刺さるキャッチコピーとは?キャッチフレーズの作り方と事例

キャッチコピーは商品や企業の特徴を物語るうえで、大切な役割を果たします。商品のストーリーや魅力を効果的に伝えられるキャッチコピーを考えつくことができれば、お店やオンラインショップにふらっと立ち寄った人をファンに変え、ひいてはリピーターにしていくことさえできるといっても過言ではないでしょう。

この記事では自分でキャッチコピーのアイデアを膨らませるためのテクニックや、実際の作り方、業種別の事例などを紹介します。

📝この記事のポイント

  • キャッチコピーは短くて印象的な言葉で商品やサービスの魅力を伝える広告手法である
  • 印象的なキャッチコピーはブランド認知度を最大80%高め、収益を平均21%押し上げる効果がある
  • キャッチコピーを作る際は、簡潔さ・わかりやすさ・実態との一致・ターゲットへの訴求が重要
  • 共感を呼ぶキャッチコピーは、SNS投稿やレビューなどのユーザー生成コンテンツを62%増加させ、拡散力やブランディングに大きく寄与する
  • 作成後は効果測定と改善を繰り返し、継続的に最適なキャッチコピーを目指すことが大切
目次


キャッチコピーとは?​

キャッチコピーとは商品やサービスを魅力的に見せるため、あるいは認知度を上げるために使われるおおよそ15字前後の短いフレーズです。「宣伝文句」「惹句」と呼ばれることもあります。消費者の興味を引くことが大きな狙いで、独創性や遊び心を生かした言葉遣いでサービスや商品を印象付けます。電車の中吊り広告や屋外広告、最近だとオンライン広告、自社サイト、SNSのプロフィール文など至るところで使われており、商品やサービスの代名詞ともいえる重要な役割を果たします。

「キャッチ」と「コピー」という英単語を組み合わせていることから英語圏で使われているのかと思うかもしれませんが、英語圏では耳にすることのない和製英語です。「コピー」は広告文を指し、「キャッチ」は消費者の興味を引くという意図で使われているようです。

キャッチコピーの​歴史と進化​

キャッチコピーの歴史は300年以上も前の江戸時代に遡るといわれており、ある説によると日本最古のキャッチコピーは「土用の丑の日」だとあります。夏になると鰻を食べて活力をつけることは今となればよく知られた風習ですが、江戸時代には夏に鰻を食べる習慣はなかったそうです。むしろ冬のように脂がのらず、身が淡白になってしまう鰻は夏になると売れにくくなる傾向にあったといいます。

そこで発明家、本草学者、戯作者とさまざまな才能を持ち合わせた人物、平賀源内氏が考えついたのが「土用の丑の日」というキャッチコピーでした。この説が本当であれば、売れ行きが芳しくないものを言葉の力で売れるようにしただけでなく、全国で知れ渡る風習にまでしたことから、最古のキャッチコピーでありながらキャッチコピーの偉大なる成功事例だともいえます。

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時代とともに言葉の使われ方が変わるように、売れるキャッチコピーも時代とともに進化を遂げています。たとえば「ぶっちゃけ」「まじ」など現代ならではの口語表現を使うことで親しみやすさを出したり、自社サービスのことをへりくだって話す、また、あえて自虐的な表現をすることで笑いを誘い、印象付けたりするようなキャッチコピーが注目される傾向も生まれています。

近年ではキャッチコピーをSNS上で宣伝して拡散を狙うことも定着してきました。キャッチコピーにハッシュタグをつけて宣伝することも多いため、よりキャッチーさが求められてきているのかもしれません。オフラインでもオンラインでも消費者が多く集まるところがコピーの掲示先になることは今後もおそらく変わらないでしょう。

さらにキャッチコピーは平賀源内氏の「土用の丑の日」から今に至るまで、人間がとことん考えて、捻り出してきました。ところが近年ではChatGPTなどのAIチャットボットの誕生により、チャットボットからアイデアをもらうという新たな手法も選択肢として出てきました。まだ決して主流ではありませんが、人間がキャッチコピーを書かなくなる未来もひょっとしたらあるかもしれません。

キャッチコピーとキャッチフレーズの違い​

「キャッチコピー」と「キャッチフレーズ」は、どちらも短い文章による宣伝文句や謳い文句といった意味で使われている場面が多いようです。ただ、キャッチコピーが和製英語なのに対して、キャッチフレーズは英語のcatchphraseに由来します。また、キャッチフレーズは就職活動で自分を端的に表現する紹介文として使われるなど、広告・宣伝以外の目的で使われることもあるようです。

な​ぜキャッチコピーが​重要なのか?​

商品やサービスをターゲットに認知してもらい、購入してもらうために、キャッチコピーは大きな役割を果たします。ポスターやテレビコマーシャル、オンラインショップの商品ページなどに、商品画像や動画だけが載っていても、見た人にはその意図が伝わりにくいですが、商品にぴったりなキャッチコピーが1文あるだけで魅力が伝わり、画像や動画の意味は大きく変わってきます。

実際、Soocialの調査によれば、印象に残るキャッチコピーはブランド認知度を最大80%高め、収益を平均21%押し上げる効果があるとされています15

興味を引き、記憶に定着させる働き​

人は広告を数秒で「見るか・スルーするか」を判断します。人間の注意持続時間は2008年の12秒から2025年には約8秒へと短縮しているとのデータもあるようです16。さらに、1,000件のインプレッションのうち実際に見られているのはわずか80件にすぎず、しかも平均注視時間は約1.3秒と短いことが報告されています17。そのわずかな時間の中で、広告は続きを読ませるきっかけを作らなければなりません。

注意持続時間(2008年) 12秒
注意持続時間(2025年) 8秒
1,000インプレッションのうち視認された広告数 80件 (8%)
平均注視時間 1.3秒

キャッチコピーは、その一瞬で目を引き、続きを読ませるきっかけとなります。短くても強い言葉や、意外性、感情に訴えるフレーズは、読者の記憶に残りやすく、ブランドや商品名と結びつくことで、のちの購買行動につながる可能性が高まります。

コンバージョン率やブランディングへの影響

効果的なキャッチコピーは、クリック率や購入率といったコンバージョンに直接的な影響を与えます。「試してみたい」「今すぐ買いたい」と思わせる訴求力があれば、ユーザーの行動を自然と促すことができます。ある調査によれば、共感を呼び、シェアしたくなるキャッチコピーは、SNS投稿やレビュー、ブログなどを含むユーザー生成コンテンツ(UGC)を62%増加させることが明らかになっています15

また、キャッチコピーはブランドの世界観や価値観を象徴する役割も担っています。一貫したトーンやメッセージが繰り返されることで、ブランドの信頼感や親しみやすさが醸成され、長期的なブランディングにも貢献します。

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キャッチーなフレーズの最低条件

心に残るキャッチコピーやフレーズは、偶然ではなく、しっかりとした戦略とステップに基づいて作られています。以下のポイントを押さえることで、誰の心にも響く言葉を生み出すことができます。

①短く、​簡潔である

キャッチコピーの最大の特長は、その短さと簡潔さです。長い文章と違って情報の量や詳細さには欠ける反面、キャッチコピーでは少ない字数に凝縮されたメッセージを印象に残る形で伝えることが可能です。大体のコピーは15字以内、長くても25字以内におさめることが理想とされています。

②ひと目で​誰でも​理解できる

短さ、簡潔さが特長のキャッチコピーでは、理解しやすさも不可欠な要素です。まわりくどい言い回しや難読漢字、専門用語や流行語の乱用は理解を妨げることがあります。また、第三者のチェックを入れるなどして、誤字や脱字、言葉の誤用、誤解を招くようなメッセージは徹底的に排除しましょう。

③実態と​言葉が​一致している

短くまとめられているからといって、商品や企業の実態とキャッチコピーがかけ離れていては実際の魅力が伝わりません。キャッチコピーに引きつけられたターゲットが詳細な商品説明を読み始めたときに、「キャッチコピーと違う」「想像を裏切られた」と感じるのではなく、すんなりと興味から購入検討へ移行できるようにするためには、実態とキャッチコピーが一致していることが重要です。

④ターゲットの​心に​刺さる

洗練されたキャッチコピーは、言葉そのものが頭に残り、心に刺さります。そこから連想されるライフスタイルや商品の使用環境は、商品そのものの魅力にもなり得ます。たとえば清涼飲料などのキャッチコピーは、ターゲットが商品を飲むシーンを想定し、オーバーラップするように制作されたものが多くあります。

心に刺さるキャッチコピーに関しては以下のような研究もあります。こうした研究結果を参考にするのも一つの手です。

興味深いことに、キャッチコピーを処理しやすくする特性(すなわち流暢さを高める特性)は“好ましさ”を増す一方で、“記憶されにくくなる”という逆の効果を持っていました。その逆もまた然りです。具体的には、長さ、ブランド名、単語の使用頻度、知覚的な独自性、抽象性という5つの言語特性が、“好まれるかどうか”と“記憶されるかどうか”に正反対の影響を与えていました。たとえば、長くブランド名を含むキャッチコピーは、記憶されやすい一方で、好まれにくい傾向がありました。逆に、頻繁に使われる単語、知覚的に独自性のある単語、抽象的な単語を含むキャッチコピーは、好まれやすいものの、記憶には残りにくい傾向が見られました。
– Eller College of Management Reveals Research Results on Brand Slogans for Improved Marketing Strategy14

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心に刺さるキャッチコピーの​作り方ステップと​10の​必勝テクニック

相手に「伝える」ことを目的としたキャッチコピーの場合、作り方は以下の通りです。

①伝えたい「相手」を決める
②相手に抱いてほしい「イメージ」を考える
③伝える「メッセージ」を絞り込む
④伝えたいメッセージを表現する言葉を挙げ、組み合わせる

相手に「リアクションを起こしてもらう」ことを目的とするキャッチコピーの作り方としては、上述の4ステップに加えて、行動を起こす必要性をアピールする必要があります。たとえば「もうお持ちですか?」「今年限定の」「今すぐチェック」など、行動を喚起する言葉を入れるのも一つの手法です。

基本的な作り方に加え、以下に挙げる10のテクニックは、特にスモールビジネスにおいてキャッチコピーの効果を高めることに役立ちます。ただし、これらすべてをかならず踏まえなくてはいけないということではなく、商品特性や方向性によって必要な要素を取捨選択しましょう。

1.「何を伝えたいか」を明快に表現

誰もが知っているような大企業や既に知名度のある商品のテレビコマーシャルなどには、抽象的なキャッチコピーが登場することがあります。広く認知され、社会的な立ち位置が確立されている企業や商品であれば、そのものについての説明が不要だからです。つまり、抽象的なキャッチコピーはスモールビジネス向けではないといえます。あくまで「伝えたいこと」が明確に伝わるキャッチコピーを心がけましょう。

2. 客観的な視点を忘れない

制作者が使いたい表現を盛り込んだだけのキャッチコピーは、自己満足の印象を与えてしまいます。読んだ人がどう感じるかを主体に、客観的な視点を意識しながら作成しましょう。

3. 使用イメージをはっきり持つ

キャッチコピーは作って終わりではなく、ポスターやウェブページに掲載し、コマーシャルに使われることもあります。実際の掲載イメージや発音、語感なども想像してみましょう。

4. 発見、驚き、刺激をプラス

「未体験の食感」「これで油汚れの悩みが解決」「常識を変える質感」など、読み手が思わず「もっと知りたい」「体験したい」と思うようなフレーズを使うことで、発見や驚きといった要素をプラスできます。

5. 感情・欲求を揺さぶる

お客さまの声や販売状況を引用したキャッチコピーの例として、「“買ってよかった”を実感できる」「ラブコールにお応えして再販決定!」「SNSでバズった商品が再入荷!」などがあります。これらはキャッチコピーを読んだ人の注意を引き、既に多数の購入者がいる事実を提示することで、訴求力が高まります。

6. 数字でアピール

商品を利用することによる効果を伝えたいときには、数字を使うと効果的です。ただし、数字を使う際はその信ぴょう性や正確性に注意しましょう。「顧客満足度90%のアフターサービスが自慢です」「通算販売数1,000枚突破の高機能ソックス」などのキャッチコピーを使う際には、その数字が何を基準とし、どのように計測・計算されたものであるかという説明を添えることで、ユーザーからの信頼を獲得することができます。キャッチコピーに限らず、ブログタイトルなどでも数字を含む文字列は目を引きクリックされやすいと一般的にいわれています。

7. 専門性やオーソリティーの力を借りる

専門性や安全性が求められる商品であれば、「◯◯大学教授も推薦」「◯◯のおすすめ」などの事実が商品の信頼性を高めます。

8. 抽象的 VS 具体的、どちらが必要か的確に

たとえばソフトウェアなど実物が見えにくい商品のキャッチコピーなら、具体的かつ実体を想像しやすい言葉選びが要となります。逆に、実体のわかりやすい衣類などが対象であれば、触り心地や色合いなどを抽象的な表現によって相手の想像力を喚起することも可能です。

9. ネガティブさを前面に出さない

キャッチコピーの中には、相手の飢餓感や恐怖、不安に訴えかけるものも時として有効です。「◯◯、まだ持ってない?」といった言葉は注意を引く力がある反面、使い方によっては相手にネガティブなイメージを与えることもあるので要注意です。

10. 既存のキャッチコピーとの類似性に注意

語呂が良い、耳障りが良いと感じるテキストは、既存のキャッチコピーとの類似を念のため考えましょう。オリジナリティーがないものはキャッチコピーとしての効果が低くなります。

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【業種別】キャッチーなフレーズの​事例と​成功の​要因

ここでは名の知れた企業のキャッチコピーや、秀逸なキャッチコピーの事例を業種別で見ていきましょう。一つひとつのコピーから得られる効果も簡単に解説していきます。

小売

キャッチコピー お口の恋人
企業名・商品名 株式会社ロッテ
業種 菓子製造会社

株式会社ロッテの広く知られたキャッチコピーです。「お口の恋人」というキャッチコピーは、社名と深いつながりを持ちます。そもそもロッテの社名はドイツの詩人であり、小説家であるヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの「若きウェルテルの悩み」に登場するシャルロッテに由来しているようです。

公式サイト1には、彼女が物語上で「永遠の恋人」であるように、ロッテも世界中から愛される恋人のような存在でありたいという思いから生まれたとあります。扱う商品が口に含む食品であることから、「お口」という単語が添えられていますが、普段聞き慣れない単語の組み合わせであることから、記憶に残るのかもしれません。

キャッチコピー ぶっちゃけ肉より高い
企業名・商品名 ノザキのコンビーフ
業種 食料品製造会社

ノザキのコンビーフは、1948年に国産コンビーフとしてはじめて登場したブランドで、牛のイラストが大半を占める缶詰が特徴的です。本コピーはSNSでの発信用に作られたようですが、当時は自社製品を自虐するようなキャッチコピーがトレンドになっており、X(旧Twitter)4で投稿してまもなく話題2を呼びました。

自虐的なコピーではありますが、「肉より高い」ことにはしっかりと理由があるようです。ノザキのX(旧Twitter)担当者は、加工に手間暇をかけていること、またそれによりノザキのコンビーフならではのおいしさが出ることが300円という価格設定につながっていることを解説しています3。自虐的なコピーだとしても、商品のよさ、企業の誠実な思いなどが説明できると消費者の好感度アップにもつながるでしょう。

飲食

キャッチコピー ここのうどんは、生きている。
企業名・商品名 丸亀製麺
業種 うどん屋チェーン

うどんを提供しているチェーン店「丸亀製麺」が、うどんに生命を与えたキャッチコピーです。丸亀製麺の特徴は、全国すべての店舗で粉から麺を打ち、手作り・打ち立ての麺を提供しているところです5。店頭ではカウンター越しに注文をすると、注文した品が目の前でできていく様子が見られるので、出来たてという点を視覚的に伝えるうえで効果を発揮しています。「生きている」と表すことで、丸亀製麺の手作り・出来たてへのこだわりがより伝わるようになっています。

キャッチコピー 朝マックは、旅の前のにおいがする。
企業名・商品名 朝マック(マクドナルド)
業種 ハンバーガー・レストラン・チェーン

世界各国で知られるキャッチコピー、「I’m lovin’ it」を生み出したマクドナルドがテレビコマーシャル用に考えたコピーは、「朝マックは、旅の前のにおいがする。」でした6。映像には日がちょうど昇りはじめるころに、車で旅先へと向かう家族の様子が映し出されます。子どもたちや親が手に握り、口にするのは、もちろん朝マックの商品。ストーリーを通して、自社商品を旅の前の味として位置づけています。

本キャッチコピーは「旅の前」というシチュエーションを当てこんでいますが、このように特定のタイミングで楽しんでもらう商品やサービスを提供しているのであれば、いつ、どのように、誰と楽しんでもらうかをコピーに織り込むのも一つの案かもしれません。

美容

キャッチコピー マーメイド髪水
企業名・商品名 Essential THE BEAUTY ウォータートリートメント(花王株式会社)
業種 消費財化学メーカー

一つの単語をキャッチコピーにするパターンもあります。近年はキャッチーさがより求められるようになっていることからこういった事例が増えているかもしれません。

花王株式会社は自社のヘアトリートメントを売り出すコピーに「マーメイド髪水」7を選定していました。人魚のようなツヤツヤ、サラサラの髪を表すうえでは「マーメイド髪」という新しい単語を生み出し、ウォータートリートメントであることから「水」を加えています。シンプルながらも印象に残る言葉遣いが、話題性8にもつながっているようです。

キャッチコピー 引くことは足すこと。
企業名・商品名 株式会社ファンケル
業種 化粧品・健康食品の販売メーカー

化粧品メーカーのファンケルがテレビCMで使ったキャッチコピーです。さまざまな添加物をくわえるのではなく、無添加にする(添加物を「引く」)ことが、きれいを「足す」ということをたったの9字で伝えると同時に、商品の価値と強みを詰め込むことができています9

医療関連

キャッチコピー もう「知らなかった」という理由で、死なないでほしい。
企業名・商品名 みんなで知ろうHPVプロジェクト(一般社団法人「HPVについての情報を広く発信する会」)
業種 HPVの啓発団体

「HPVについての情報を広く発信する会」は、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染症について正しい知識を広めたいという思いのもと、活動している一般社団法人です。本キャッチコピーは、「子宮の日」である4月9日に、新聞広告として掲載されました10

このキャッチコピーは、知ることで予防できる、というメッセージを伝えたものです。ダイレクトに「予防できる」と伝えるよりも、「死」というインパクトの強い言葉を織り交ぜ、「知らなかったという理由で」というフレーズを使うことで、HPV感染症のことをあまりよく知らないターゲット層に訴えかけ、ドキッとさせるような効果をもたらしています。

キャッチコピー 女性の不調に、我慢に代わる選択肢を。
企業名・商品名 #OneMoreChoice プロジェクト(ツムラ)
業種 製薬会社

漢方でも知られる製薬会社のツムラが、「#OneMoreChoice プロジェクト(ツムラ)」11のために生み出したキャッチコピーです。約8割の女性が誰も知らないところで我慢を抱えて仕事や育児に取り組んでいるという調査結果から、より心地よく過ごせるための社会づくりをできるようにと、発足されたプロジェクトです。

問題点であり、対話の場が少ないとされる「我慢」をキャッチコピーに大々的に入れることで問題定義をし、「〜に代わる選択肢を」で解決方法まで示しています。キャッチコピーを少し縮めた「#我慢に代わる私の選択肢」をハッシュタグとしても起用し、noteでさまざまな人の体験を募るというキャンペーンも実施していました12。キャッチコピーがありとあらゆるところで活用できることを教えてくれる事例です。

大型店・多店舗

キャッチコピー セブンイレブン、いい気分
企業名・商品名 セブン-イレブン
業種 コンビニエンスストアチェーン

コンビニエンスストアチェーン「セブン-イレブン」のキャッチコピーです。「イレブン」と「気分」が韻を踏んでいることからリズミカルな響きに仕上がっており、覚えやすいところが大きな勝ち点です。本キャッチコピーはセブン-イレブンのテーマソングにもなっており、メロディを与えることで、商品やサービスを覚えてもらうというキャッチコピーのそもそもの意図をさらに強化しています。読み上げるとつい頭のなかで歌ってしまうかもしれません。

キャッチコピー しあわせに、BAKE(バケ)る
企業名・商品名 株式会社BAKE
業種 喫茶店チェーン

チーズタルトやアップルパイ専門店など、数々のお菓子ブランドを生み出してきた株式会社BAKE。キャッチコピーである「しあわせに、BAKEる」は一見、BAKE(ベイク)と読んでしまいそうになりますが、よくよく見ると「化ける」という言葉をあえて社名であらわしていることがわかります13。このように文字遊びができることもキャッチコピーの特徴です。キャッチコピーに関していうと不可解であることは必ずしもネガティブなことではなく、むしろ一捻りくわえたスマートな表現だとおもしろがってもらえる可能性が高まることもあります。

キャッチコピーの​効果を​測定するには

キャッチコピーは作って終わりではなく、数字を通して何がお客さまに刺さり、何が刺さっていないのかを具体的に把握するまでの過程が大切です。キャッチコピーが売り上げを100%左右しているとは限りませんが、数字を正確に知ることで「この商品の売れ行きは低調だから、キャッチコピーを書き直してみよう」など、次のアクションにつなげることができます。また新商品のキャッチコピーを考える際にはこういった過去の分析が特に役に立つかもしれません。

どの商品の売れ行きが好調で、どの商品の売れ行きが芳しくないかを確認するには、POSレジの活用が便利です。無料で使えるSquare POSレジなら商品を何点でも登録することができるので大小さまざまな規模の店舗で活用できます。

また、売上分析も簡単。管理画面にログインするだけで、自動で分析された商品別売り上げデータを確認できます。CSVとしてデータをエクスポートすることも可能です。

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キャッチコピーはよくウェブサイトのトップページに載せたりします。ウェブサイトをまだ持っていないという事業者には、無料でウェブサイトが作成できる機能、Square オンラインビジネスもおすすめです。ネットショップ機能がついているので、オンライン販売したい商品があれば、簡単に掲載できます。ランニングコストとしてかかるのは、決済ごとに発生する手数料のみ。もちろんより機能を充実させたい場合には有料プランに切り替えることもできます。

POSレジとオンラインショップのどちらもSquareにすると、在庫管理が一段と楽になります。一つのアカウントで実店舗とオンラインショップの両方を管理できるので、片方で商品が売れたときに、もう片方にも最新の在庫情報が反映されます。このように在庫情報が連動すると、店舗とオンラインで在庫を分けて管理しなくて済むので、管理にかける時間も削減できるでしょう。

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まとめ

この記事ではお客さまの心をつかみ、売り上げを伸ばしていくうえで重要な役割を果たすキャッチコピーについて説明をしてきました。キャッチコピーの作り方に迷ったら、この記事で紹介したテクニックを参考に組み立てていきましょう。さらに一度作ったコピーをそのまま何年も使い続けるのではなく、定期的に効果測定をし、必要であれば何度でも改良を重ねていきましょう。正解のないことを続けていくのは大変なことですが、傾向を細かく追うことで自店舗にとって何が効果的かが見えてくるかもしれません。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2019年10月28日時点の情報を参照しています。2025年9月1日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash