ネットショップの広告を出すべき?広告の種類や予算を紹介

ネットショップを運営している人の中には、よりたくさんのお客様にネットショップを知ってもらうために、広告を出すべきなのか考えているという人もいることでしょう。この記事では、そもそもネットショップは広告を出すべきかから始め、どのような種類の広告があるのか、それぞれの特徴、費用の算出方法を説明します。

目次



ネットショップの広告を出すべき?

ネットショップの集客方法として広告は効果がありますが、必須というわけではありません。SEO対策をしっかりし、ソーシャルメディア(SNS)を活用するだけでも集客にはつながります。以下の記事でも集客のためのヒントを紹介していますので参考にしてみてください。

広告以外の集客方法がある中で、なぜ広告を出す必要があるのでしょうか。

広告の種類にもよりますが、有料の広告を出すとネットショップがターゲットとするお客様にアプローチしやすくなります。ターゲットにしている年齢層や性別のお客様、ネットショップで扱っている商品を探しているお客様にアプローチできれば購買率が高くなり、売り上げアップにもつながることでしょう。また、SNSやウェブサイト、検索結果などネットショップや商品をアピールできる場所も広がります。

つまりネットショップが広告を出す目的は「ネットショップに興味を持つ可能性の高いお客様にネットショップを見に来てもらい、購買につなげ、売り上げを上げること」です。同時に広告には費用がかかるので、どのくらいの広告費をかければどのくらい売り上げが上がるのか、費用対効果を意識することも重要です。

ネットショップが利用できる広告手段にはさまざまなものがあります。メリットやデメリットを知った上で、ネットショップと相性のよい広告手段を試してみて、費用対効果を検証してみましょう。たとえ集客効果があったとしても、最終的な売り上げにつながらないようであれば、有料の広告ではなく、SEO対策やSNSへの投稿に力を入れるのも一つの手です。

ネットショップが利用できる広告にはどのようなものがあるのか、メリットとデメリットを合わせて見てみましょう。

ネットショップ広告の種類

ネットショップが利用できる広告の概要

ネットショップが広告を出せる場所として、検索エンジンの検索結果ページやウェブサイト、SNSなどがあります。規模の大きなネットショップであればメディアの広告枠を買ってネットショップを宣伝することもできるかもしれません。

ネットショップが利用できる広告の種類をまとめます:

  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • インフルエンサーを利用した広告
  • SNSでの広告
  • メディア広告

どの広告手段を利用するかは、ターゲットにするお客様や商品、予算によって異なります。続いて「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「インフルエンサーを利用した広告」「SNSでの広告」について詳しく見てみましょう。

リスティング広告

商品を探しているときに、「防寒 ジャケット」といった商品に関するキーワードを検索エンジンに入力して商品を探したことのある人は少なくないでしょう。また、友人から聞いたおもしろそうなネットショップについて、うろ覚えのキーワードの手がかりにネットショップを探したことがあるという人もいるかもしれません。リスティング広告は、検索キーワードに関連した広告を、検索結果ページの有料広告枠に表示させる広告方法です。

インターネットショッピングが普及する中で、検索結果からのネットショップへの流入はあなどれないものがあります。特にアクセス解析結果を見て、検索エンジンからネットショップに来ている人が多くいようであれば、無料でできるSEO対策と合わせてリスティング広告を検討してみるとよいでしょう。

リスティング広告のメリットは、キーワードの設定のしかたによっては、商品を買う可能性の高いお客様をネットショップに誘導できるところにあります。ただし、一般的すぎるキーワードや、競合の多いキーワードを設定しようとすると、広告を出すための費用が高くなってしまいます。お客様が何を求めているかを考えながら、予算の範囲内のキーワードを設定する必要があります。

どの検索エンジンのリスティング広告を利用するのかについては、日本でシェアが7割を超えているGoogleを第一候補に考えるとよいでしょう。ロシアや中国など、Googleが検索エンジンのシェアを独占していない地域もあり、特定の地域のお客様を対象とする場合は地域の事情に合わせてどの検索エンジンのリスティング広告を利用するのか検討してください。

Googleのリスティング広告「Google 広告」を利用する場合、広告の出稿にあたって1日の予算額を自由に設定できます。慣れないうちは1日数千円の少額から始めてみましょう。

参考:入札単価と予算の設定(Google 広告ヘルプ)

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、ウェブサイトやアプリの広告枠に表示される広告です。テキストや画像、文字と画像の組み合わせ、動画などの形式で掲載することができます。広告はさまざまなウェブサイト、ブログ、アプリに表示され、多くの人の目に触れるため、潜在顧客へのアプローチに有効だといわれています。特にインパクトのある動画や画像は印象に残りやすく、ネットショップのブランディングにも役立つでしょう。

年齢や性別、居住地などユーザーの属性を絞って配信できる点がディスプレイ広告の特徴の一つです。たとえば、男女兼用防寒用ジャケットを扱っているけれど、女性のお客様が少ないという悩みを抱えている場合、女性モデルが着用している広告画像を女性ユーザーに対して配信し、自社の商品やネットショップの存在に気づいてもらうというアプローチができます。また、リターゲティングを利用するという方法もあります。リターゲティングは一度自社のネットショップを訪れたユーザーに対して、広告を表示する方法です。

課金方法としては、広告に興味を持ったユーザーがクリックするごとに課金される「クリック課金」と、広告が表示された回数に応じて課金される「インプレッション課金」の2種類が主にあります。広告をクリックし多くの人にネットショップを訪れてほしい場合はクリック課金、広告に表示されている自社の名前や商品を認知してほしいなどブランディングが主な目的の場合にはインプレッション課金が向いています。リスティング広告同様、1日の予算の上限を自由に設定でき、少額から始められます。

インフルエンサー広告

注目度が高く、特定の人たちや世の中に与える影響の大きい人を「インフルエンサー」といいます。このようなインフルエンサーにネットショップや商品を紹介してもらうのがインフルエンサー広告です。インフルエンサーマーケティングサービスがインフルエンサーと広告主を仲介するのが一般的です。広告主であるネットショップはインフルエンサーに商品を無料で提供し、感想を投稿してもらい、インフルエンサーのフォロワーの購買につなげます。

インフルエンサー広告のメリットは、適切なインフルエンサーとマッチングされれば、ネットショップや商品に興味を持つ可能性の高いインフルエンサーのフォロワーにアプローチできる点にあります。インフルエンサーマーケティングサービスによる指導があるとはいえ、広告であることがフォロワーに対してうまく伝えられなかった場合、商品のアピールのしかたに問題があった場合など炎上の可能性がゼロとはいえません。

費用については、フォロワー単価数円というのが相場といえそうです。たとえば、フォロワー数が5万人のインフルエンサー10人に、フォロワー単価3円で広告を依頼すると150万円の費用がかかります。インフルエンサーマーケティングサービスにディレクションを依頼するか、インフルエンサーを公募するかによっても広告費用は変わってきます。インフルエンサーの数をしぼったり、フォロワー数の多くないインフルエンサーを起用したりするなど、多少の予算の調整は効きますが、予算として数十万円は見積もっておく必要があるでしょう。

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SNSでの広告

SNSには年齢や性別、興味、住んでいる地域といった情報が蓄積されています。SNSはこの情報をもとにユーザーに対して広告を出すサービスを提供しています。ネットショップはターゲットを絞って広告を出すことができます。

SNSとしてはTwitterや、Instagramとも連携しているFacebookが候補にあがります。Twitterや、FacebookとInstagramはいずれも日本では人気のSNSで、どちらに広告を出すか、または両方に広告を出すかは、ネットショップのターゲットにするお客様や予算によります。

TwitterやFacebookでは、効果的に広告を出すためには数万円から数十万円の予算を組んでおいた方が効果的ですが、数百円といった少額からでも広告を出すことができます。

ネットショップの広告費を計算してみよう

広告を出しても、広告費がかさんで赤字になってしまっては本末転倒です。ここでは広告にかかる費用を概算する方法を紹介します。

CPAとお客様一人あたりの利益から考える

CPAとはCost Per Acquisitionの頭文字を取った用語で、顧客獲得単価を表します。ネットショップの広告という意味では、一人の顧客を獲得するのにかかる広告費と考えるとよいでしょう。

現状のデータからお客様一人当たりがいくらネットショップで支払ったのか平均客単価を計算し、利益率をかけると、お客様一人あたりの利益を計算できます。たとえば、平均客単価が10,000円、利益率が50%の場合、お客様一人当たりの利益は5,000円です。この場合、CPAが5,000円を上回ると赤字になってしまいます。

売上目標として100万円を設定すると、100人のお客様が買い物をする必要があり、100人を5,000円で獲得すると、広告で赤字にならない予算の上限は50万円になります。売上目標の代わりに利益目標から同様に広告予算を計算することもできます。

ただし、これは赤字にならない上限額で、利益を出したい場合には予算の上限を引き下げる必要があります。また、赤字になっても初期に大々的に広告を出し、お客様を獲得するというのも一つの手です。
この計算方法は単純なもので、既存のお客様からの売り上げを考慮していませんが、広告にかけられるお金を大まかに把握するのに役立ちます。

アクセス数を伸ばすためにかかる広告費

とにかくまずはお客様にネットショップを訪れてほしいという人は、アクセス数を伸ばすための広告費を把握するとよいでしょう。

どのくらいのお客様が広告を見てネットショップを訪れてほしいか目標値を設定します。この目標値にクリック単価をかけるとおおよその広告費を計算できます。クリック単価はプラットフォームが提示する価格を参考価格とするとよいでしょう。

たとえば、クリック単価を200円として、10,000人のお客様に広告からネットショップを訪れてほしい場合、広告費は200万円になります。

売上目標や利益目標を達成ためにかかる広告費

売上目標が100万円、顧客単価が10,000円、購買率が1%だとしましょう。売上目標を達成するには100人のお客様が必要です。購買率は1%なので実際には10,000人のお客様にネットショップを訪れてもらう必要があります。

ここからはアクセス数を伸ばすためにかかる広告費の計算方法と同じで、10,000人のお客様を呼び込むには、クリック単価が200円の場合、200万円の広告費がかかることになります。

本記事では、ネットショップの集客のために広告を出すべきかから始め、どのような広告の種類があるのか、広告費はどう計算したらよいのか説明しました。独特の用語や計算に戸惑ったという人もいるかもしれません。順を追って自分のネットショップに当てはめながら考えていくと理解が深まるはずです。本記事をきっかけに、まずは低予算でも始められるSNS広告などから広告の仕組みに慣れて、集客と売り上げアップにつなげてください。

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執筆は2021年11月8日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash