商品を販売する際、これまでは店頭に掲示するポップに商品の魅力を詰め込むことが主流でしたが、今ではInstagramをはじめとするSNSやオンラインショップなど、キャッチコピーはさまざまな場所で活用されるようになりました。
キャッチコピーは商品や企業の特徴を物語るうえで、大切な役割を果たします。商品のストーリーや魅力を効果的に伝えられるキャッチコピーを考えつくことができれば、お店やオンラインショップにふらっと立ち寄った人をファンに変え、ひいてはリピーターにしていくことさえできる、といっても過言ではないでしょう。
この記事では自分でキャッチコピーのアイデアを膨らませるためのテクニックや、実際の作り方をわかりやすく解説します。
目次
なぜキャッチコピーが重要なのか?
商品やサービスをターゲットに認知してもらい、購入してもらうために、キャッチコピーは大きな役割を果たします。ポスターやテレビコマーシャル、オンラインショップの商品ページなどに、商品画像や動画だけが載っていても、見た人にはその意図が伝わりにくいですが、商品にぴったりなキャッチコピーが1文あるだけで魅力が伝わり、画像や動画の意味は大きく変わってきます。
企業のウェブサイトや広告においては、企業イメージや理念、事業内容などを伝えるキャッチコピーの存在が、ビジネスの社会的立ち位置に影響するといっても過言ではありません。キャッチコピーはそれほどに重要な役割を果たすものなのです。
また、キャッチコピーにはただ「伝える」ことを目的にしたものの他、広告の見出しとして「相手にリアクションを起こしてもらう」ことを目的としたものもあります。
キャッチコピーの最低条件
良いキャッチコピーを作る上で、以下の4点のうち一つでも当てはまらない条件があるものは、優れたキャッチコピーとは言いがたく、その役割を的確に果たせない可能性がありますので注意しましょう。
短く、簡潔である
キャッチコピーの最大の特長は、その短さと簡潔さです。長い文章と違って情報の量や詳細さには欠ける反面、キャッチコピーでは少ない字数に凝縮されたメッセージを印象に残る形で伝えることが可能です。
ひと目で誰でも理解できる
短さ、簡潔さが特長のキャッチコピーでは、理解しやすさも不可欠な要素です。まわりくどい言い回しや難読漢字、専門用語や流行語の乱用は理解を妨げることがあります。また、第三者のチェックを入れるなどして、誤字や脱字、言葉の誤用、誤解を招くようなメッセージは徹底的に排除しましょう。
実態と言葉が一致している
短くまとめられているからといって、商品や企業の実態とキャッチコピーがかけ離れていては実際の魅力が伝わりません。キャッチコピーに引きつけられたターゲットが詳細な商品説明を読み始めたときに、「キャッチコピーと違う」「想像を裏切られた」と感じるのではなく、すんなりと興味から購入検討へ移行できるようにするためには、実態とキャッチコピーが一致していることが重要です。
ターゲットの心に刺さる
洗練されたキャッチコピーは、言葉そのものが頭に残り、心に刺さります。そこから連想されるライフスタイルや商品の使用環境は、商品そのものの魅力にもなり得ます。たとえば清涼飲料などのキャッチコピーは、ターゲットが商品を飲むシーンを想定し、オーバーラップするように制作されたものが多くあります。
キャッチコピーの試作や作成をした場合、以上4点の条件に当てはまるかを必ず確かめてみましょう。
キャッチコピーの作り方
相手に「伝える」ことを目的としたキャッチコピーの場合、作り方は以下の通りです。
- 伝えたい「相手」を決める
- 相手に抱いてほしい「イメージ」を考える
- 伝える「メッセージ」を絞り込む
- 伝えたいメッセージを表現する言葉を挙げ、組み合わせる
マーケティングの全ての手段に言えることですが、相手(ターゲット)を設定しなくては計画をスタートできません。企業イメージを伝えるキャッチコピーならまず、BtoBかBtoCか、エンドユーザーか全ステークホルダーが相手かなどを考えます。その上で、相手にどのような企業イメージを抱いてほしいかを決め、自社のどんな側面を強調したいかというメッセージを絞り込みます。そのメッセージを的確に表現する言葉をたくさん挙げ、言葉の組み合わせ、構文の正しさ、全体のバランスなどを意識しながらキャッチコピーの形にします。
相手に「リアクションを起こしてもらう」ことを目的とするキャッチコピーの作り方としては、上述の4点に加えて、行動を起こす必要性をアピールする必要があります。たとえば「もうお持ちですか?」「今年限定の」「今すぐチェック」など、行動を喚起する言葉を入れる作り方もあります。
キャッチコピー作りの10の必勝テクニック
基本的な作り方に加え、以下に挙げる10のテクニックは、特にスモールビジネスにおいてキャッチコピーの効果を高めることに役立ちます。ただし、これら全てをかならず踏まえなくてはいけないということではなく、商品特性や方向性によって必要な要素を取捨選択しましょう。
1.「何を伝えたいか」を明快に表現
誰もが知っているような大企業や既に知名度のある商品のテレビコマーシャルなどには、抽象的なキャッチコピーが登場することがあります。広く認知され、社会的な立ち位置が確立されている企業や商品であれば、そのものについての説明が不要だからです。つまり、抽象的なキャッチコピーはスモールビジネス向けではないといえます。あくまで「伝えたいこと」が明確に伝わるキャッチコピーを心がけましょう。
2. 客観的な視点を忘れない
制作者が使いたい表現を盛り込んだだけのキャッチコピーは、自己満足の印象を与えてしまいます。読んだ人がどう感じるかを主体に、客観的な視点を意識しながら作成しましょう。
3. 使用イメージをはっきり持つ
キャッチコピーは作って終わりではなく、ポスターやウェブページに掲載し、コマーシャルに使われることもあります。実際の掲載イメージや発音、語感なども想像してみましょう。
4. 発見、驚き、刺激をプラス
「未体験の食感」「これで油汚れの悩みが解決」「常識を変える質感」など、読み手が思わず「もっと知りたい」「体験したい」と思うようなフレーズを使うことで、発見や驚きといった要素をプラスできます。
5. 感情・欲求を揺さぶる
お客様の声や販売状況を引用したキャッチコピーの例として、「“買ってよかった”を実感できる」「ラブコールにお応えして再販決定!」「SNSでバズった商品が再入荷!」などがあります。これらはキャッチコピーを読んだ人の注意を引き、既に多数の購入者がいる事実を提示することで、訴求力が高まります。
6. 数字でアピール
商品を利用することによる効果を伝えたいときには、数字を使うと効果的です。ただし、数字を使う際はその信ぴょう性や正確性に注意しましょう。「顧客満足度90%のアフターサービスが自慢です」「通算販売数1,000枚突破の高機能ソックス」などのキャッチコピーを使う際には、その数字が何を基準とし、どのように計測・計算されたものであるかという説明を添えることで、ユーザーからの信頼を獲得することができます。キャッチコピーに限らず、ブログタイトルなどでも数字を含む文字列は目を引きクリックされやすいと一般的にいわれています。
7. 専門性やオーソリティーの力を借りる
専門性や安全性が求められる商品であれば、「◯◯大学教授も推薦」「◯◯のおすすめ」などの事実が商品の信頼性を高めます。
8. 抽象的 VS 具体的、どちらが必要か的確に
たとえばソフトウェアなど実物が見えにくい商品のキャッチコピーなら、具体的かつ実体を想像しやすい言葉選びが要となります。逆に、実体のわかりやすい衣類などが対象であれば、触り心地や色合いなどを抽象的な表現によって相手の想像力を喚起することも可能です。
9. ネガティブさを前面に出さない
キャッチコピーの中には、相手の飢餓感や恐怖、不安に訴えかけるものも時として有効です。「◯◯、まだ持ってない?」といった言葉は注意を引く力がある反面、使い方によっては相手にネガティブなイメージを与えることもあるので要注意です。
10. 既存のキャッチコピーとの類似性に注意
語呂が良い、耳障りが良いと感じるテキストは、既存のキャッチコピーとの類似を念のため考えましょう。オリジナリティーがないものはキャッチコピーとしての効果が低くなります。
他社のキャッチコピーを目にしたら、これらテクニックのうちどれが使われているかを分析してみると、キャッチコピー作りの参考になるはずです。
キャッチコピーの効果を測定するには
キャッチコピーは作って終わりではなく、数字を通して何がお客様に刺さり、何が刺さっていないのかを具体的に把握するまでの過程が大切です。キャッチコピーが売り上げを100%左右しているとは限りませんが、数字を正確に知ることで「この商品の売れ行きは低調だから、キャッチコピーを書き直してみよう」など、次のアクションにつなげることができます。また新商品のキャッチコピーを考える際にはこういった過去の分析が特に役に立つかもしれません。
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商品詳細の部分にキャッチコピーを入れたり、商品名にそのままキャッチコピーを入れるのもいいでしょう。小売店向けのオンラインショップの作り方については、「小売業向けSquare オンラインビジネスに関するFAQ」をお役立てください。
POSレジとオンラインショップのどちらもSquareにすると、在庫管理が一段と楽になります。一つのアカウントで実店舗とオンラインショップの両方を管理できるので、片方で商品が売れたときに、もう片方にも最新の在庫情報が反映されます。このように在庫情報が連動すると、店舗とオンラインで在庫を分けて管理しなくて済むので、管理にかける時間も削減できるでしょう。
この記事ではお客様の心をつかみ、売り上げを伸ばしていくうえで重要な役割を果たすキャッチコピーについて説明をしてきました。キャッチコピーの作り方に迷ったら、この記事で紹介したテクニックを参考に組み立てていきましょう。さらに一度作ったコピーをそのまま何年も使い続けるのではなく、定期的に効果測定をし、必要であれば何度でも改良を重ねていきましょう。正解のないことを続けていくのは大変なことですが、傾向を細かく追うことで自店舗にとって何が効果的かが見えてくるかもしれません。
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執筆は2019年10月28日時点の情報を参照しています。2023年2月1日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash