7月下旬から子どもたちにとって楽しい夏休みが始まります。夏休みの期間は地域によって異なりますが、30日以上ある長い休みは、子どもにとっては勉強や学校から解放される自由な期間である一方、充実した夏休みをどう過ごすかは保護者にとって深刻な悩みのようです。
飲食店や小売店、子ども向けの学習塾や英会話教室にとって夏休みは集客のチャンスでもあります。保護者の悩みを解決するようなイベントやキャンペーンを行うことで、新たな客層を取り入れましょう。
夏休みとは
今では当たり前になっている、夏休み。
日本の学校制度は明治時代に定められた法令、学校制度(学制)から始まっています。教育面の近代化を目指したこの法令では、学区や全都道府県における学校の設置、義務教育期間等を定めています。夏休みは法令内では明言されていませんが、欧米の影響を受けて徐々に全国に広まったようです。
暑さで学習に集中できない期間中、普段できない課外学習を経験したり、家族と旅行に出かけたりする夏休みは、地域によっても期間にばらつきがあります。例えば、札幌市では7月26日から8月20日まで、東京都では7月21日から8月31日までと、札幌市と東京都では16日間の違いがあります。
最近では静岡県吉田町が授業日を増やすことを目的に、学校にエアコンを導入し、夏休み期間を最短10日間に短縮することを発表し、話題になりました。
夏休みは悩みのタネ
少し前のデータになりますが、Benesse教育研究開発センターが2009年に実施した小学生の夏休み調査ー小学生の保護者を対象としてーを見ると、 遊びは増えても家庭学習の時間が増えない、体験した活動が多いほど夏休みは楽しい!、親にとって経済的負担も大きい、自主的に宿題ができる子は4割、など保護者の悩みが見え隠れします。
保護者が家にいる場合は、昼食の準備や毎日のアクティビティーの準備、共働きの家庭だと学童に持っていくお弁当の用意に苦労したり、学童ばかりで子どもが飽きてしまうのではないかと悩むことが多いようです。
またどの家庭でも共通する悩みとして、子どもに規則正しい生活を送らせることや宿題をやらせること、夏休みのイベントに伴う経済的負担があるようです。
そんな悩める保護者の方に向けて、どんなキャンペーンやイベントができるでしょうか。
子ども連れを歓迎する
普段大人しか行けない場所を、夏休みの間だけキッズフレンドリーな場所にしませんか。例えば、ヨガやピラティスなどのフィットネススタジオのオーナーなら、子どもと一緒にできるようなクラスや、子ども向けのクラスを開いてみてはいかがでしょうか。
また、会社でも社員の子連れ出社を認めてみてはいかがでしょうか。もちろん、夏休みの期間中子どものいる社員が全員子連れ出社をしたら、業務に差し障りがあるかもしれないので、期間を決める等ルールを設けて実施することで、普段あまり子どもと一緒にいられないと悩むお父さんお母さん社員の悩み解決に繋がるかもしれません。子どもにとっても保護者の普段とは違う姿を垣間見る良い機会になります。
親子割引を実施する
夏休みの期間中は、普段は学校に行っている時間帯でも街中で子どもの姿を見かけるようになります。低学年の子どもだと保護者と一緒に行動することも多くなります。
親子で訪れた場合には親子割引をしてみてはいかがでしょうか。経済的負担が気になる夏休み、多少なりとも割引が効くお店を保護者は選ぶのではないでしょうか。
小4の壁という言葉を聞いたことあるでしょうか。子どもの精神面の成長や学習面の変化など、小学校4年生から保護者が比較的壁にぶつかることが多いことを指しています。この中には夏休みの悩みも含まれます。学童は小3までと定めている自治体が多く、そのため小4の夏休みはどうすれば良いのか、頭を抱える保護者が多いようです。
高学年になれば電車やバスに乗って、塾や祖父母の家に一人で通う機会も出てきます。飲食店ならそんな子ども向けのキッズプリペイドカードを発行してみてはどうでしょうか。チャージは保護者が行うので、子どもは大金を持つ必要はありません。また、「一回の利用額は500円まで」「注文はキッズドリンクとアイスクリームのみ」と利用のルールもあると、保護者は安心して子どもを一人で行かせることができます。
参考:いいことだらけ!今すぐギフトカードを導入するべき理由まとめ
宿題ができる場所を提供する
保護者にとっての懸念事項、宿題。前述のBenesse教育研究開発センターの調査によると、7割の保護者が「宿題しなさい」と子どもに声をかけているようです。保護者もつきっきりで宿題の進捗を見てあげるのは難しいのではないでしょうか。
子ども向けの塾や教室を開いているのでしたら、夏期講習はもちろんのこと、普段は午後からしか開けない教室を午前中から開けて、「自習室として利用できます」「宿題の質問に答えます」「自習室にはお友達を連れてきてもOK」と保護者向けにメールをしてみてはいかがでしょうか。
もちろん教室を開ける時間を伸ばす分、コストがかかります。しかし、既に通っている生徒が連れてきてくれる同級生は、教室を気に入ってくれれば生徒になってくれる可能性が高いので、良い投資として捉えることができます。
参考:少子化時代を生き残る、子ども向けの塾や英会話教室を経営するには
期間限定キャンペーンを行う
子どもも保護者も生活のペースが変わる夏休み。この時期は家事代行サービスにとって集客のチャンスでもあります。お盆に合わせて親族が上京するので、その前に家の掃除をしておきたい。子どもと外出することが多い分、家事に手が回らない。夏休みのプールの送り迎えを誰かにお願いしたい。このような需要に応えて、夏休みと期間を限定して、割引キャンペーンを行ってみてはいかがでしょうか。
子ども向けのイベントを開催する
夏休みの子ども向けイベント、定番ですがやはり保護者にとっては子どもを連れていける場所が増えるのは嬉しいものです。
特に夏休みの自由研究を手助けするようなイベントは集客もしやすいのではないでしょうか。前述の調査によれば、模型作りや美術作品作り、動植物や気象現象の観察が人気があるようです。
大型の作品作り、大人の付き添いが必要な工具を使った模型作り等、家庭ではできないような自由研究ができるイベントを開催したり、「1日店長体験」のようなイベントも保護者にとっては子どもを預ける場所ができるので喜ばれるかもしれません。
保護者同伴にしても、子どもを預かるにしても安全への配慮は欠かせません。一方で、楽しい体験をした場所は保護者も子どももまた訪れたいと思うものです。安定した固定客を増やすためにも、楽しいイベントを開いてみてはいかがでしょうか。
執筆は2017年7月7日時点の情報を参照しています。
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