飲食店における課題とは?売上安定・業務効率化を図る五つのポイント

新型コロナウイルスの感染拡大、それに伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を受け、飲食店業界、特に夜の営業が中心となる居酒屋などでは休業や営業自粛、来客数の大幅な減少といった厳しい状況に立たされました。営業自粛などによるスタッフの雇い止めによって流出した人材、感染症対策など、コロナ禍で直面した課題は多々あります。この記事では、アフターコロナを見据えた、飲食店が抱える課題とその解決策について考えていきます。

目次



飲食業界における現状と課題

飲食業界が、現在抱えている課題にはどのようなものが挙げられるでしょうか。

売り上げの低下

2020年に新型コロナウイルスの世界的パンデミックが起こると、日本でもさまざまな行動制限がとられるようになりました。なかでも飲食店業界は営業自粛や営業時間の短縮、酒類提供や人数の制限などがあり、売り上げが大きく落ち込んだ店舗も多くありました。農林水産省の資料では、外食産業の売上高の対前年同期比において、パブレストラン・居酒屋は2020年4月で約9割減、2021年1月では7割以上減と、大きく売り上げが落ち込んでいることが報告されています。

参考:飲食業の現状について(農林水産省)

人手不足

前述の売り上げの著しい低下を受け、人件費の削減に舵を切った飲食店も多くありました。野村総合研究所が行った調査では、シフト制で働く非正規雇用のパート、アルバイトのうち、3割もの人が「コロナ以前と比べてシフトが減少している」と回答し、そのうち半数近くが「シフトが5割以上減少している」と答えています。そしてシフト減のパート・アルバイトのうち、女性で5割、男性で6割が「新しい仕事を探したい」と回答し、うち約8割が現在と異なる職種への転職を希望または許容しているとのアンケート結果が出ています。

このように、感染状況が落ち着いた中でも、一度流出してしまった人材を取り戻せずに人手不足に悩む飲食店は多いようです。帝国データバンクが2022年7月に行った調査でも、非正社員の人手不足割合のトップは「飲食店」で、73.0%となっています。全業種中で唯一の7割台となり、深刻な人手不足となっていることがわかります。

参考:
野村総合研究所、パート・アルバイトの中で「実質的失業者」は、女性で103万人、男性で43万人と推計(野村総合研究所)
人手不足の企業 47.7%と半数に迫る 旅館・ホテルは約7割で正社員不足、コロナ禍で最高 飲食店は73%が非正社員不足で深刻な状況 人手不足に対する企業の動向調査(2022年7月 帝国データバンク)

感染症対策

新型コロナウイルスの感染拡大以降、感染症対策も飲食店業務の一つに加わりました。スタッフの体調管理に加え、店内のカトラリーやテーブル、椅子、メニュー、パーテーションのアルコール消毒など、以前にはなかったタスクが発生しています。主要業務に加えての感染症対策は、スタッフにとっても負担増ではありますが、お客様の信頼を得るためには欠かせない業務の一つなので、経営者にとっては頭の痛い問題といえるかもしれません。

飲食店における業務効率化のポイント

人材の確保が難しい飲食業界においては、業務の効率化が必要不可欠です。飲食店が取り組むべき業務効率化のポイントについて解説します。

マニュアルの作成

人手不足の飲食業界では、新人スタッフが入っても、すべての業務を丁寧に教えるのは難しいでしょう。また、教える人によっても習熟度が変わることも考えられます。そこで役立つのが、マニュアルです。きちんとマニュアルを用意しておけば、新人スタッフはいつでも正しい手順を確認することができます。さらに、マニュアルを整備しておくことは、既存スタッフの教育にも役立ちます。新しく導入した機器類の使い方や、新メニューの盛りつけ方など、新しい情報が出るたびにマニュアル化しておけば、スタッフは必要な業務をいつでも学ぶことができます。

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情報共有ツールの導入

クレームなどお客様から寄せられる生の声は、店舗運営の改善に役立てられるよう、スタッフ全員で共有したいものです。スタッフ同士が口頭で伝えるだけでなく、一斉通知もしくは、情報共有でができるツールを導入しましょう。

在庫管理ツールの導入

在庫管理は、過剰な食材の発注をしない、食材を無駄にしない、食品事故や食中毒を防ぐことを目的として行います。適切な食材の在庫量を把握し、在庫不足による機会損失を防ぐためにも、しっかり取り組むべき業務です。在庫管理ツールを導入して効率化をはかりましょう。

スタッフ管理ツールの導入

飲食店にとって、スタッフのシフト調整や管理は必須です。一昔前までは、紙や表計算ソフトでシフト表を管理し、タイムカードで勤怠時間を記録するのが一般的でしたが、最近では専用のアプリなどを活用して、スタッフの管理を行うことができます。システムによって差異はありますが、概ね以下のことが可能です。

  • シフト作成
  • 勤怠管理
  • 勤務時間の可視化
  • 店舗側、スタッフ双方からのシフト確認
  • 給与計算
  • タイムカード
  • スタッフ別の売上成績

カスタマーニーズへの対応

オーダーから会計までの時間を短縮するためのキャッシュレス決済の導入や、デリバリーやテイクアウトなど、アフターコロナ時代のカスタマーニーズに合わせた対応も必要です。特に、非接触決済導入による従業員と顧客の対面時間の短縮化は、双方の感染症リスクを抑え、感染予防につながります。
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売り上げの安定を図る五つのヒント

飲食店が安定した売り上げを立てるために取り組めることには、どのようなことが挙げられるでしょうか。五つのヒントとともに紹介します。

1.事前注文の導入

テイクアウトの事前注文や、スマートフォンからの注文・決済ができるようになることで、オーダーから会計までの時間を短縮することが可能になります。お客様がスマートフォンなどから注文し、料理ができあがる頃に注文した品をお店で受け取る「事前注文」は、待ち時間が大幅に短縮されることでお客様の満足度も向上することでしょう。

2.ネットショップの開設・活用

飲食店が販売できるものは調理したての料理だけではありません。人気のメニューを家庭でも調理できるように食材をまとめて調理キットにすることもできます。また、お客様が手に入れやすい食材や傷みやすい食材を省略して、料理の肝になる食材だけをセットにして販売するのも一つの手で、ラーメンのスープと麺のセットがこの典型です。このように、テイクアウトやデリバリーサービスだけではなく、ネットショップを活用して、売り上げの安定を図る方法もあります。

3.多彩な決済方法の導入

QRコード決済やキャッシュレス決済など、現金以外の決済方法で支払いをするユーザーが増えています。実際にクレジットカード会社が行った調査では、キャッシュレス決済が利用できないと分かってお店の利用をやめた人が約50%いることが明らかになっており、キャッシュレス決済の導入の有無は飲食店経営の成功の鍵になるかもしれません。キャッシュレス決済では、クレジットカードのほか、QRコード、電子マネーなど多彩な決済手段を用意しておくとお客様の利便性と満足度につながります。また、キャッシュレス決済は、会計業務の効率化だけでなく衛生面においてもメリットがあるといえるでしょう。

参考:JCB、「キャッシュレス決済に関する調査~コロナ禍におけるキャッシュレス決済事情~」を発表(株式会社ジェーシービー)

4.セルフオーダーシステムの導入

セルフオーダーシステムを導入することで注文ミスの削減、人員コストの削減につなげることができます。また、感染症予防が気になるお客様には、スタッフとの接触機会を少ない「安心できる店」として認知してもらうことができ、リピーターになってもらえるかもしれません。

セルフオーダーシステムには、注文専用のタブレットを各テーブルに配置してお客様に注文してもらう方法と、店舗が用意したQRコードをお客様のスマートフォンで読み込んで注文してもらう「QRオーダー」があります。専用タブレットを設置すると、店舗の規模にもよりますが数十万円のコストがかかることもあるようです。コストを抑えてセルフオーダーシステムを導入したい場合は、QRオーダーを検討するといいかもしれません。

5.Instagramの活用

2019年6月には月間アクティブアカウント数が3,300万を超えたInstagram。2020年6月度の調査によれば、Instagramのハッシュタグ検索で人気のある分野は、趣味、グルメ、観光・旅行の3分野だという結果が出ていますので、飲食店のPRには欠かせないツールといえるでしょう。料理の写真を上手に撮ってお客様の視覚に訴え、来店を促しましょう。アカウントの運用にあたっては、ビジネスプロフィールを設定し、お客様が店舗に連絡したり、足を運んだりしやすいように電話番号や店舗の住所を掲載します。ビジネスプロフィールを設定することで、外部の予約機能と連携したり、オンラインショップに飛んでショッピング機能を利用することもできるようになります。

参考:
Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破(2019年6月7日、Meta)
IInstagramでハッシュタグ検索するのは、「趣味」と「グルメ」(株式会社ジャストシステム)

「五つのヒント」で紹介した売り上げアップのために導入できるアイテムやサービスは、さまざまな企業から提供されています。一方で、各サービスを別々に契約するとなると業務が余計に増えてしまうことが懸念されます。導入するのであれば、これらの機能を網羅したサービスを検討するとよいでしょう。
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五つのヒントを一度に叶えるなら、Squareで!

上述した売り上げの安定を図る五つのヒントは、Squareの無料アカウント(※)を作るだけで叶えることができます。

1.事前注文の導入

Square オンラインビジネスで「受け取りとデリバリー」の設定を行うだけ。準備時間、締切、リードタイムの設定のほか、お客様が受け取り時間を設定したり、同じ時間帯で受け取りできるオーダー数を制限したりすることもできます。詳しい設定方法については、こちらをご覧ください。

2.ネットショップの開設

ネットショップの開設も、Square オンラインビジネスで行えます。無料でアカウントを作ったら、Square データの管理画面から「オンラインビジネス」をクリックすれば、テンプレートの選択肢が表示されます。あとは、写真や文章を入れて、オリジナルのネットショップを開設しましょう。詳しい設定方法は、「Squareでネットショップを無料ではじめよう!」の記事も参考にしてみてください。

3.キャッシュレス決済

Squareならクレジットカード決済QRコード電子マネー決済に対応しています。決済端末は、手のひらサイズのコンパクトなSquare リーダー(4,980円)、レシートプリンターを内蔵したSquare ターミナル(39,980円)、スタッフ用の大きなタッチスクリーンとお客様用決済画面を搭載したSquare レジスター(84,980円)などを用意しています。月額使用料などは必要なく、かかるのは決済ごとの決済手数料だけです。

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4.セルフオーダーシステム

Square オンラインビジネスのセルフオーダー機能が利用できます。紙のメニューを印刷して設置する代わりに、店内のテーブルやレジカウンター、駐車場など、お客様の見やすい場所にQRコードを設置します。お客様は自分のモバイル端末でQRコードをスキャンし、対面でスタッフに注文する代わりにモバイル端末から注文・決済を行います。

5.Instagramとの連携

Instagramとの連携も、Squareなら簡単です。ビジネスプロフィールを取得後、Instagramの予約機能とSquare 予約の連携ができたり、ショッピング機能のリンク先をSquare オンラインビジネスで作成したネットショップに設定したりできるようになります。Instagramで店舗のPRを行い、実店舗への来客を促したり、ネットショップへ誘導したりしながら、売り上げのアップを目指しましょう。

さらにSquareでは、飲食店に特化したPOSレジアプリのSquare レストランPOSレジを提供しています。メニューやホールのテーブルレイアウトなどを簡単に登録することができ、注文受付の操作もシンプルなので、スタッフ教育も効率的に行えるでしょう。オーダーエントリーシステム、テーブル管理、メニュー管理など、サービス向上に役立つ豊富な機能が搭載されており、Squareが提供している他の機能とも連携して使うことができます。月額利用料がかからない無料プランのほか、座席管理やコース管理など高度な機能が利用できる有料プランがあります。

この機会に飲食店に必要な機能を網羅したSquareの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

飲食店ならSquareにおまかせ

Square レストランPOSレジなら、店内、オンライン、デリバリーのオーダーを1か所で管理して飲食店の運営をもっと効率化できます。メニューごとの売上レポートやシフトレポートなど、リピート率アップとコスト削減に役立つ機能が使える有料プランも。

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執筆は2022年9月26日時点の情報を参照しています。2024年3月21日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash