ECサイトにクレジットカード決済を導入するメリット・注意点を紹介

店舗に行かなくても、いつでも・どこからでも購入できるECサイトの利用者が近年増加傾向にあります。ところがECサイトを運営していても、ユーザーが希望する決済方法が用意されていなければ、せっかくの販売機会を逃してしまうことも考えられます。機会損失を防ぐためにはあらゆる決済方法に対応しておくことが望ましいですが、優先的に対応したいのは利用率の高い決済方法です。

この記事ではECサイトでよく利用される決済方法を紹介しつつ、中でも利用率の高いクレジットカード決済に対応するメリットや注意点を紹介します。

目次



ECサイトで利用される主要な決済方法

ECサイト上でよく利用されている主な決済方法には以下の五つが挙げられます。

1. クレジットカード決済

ECサイト上の決済方法として、クレジットカード決済を利用する人が圧倒的に多いようです。総務省が公表している令和3年版の情報通信白書では、インターネットで商品購入をする際の決済方法としてクレジットカード払いを選ぶ人が8割近くにも及んでいました。SBペイメントサービス株式会社が発表していた調査でもクレジットカード決済を利用する人が最も多く、総務省の調査結果と同じく調査対象者の8割近くが利用していたことがわかっています。

参考:
第2部 基本データと政策動向(総務省)
ネットショッピング・ECサイトで利用されている決済手段ランキング(2021年10月5日、SBペイメントサービス株式会社)

クレジットカード決済はカード情報を入力すればその場で決済が完了でき、カード会社によっては買い物した分のポイントを貯めることもできます。カード情報をECサイト上で登録しておける機能があれば、次回同じECサイトを利用する際に情報を再度入力する作業が省け、お客様はよりスムーズに購入を済ませることができます。運営側にとっては後述するコンビニ決済や銀行振込のように支払遅延の恐れがない点が大きなメリットといえるでしょう。

2. コンビニ決済

総務省の調査結果では、クレジットカード決済の次に利用率が高いのはコンビニ決済(38.8%)でした。

コンビニ決済は商品購入時に発行された番号をもとに、コンビニで支払う決済方法です。コンビニ決済には二種類の方法があり、一つは決済の確認が取れてから商品を発送する「前払い式」で、もう一つはお客様が商品を受け取ってから決済をする「後払い式」です。コンビニ決済を導入するメリットは、クレジットカードが作れない18歳未満のお客様にも購入機会があることです。ただし後払い式を導入した場合、支払遅延の可能性が考えられます。売上額の回収が遅れると、資金繰りが苦しくなることもあるかもしれません。

3. 代金引換

総務省の調査で3番目に利用者が多かったのは代金引換(26.2%)でした。利用の流れとしては、商品を届けた配送員が購入者から購入額(振込手数料や代引手数料も含む)を回収し、運送会社が指定口座に購入額を振り込みます。

代金引換もコンビニ決済のようにクレジットカードを持っていない層にとって利用しやすい決済方法で、お客様は自宅の玄関で快適に支払いを済ませることができます。ただし手数料が多くかかる点はお客様にとってはネックとなるかもしれません。

4. 銀行振込

ECサイト側が指定する銀行口座に購入額を振り込んでもらう銀行振込(郵便局の窓口、ATM振込を含む)は、総務省の調査で代金引換の次に利用率が高い決済方法(23.9%)でした。銀行振込は昔からある決済方法のため、若年層から高齢者まで幅広い世代が親しみを持つ決済方法です。ただしお客様がインターネットバンキングを利用していない限り、ATMなどに足を運んでもらう必要があるため、お客様の都合によっては支払いが遅れる可能性もなきにしもあらずです。

5. キャリア決済

NTTドコモをはじめ、携帯電話会社で登録しているIDとパスワードを利用し、毎月の携帯電話料金に上乗せして支払う方法を「キャリア決済」といいます。利用者は比較的少なく、前述の総務省の調査では対象者のうち16.9%が利用していると回答していました。クレジットカード決済のようにその場で決済が完了するため、代金未回収の心配が少ない決済方法です。場合によっては個人情報の入力も省かれるため、利用者はほとんど手間なく購入を済ませることができます。

ECサイトにクレジットカード決済を導入するメリット

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あらゆるニーズに応えるためにも複数の決済方法に対応しておくことが理想的ではありますが、全てに対応できない場合、まず導入しておきたいのはクレジットカード決済です。その理由を見ていきましょう。

売り上げの拡大につながる

前述の調査結果にもあったようにクレジットカードでの支払いを希望する消費者が大多数を占めていることから、「ECサイトではクレジットカードが使えて当たり前」と思う人も少なくないでしょう。

ある調査によれば、最も利用したい決済方法がなかった場合「他のネットショップで同じ商品を探して購入する」と答えた消費者が男性で63.5%、女性で61.3%にも及んでいます。オンラインショップを訪れた消費者を購入までつなげるためにも、クレジットカード決済への対応は大切だといえるでしょう。

参考:
令和2年版 情報通信白書 第2部(総務省)
【調査結果】ECサイトで希望の決済手段がない場合の離脱率は?(2019年9月13日、SBペイメントサービス株式会社)

売上代金未回収のリスクが低い

ECサイトで利用される主要な決済方法」の章でも紹介したように、クレジットカード決済以外には代金引換やコンビニ決済など商品がお客様の手元に届いてから決済が行われる後払い決済もあります。いずれもお客様からの入金を待たずに商品を発送できるものの、欠点として代金を回収できない可能性が挙げられます。

たとえば後払いの場合、購入者が入金をし忘れてしまうことが考えられます。代金引換の場合、購入者が度々不在で商品を受け取ることができなければ、販売者が返送用の費用を負担することとなります。

クレジットカード決済であれば購入と同時に支払いが完了するため、「代金が回収できないかも……」といったリスクを抱えることはありません。

ECサイトでクレジットカードを取り扱う際に気をつけたいこと

ECサイトでお客様のクレジットカードを取り扱う場合、情報漏えい対策や不正利用対策を徹底する必要があります。そのためには検討しているECサイト作成サービスや決済代行会社が通信データを暗号化する「常時SSL化」や、安全にクレジットカード決済を取り扱うためのセキュリティー基準である「PCI DSS」に準拠しているかを確認しておくことをおすすめします。

いずれも事業者自身で導入しようとすると多額の費用がかかるものですが、Squareであれば、どちらにも対応したクレジットカード決済対応のECサイトを無料で開設することができます。

クレジットカード決済のセキュリティー対策について詳しくは、「事業者が知っておきたいカード決済の不正被害と対策」「クレジットカード決済にまつわるセキュリティ強化方法」の記事もぜひ参考にしてみてください。

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ECサイトの決済代行会社の選び方

クレジットカード決済に対応したECサイトを開設するには、決済代行会社、あるいはカート機能のあるECサイト作成サービスを選ぶ必要が出てきます。その際に重要視したいポイントをいくつか紹介します。

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導入や運営にかかるコスト

導入と運営にかかるコストは、サービスによって大きく異なる点です。専門家に依頼して既存のウェブサイトに決済機能を組み込むのであれば、改修コストも追加でかかるでしょう。

最近では導入・運営コストなしにクレジットカード決済に対応したECサイトを開設できるサービスも登場しています。たとえばSquareなら決済ごとにかかる手数料のみでクレジットカード決済に対応したECサイトを運営することができます。なかには決済手数料のほかに販売手数料やサービス利用料などがかかるサービスもあるので、検討の際には具体的にどのような手数料がかかるのかもよく確認しておくといいでしょう。

自社ウェブサイトに対応しているか

既存のウェブサイトにクレジットカード決済機能を導入したい場合には、利用しているシステムに組み込める構築パッケージを提供している決済代行会社を見つける必要があるでしょう。たとえばWordPressを利用してサイトを構築している場合は、Welcartというプラグインを利用することで既存サイトに決済機能を追加することができます。プログラミングの知識がなかったり、パソコンの操作があまり得意でなかったりする場合は、専門家に導入業務を委託することも視野に入れておきましょう。

入金サイクルは理想的か

入金サイクルも導入・運営コストと同じようにサービスごとに差が出てくる点です。売上額を二カ月に一回まとめて振り込むサービスもあれば、Squareのように最短翌営業日に売上額が手に入る入金サイクルの短いサービスもあります。資金繰りを左右する入金サイクルは、決済代行会社・ECサイト作成サービスを決める際に特に注目しておきたい点かもしれません。

実店舗と連携できるか

実店舗と並行してECサイトを運営する場合は、売り上げや在庫情報を店舗間で同期できると管理業務が一段と楽になります。実店舗との連携が可能かどうかは決済代行会社やECサイト作成サービスの公式サイトから確認しておくといいでしょう。

Squareでは、Square POSレジで実店舗の決済を受け付け、Square オンラインビジネスでECサイトの決済を受け付けると在庫と売り上げを一つのアカウントから管理できるようになります。加えて店舗で商品が売れたら、ECサイト上の在庫も調整されるよう設定することもできます。

Square POSレジもSquare オンラインビジネスも無料アカウントを作成するだけですぐに利用をはじめられるので、一度機能の使い心地を試してみるのもいいかもしれません。

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感染症の影響もあり、ネットショッピングは多くの消費者にとって生活に欠かせないものになってきています。ビジネスも増加するニーズに応えていけるよう、実店舗に限らずECサイトを運営していくことが求められます。この記事ではECサイトでの購入において特に利用率が高いクレジットカード決済を導入するメリットや注意点について解説してきました。入金サイクルやコストなどに注目しながら、自店舗に合った方法でクレジットカード決済に対応してみてはいかがでしょうか。


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執筆は2018年6月5日時点の情報を参照しています。2022年1月24日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash