まだ食べられる食材を廃棄しなければいけないとき、「もったいない」と感じる経営者も多いのではないでしょうか。一方、日々の廃棄量をあまり気にしていない人もいるかもしれません。
食材の「もったいない」を減らす食品ロス削減には、社会課題の解決はもちろん、経営にとってもメリットがあります。今回は、食品ロス削減について紹介します。
食品ロスとは
食品ロスとは、食べ物がまだ食べられる状態にも関わらず、廃棄されてしまうことをいいます。フードロスや食料ロスとも呼ばれます。
政府広報オンラインの発表によると、日本国内で発生する食品ロスは年間で約632万トンだそうです。一人当たりに換算すると、お茶碗1杯分(約136グラム)の食べ物が毎日捨てられていることになります。
参考:もったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう(政府広報オンライン)
アンケートによると、「野菜・果物」「保存食品(レトルト食品・缶詰・乾物・冷凍食品)」などを廃棄する人が多いようです。理由としては、「家にある在庫を忘れ、同じものを買ってしまい食べきれなかった」が多く挙げられています。
メリット
飲食店や食料品店が食品ロス削減に取り組むことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
CSR(企業の社会的責任)
CSR(企業の社会的責任)を果たすことは、自社の利益追求だけでなく、社会やお客様、取引先、従業員など事業に関わるすべての人やものに対して責任を果たすことを指します。
食品ロスを削減しようとする取り組みは、売り上げアップだけでなく、社会課題を解決しようとするお店の姿勢を示すことにもつながります。
コスト削減
食品ロスを出さないように見直すと、無駄を減らす効果もあります。使い切れない食材の購入回数を減らしたり、残った食材を他のメニューに活用したりするなど、コスト削減にもつながるでしょう。
「見直しましょう!飲食店経営における原価率の考え方」の記事もぜひ参考にしてみてください。
食品ロスを削減する方法
食品ロスを削減するためのヒントを紹介します。
飲食店向け
メニューの工夫
メニューで使用する食材を工夫することは、食品ロスの削減につながります。
たとえば、「余った大根の葉を使った、ご飯に合うふりかけ」「みかんの皮のマーマレード」など食材の余った部分は他のメニューにも使えます。また、お客様にお出しできなくても、「ブロッコリーの茎を使ったきんぴら」などまかない料理に使えるでしょう。
お客様へのお声がけ
メニューなどお客様の目に入るところで、食品ロス削減に取り組んでいることをアピールしてみてはいかがでしょうか。食べ切れない量の注文や食べ残し量が減るかもしれません。
また、料理の種類や季節によっては難しい場合もありますが、食べ切れなかった料理のお持ち帰り対応なども考えても良いのではないでしょうか。
ちなみに、欧米では食べ残しを持ち帰るドギーバッグ(Doggie Bag)が普及しています。もともと、見栄から「食べ残しを持ち帰りたい」ことを言えず、「犬の餌用に持ち帰りたい」と言ったことが始まりといわれています。
参考:ドギーバッグ(横浜市)
食料品店向け
在庫管理の徹底
食料品店では、在庫管理を徹底することで食品ロスの削減につながります。
Squareの在庫管理なら、在庫の少ない商品があればアラートでお知らせしてくれので、適正な発注数で効率的な在庫管理ができます。また、スマートフォンやタブレット端末を使って、どこからでもリアルタイムで在庫状況を把握できます。ぜひ導入を検討してみてください。
フードバンク
「食品自体に問題はないが、パッケージに傷が付いているためお客様に販売できない」そんな食品もあるでしょう。そのような場合は、フードバンクに食品を寄付することも方法のひとつです。
フードバンクとは、食品の製造工程で発生する規格外品を引き取り、福祉施設などに無料で提供する団体・活動です。
値引きセール
食材として問題はないが、虫食いのあとや見た目の見劣りのせいで正規価格では販売が難しい。そのような食材は、「ワケあり食材」として値引きセールを行うこともできます。
食材ロス削減に向けた取り組み。できることから始めてみてはいかがでしょうか。
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執筆は2018年1月30日時点の情報を参照しています。
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