エクササイズや健康促進、気分転換の一環として習う人も多いヨガ。インドから世界中に広がり、日本でも何度かブームが起きています。今ではあちらこちらでヨガスタジオを見かけるようになりました。ヨガを学ぶうちに、学ぶ側からインストラクターとして教える側になりたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
教えるのに資格は必要か
講師やインストラクターとして教えるのに国家資格の取得等は必要ありません。ただし、今まで教えた経験がなかったり、インストラクターとしてのトレーニングを受けたことがなかったりする場合、なかなか講師として活動をするのは難しいかもしれません。多くの方が国内、もしくは海外のヨガスクールのインストラクター養成コースに通ったり、有名なヨガインストラクターの元で学んだのち、講師として独立することが多いようです。
週末副業として教える
いきなりヨガだけで生計を立てるのは心配という場合、本業の傍ら週末だけ副業としてヨガを教えてみるのも選択肢として考えられます。まずは週1のクラスから始めて、少しずつ講師としての自信を身につけていくことも良いかもしれません。
まず、副業が可能かどうか現在勤めている会社の就業規則を確認してみましょう。
レンタルスペースで教える
ヨガは最低限ヨガマットを敷くスペースがあればできるので、他のスポーツに比べて設備投資があまり必要がないと言えます。また、副業なら教える時間が限られているので、できるだけ設備のコストは抑えたいものです。
もし、自宅のスペースに余裕があればリビングや客間を片付けて、週末だけヨガスタジオとして利用することも可能です。また、地元の公民館や運動施設を借りて、「高齢者向けのヨガ教室」、「ママとキッズ向けのヨガ教室」など地域住民を対象とした教室を開くのも手です。最近ではお寺でヨガ教室が開かれていることもありますので、近くのお寺に相談してみるのも良いかもしれません。
ただし、更衣スペースがなかったり、BGMをかけるのに制限があったりと、レンタルスペースにはデメリットもあります。
委託契約で教える
大手のヨガスクールやスポーツジムには、業務委託という形で教えているインストラクターが大勢います。フリーランスのヨガインストラクターとして一つ、もしくは複数の教室で教えることもできますし、副業として週に1、2回だけ教えることもできます。各スクールごとに運営方針や教室の形態が異なりますので、ご自身に合った場所を選んでみてはいかがでしょうか。
自分のスタジオを開く
講師として経験を積んできたら、次は自分だけのスタジオを持ちたいと考えるかもしれません。レンタルスペースや講師契約で教えるヨガスクールとは違って、自分の理想通りのスタジオを持つのはワクワクする一方、ヨガを教える以外に経営者としての業務も自然と増えます。
設備投資があまり必要ないと言っても、物件を購入もしくはレンタルし、受付・教室・更衣室・トイレ等のスタジオとしての機能を整え、生徒に貸すマット等のグッズを買い揃える等、オープンにはある程度お金がかかります。金融機関等から資金調達を行う時に必要となる事業計画書の書き方についてはこちらの記事をご覧ください。
そして、スタジオオープン後に大切なのは安定した収入、つまり定期的に通ってきてくれる生徒の確保です。個人経営の小さなヨガスタジオからスポーツジムのヨガクラスまでヨガを学ぶ機会は多くあります。その中でご自身のスタジオの特色、他にはない魅力を打ち出していかないと生徒を集めるのは難しいかもしれません。
ここで集客のポイントをいくつかお伝えします。
1. 立地に合わせた特色のあるクラス
ヨガは若い女性に比較的人気がありますが、一方で男性や年齢層が高い方は興味があるけれどちょっと通いにくいと感じているかもしれません。
ビジネス街に近いスタジオなら出勤前の早朝や夜に「男性限定ヨガ教室」や「肩こりが取れるヨガ教室」など近隣のサラリーマン向けの教室を開いたり、高齢者の住民が多い住宅街近くのスタジオなら平日の昼間に「シニア向けヨガ教室」や「筋肉の衰えを防ぐヨガ教室」を開いてみても良いかもしれません。
また、マンションや団地など子どもの多い地域ならヨガ教室の間は子どもを預かる等のサービスを行うなど、通いやすい工夫をすることが生徒の獲得に繋がります。
2. 近隣住民へのアピール活動
電車や車で遠方のヨガ教室に通うのはよほど熱中している人ではないでしょうか。殆どの人は通勤圏内や自宅から気軽に通える場所にある教室に通っています。近隣の人に情報を届けるにはチラシは地道ですが、有効な手段です。
また、看板も大切です。ヨガ教室は飲食店や小売店等と異なり、外から中の様子を伺うのはなかなか難しいです。「少人数クラス」や「予約無しで参加可能」、「マットやウェアを無料で貸します」等、気軽に参加できるポイントを看板に盛り込みましょう。
SNSの更新も大切です。「今日は19時からクラスがあります」など、毎日のスケジュールをこまめに伝えましょう。かんたんなヨガのポーズを動画や画像で載せるのも良いかもしれません。
3. 生徒との適度な距離感
一度来てくれた生徒とは次回のクラスにも繋がるように良い関係を築きたいものです。例えば、生徒の名前を覚えて指導時に呼んだり、クラスの前後に雑談を通して普段の生活の中でできるかんたんなポーズを教えたり、受付近くにお茶やお菓子を用意しておけば休憩時に生徒同士話が盛り上がることもあるかもしれません。
ただし、学校の部活やサークル等のように内輪すぎる雰囲気だと、初めての生徒は入りにくいと感じて次のクラスには来にくいかもしれません。冷たすぎず、かと言って内輪過ぎない適度な距離感を保つことが大切です。
顧客リストを作成し、職業やヨガに通う目的など生徒の情報をきちんとまとめておくことをおすすめします。
4. 利用料金には選択肢を
毎回その都度払ったり、毎月定額を払ったり、チケット制だったり、ヨガ教室の支払いには様々なパターンがあります。できるだけ選択肢を増やしたほうが生徒にとっては親切です。忙しくてなかなか定期的に通えない人にとっては都度払いの方が都合が良いですし、月に何度も通いたい人には月謝の方が良いかもしれません。チケット制には紙のチケットよりもお財布にしまいやすいカード形式がおすすめです。
参考:いいことだらけ!今すぐギフトカードを導入するべき理由まとめ
現金の持ち合わせがない時に備えてクレジットカードや電子マネーを含むキャッシュレス決済にも対応しておきましょう。また、月謝の需要がある程度多いのでしたら、 継続課金を利用するのも一つの手かもしれません。
執筆は2017年5月17日時点の情報を参照しています。2020年8月4日に記事の一部情報を更新しました。
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