飲食店や小売店でクレジットカードを取り扱ううえで、「エラーが出てしまった」「誤った額を請求してしまった」などのトラブルに遭遇したことはありませんか。
このような場面であたふたしてしまわないためにも、あらかじめ対処法を心得ておくと安心です。今回はクレジットカードの決済時によくあるトラブルと、その対処法をわかりやすく解説します。
目次
【問題1】決済時にエラーが出てしまった
いつも通りPOSレジから該当する商品を選択し、クレジットカードでの決済を試みたところ、エラーが表示されてしまった。このような場合は、下記の理由が想定されます。
1. 【店舗の問題】端末やネットワークに問題がある
ネットワークの接続が不安定だったり、ハードウェアに不具合があったりすると決済が承認されない可能性があります。今一度接続状況を確認してみる、決済端末を再起動してみるなどの対応を試みましょう。
2. 【カードの問題】クレジットカードのICチップ、または磁気テープが故障している
ICチップや磁気テープが磁気不良を起こしていることも、原因の一つとして考えられます。ICチップと磁気テープの両方を搭載したクレジットカードの場合、ICチップによる決済を試してエラーが出たら、磁気テープを使った支払いに切り替えてみると決済が通る可能性があります。磁気テープでの決済が承認された場合は、ICチップが破損している可能性があるので、お客さま自身でクレジットカード会社に再発行の依頼をしてもらう必要があります。
一方で磁気テープしか搭載していないカードが磁気不良を起こしている場合や、ICチップが故障しており磁気テープもついていない場合は、カード情報を読み取ることができません。このような場合は、クレジットカード番号をPOSレジなどに手入力するという方法があります。Squareであれば、カード情報の手入力による決済が可能です。カード情報を読み込めないときは、一つの対策として試してみましょう。
3. 【支払い状況の問題】利用額を超過している、支払いが延滞している
クレジットカードには限度額が設定されています。前述のようにカード情報を手入力しても決済ができない場合、指定の限度額を超えている可能性があります。
また、支払いを延滞している場合も同様です。口座の預金が足りず引き落としが完了していないと、引き落とし日の翌日から数週間ほどでカード会社にクレジットカードの利用を停止されてしまいます。
いずれにしてもお客さまには「カードが使えなくなっております」とお伝えしましょう。
4. 【支払い状況の問題】クレジットカード会社から不正利用が疑われている
クレジットカード会社では、カードが不正利用されていないかどうかを確認する体制が整っています。
たとえば、普段クレジットカードで高額なものを買わない人が、突然多額の商品を購入した場合、不正利用が疑われてしまう可能性があります。
このような場合、不正利用の有無を確認するために、クレジットカードの契約者、または支払いがされたお店に電話を入れることがあります。その際に請求額について説明ができればそのまま支払いは完了されますが、電話に出られない場合、あるいは登録している電話番号に誤りがある場合はそのまま利用が停止されてしまうことも考えられます。
その他にも想定できる理由を下記に記しますので、あわせて確認してみてください。
- 店舗で契約がないクレジットカードブランドを利用しようとしている
- 入力した暗証番号に誤りがある
- クレジットカードの有効期限が切れている
- 指定された支払い回数にクレジットカードが対応していない
- 盗難や紛失などを理由にカードが無効とされている
- 「0円」など、入力した金額に誤りがある
このように決済時にエラーが起きる理由として、(1)店舗の設備、(2)カードのICチップ、あるいは磁気テープ、(3)支払い状況、のいずれかに問題が生じていることが考えられます。お客さまを問わずクレジットカードの決済がうまくいかないときは、端末に不具合が生じている可能性があるので、契約している決済会社のサポートセンターに連絡をしてみましょう。一方でカード情報を手入力しても決済ができない場合は、お客さまからカード会社に確認してもらう必要があるでしょう。
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【問題2】誤った額を請求してしまった、二重で請求をかけてしまった
商品の値段は、POSなどにあらかじめ登録している店舗も多いのではないでしょうか。手入力ではない分、請求額を間違えにくいようにも思えますが、「割引をつけるはずが正規の値段で請求をしてしまった」「商品の値段を間違えて登録したまま、決済を受け付けてしまった」などのミスも考えられます。あるいは、「支払い処理ができていないと思い、二重で請求してしまった」というケースもなきにしもあらずです。
このような場合はどのように対処するべきなのでしょうか。
誤った値段で請求した場合にも、二重で請求をしてしまった場合にも、早急に行わなければいけないのがキャンセル処理です。一般的には、POSレジの管理画面や決済端末からキャンセル処理、あるいは払い戻しの処理をします。すると、該当するカード会社にキャンセル申請が送られます。お客さまに請求がかかる前に相殺される場合もあれば、その場でキャンセル処理をしてもお客さまに一度請求がかかってしまうこともあります。
お客さまが店内にいるうちに誤りに気づいたときは、謝罪をし、その場でキャンセル処理しましょう。注意しなければいけないのは、お客さまが店舗を離れてから、あるいはネットショップ上で金額の誤りが発覚したときです。電話やメールなどの手段で、お客さまに請求額の間違いがあったことを伝えなければいけません。いずれにしても、請求額に誤りがあると判明した時点で早急にキャンセル処理を行うことが大切です。
万が一キャンセル処理が遅れてしまい、お客さまに請求が行ってしまった場合は、遅くても2カ月以内に返金されるのが一般的のようです。お客さまに請求が行く際には、速やかにその旨をお客さまにお伝えし、2カ月経っても返金がされていない場合は店舗へ連絡をしてもらうよう促すと丁寧でしょう。
もう一つ留意しておかなければいけない点があります。
決済会社は、基本的にキャンセル処理に受付期間を定めています。指定された期間を過ぎてしまうと、キャンセルそのものができなくなるので注意しましょう。Squareでは1年以内であれば払い戻し処理ができます。決済会社によって期間が異なるので、どれくらいの期間を設けているかは自社が契約している決済会社に確認をするといいでしょう。
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【問題3】チャージバックをされてしまった
チャージバックという言葉をご存知でしょうか。お客さまが何らかの理由でカードの請求を取り消したい場合に、カード会社に支払いの異議を申し立てる行為を意味します。
カード保有者がチャージバックをする一般的な理由には、以下が挙げられます。
- 「支払った覚えがない」(クレジットカードの盗難や情報漏えいによる不正利用の疑い)
- 「支払いを完了したにも関わらず、商品が送られてこない、サービスを受け取っていない」
- 「商品が破損していた」
- 「サービスの内容が異なった」
チャージバックはお客さまがカード会社に申請したあと、下記のステップを経て事業者に通知が届きます。
ステップ1. お客さまがカード会社に異議申し立ての連絡をする
ステップ2. カード会社が決済会社などに連絡をする
ステップ3. 決済会社がビジネスオーナーにチャージバックの通知をする
この際、ビジネスオーナーは取引が有効であることを証明する書類を提出し、申し立てに抗弁することもできますが、チャージバックに関する最終判断を下すのはカード会社のため、返金せざるを得ない場合もあります。
チャージバックを避ける手段として、まずは不正利用対策を行うことが大切です。特に不正利用が多いとされるネットショップを運営している場合は、対策を徹底するのが賢明でしょう。たとえばクレジットカードの裏側に記載されている3桁の数字の打ち込みが必要とされる「セキュリティーコード認証」のサービスや、購入者にしかわからないパスワードを入力してもらう「3Dセキュア」など、本人認証サービスの活用を視野に入れてみるといいでしょう。加えて、ネットショップを運営するビジネスオーナーがお客さまの異議申し立てを回避するうえで大切なのは、下記の書類を保存しておくことです。
- 発送書
- 注文書
- 配送の追跡番号
- 発送確認書
- 契約書
- 同意書
- カード保有者の承認
一方で店舗で受け付けたクレジットカード決済の異議申し立てを避けるためには、「カード保有者がその場にいた」とされる以下の証明が有効とされています。
- クレジットカードのICチップの情報を読み込む
- PINコードを入力してもらう
- 提供した商品やサービスを記録する
- レシートをお客さま宛に送信する
- 印刷したレシートにサインをもらい、保管しておく
不正利用を回避する詳しい方法は、こちらからもご確認ください。
端末がICチップ搭載のカードに対応していなければ要注意
もう一点ビジネスオーナーとして気を付けなければいけないのは、ライアビリティシフト(債務責任の移行)です。
ライアビリティシフトとは、「ICチップを搭載したカードをICチップ未対応の決済端末で決済し、不正利用が発覚した場合に事業者が被害額の債務責任を負う」というもので、国際クレジットカードブランドは2015年10月1日からライアビリティシフトを適用しています。
なぜ事業者にこの責任が課されてしまうのでしょうか。
以前まで、クレジットカードには磁気テープが使われていましたが、国際ブランドはEMV(ICカードの国際標準規格)に準拠したICチップ搭載のカードへの切り替えを進めています。理由として、磁気テープは構造上情報が盗まれやすく不正利用が起こりやすい一方で、ICチップはカード情報を暗号化するなどセキュリティーが強化されており、不正利用が起きにくい構造であるからです。
つまり、ビジネスオーナーにとってはICチップに対応する決済端末を導入することは、不正利用を防止する一つの対策でもあるのです。磁気テープにしか対応していない決済端末を使っていると、お客さまがICチップ搭載カードを提示しても、ICチップを読み取れず、磁気テープの方を読み取ることになります。そのため、万が一不正利用が発覚した場合、ICチップの対応端末を用意していない事業者が債務を負うことになってしまいます。
ここで覚えておかなければいけないのは、ICチップを搭載したカードはICチップを読み取ることです。
多くのクレジットカードにはICチップと磁気テープの両方が付いているため、磁気テープにしか対応していない端末でもICチップ搭載のカードでの決済が受け付けられてしまいます。「大丈夫だろう」と受け付けた決済が莫大な債務につながらないよう、十分に注意しましょう。
ICチップ搭載カードに対応している決済端末を入手しよう
政府が2020年までには全てのカードをICチップ搭載のものに切り替えるよう推進していたこともあり、ICチップを搭載したクレジットカードの割合は着々と増えてきたようです。店舗側の対応としては、現在店頭で磁気テープのカードにしか対応していない場合、ICチップに対応した端末を導入することです。たとえば、Squareの決済端末であればICチップに対応しているので、ライアビリティシフトのリスクも防げるでしょう。
また、Squareはチャージバック(支払い異議申し立て)が起きた際に、加盟店に代わり無料で解決にあたります。どの取引で支払異議申し立てが起きたかは管理画面やSquare POSレジアプリから確認でき、解決しているのかなど、最新の状況を見ることもできます。
決済端末を選ぶ際には導入コストや手数料率などに注目しがちですが、万が一チャージバックが起きた場合に解決に向けてサポートしてもらえるのか、最新の状況をすぐに確認できるのかなども、重要視したいポイントです。
Squareではビジネスの規模やニーズに合わせて複数の決済端末を提供しています。お手頃なSquare リーダーなら、税込みでたった4,980円で手に入ります。決済端末以外に必要なのは、無料アカウント(※)のみ。初期費用はなし、端末代金のみでクレジットカード決済を導入できます。
※決済を受け付けるには Squareにおける審査に加えて、Visa・Mastercardカードのお取り扱いは三井住友カード株式会社、American ExpressカードはAmerican Express International, Inc.、JCB・Diners Club・Discoverカードのお取り扱いは、株式会社ジェーシービーによる審査が必要です。審査結果によってはカード決済サービスまたは一部カードブランドでの決済をご利用いただけない場合があります。
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万が一トラブルが起きた際に焦りを見せてしまうと、お客さまに不安を感じさせてしまうかもしれません。ある程度の対策法を身につけておき、冷静に、適切な判断を下せるビジネスオーナーでありたいところです。
自ら防げるミスに注意を払うのはもちろんのこと、不正利用などの被害を被らないよう、今から予防策を練っておいてはいかがでしょうか。
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Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2019年8月20日時点の情報を参照しています。最終更新日は2025年4月30日です。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash