見直しましょう!​飲食店経営に​おける​原価率の​考え方

飲食店を​経営していく​上で​持続的な​成長を​目指すので​あれば、​切っても​切り離せない​ものが​利益。​利益を​上げる​ためには、​売り上げを​伸ばすことにのみ注力するのではなく、​原価を​低く​抑える​工夫も​必要です。​今回は、​売り上げに​対して​原価が​占める​割合である​原価率に​ついて​紹介します。

原価率とは

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まず、​原価とは​商品や​サービスを​作り出すために​かかった​費用の​ことを​言います。​原価に​どのような​項目が​含まれているかは、​提供する​商品や​サービスに​よって​異なりますが、​飲食店の​場合は​食材費や​飲料費の​ことを​指す​ことが​多いようです。

原価 = 材料仕入価格 × 材料消費量

売り上げに​対する​原価の​比率である​原価率は、​現在の​経営状況を​確認する​ために​大切な​ポイントです。​また、​これから​飲食店を​開業を​しようと​している​方は​事業計画書を​書く​際に、​必ず​原価率に​ついて​記載する​ことが​あるはずです。​原価率は​次の​方法で​求める​ことができます。

原価率 = 原価 ÷ 売り上げ × 100

たとえば、​180円で​仕入れた​食材を​20円分の​調味料を​使って​作った​料理を​500円で​提供すると、​原価は​200円、​売り上げ高は​500円ですから、​原価率は​40%と​なります。

原価率は​どの​くらいの​数値を​目指せば​良いのでしょうか。​飲食店に​おける​原価率の​目安と​して、​株式会社ぐるなびでは​次のように​紹介しています。

カフェ:24%〜35%前後
ラーメン屋:30%〜32%前後
居酒屋:28%〜35%前後
イタリアン、​フレンチ:38%〜45%前後

参考:飲食店の​原価率は​何%?​業態別推奨値(ぐるなびPRO)

一つの​目安と​して​参考に​してみては​いかがでしょうか。

原価率を​用いた​飲食店経営

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計算式を​基に​シンプルに​考えると、​利益の​割合を​高くする​ためには​原価率を​下げる​ことが​好ましいです。​原価率を​下げる​ための​例を​挙げます。

材料仕入価格

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原価率を​下げる​ためには、​原価​そのものを​低く​抑える​方法が​考えられます。​原価を​構成する​材料仕入価格を​低くする​ことを​考えてみましょう。​特に​食材の​仕入価格は、​季節や​天候に​影響を​受ける​ことが​あります。​たとえば、​日照​不足が​続くと​野菜の​値段は​高騰する​傾向に​あります。​このような​変化を​考慮した​材料仕入価格の​見直しが​必要です。

仕入先見直し

現在の​仕入先を​見直す​ことも​方法の​一つです。​仲介業者を​通さず​農家から​直接仕入れると​仕入価格を​抑える​ことができます。​また、​特定の​仕入先から​毎回​仕入れる​ことで、​仕入額値下げの​交渉を​しやすくなる​ことも​あります。

規格外野菜の​活用

天候不良などの​影響に​より​大きさ、​色、​形などが​規格に​適さず​市場に​流通しない​野菜が​あります。​このような​規格外野菜は​低めの​価格で​仕入れる​ことが​可能です。​料理の​味に​影響が​ない​場合、​規格外野菜の​活用も​検討してみては​いかがでしょうか。

材料消費量

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材料消費量を​少なくする​ことも​考慮してみては​どうでしょうか。​具体例を​3つ紹介します。

レシピ遵守徹底

調理に​使う​食材や​調味料の​量は、​作る​人に​よって​異なっていませんか。​また、​調味料は​適量など​曖昧な​表現が​レシピに​あるかもしれません。​同じ​サラダを​作るにしても、​ある​人は​ドレッシングを​50ミリリットル、​他の​人は​80ミリリットル​使うなど、​ばらつく​ことも​あります。​レシピの​遵守が​徹底されていないと、​材料消費量の​予測が​難しい​場合が​あります。​また、​お客様に​とっても、​来店する​たびに​味付けが​異なる​ことに​違和感を​持つことが​あるかもしれません。​もちろん、​お客様の​希望に​合わせたりと​状況に​よって​味付けを​変える​ことも​ありますが、​一度​調理工程の​見直しを​してみては​いかがでしょうか。

メニュー見直し

料理の​食材や​調味料の​量は​適切でしょうか。​食べ残しが​頻繁に​あるようなら、​より​少ない量でも、​お客様は​十分に​満足していただけるかもしれません。​盛り付け方法を​工夫すれば、​料理の​見た目を​変えずに​対応する​ことができます。​仕入価格の​低い​食材を​多用した​メニューを​増やすことも​可能です。​また、​メニューを​考える​ときには​同じ​食材を​使った​メニューを​複数用意する​ことで、​食材を​有効活用する​こともできます。

他にも、​飲食店メニューの​作り方の​記事も​ぜひ参考に​してみてください。

在庫管理

効率的な​在庫管理を​行う​ことができていますか。​無駄な​仕入れに​よる​食材廃棄や​支出を​最低限に​する​ためにも​在庫管理を​徹底しましょう。​在庫管理を​効率的に​行う​方法は​さまざまです。​ABC分析も​在庫管理方法の​一つです。

注意点

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売り上げと​いう​経営側の​視点で​考えた​場合、​原価率を​意識する​ことは​重要な​ことです。​しかしながら、​顧客満足度と​いう​観点で​考えると、​原価率だけを​意識するのは​注意が​必要と​いえます。​たとえば、​原価率を​低くする​ことを​意識する​あまり、​お客様に​人気が​ある​原価率の​高い​メニューを​変更したり廃止したりすれば、​お客様の​満足度は​下がり、​長期的に​見れば​売り上げ低下に​つながる可能性が​あります。

外食の​際に​コストパフォーマンスを​気に​される​お客様も​いらっしゃるのではないでしょうか。​コストパフォーマンスが​優れているとは、​提供された​商品や​サービスの​価格に​対して​顧客の​満足度が​高い​ことを​意味します。

飲食店を​訪れた​お客様に​とって​コストパフォーマンスが​良いとは、​支払った​料金に​対して​高価だと​感じる​食材を​提供された​お得感と​考える​こともできるのではないでしょうか。​この​場合、​原価率を​低くする​ことは、​お客様に​とって​コストパフォーマンスが​低いと​感じられるかもしれません。

原価率は​飲食店を​運営する​上で​大切な​経営指標の​一つです。​さまざまな​方法と​組み合わせながら経営に​利用していきましょう。

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執筆は​2017年9月28日​時点の​情報を​参照しています。​
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