小さく始めたいなら、プチ起業がオススメ

勤め先からの給与に加えて収入を増やしたい、特技を活かして働きたいと起業を考える人も少なくありません。一方で、事業で収益を出せるのか、万が一失敗してしまったら…といった不安も起業にはつきものです。このような状況で、選択肢のひとつとして、小さく事業を始める「プチ起業」があります。

今回は、プチ起業について、そのメリット・デメリットや始める前に知っておきたいことを紹介します。

プチ起業とは

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「プチ起業」について厳密な定義はありませんが、株式上場を目指したり、全国展開を目指したりするような大きな規模の事業を起こすではなく、地域密着型のカフェをオープンする、得意の手芸を活かして小物を作って販売するといった小さい規模の事業を起こすという意味合いで「プチ起業」が使われています。

「プチ起業」という言葉は女性起業家支援の文脈でも使われています。家事や育児、介護、仕事など複数のことをこなす中で、働き方の選択肢のひとつとしてプチ起業をする女性が多いのかもしれません。

また、中小企業庁の「2017年版 小規模事業白書」によると、高齢の起業家の割合は男女ともに年々顕著に増えています。今後、定年退職後のセカンドキャリアとして、心身ともに無理のないプチ起業を選ぶ人が増えることが予想されます。

参考:2017年版 小規模事業白書(中小企業庁)

政府が進める働き方改革の中でも副業や兼業を普及させようとしています。企業が副業や兼業を容認する動きも出てきています。企業に在籍しながら、知識や経験を活かしてプチ起業をしてみたい、してみたという人も出てくるでしょう。

参考:副業・兼業 (厚生労働省)

個人の生き方や働き方がより一層多様化する中で、大きなリスクをとることなく、ゆっくり事業を育てていけるプチ起業は魅力的な選択肢といえそうです。続いてそのメリットとデメリットについて具体的に見てみましょう。

プチ起業のメリット・デメリット

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メリット

プチ起業の最大のメリットは、大きなリスクをとることなく収入の増加を期待できる点にあります。会社に勤めている人であれば、本業からの収入で生活をしながら事業を始めることができ、「脱サラ」のように一大決心をして始める必要はありません。

現在仕事をしていない人でも、余裕のある時間帯に少ない元手で始めることができる事業はたくさんあります。プチ起業に興味はあるけれど、何をしたらいいのかわからないという人は「起業のアイデアを生み出すヒント」の記事をぜひ参考にしてみてください。

プチ起業は少ないコストと時間で始めることから、もしも失敗してしまった場合でも、生活や本業、貯蓄などを犠牲にするリスクを低く抑えることができます。起業する際の不安も軽減することでしょう。

小さく事業を始めるため、お客様や社会の反応を見ながら臨機応変に商品やサービスを作ったり、方針変更したりできる点もプチ起業のメリットといえます。

デメリット

プチ起業とはいえ起業には変わりなく、起業前にはある程度の準備が必要です。創業後も事業を継続するための時間や資金は必要になってきます。時間については、これまで家族や友人と過ごしていた時間、仕事関係の付き合いに使っていた時間を削る必要が出てくるかもしれません。周囲の人には事業や事業にかける想いをきちんと説明して、理解を得るようにしましょう。

また、「プチ」だからと必要以上に規模を小さくしてしまったり、十分な準備なしにサービスや商品を提供したりしてしまうといったことも考えられます。上司や雇用主のいる仕事以上に計画性や自己を律する力が必要になってきます。この点では、収入を増やしたいという金銭的な理由だけでプチ起業してしまうと、モチベーションを維持するのが難しくなるかもしれません。お客様を思う気持ち、自身でも使いたいサービスや商品は何かよく検討しましょう。

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プチ起業を始める前にしておきたいこと

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気軽に始められるのが魅力のプチ起業ですが、プチ起業を始める前に必ずしておきたいことがいくつかあります。

副業禁止規定や秘密保持契約のチェック

会社員の場合、会社が副業を禁止している場合があります。就業規則で副業が可能か確認してみましょう。公務員の場合、兼業は原則禁止とされてきましたが、政府は今後、NPOやNGOでの活動など公益性の高い兼業に限って兼業を認めるようになるとの報道がありました。

参考:国家公務員の兼業、政府が容認へ 公益活動に限定 (日本経済新聞、2018年6月14日)

また、現在仕事をしているか、していないかに関わらず、過去に雇用契約や秘密保持契約を交わしたことのある人はこれらの内容もきちんと確認しておきましょう。事業の内容が契約に抵触し、事業があやうくなる可能性もゼロではありません。

事業計画書を書いてみる

事業を始める前に週末などを使って、事業を通じて実現してみたいこと、どのようなお客様に商品やサービスを手に取ってもらいたいか、資金繰りはどうするのかなど、一度目に見える形にするとより具体的に自身の事業をイメージすることができます。

頭の中で思い描いていた事業の内容に不備がある場合、早期発見と改善のチャンスにもなります。また、周囲の理解を得るために事業を説明する際にも事業計画を立てた経験は大いに役立つことでしょう。

そして何よりこれから始める事業の青写真を描いてみることはモチベーションアップにつながります。「ビジネスの青写真である事業計画書の書き方」の記事もぜひ参考にしてみてください。

確定申告について知っておく

会社員や公務員の人は勤務先で年末調整されるため、プチ起業を考えている方の中には確定申告をしたことがないという人も少なくないかもしれません。起業して一定以上の事業所得が発生した場合は確定申告をする必要があります。確定申告については詳しくは国税庁の情報をご確認ください。

参考:所得税(確定申告書等作成コーナー)(国税庁)

開業届の提出や青色申告の届け出

個人事業主としてビジネスをしたい場合は、開業届の提出方法や、確定申告で青色申告を選択するための届け出を理解しておいてもよいかもしれません。

参考:
[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続(国税庁)
[手続名]所得税の青色申告承認申請手続(国税庁)

また、プチ起業では、ひとりでさまざまな業務をこなさなければなりません。請求書の発行もそのひとつです。

たとえば、Square 請求書を使うと、パソコンやタブレット端末から簡単にメールで請求書が発行できます。デジタルで記録が残り、お客様の支払い状況のチェックも容易です。業務が効率化されるため、事業に専念することができるようになります。Squareの無料アカウントを作成すれば請求書の作成・送信は無料(※決済ごとにかかる手数料を除く)。必要なタイミングで、より高度な機能が利用できる有料プラン(Square 請求書 Plus)にアップグレードすることもできます。ぜひ導入を検討してみてください。

政府の働き方改革の後押しもあって多様な働き方が可能になることが期待されます。また、人生100年時代といわれ、それぞれの生き方も働き方同様、より一層多様化していくことでしょう。そのような中で、プチ起業は理想のワークライフバランスを作り出す手段となるかもしれません。プチ起業を考えているという人は、事業内容や計画を明確にして、起業に向けて準備を進めてみてはいかがでしょうか。

執筆は2018年8月23日時点の情報を参照しています。2021年9月24日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash