コンビニエンスストアや家電量販店の店頭に並ぶ、デザインも発行会社も多種多様のプラスチックカード。これらはギフトカード、またはプリペイドカードと呼ばれています(ここではギフトカードと呼ぶことにします)。
贈り物としても、支払い手段としても利用する機会が多いギフトカードですが、今回はさらに一歩踏み込み、経営者にとってギフトカードを導入することで期待できる効果についてご紹介します。
目次
お客様にとってのギフトカード
プレゼントとして
ギフトカードの特徴は、繰り返しチャージが可能なカード形式であること。記念日やお祝いごとはもちろん、初回のチャージ額を好きな金額に設定できるので、日頃からお世話になっている人へのちょっとしたプレゼントにも利用できます。取扱店によってはデザインが選べるので、送り主の好みやセンスを反映したカードを贈ることもできます。
必ず喜んでもらえるようなプレゼントを贈ることは至難の技です。とはいえ、現金をそのまま贈ることにためらいを感じる人は多いのではないでしょうか。好きなものを好きなときに買えるギフトカードは、プレゼントを選ぶ自由を贈る相手にさりげなく渡すという意味で、いわば新しいスタイルの贈り物と呼べるでしょう。
保管しやすいカード型
ギフトカードをプレゼントされるほうにとっても、保管に手間がかかる紙製の商品券やギフト券とは異なり、他のカード類と一緒に財布に収納できるというメリットがあります。かさばることもなく紛失の心配も少なくなります。
誰でも安心して使える
ギフトカードは、利用者の幅も広げます。クレジットカードと異なり、ギフトカードは利用時に個人情報のやり取りが発生しません。したがって、クレジットカードを使うことに不安を感じている人や、クレジットカードを作れない中学生・高校生、お子さんのクレジットカード利用はまだ早いと保護者が考えている場合など、あらかじめチャージした金額分しか利用できないので安心して使えるという利点があります。
オンラインでも活躍
取扱店によっては、オンライン店舗でもギフトカードを使える場合があります。遠方に住んでいて来店が難しい方へのプレゼントにするのも良いアイデアでしょう。また、ネット決済に不安を抱いているお客様にとっても、安心して利用できる決済手段ではないでしょうか。
お店のグッズとして
リピーター客にとっても、お気に入りのお店に独自のギフトカードがあるということは嬉しいものです。家族や友人にお店を勧めたい時のプレゼントに最適です。
ギフトカード導入がもたらすメリット
ギフトカードの利用がお客様の購買行動にどのような効果をもたらすのかについてご紹介してきました。次に、ギフトカードの利用が店舗側に与えるメリットについて考えていきましょう。
売り上げの確保
利用者にとってのメリットである携帯性は、持ち運びやすさだけでなく、利用のしやすさ(支払い時の利用のしやすさ)という意味で店舗側にとってのメリットにもなります。
たとえば、現金を持ち合わせていないときに財布にギフトカードが入っていると、すぐに使おうとする傾向にあるお客様が多いようです。また、「現金では買おうと思わないけど、ギフトカードでなら」という心理が働き、通常では購入の検討に入らないような商品に対する需要が掘り起こされることがあります。
予定していた買い物にギフトカード分の金額を足して想定よりも高価なものを買ったりと、客単価を上げる効果も期待できます。
また、チャージ時にまとまった金額の支払いがあるため、売り上げの早期確保につながります。
管理の効率化とブランド認知
紙製の商品券やギフト券は、回収・集計にかかるコストが問題でした。チャージ式のカードタイプであれば、発行後は同一カードを使い続けることができるので、店舗側で管理する負担の削減になります。
また、カードのデザインに店名やロゴを盛り込むことで、お客様が長期間利用してくれれば、ブランドの認知度向上も見込めるでしょう。
顧客の囲い込み
ギフトカード利用時は5%引きになるなどの特典をつけてみましょう。「現金で払うよりギフトカードを使って払ったほうがお得」と感じてもらえれば、同一カードを繰り返しチャージして利用するお客様も増えていきます。他店にお客様が流れてしまうことなく、顧客の囲い込みを狙えます。
また、リピーター客がギフトカードを家族や友人にプレゼントすることで、新規のお客様の集客チャンスが期待できます。
ギフトカードとプロモーション
贈り物として、決済手段の一つとして、顧客の囲い込み手段として、ギフトカードは利用者にとっても店舗側にとっても多くのメリットがあることがわかりました。
しかし、ギフトカードには、単なる商品や決済手段の一つとしてだけでなく、プロモーションツールとしての役割があることを忘れてはいけません。
ギフトカードを既存の商品やサービスと組み合わせることで、より大きな経営効果をもたらします。プロモーションを通して、「ギフトカードを使うといいことがある」という認識を持ってもらうことに成功すれば、積極的にギフトカードを購入・利用するお客様が増えていくでしょう。
そのためにも、ギフトカードの存在とメリットを周知し、お客様がギフトカードを身近に感じられるようなプロモーションを行う必要があります。
例えば、セールやキャンペーン、イベント時の特典の一部にギフトカードを盛り込んでみましょう。新規会員登録をしたお客様には、少額をチャージしたギフトカードを無料で配布したり、一定額以上の購入をしたお客様には一部をギフトカードでキャッシュバックしたり、貯まったポイントの交換対象商品の一つにギフトカードを入れてみたり、お客様にギフトカードを使ってもらうきっかけを店舗側から積極的に提供してみましょう。
このように、ギフトカードをプロモーションツールとして利用することで、新規顧客の獲得に効果を発揮するのに加えて、リピーター客に対しては再来店の動機づけとして役立ちます。
季節やイベントに合わせてギフトカードのデザインを変更することも、お客様を楽しませるための要素です。
Squareのギフトカード
Squareでは、自店オリジナルのプリペイド式ギフトカードが注文できるサービスを提供しています。テンプレートからデザインを選ぶことも、オリジナルデザインを注文することもでき、1枚120円から作れるので、小規模な事業でも簡単に導入することができます。クレジットカードによるチャージ時以外は手数料は一切かかりません。
Square データを使えば、ギフトカード利用時の売上分析も簡単に行えます。複数店舗を展開している場合でも、各店舗のギフトカードの利用状況を一元管理できます。
Squareのカード決済端末(Square リーダー)とPOSレジを組み合わせれば、同じレジ環境のまま支払いオプションでギフトカードによる決済を追加することができ、これまで通りの簡単な決済が実現します。もちろん、Square オンラインビジネスで作ったネットショップでの販売・支払受付も可能です。
いいことだらけのギフトカードの導入をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
執筆は2017年2月20日時点の情報を参照しています。2019年3月27日、2020年10月15日に記事の一部情報を更新しました。Photography provided by, Unsplash