革製品やアクセサリー、陶芸など。店舗を持っていない個人の作家が作品を売るには

大型量販店の進出やネット通販の浸透によって、いつでもどこでもリーズナブルに手早く買い物できるようになりました。一方で「ここでしか買えない」「一つずつ手作りしている」「好みやサイズに合わせたオーダーメイド」といった特別感のある買い物に対して需要があるのも事実です。

自分の好みにぴったり合うものを探している人、作り手の世界観に共感して買い物をしたい人。これらの要望を持つ方は、「作家」と呼ばれる個人の作り手から何かを買うことが多いのではないのでしょうか。

今回は作家として独立を目指している、自分の作品を売りたいと考えている方に向けて店舗を持たずに販売する方法をお伝えします。

個人事業主、もしくは法人として開業する

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陶芸や衣服、アクセサリー、家具など、ものを作るのに資格はほとんど必要ありません。おそらく専門の学校で勉強したり、師匠となる人のもとで修業を重ねた上で、独立するケースが多いのではないでしょうか。

独立をする場合、個人事業主として営業するか、もしくは法人を設立して営業することになります。個人事業主は開業届を出すだけで手間ひまがかからないのに対して、法人の開業には「法人格」としての扱いを受ける上で定款の作成などが必要です。その分、法人の方が社会的信用度が高いと言われますし、税制上の扱いも変わってきます。

開業にかかる時間・費用、また他の仕事と並行して作家活動をするのか、作家一本で生計を立てたいのかにもよって個人か法人か選択は変わってくるので、メリット・デメリットを把握した上でご自身の状況に合った独立の方法を選んでみてください。

参考:自営業に給与明細はない!?年収の求め方と上げ方

作品を発信する場所をつくる

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個人事業主か、法人かは作品を買う側からしてみたら、そんなに大切なことではないかもしれません。買う人が重視するのは、「どんな作品を、どこで、いくら位の値段で買えるか」ではないでしょうか。

どんな想いを込めて作品を作っているのか、使っている材料や作っている場所、これらの情報も消費者によっては重視する点かもしれません。開業にあたってホームページや作家としてのプロフィールは必須といえるでしょう。宣伝用の写真やプロフィールはイベント出展の時にも活用できます。

参考:
飲食店が独自ウェブサイトを持つべき理由
自分を売り込む集客ツール「プロフィール」の書き方

リアルタイムで情報を更新したり、お客様とのコミュニケーションツールとして使えるソーシャルメディアのアカウント開設もおすすめです。

参考:知名度・集客力アップ!飲食店のためのInstagram使い方まとめ

マーケットに出店する

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各地で開かれているクラフトマーケット、陶器市、蚤の市などのイベントへの出店も集客としては有効な方法です。その場で大量に売ることができなかったとしても、将来お客様になってくれるかもしれない人と実際に対面でコミュニケーションを出来る場は貴重ではないでしょうか。

マーケットは規模も開催時期もそれぞれです。事前に審査があるものもあります。一回出店すると、他のイベントにも声がかかるなど、同じような作り手の方とのネットワーキングの場にもなるかもしれません。

出店の際には、Square POSレジやSquareのカードリーダーを事前に準備しておけば、当日はスマートフォンやタブレットをレジやクレジットカード決済端末として使えます。

参考:コミケにもカード決済が必要!?当日を最大に楽しむために、事前の準備を確認

店舗においてもらう

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作品の売り方としてよく見られるのはセレクトショップや雑貨店、アパレルショップ、カフェなどの店舗への委託販売です。

自分で店頭に立たなくてもお店の人が売ってくれるのでメリットも大きいですが、委託販売料として売上の一部はお店側に入ります。また、価格帯や作風によっては「うちのお店の客層と合わない」と言われることもあるかもしれません。また、納品のペースや数はある程度お店のリクエストに応える必要があります。

価格を無理に引き下げてしまうと作家として生活を続けるのが困難になりますし、無理な納品ペースでもし作品のクオリティが下がってしまったら評判にも関わります。委託販売を考えているなら、これらの点で納得できるお店での委託販売をおすすめします。

イベントを開く

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委託販売の良い点は実際に人が集まる場所に作品を置ける点です。もし、お店側で定期的に何かイベントを開いてるとしたら、参加してみるのも良いですし、可能なら場所を借りてイベントを開催することもできるかもしれません。

ドライフラワーのリース作りワークショップ、指輪作りクラス、陶芸家が作ったマグカップを使ったコーヒーの淹れ方教室等。本物の作家の技術やセンスをその場で教えてもらえるのはお客様にとっても非日常的な体験です。教わった後その足で作品を購入してくれるかもしれませんし、こうした体験をしたお客様はその後固定客化する可能性も高いのではないでしょうか。

オーダーメイドから固定客を作る

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固定客をつくる方法の一つにオーダーメイドがあります。結婚や出産、会社の創立記念、慶事に合わせて特別な贈り物を探しているお客様は多くいらっしゃいます。こうしたお客様向けに、好みに合わせたオーダーメイド、もしくは既存の作品をアレンジしたセミオーダーを提案することで、オーダー品を気に入ってくれたお客様は次回また注文をしてくれるかもしれません。

自宅や店舗にぴったりサイズや色が合う家具、自分の体にぴったり合うバックや靴・服を探しているお客様にもオーダーメイドは一つの選択肢です。ミリ単位で家具のサイズを調整します左右でサイズ違いの靴を作りますなど、オーダーメイドが出来ることをホームページやソーシャルメディア、名刺に入れると、「素敵だけど私には無理かも」と思っているお客様が諦めずに注文をしてくれるかもしれません。

自分のために誂えたものは大切に扱いたくなるし、また次も注文しようと思うものです。これらのお客様は生涯にわたる顧客になってくれるかもしれません。

請求方法にも工夫を

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アトリエや工房でものづくりをする作家で店舗を持っていない場合、お客様とのコミュニケーションを直接対面で行うことが難しくなります。ECサイトを利用しての販売も可能ですが、オーダーメイドなどに対応するためには、お客様と電話やメールを使ったやり取りは欠かせません。一方で作品作りに時間を割くためにも、請求書を印刷して郵送したり、口座に振込があったかどうかを確認する手間を省きたいのも本音ではないでしょうか。

Squareでは対面以外の決済手段も提供しています。Square 請求書ならメールで請求書を送ることができるので、印刷や郵送の手間が省けます。請求書を受け取ったお客様がクレジットカードで支払うと、最短翌営業日で振込がされます。振り込まれたかどうかの情報はスマホやタブレット上で確認できます。長期間かかるようなプロジェクトでは進捗状況に合わせて支払いスケジュールを設定したい、商品のカテゴリーごとに請求書のテンプレートをカスタマイズしたいなどの場合には、月額3,000円(税込)の有料プラン(Square 請求書Plus)がおすすめです。

また、電話口でカード情報を聞いてその場で決済を行うブラウザ決済もあります。ご自身やお客様にぴったりの決済方法を選んでみてはいかがでしょうか。

参考:【Squareで解決】店頭決済だけじゃない!電話やメールで受け付けた注文の決済

執筆は2017年6月21日時点の情報を参照しています。2021年9月17日に一部情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash