ゴーストレストランとは?メリットや開業費用・始め方を解説

料理の腕やセンスを生かして自分のレストランを始めたいと思っても、物件取得費や内装費、人件費などの開店資金がハードルになることがあります。仕入れコストや人件費も考えると月々の支払いが不安だという人もいるかもしれません。

初期投資を抑えて飲食業を始める方法として、ひとつの選択肢になるのが「ゴーストレストラン」です。ゴーストレストランとは、客席を設けず、オンラインで注文を受け、デリバリーやテイクアウトを中心に料理を提供する飲食店の運営形態です。この記事では、仕組みやクラウドキッチンとの違い、メリット・デメリット、開業費用や始め方までわかりやすく解説します。

📝この記事のポイント

  • ゴーストレストランとは、客席を持たずデリバリーを中心に料理を提供する飲食店の運営形態
  • 客席や接客スペースを設けない分、物件・内装や接客スタッフにかかる費用を抑えやすい
  • 開業費用は厨房の用意方法で大きく異なり、クラウドキッチンなら初期費用を抑えやすい
  • 開業には飲食店営業許可や食品衛生責任者などの確認が必要
  • Squareならオンライン注文・決済からPOSレジ、厨房の注文管理、売上・顧客情報の活用まで1つのアカウントで管理できる
目次


ゴーストレストランとは

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ゴーストレストランとは、一般的な飲食店のような客席や接客スペースを持たず、オンラインで注文を受け、デリバリーやテイクアウトを中心に料理を提供する飲食店の運営形態です。「ゴーストキッチン」とも呼ばれ、効率的な新しいビジネスの形として注目を集めています。調理するための厨房は必要ですが、お客さまが飲食する店舗空間を設けないため、物件の広さや立地、接客スタッフなどにかかる費用を抑えやすい点が特徴です。

ゴーストレストランの利用が広まる背景にはフードデリバリーサービスや厨房を共有するシェアキッチンの普及があります。フードデリバリー市場はコロナ禍に急拡大した後、現在は飲食店の販売チャネルのひとつとして定着しました。経済産業省によると、2024年の消費者向け電子商取引市場のうち、フードデリバリーサービスの市場規模は5,442億円で、2023年の5,868億円から7.26%減少しました1。代表的なフードデリバリーサービス、Uber Eats(ウーバーイーツ)の加盟店は2026年3月時点で国内12万店にのぼり2、この中には店舗をもたないゴーストレストランも含まれています。

ゴーストレストランの仕組み

基本的な流れは、オンラインで注文を受け、厨房で調理し、配達員や自社スタッフを通じてお客さまへ届けるというものです。注文はUber Eatsなどのデリバリープラットフォームから受ける方法のほか、自社の注文サイトを設けて直接受け付ける方法もあります。

Uber Eatsでは、既存の飲食店が店内の厨房を使いながら別ブランドを展開する形態を「バーチャルレストラン」と呼んでおり、既存店が新しいメニューやブランドを試す方法として紹介しています3。たとえば、中華料理店として営業している路面店が、Uber Eats上にイタリアン専門店を掲載し、同じ厨房で両方のメニューを調理するといった形態です。客席を持たずオンライン注文を中心に営業するという点で、ゴーストレストランと近い概念として使われることがあります。

実店舗型の飲食店との違い

ゴーストレストランと実店舗型の飲食店で大きく異なるのは、お客さまが飲食する客席を持つかどうかです。ただし、住所のある厨房や営業に必要な許可が不要になるわけではありません。

項目 ゴーストレストラン 実店舗型の飲食店
客席 原則として設けない 設ける
注文 オンライン中心 店頭・電話・オンラインなど
料理の受け渡し デリバリー、テイクアウト中心 店内提供、テイクアウト、デリバリーなど
立地で重視する点 配達エリア、厨房設備、賃料など 人通り、視認性、商圏、客席数など
顧客との接点 オンライン中心 接客・店頭・オンライン

実店舗のように路面店の視認性や客席数を重視する必要はありませんが、注文が入りやすいエリアに届けられるか、配達員が受け取りやすい場所か、厨房が調理量に対応できるかといった別の条件が重要になります。

また、ゴーストレストランは店を構えない分、オンラインデリバリーなどのプラットフォーム上でメニューを魅力的に見せる方法や、近隣に同ジャンルの競合がいるか、競合と比べて価格設定が魅力的かなどを意識してメニュー設計をすることが集客につながります。

クラウドキッチン・シェアキッチンとの違い

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ゴーストレストランと混同されやすい言葉に「クラウドキッチン」「シェアキッチン」があります。ゴーストレストランが主に飲食店の運営形態を指すのに対し、クラウドキッチンやシェアキッチンは主に厨房の利用形態を表します。

クラウドキッチンは、デリバリー向けの調理を想定した厨房施設に複数の飲食事業者が入居し、それぞれの区画やブースを利用する形態が一般的です。運営会社が物件や基本設備を用意している場合、飲食店側は自前で物件を取得して厨房を一から作る場合より、開業準備を簡素化しやすくなります。

シェアキッチンは、一つの厨房を複数の事業者で共同利用する形態です。曜日や時間帯を分けて使う施設もあれば、複数の調理スペースを同時に利用できる施設もあります。

ゴーストレストランのメリット

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ゴーストレストランは、客席を持たないことで費用や運営の仕組みをシンプルにしやすいのが最大のメリットです。既存の飲食店が新しいブランドを試す方法としても活用できます。

客席や接客スペースにかかる費用を抑えられる

客席の内装や家具、接客スペースにかかる初期投資を抑えやすいことは、ゴーストレストランの大きなメリットです。実店舗型のレストランでは、人通りや視認性の高い立地が売り上げに影響することがありますが、ゴーストレストランでは配達可能なエリアや厨房の使いやすさを優先して物件を選べます。

人件費を抑えられる

客席への案内や注文対応、配膳などのホール業務がないため、接客スタッフを置かずに運営できることもメリットです。調理や注文確認、梱包や配達員への受け渡しなど最低限必要な人員だけで業務を回すことができるため、人件費の節約にもつながります。

席数・天候・時間などの制限が少ない

実店舗型の飲食店では、満席になると新しいお客さまを案内できませんが、ゴーストレストランには客席数による上限がないため、厨房で対応できるかぎりは注文を受け付けることができます。

また、実店舗だと雨など天気の悪い日には客足が遠のきがちですが、ゴーストレストランはむしろ注文が増える場合も考えられます。実店舗は営業時間を拡大するとホールとキッチンの人件費が大きく膨らみますが、ゴーストレストランは調理と梱包を行う人がいれば営業できるため、営業時間を柔軟に決めることができます。

新しいメニューやブランドを試しやすい

これまでにない料理を提供してみたい、実店舗を開く前に市場の反応を確かめたいといった場合にも、ゴーストレストランは選択肢になります。店構えや客席を用意する必要がないため、メニューやブランド名を変更しながら試行錯誤しやすい点が特徴です。

麻辣湯の「白虎麻辣湯」やアサイーボウル店の「GREEK SPOON」などのゴーストレストランブランドを複数展開するX Kitchenは、2026年時点で1,000店舗を超える飲食店にゴーストレストランブランドを提供しています4。このように、自店の設備やスタッフを活用しながら、既存のゴーストレストランブランドを展開するのも一手です。

ゴーストレストランのデメリットと注意点

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初期投資や運営負担を抑えやすい一方、店舗の看板や接客で集客できないことなど、ゴーストレストラン特有の課題もあります。

デリバリーを使わない人には認知されにくい

店舗がないため、店の前を通った人が看板や外観を見て来店することはありません。デリバリーアプリを利用しない人には、ブランドそのものを知ってもらいにくい点が課題です。

デリバリープラットフォームへの手数料が発生する

外部のデリバリープラットフォームは、自社で配送手段を用意する必要がない点は便利ですが、サービス利用料を支払う必要があります。表示順などを有利にするためには、広告・プロモーション費が発生することもあります。

顧客情報を直接取得しにくい

外部のデリバリープラットフォームは店舗側が取得・活用できる顧客情報の範囲についてそれぞれ異なる規約や仕様を設けています。実店舗のようにお客さまと対面で接客する機会がない分、お客さまの反応を直接見ることができないほか、ポイントカードなどお店独自のリピーター獲得施策を展開しづらくなります。

厨房を使いたいときに使えない場合がある

シェアキッチンや他店の厨房を間借りする場合は、営業したい時間にほかの予約が入っていて厨房が使えない、という事態が発生することも考えられます。オーブンやフライヤーなどの調理機器、冷蔵庫・冷凍庫などの保管スペースにも制限が出るかもしれません。

配送後も品質を保てるメニュー設計が必要になる

ゴーストレストランでは、配送時間を考慮したメニュー設計が必要になります。温度が下がる、揚げ物が蒸れる、麺が伸びる、盛り付けが崩れるといった変化まで想定し、お客さまに届くタイミングでも美味しく食べられるメニュー開発が重要になります。

ゴーストレストランの開業にかかる費用

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開業費用は、どんな厨房を使うかで大きく変わります。以下は、日本政策金融公庫などの資料を元にした開業費用の参考例です。

開業形態 参考費用 内容
厨房・物件を自分で用意 合計700万円5 一般的な飲食店の創業計画例。厨房設備だけなら新品で約500万円、中古・居抜き物件なら約100万〜300万円10
クラウドキッチン等を利用 約40〜100万円6 クラウドキッチン利用費など
既存店にブランドを追加 数万円程度 ブランドライセンス費など

厨房物件を自分で用意する場合

物件を借りて厨房設備を一から用意する場合は、保証金や内装・設備工事、厨房機器、什器・備品、仕入れなどが必要です。厨房設備だけの費用は、導入方法によって大きく異なります。業務用厨房機器メーカーのFUJIOHによると、新品で厨房設備をそろえる場合はおおよそ500万円以上、中古・居抜き物件を活用する場合は約100万〜300万円、リースを組み合わせる場合は100万円前後が目安とされています10。

クラウドキッチンやシェアキッチンを利用する場合

設備付きのクラウドキッチンやシェアキッチンなら、物件取得や大規模な厨房工事にかかる初期費用を抑えやすくなります。クラウドキッチン運営会社のKitchenBASEは、運営会社と契約して開業する場合の初期費用目安を約40〜100万円としています6。

既存の飲食店に新しいブランドを追加する場合

すでに飲食店を経営している場合は、厨房や調理機器を流用できるため、新しい物件を取得するより初期費用を抑えやすくなります。デリバリープラットフォームとの契約や注文を受けるタブレットなどの準備に、数万円程度かかる場合があります。X Kitchenなどのゴーストキッチンブランドと契約して展開する場合、ライセンス費用や売上に応じたロイヤルティがかかることもあります。

そのほかに必要となる費用

新たに開業する場合は、営業に必要な許可や責任者の選任などが必要となります。「⾷品衛⽣責任者」「防⽕管理者」「飲食店営業許可書」などがあります。クラウドキッチンの運営会社と契約する場合、運営会社が取得していることもあるため、運営会社や管轄保健所に確認しましょう。

  • ⾷品衛⽣責任者受講費用 教材費込み10,000円前後(東京都の場合、教材費込みで12,000円7)
  • 飲食店営業許可申請費用 15,000円から20,000円程度8(地域によって異なる)
  • 防火管理者受講費用 5,000円から8,000円程度(営業形態・建物条件などによっては必要)

ゴーストレストランを開業する手順

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ゴーストレストランを開業するにあたっては、コンセプトやメニューの決定に加え、厨房の確保などが必要です。

1. 事業計画とブランドコンセプトを決める

誰に、どのエリアで、どのような料理を届けるのかを決め、想定客単価や注文数、食材原価、デリバリープラットフォームに支払う手数料などを含めた収支計画を作ります。

2. 開業形態と厨房を決める

自前の厨房やクラウドキッチン、シェアキッチンなどから利用する厨房を決めましょう。自店の営業時間や予算、想定される調理量に合う形態を選びます。

3. 必要な許可・届出を確認する

飲食店営業許可や食品衛生責任者など、営業地と提供メニューに必要な手続きを保健所へ事前に確認します。

4. デリバリー向けのメニューと価格を決める

配送後も味・温度・見た目を保ちやすいメニューを選びましょう。食材費や包材などの費用を考慮し、採算が取れる価格を設定します。

5. 注文・決済・配送の仕組みを用意する

デリバリープラットフォームを利用するのが一般的ですが、自社で決済機能付きの注文サイトを作成し、配達員を採用する方法も選択肢になります。

6. テスト販売後に営業を始める

本格営業の前に少量の注文でテストし、調理時間や配達後の品質などを確認します。問題を修正してから注文数や販売エリアを広げましょう。

ゴーストレストランの運営に役立つSquareのサービス

ゴーストレストランの運営を成功させるには、注文が複数の経路から入っても混乱しない厨房の仕組み作りのほか、売上データや顧客情報をメニューや価格決定に生かすことが重要です。これには、画面上で注文を一元管理できるキッチンディスプレイシステムや、売上データを管理できるPOSレジ、テイクアウトなどにも対応できる注文サイトの作成などが有効です。

Squareならオンライン注文・決済からPOSレジ、厨房の注文管理、売上・顧客情報の管理まで1つのアカウントで一気に整えることができます。

自前の注文サイトで注文・決済を受け付ける

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第三者のデリバリープラットフォームだけでなく、自社で直接注文を受け付けたい場合や、デリバリーとテイクアウトを併用したい場合などは、簡単にオンライン注文ページを作成できるSquare オンラインビジネスが便利です。注文と同時にクレジットカード決済も受け付けられます。

Squareの注文サイトの作成はとても簡単。無料アカウントを作成したら、管理画面から「オンラインビジネス」をクリックして、商品写真や価格、メニューの紹介文などを入れるだけです。テイクアウトや自社スタッフによるデリバリー設定もでき、配達対応地域や最低注文額、サービス料金のほか、商品の準備時間を設定したり、オーダー数を制限したりすることもできます。詳しい設定方法については、こちらをご覧ください。

キッチンディスプレイシステムで厨房の注文を管理する

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▲キッチンディスプレイの利用イメージ

飲食店向けSquare POSレジは、飲食店に特化したPOSレジアプリで、ゴーストキッチンに便利なキッチンディスプレイシステムが利用できます。

Square オンラインビジネス経由で受け付けた注文はもちろんのこと、デリバリープラットフォームを介して入った注文については手動で注文内容を入力すれば、その内容が厨房に設置したキッチンディスプレイに送信されます。複数箇所からの注文を1つのスクリーンで管理できるので、スムーズな調理が可能です。

Square POSレジでは、商品ごとや時間帯別の売上データをリアルタイムでどこからでも確認できます。デリバリープラットフォームからの注文も合わせて1カ所で管理することで、売れ行きに合わせたメニュー・価格改定などの施策にも役立てられます。

飲食店向けSquare POSレジには無料プランとプラスプラン(月額13,000円)があり、無料プランではKDS1台あたり月額3,500円の追加料金がかかります。プラスプランなら、追加費用無しでKDSを台数無制限で利用できます。Square レストランPOSレジの機能や料金の詳細はこちらをご確認ください。

SquareのPOSレジは高機能なのに初期費用0円

Square POSレジは業務効率化を実現する、高機能な無料アプリです。売上分析、在庫管理、スタッフ管理など、必要な機能が1つのアプリにまとまっています。業務をなるべくシンプルにしたい、小規模なアパレル店、美容院、理容室、サービス業に適しています。

まとめ

ゴーストレストランとは、客席を設けず、オンライン注文とデリバリーを中心に料理を提供する飲食店の運営形態です。客席や接客スペースを持たないことで初期費用や人員を抑えやすく、既存の厨房を活用して新しいメニューやブランドを試す方法としても利用できます。Squareのオンライン注文やPOSレジ、キッチンディスプレイシステムなどを活用して、効率的な運営を目指してみませんか。

よくある質問

ここでは、ゴーストレストランの開業に関するよくある質問に回答します。

ゴーストレストランの開業に資格や許可は必要ですか?

ゴーストレストランも食品を調理して販売する飲食店なので、通常は営業する施設に応じた飲食店営業許可と食品衛生責任者の選任が必要になります。詳しくは営業地を管轄する保健所へ相談しましょう。

ゴーストレストランは自宅で開業できますか?

自宅だから一律に開業できないわけではありませんが、飲食店営業許可などが定める施設基準を満たす必要があるため、家庭用キッチンをそのまま使えるケースはまれです。工事前に管轄保健所へ図面を持参して相談しましょう9。

既存の飲食店でもゴーストレストランを始められますか?

既存の厨房設備やスタッフを活用して、実店舗とは別のデリバリー専用ブランドを展開することができます。ただし、現在の営業許可の範囲で提供できるメニューか、厨房の処理能力に余裕があるかなどを事前に確認しましょう。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2019年10月29日時点の情報を参照しています。2026年9月15日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。