手続きの際にカード情報を入力することに抵抗感を持つ人もいること、カードの有効期限切れ時には情報を更新してもらう必要があることなど、注意点もあります。
(2)ID決済
ID決済は、Amazonや楽天などの会員情報(ID)とパスワードのみで決済手続きが済む手軽な方法です。各サービスを利用するユーザーとの親和性が高いのが特徴といえます。PayPayや楽天ペイなどは、銀行口座の残高から好きな金額をチャージできるので、クレジットカードを持っていない人でも手軽に利用できます。
(3)キャリア決済
キャリア決済は、クレジットカードを持っていない人も利用でき、各キャリアの認証だけで決済可能です。キャリア決済では利用限度額が設定されている点に注意が必要です。
この他、新聞販売やスポーツジムのような対面サービスでは現金決済を利用する場合もあります。ただし、対面サービスでもクレジットカードを使った継続課金などを導入すれば月々の決済が自動化されるため、決済の手間やミスを大幅に減らせます。
お客さまの年齢層も考慮しよう
総務省の発表した2020年度の情報通信白書3によると、オンラインショッピング時に利用する決済方法として、クレジットカード払いが約80%で最も多い結果となっています。また、2020年に株式会社ジェーシービーの調査4では、オンラインショッピングでクレジットカードを利用する20代から50代だと、男性よりも女性の方が利用率が高く、特に30代女性のクレジットカード利用が多いことがわかっています。一方、学生などの若い世代はクレジットカードを持っていないこともあるため、サービス内容によってはID決済やキャリア決済も検討した方がよいでしょう。
業種別サブスク活用例
業種別のサブスク活用例を紹介します。
サブスク活用例〜美容サロン
ヘアサロンやネイルサロンは定期的に利用するお客さまが多いため、サブスクサービスを取り入れやすい業種です。たとえば、広島市にある株式会社RITAは、プロ向けのスキンケア製品やヘアケア製品が手に入るうえ、同社が経営する美容サロンの利用が月1回無料になるというサブスクサービスを提供しています。化粧品の定期購入サービスや美容サロンの通い放題サービスはありますが、この両方を含まれているところが他社にはない特長です。
株式会社RITAのサブスクサービスについて詳しくはこちらの記事で取り上げています。
サブスク活用例〜飲食店
定額飲み放題サービスを提供する居酒屋やサブスク会員限定のフレンチレストラン、コーヒー豆の定期便を実施するカフェなど、飲食業界でもサブスクがさまざまなかたちで取り入れられています。コロナ禍で売り上げが一気に落ちた飲食店が、サブスクに活路を見出すというパターンもあるようです。
サブスク活用例〜小売店
大丸松坂屋百貨店によるラグジュアリーブランドの月額ファッションレンタルサービスや、無印良品によるベッドやデスクの月額家具レンタルサービスなど、大手小売店も続々とサブスクに参入しています。「うちの商品はレンタルには向いてない……」という場合は、有料サービスを無料で利用できるサブスクを取り入れるのも一つの手です。たとえば、米大手小売のウォルマートは配送料金が無料になるサブスクを2020年5に開始しています。
サブスク決済の導入方法は主に2つ
クレジットカード決済、ID決済、キャリア決済といったサブスクで主に使われている決済方法を導入するには、主に二つのルートがあります。
1.各種決済サービスと直接契約する
クレジットカード決済の場合、各クレジットカードブランドと個別に直接契約します。ID決済もキャリア決済も同様で、導入したい決済方法ごとに各サービスを提供する企業と個別に契約手続きを進めていくことになります。個別に契約する方法では、それぞれに交渉が必要だったり、導入後の入金サイクルも異なっていたりするので、事業者の負担が少なくありません。
2.決済代行会社と契約して複数の決済方法を一括導入する
決済代行会社は、決済サービスを導入したい事業者と決済サービスを提供する企業の間に入って、契約手続きや入金を一括で代行します。決済代行会社を通すことで、複数のクレジットカードブランドや決済サービスを一括で導入できます。契約手続きも入金サイクルも1本化されるので、事業者にとっては手間の少ない方法です。
決済代行会社を選ぶときのポイント
前章で紹介した決済代行会社を選ぶときに考慮したいポイントを紹介します。
導入したい決済サービスに対応しているかどうかを確認する
導入したいクレジットカードブランドや決済サービスに対応している決済代行会社なのかどうかを、まず確認しましょう。決済代行会社のなかには、オンライン決済のみに対応しているところと、対面とオンラインの両方に対応しているところがあります。両方に対応している決済代行会社を選ぶことで、実店舗の決済とサブスクの決済をまとめて管理できます。
利用料金や手数料などのコストを確認する
現金以外の決済手段を導入する際に必ず発生するのが、決済手数料です。決済手数料はもちろんのこと、各社で初期費用や維持費用、入金手数料なども異なります。どのようなコストが発生するのか、事前に比較検討しておくのがよいでしょう。
入金サイクルを確認する
コストと同様に大切なのが、入金サイクルです。月末締め翌月末払いのところもあれば、週1で入金するところもあります。キャッシュフローの観点からも、入金サイクルは必ずチェックしておきたいところです。
サブスク決済の導入ならSquareがおすすめ
決済代行会社のSquareでは、サブスク決済にぴったりな機能を2種類提供しています。各機能の特長とあわせて、コストや入金サイクルも確認していきましょう。
Square 請求書
Square 請求書は、お客さまのメールアドレス宛に送れるクラウド請求書です。「定期送信機能」と「カード情報保存機能」を組み合わせることで、お客さまのクレジットカードから自動で料金が引き落とされます。受け付けられるのはVisa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discoverの6ブランドです。詳しい使い方はこちらをご確認ください。
Square リンク決済
Square リンク決済は、SNSやメールなどを通してお会計用のリンクをお客さまに共有する方法です。一つのリンクを複数のお客さまに共有できます。Square 請求書と同様、受け付けられるのはVisa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discoverの6ブランドです。具体的な設定方法はこちらをご参照ください。
Squareなら初期費用無料で翌営業日入金
どちらの機能も事前にSquareのアカウントを作成し、加盟店審査を完了させる必要がありますが、導入費用や月額費用は無料なので、初期費用をかけずにサブスクを始められます(※1)。さらにSquareなら、最短翌営業日入金で振込手数料も無料です(※2)。
※1.決済ごとに決済手数料がかかります。決済手数料について、詳しくはこちらをご確認ください。
※2.申込時に、三井住友銀行・みずほ銀行を登録した場合、決済日の翌営業日に振り込まれます。それ以外の金融機関口座を登録の場合、毎週水曜日で締め、同じ週の金曜日に合算で振り込まれます。
まとめ
サブスクを始める際の注意点は、ターゲットを絞り込んだ上での「ニーズの把握」と「適切な価格設定」です。宅配弁当のサブスクなら、ターゲットが子どものいる家庭か、働き盛りの世代か、高齢者かをまず絞り込み、その上でターゲットの持つニーズを分析し、マッチするサブスクを提供します。決済方法やマーケティング方法も、ニーズを持つターゲットのペルソナに合わせたものが求められます。加えて、ターゲットの利用状況に見合う価格で提供することで、継続利用する顧客、つまりリピーターを獲得することが可能になります。まずはニーズをとらえてサブスクのサービスを設計し、決済方法や決済代行会社の検討など、準備を進めていきましょう。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2021年12月22日時点の情報を参照しています。2024年11月14日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash