WordPressで​予約システム!無料​プラグインと外部ツールを比較

店舗やレッスンの予約を自社のウェブサイト上で受け付ければ、お客さまの利便性が高まるだけでなく、売り上げのチャンスが広がります。WordPress(ワードプレス)で作ったウェブサイトの場合、プラグインや外部のシステムを使えば予約システムを組み込むのも簡単です。この記事では、その方法や、プラグインと外部予約システムのメリット・デメリット、そしておすすめの予約システムを紹介します。

目次


WordPressサイトに自作で無料予約システムを​設置する方法

WordPressで​作った​ウェブサイトで、​飲食店や​美容サロンの​予約を​受け付けるには、​サイト上に​予約システムを​組み込む​必要が​あります。​組み込むと​いっても​一から​システムを​開発するのではなく、​外部の予約システムと​連携する、​あるいは​WordPressの​プラグインと​呼ばれる​機能を​追加する​ことが​可能です。​いずれも、​専門知識がなくても​導入できます。

1. 外部予約システムを使う

WordPressで​作った​ウェブサイトに​予約システムを​導入する​方法の​一つは、​外部の​予約システムとの​連携です。​WordPressとは​関連のない​会社が​運営する​予約システムを​選んで​契約し、​ウェブサイト内に​組み込んで​表示させる、​あるいは​ウェブサイトと​リンクさせて​別ページに​遷移して​予約システムを​使えるようにします。

外部の予約システムには​無料の​ものも​ありますが、​顧客登録数が​無制限、​過去の​予約情報が​長期保存できる、​事前決済が​できる、​自由度の​高い​デザインが​できるなど、​高度な​機能に​対応した​ものは​有料の​場合も​あります。無料で使える​外部の​予約システムと​して​よく​知られているのは、Square 予約、RESERVEN、STORES 予約などの​サービスです。

2. プラグインを​使う

プラグインとは、​ウェブサイトに​機能を​付加する​プログラムの​ことで​拡張機能とも​呼ばれます。​WordPressで​作った​ウェブサイトに​専用の​プラグインを​入れる​ことで、​サイト内に​予約システムを​設置できます。
WordPress向けには​1,000種類以上の​プラグインが​リリースされており、​多くは​無料で​利用可能です。​具体的なプラグインの​例は​記事の​後半で​紹介します。

3. Google カレンダーを使う

Google カレンダーの予約スケジュール機能を使って予約ページを作成し、WordPressのサイトに設置するという方法もあります。予約が入ると自分のGoogleカレンダーにも自動で反映されるため、普段からGoogleカレンダーでスケジュールを管理している事業者には便利です。

ただし、無料で利用する場合は作成できる予約ページは一つだけです。そのため、1対1でサービスを提供するカウンセリングや美容サロンなどに向いている方法です。

無料プラグインと外部予約システム、どちらを選べばいい?

予約メニューが複数ある場合や、規模の大きな店舗の場合は、プラグインか外部予約システムのいずれかを選ぶのが現実的です。ここでは、それぞれのメリットとデメリットを解説します。

予約プラグインを​使う​メリット・デメリット

​プラグインの主なメリットは、種類が豊富で、無料または低コストで使えるものも多い点です。そのため、予約メニューがシンプルな場合やオプションが限られるサービスなら、あまりコストをかけずとも予約システムを導入できます。さらに、直感的に操作できるものが​多いため、ウェブサイト制作の​専門知識がなくても必要事項を​入力すれば​完成するものがほとんどです。

ただし、プラグインは限られた機能を提供するものも多く、複雑な​予約体系に向いているとはいえません。​またプラグインを​使った​予約システムを​WordPressに導入したあとは、​定期的な​アップデートも​含めて​自社で​管理する​必要があるため、労力や時間を要する点もデメリットといえるでしょう。

外部予約システムを​使う​メリット・デメリット

外部予約システムは機能が幅広く、複雑な予約にも対応しやすいのがメリットです。その多くは簡単な操作で​高度な予約システムを​導入できるうえ、困ったときのサポート窓口もあります。ほかにも、オンライン決済やPOSレジとの連携、顧客管理など予約以外にもさまざまな機能を備えたものもあり、売り上げや顧客情報などあらゆるものを1カ所でまとめたい事業者にはよいでしょう。

ただし、求める機能によってはコストが発生します。多くの予約システムには無料プランが用意されていますが、受け付けられる​予約数や利用できる​機能はサービスによって異なるため、確認が必要です。

WordPressに無料プラグインまたは外部予約システムを設置する際の​注意点

​WordPressの​プラグインまたは外部予約システムを​選ぶうえでは、​求める​機能の​ほかにも​確認すべき点が​いく​つか​あります。​

決済機能を利用できるか(予約システムとプラグイン)

プラグインや外部予約システムのなかには、決済機能を備えたものがあります。予約と同時に決済まで受け付ければ、店舗での会計業務の負担が軽くなるだけでなく、無断キャンセル対策にもなります。そのため、せっかく予約システムを組み込むのであれば、決済機能のついているものを選ぶとよいでしょう。

日本語に​対応しているか(予約システムとプラグイン)

一部のプラグインや外部予約システムは日本語に対応しておらず、​英語を​使って​予約システムを​設定する​必要が​あります。​ウェブサイトの​管理に​慣れていない、または​プラグインを​使うのが​初めてと​いう​場合は、​日本語対応の​プラグインまたは外部予約システムを​選ぶと​安心です。

コーディングしないでも​使えるか(プラグイン)

WordPressの​一部の​プラグインはデザインの​変更や​自動返信メールの​内容の​編集に、​HTMLや​CSSを​使った​コーディングを​要する​ことがある​ため、​確認してみましょう。​たとえば、​自動送信メール冒頭の​宛名部分が​デフォルトで​「Dear」に​なっている​場合、​「様」に​変える​ために​若干の​コーディングが​必要と​いった​ケースが​あります。

テーマなどを​利用している​場合、​バッティングしないか(プラグイン)

WordPressの​ウェブサイトでは、​「テーマ」と​呼ばれる​デザインテンプレートを​使う​ことが​あります。​テーマの​設定と​予約システムの​プラグインが​マッチせず、​プラグインを​入れると​レイアウトが​崩れる、​プラグインに​負荷が​かかって​作動しないと​いった​ことがないか、​バッティングを​確認しましょう。

WordPressの​ウェブサイトに​入れた​各プラグインの​負荷状況は、​P3​(Plugin Performance Profiler)などの​専用プラグインを​入れると​調べる​ことができます。

予約システム設置におすすめの無料プラグイン3選

WordPressで​作った​ウェブサイトに​プラグインを​入れて​予約システムを​作る​場合、​業種や​必要な​機能に​よって​条件を​満たすプラグインの​種類を​選択します。​予約システムの​プラグインには、​主に​以下のような種類が​あります。

  • 1日単位での​予約に​対応​(例:会場貸出、​宿泊施設、​レンタル品など)
  • ​時間ごとの​予約に​対応​(例:美容室、​飲食店、​レッスンなど)
  • ​会場や​時間が​毎回​異なる​イベント予約に​対応​(例:セミナー、​上映会、​パーティーなど)

WordPressの​代表的な​プラグインの​うち、​予約システムと​して​使いやすい​ものを​以下に​挙げました。

Booking Package

Booking Packageは、​1分単位から​数日間まで​幅広い​時間枠の​予約に​対応した​プラグインです。​予約数に​制限は​なく、​定休日の​設定も​可能です。​飲食店、​美容サロン、​レッスン、​宿泊施設などでの​利用が​考えられます。

【特徴】

  • 予約単位:1分から
  • 日本語対応:​あり
  • 確認メールの​自動送信:​あり

【有料版の​機能例】

  • オンライン決済
  • メンバー登録
  • サービスへの​オプション追加
  • 定員残数の​表示

MTS Simple Booking

日本語での​説明が​充実した​MTS Simple Bookingを​使うと、​詳細な​設定が​可能な​予約システムを​作れます。​1日以内の​予約に​対応し、​宿泊施設を​除く​多業種で​利用可能です。

【特徴】

  • 予約単位:10分から
  • 日本語対応:​あり
  • 確認メールの​自動送信:​あり

【有料版の​機能例】

  • メンバー登録
  • 問い​合わせフォーム機能
  • オプションメニューの​追加

Salon Booking

Salon Bookingは​1対1で提供する​サービスや、メニューごとに​時間・料金の​異なる​サービスの​予約システムと​して​便利な​プラグインです。​美容サロンの​ほか、​整体院や​クリニックでの​利用も​可能です。​スタッフの​出退勤情報との​連動、​スタッフの​サムネイル画像の​表示も​できます。​

【特徴】

  • 予約単位:1分から
  • 日本語対応:​あり
  • 確認メールの​自動送信:​あり

【有料版の​機能例】

  • オンライン決済
  • サロンの経営者やスタッフ向けのモバイルアプリ
  • 予約の複製

予約システム設置におすすめの無料外部システム3選

外部予約システムは、サービスによって無料版と有料版で利用できる機能が大きく異なります。ここでは幅広い業種に対応できる三つのサービスについて、無料版の特徴と有料版の機能例を紹介します。

Square 予約(決済機能あり)

あらゆる​業種に​対応している​Square 予約は、​事前決済や​POSレジとの連携にも​対応した予約管理システムです。無料プランでも予約数に制限はなく、さまざまな機能を使うことができます。​また決済手数料が​ほかのサービスと​比べて​リーズナブルなのも​特長です。

【無料版の特徴】

  • 予約数:無制限
  • オンライン決済機能:あり(決済手数料は​3.6%​)
  • 自動リマインダー機能:あり
  • スマートフォン対応:あり(iOSとAndroidアプリ)

【有料版の機能例】

  • 複数店舗の予約管理
  • ノーショー防止対策
  • 複数スタッフ対象の予約
  • 順番待ちリスト
    Square 予約について詳しくは次の章で解説します。

RESERVEN(決済機能なし)

RESERVEN(リザーブン)は、Facebookアカウントがあれば会員登録せずに使える手軽な予約システムです。決済機能はなく、無料プランではさまざまな制限があるものの、シンプルにネット予約だけ利用したいという事業者には始めやすいサービスです。

【無料版の特徴】

  • 予約数:無制限
  • オンライン決済機能:なし
  • 自動リマインダー機能:なし 
  • スマートフォン対応:あり

【有料版の機能例】

  • プッシュ通知(iOSを除く)
  • 予約者への前日メール
  • 詳細なデザイン

STORES 予約(決済機能あり)

​STORES 予約は​180を​超える​業種に​対応し、事前決済、回数券販売、​顧客管理などを​一括して​提供するサービスです。無料プランで受け付けられる予約件数には制限がある一方で、有料プランが幅広く用意されており、事業の規模やニーズに合わせて選べます。

【無料版の特徴】

  • 予約数:50件/月
  • オンライン決済機能:あり(決済手数料は4.9%+99円)
  • 自動リマインダー機能:なし 
  • スマートフォン対応:あり(iOSとAndroidアプリ)

【有料版の機能例】

  • 自動リマインダー機能
  • スタッフの指名予約
  • グループ予約の受付
  • キャンセル待ち設定

WordPressに無料予約システムを設置するなら、Square 予約

前項で紹介した外部予約システムのうち、特に無料で使える機能が充実しているサービスがSquare 予約です。その特徴を詳しく見ていきましょう。

なお、Square 予約で作成した予約専用ページは、既存のウェブサイトにウィジェットあるいは予約ボタンで追加できます。詳しい手順はこちらをご確認ください。

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事前決済でキャンセルを防止

事前決済に対応したSquare 予約は、キャンセル対策として効果的です。来店前に決済を済ませることで、軽い気持ちでの「とりあえず予約」が減ることが期待できます。また、無連絡キャンセル(ノーショー)の防止対策機能を利用することで、万が一無連絡キャンセルが発生してもキャンセルポリシーに沿ってキャンセル料を徴収できるため、店舗の損失防止につながります。

リマインダーメールの自動送信で予約忘れを予防

Square 予約は、予約を受け付けると​お客さまに​通知メールを​自動配信します。​​これにより、予約内容に対する認識を揃えられるため、トラブルの可能性を最小限に抑えられます。

また、予約忘れや​日時の​勘違いを​防止する​際に​便利なのが、​​リマインド機能です。​前日の​ほか数日前、​2時間前など​複数の配信日時から選択できるうえ、メールには​当日の注意事項や事前の準備物などを記載することも可能です。

スマートフォンからでもパソコンからでも管理ができる

モバイルアプリを提供しているSquare 予約なら、場所や時間を選ばずに予約状況を確認できて便利です。せっかく予約システムを導入しても、必要なタイミングやちょっとしたスキマ時間に予約状況をさっと確認できなければ、サービスをスムーズに提供できません。端末を問わず予約を管理できれば、変更やキャンセルが発生した場合も、空いた枠にすぐさま対応しやすくなります。

顧客管理機能で予約・購入履歴の管理が可能

Square 予約は、予約時に​お客さまが入力した​情報とあわせて、予約や決済の履歴を1カ所に蓄積します。お客さまが予約や決済をするたびにデータは自動で追加されるため、どのようなお客さまがどのくらいの頻度で来店しているのかなどを正確に把握できます。

そうしたデータの活用は、キャンペーン情報の​発信や​、お客さまとの​交流を​図る​サービスの企画、​新商品・メニューの​開発など、リピート促進施策を実施するうえでも効果的です。

POSレジとの連携で作業時間を短縮

店頭販売も行っている店舗の​場合、​店舗の​POSレジで受け付けた支払いと予約システムでの​事前決済を​一元管理するのが理想的です。Square 予約はSquare POSレジと連動しているため、売り上げにかかわるすべてのデータを集約し、​一連の​事務処理作業を​自動化できます。

スタッフ管理機能でシフト調整もラクラク

Square 予約は、スタッフ管理も効率化します。スタッフにアクセス権限を付与すれば、それぞれがカレンダーを管理または確認できるようになるため、マネージャーの負荷が軽減します。また、POSレジを使ってスタッフの出退勤を記録すれば、勤怠管理も簡単です。

万全なセキュリティー対策

PCI DSSという国際的なセキュリティー基準に準拠したSquareでは、​​お客さまが​入力した​クレジットカード情報などは暗号化され、安全なサーバーに送られます。また最新の機械学習と専門のスタッフが、決済を常に監視して詐欺被害を未然に防ぐため安心です。

まとめ

WordPressで作ったウェブサイトに、どのプラグインまたは外部予約システムを導入すべきか迷ったら、まずは複数のサービスから無料で使える機能を洗い出してみましょう。そうすれば、今は予約さえできればよいと考えていても、あれば便利な機能や今後の事業成長に必要な機能が見えてくるはずです。そうして機能が決まったあとに、簡単で安心して使えるものを選べば、導入すべき予約システムは自然と決まるでしょう。


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執筆は2022年4月4日時点の情報を参照しています。2025年1月10日に​記事の​一部情報を​更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash