FLコストの​マネジメントが​飲食店経営に​必要な​理由

飲食店の​利益を​上げ、​黒字経営を​継続する​ためには、​売り上げを​伸ばすだけでなく、​FLコストを​抑える​ことが​鍵と​なります。​FLコストの​コントロールに​重要な、​原価や​人材の​管理。​今回は、​FLコストの​重要性と​その算出方法、​効果的な​管理方法を​解説します。

FLコストとは

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FLコストとは、​「F = Food(食材)」と​「L = Labor(労働、​労力)」、​つまり​食材原価と​人件費を​合わせた​ものです。​食材原価には​食品や​飲料の​費用が​含まれ、​人件費には​給与や​賞与、​福利厚生費が​含まれます。

飲食店と​して、​売上高に​占める​FLコストの​比率​(FL比率)が​低い​ほど、​利益の​多い​店と​いう​ことに​なります。​そのため、​FLコストや​FL比率は​儲かる​飲食店の​指標と​いわれています。

FL比率が​高い店の​特徴

FL比率が​高い​飲食店の​うち、​食材原価の​割合が​高い店では、​販売予測や​在庫の​管理に​課題が​ある、​または​食材廃棄に​よる​ロスが​多い​ケースが​考えられます。​ただ、​食材原価率が​高くても​テイクアウト​(持ち帰り)が​多い​店や​回転率の​良い店では、​売り上げ自体が​高ければ​FL比率が​多少高くても​問題​ありません。

人件費の​割合が​高い店では、​お客様の​少ない​時間帯に​従業員が​多いと​いった​シフト管理の​課題、​または​非効率な​作業を​していると​いう​トレーニングの​課題、​アルバイトスタッフと​社員の​割合が​適正ではないなどの​課題が​挙げられます。

FLコストの​計算方法

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FLコストや​FL比率は、​以下の​式で​算出する​ことができます。​月ごと​や​週ごとだけでなく、​毎日の​FL比率を​計算しておく​ことで​曜日ごとの​傾向を​調べる​ことも​可能です。

FLコスト = 食材原価 + 人件費

FL比率 =​(食材原価 + 人件費)​÷ 売上高

FL比率は​一般的には​60%前後が​目安と​されているようです。

参考:目から​ウロコの​飲食店経営 ​これって​常識?非常識? - 特集 -(ぐるなびPRO for 飲食店)

食材原価と​人件費の​割合は​店舗に​よって​異なる​ものですが、​自社で​食材を​生産している​企業では​食材原価が​抑えられる​傾向が​あります。

Fと​L、​どちらを​削るか

一般的に、​FLコストに​占める​人件費の​割合が​低く、​相対的に​食材原価の​割合が​高い​飲食店は、​ラーメン店や​立ち食いの​そば​・うどん店、​ファーストフード店などです。​逆に、​人件費が​高く、​食材原価が​相対的に​低いのは​フレンチレストランや​和食店、​高級中​華料理店などと​いわれています。​お店の​タイプに​よって​食材原価と​人件費の​バランスは​異なる​ため、​お店の​特徴に​合わせて​コスト削減に​取り組む​必要が​あります。

たとえば、​ラーメン店が​FLコストを​下げる​ために​考えられる​ことは、​人件費です。​ラーメン店を​訪れる​多くの​お客様は​フレンチレストランと​同じような​接客体験を​望んでいるわけではなく、​手軽に​美味しい​ラーメンを​求めて​やって​来るのではないでしょうか。​そのため、​食材原価を​抑えて​味の​レベルを​下げる​より、​従業員の​作業効率を​見直し、​時間帯や​曜日ごとの​人件費を​調整するなどの​方が​業態に​合致していると​いえるでしょう。

食材原価と​人件費の​バランスは​そのままでも、​売り上げ全体を​上げる​ことで​結果​的に​FL比率が​下がります。​課題が​「FL比率の​高さ」と​「売り上げの​低さ」の​どちらに​あるのか​見直してみる​ことが​大切です。

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FLコストの​マネジメント方法

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実際に​FLコストの​適正化に​向け、​経営者や​管理職と​してどのような​点に​配慮すべきでしょうか。

食材編

食材原価から​メニューを​再評価

1ヵ月の​食材原価の​総額を​オーダー総数で​割ると、​1皿あたりの​食材原価の​平均を​算出する​ことが​可能です。​メニューの​中で​1皿の​食材原価と、​平均の​食材原価を​比較し、​原価が​著しく​平均を​上回る​メニューに​ついては、​食材または​提供価格の​見直しが​必要な​可能性が​あります。​そのメニューの​売れ​行きが​良いの​あればな​おさら、​オーダーが​入る​度に​お店全体の​食材原価率を​押し上げる​ことに​なります。

ランチと​ディナーで​メニューの​異なる​お店で​あれば、​メニュー別に​再評価してみましょう。

食材ロスを​減らす
食材の​大量購入に​よる​割引は​魅力的ですが、​消費スピードが​追いつかずに​鮮度が​落ちれば​廃棄する​ことに​なり、​売り上げに​つなげる​ことができません。​仕入れの​無駄を​削減する​方法と​して、​廃棄量を​チェックし季節や​曜日と​照らし合わせた​データを​取りましょう。​また、​発注や​調理の​ミスを​起きにくくする​システムを​充実させ、​予期せぬコストの​上昇を​防ぎましょう。

「『もったいない』を​無くす!​食品ロス削減」の​記事も​ぜひ参考に​してみてください。

人材編

複数ポジションを​こなせる​従業員の​育成
キッチンも​ホールも​少し​人手が​足りないが、​1人ずつ増やすほどではない、と​いう​場合。​重要な​役割を​果たすのが、​両方の​ポジションの​スキルを​持つ​人材です。​こうした​人材を​育てる​方法は​「クロストレーニング」と​呼ばれています。

クロストレーニングで​複数の​スキルを​持つ​人材を​育て、​その​人材の​給与を​上げたとしても、​新たに​人を​採用する​よりも​コストを​抑えられるでしょう。

従業員の​質の​向上
お店を​気に入り、​長期的に​通ってくれる​ロイヤルカスタマーは、​飲食店に​とって​重要な​存在です。​お店に​定期的に​足を​運んでくれるだけでなく、​自発的に​周囲の​人に​口コミで​店の​評判を​広めてくれるなど、​お店の​売り上げ向上に​貢献もしてくれます。​従業員が​良い​サービスを​提供し、​お客様が​お店を​高く​評価し宣伝する​ことで、​新規顧客が​お店を​訪れると​いう​良い​循環を​生むためには、​質の​高い​従業員の​存在が​不可欠です。

しっかりトレーニングされた​従業員は、​お客様の​顔や​好みを​覚え、​メニューに​対する​質問に​真摯に​答えます。​また、​追加オーダーを​上手に​すすめた上で​キッチンと​連携して​顧客満足度を​高めます。​従業員育成の​ためには、​トレーニングだけでなく、​適正な​待遇で​モチベーションを​向上させる​ことも​重要です。

FLコストや​FL比率の​マネジメントは、​今日から​すぐに​でも​取りかかれます。​経営者だけでなく、​FLコストを​抑える​ことに​よる​利益の​向上が​従業員にも​還元される​仕組みを​作り、​お店全体で​取り組む​ことで​より​効率的に​目標を​達成できるでしょう。

執筆は​2018年3月22日​時点の​情報を​参照しています。​当ウェブサイトから​リンクした​外部の​ウェブサイトの​内容に​ついては、​Squareは​責任を​負いません。​Photography provided by, Unsplash